ジョージ・W・ブッシュが国土保証のために設置した数々の政策をアメリカ市民の自由を奪う方針だとか、ブッシュは独裁主義者だとか批判していたリベラルや左翼連中たちだが、彼らの王様オバマ王がまさにアメリカを独裁政権に「チェンジ」しようとしているというのに、危機感を持つどころかメディアもこぞって熱烈な応援をしている。
フォーブスのピーター・ロビンソン(Peter Robinson)はオバマ大統領の旗の元、アメリカは着実にバナナリパブリックに変貌しつつあると語る。(カカシ注:ここでいうバナナリパブリックとはリーダーのパーソナリティーに頼るキューバやベネズエラのような共和国とは名ばかりの独裁政権国家のことをいう。洋服のチェーン店とは無関係。)
バナナ共和主義は先ずパーソナリティカルトから始まる。ひとり大教祖的なカリズマのある人物が「我こそは指導者なり!」と名乗りをあげる。
オバマはまさにこのカルトリーダーだ。オバマ王は皇太子時代の選挙運動で何一つ具体的な方針を発表しなかった。彼のキャンペーンはただただ「希望・ホープ」と「変革・チェンジ」というレトリックだけ。政治家として国内政治も外交も、なんの経験もない自分に自分の人格だけを信じてアメリカの将来をゆだねよと唱えたオバマに過半数のアメリカ人がひれ伏してしまったのだ。
ロビンソンはオバマが主催する仰々しい集会についても、政治家というよりカルトリーダー的な雰囲気が漂っているという。ベルリンの50万人のドイツ人を集めた演説、大統領候補受任の演説では通常のコンベンションセンターではなく、野外スタジアムに8万人もの群衆をあつめての演説。オバマの支持者は支持者というより単なる従者に成り下がった。
ジョージ・W・ブッシュが一言発音につまづいただけで一ヶ月以上も批判を浴びせた主流メディアは、オバマの「経済に責任を持つ」なんていう白々しい宣言とは裏腹な8千億ドルという献金報酬だらけの血税無駄遣い経済非活性案の調印に対して全く批判しない。国民の目を見ながら次から次へと公約を破っていくオバマ王に主流メディアは全く魅せられたように呆然とたちすくむのみ。
一端カルトリーダーが国民を魅了した後は、民営企業の国営化が始まる。すでにオバマは銀行や自動車産業への政府介入を堂々と提案しているし、民間の健康保健を全面的に廃止して国民保険だけにする意志をあきらかにしている。先日もお話したようにAIG幹部のボーナスを大仰に批判したのも、今後民間企業の幹部のボーナスの金額を政府が規制するための布石だったのだ。あきらかにオバマは民間企業国営化に向かってすすんでいる。
そして最後の段階は言論の弾圧だ。これは急には起きない。除所に真綿で首を絞めるようにおこなわれる。アメリカでは言論の自由は憲法補正案第一条において保証されているなどと考えるのは甘いとロビンソンは言う。それはフェアネスドクトリンを見れば明らかだと。
1987年に廃止されたフェアネスドクトリン(Fairness Doctrine)というのは、公共放送において、相反する意見を双方公平に報道しなければならないという法律だ。しかし、現在復活させられようとしているこの法律は公平どころか保守派の声を沈黙させるために使われることは明らかである。
以前にもお話したと思うが、アメリカのラジオトーク番組のほとんどは右よりの保守派ホストによって牛耳られている。別にラジオ局がリベラルや左翼のDJを嫌っているわけではなく、何故か左よりの番組はラジオでは全く人気がないのである。つまりこれは単なる自由市場の結果なのだ。ところが、新しく提案されているフェアネスドクトリンではラジオ局に左よりのホストを強制的に起用させようというのである。そのようなことをすれば、聴取者はラジオトークショーなど聴かなくなる。そうなればラジオトークショーそのものが破壊されてしまうだろう。無論オバマの狙いはそこにある。右翼や保守派が声のある唯一の場所を破壊し、言論の自由を弾圧することがオバマ王がこの法律を復活させる真の理由である。公平という名のもとに、いかに言論弾圧が容易く行われるか、アメリカ国民は油断禁物である。
パーソナリティーカルト、国営化、言論弾圧、すべてバナナ共和主義へのレシピである。オバマの信者達が「オバマ、オバマ!」と熱烈に叫ぶ中、オバマ王は確実にアメリカを独裁政権国家へと「チェンジ」しつつあるのだ。
こんな「チェンジ」誰が要る?


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