六日の日、朝のローラ・イングラムのラジオ番組を聞いていたら、天安門近くで中国の警察に一時的に拘束されたというキリスト教運動家の女性の電話インタビューがあった。このことについては朝日新聞も報道している。

 【北京=峯村健司】中国国営新華社通信によると、北京市中心部の天安門広場に近い国家博物館の近くで6日午後、3人の米国人が、中国で一人っ子政策を巡って一部の地方政府が強制堕胎をしているとされる問題について抗議活動をした。

 一方、同通信は6日夜、北京市内で同日、「チベットに自由を」などの横断幕を掲げてチベットの独立を訴えた、米国人2人と英国人2人の計4人に警察当局が国外退去を命じたと伝えた。
 6日、外国人による抗議活動が相次いだことについて、北京五輪組織委員会の孫偉徳・新聞宣伝部副部長は「五輪は世界的なスポーツの祭典でいかなる政治化の動きに対しても反対する」と述べた。

このアメリカ女性の話によると、オリンピック会場近くには一般人を装った警察官があちこちで見張りをしており、彼女たちが天安門で花を添えようとした途端に数人の男女に取り囲まれたという。そして彼女達が大きな声で強制堕胎反対などの声を上げると、さらにその周りをもっと多くの人たちが取り囲み口々に大声を出して活動家たちの姿も声も外から聞こえなくした。そして制服姿の警察官ではなく、私服の秘密警察官に5人は強制的に撤去され、建物のなかに連行されて椅子に投げるように座らされ尋問を受けたという。
活動家の女性は「私はつくづくアメリカ人で良かったと思いました。私が中国人だったら今頃は刑務所に拘留されこの先何年出てこれるかわかったものではありません。」と語っていた。
現にチャイナエイドによれば、先月からの手入れで210人の中国人キリスト教司教や信者たちが逮捕されているという。三月には8人のアメリカ人を含む10人のキリスト教外国人指導者が強制送還されている。
それを考えると彼らが一時間後には解放されたというのは、この程度で済んだなら幸運と言わざる負えない。
ウィグルで取材をしていた日本人記者たちのほうは、そう幸運ではなかったようである。

<テレビウォッチ>一昨日(8月4日)中国・新彊ウイグル自治区で武装警察が襲われて16人が死亡した現場を取材中だった日本テレビの記者らが、武装警察に連行され、拘束を受けて暴力を振るわれた事件の詳報を番組が伝えた。

日テレの記者は、やはり取材していた香港の取材班が連行される様子を自分のカメラで撮影し始めたところ、ともに連行され、武装警察の施設内で 2時間にわたって拘束され、顔面を殴られるなどした。記者は正規の手続きを踏んで取材し、拘束中も「日本の記者だ」と繰り返したにも拘わらず、武装警察側は聞き入れずに手荒な行為に及んだようだ。ようやく解放されて自宅に帰った記者のシャツには泥がこびりつき、殴られた顎の部分は黒くなっている。「若干、痛いです」と弱々しく話す。
武装警察について、中嶋嶺雄(国際教養大学学長)は、「警察と軍隊の中間的組織。中国人に対しては、ちょっとでも疑いがあると一方的に検挙したり、暴力を振るっている。外国の記者に暴行を加えるようなことは今までなかった。異例中の異例」と解説する。
事件翌日、地元政府関係者が記者を訪れて「大変申し訳ないことをした」と謝罪。
武装警察担当者は、「多くの犠牲者を出し感情が高ぶっていた隊員たちが記者の身分を分からずに行った行為であり、心情を理解してほしい」と述べたらしい。
江田けんじ(衆院議員)は、「日本なら特別公務員暴行陵虐罪が成立する。福田首相がオリンピックの開会式に出席して胡錦濤主席と会談するのだから、そこで厳重抗議と再発防止、報道の自由の確保を、首脳レベルでしっかり言う必要がある」と語る。それ以前にまず謝罪のことばがあるのが普通だと思うが……。

ま、何があっても謝らない中国政府が今回に限ってはすぐに謝ったというのは進歩といえば言えるが、オリンピック直前に国際問題を起こしたくないというのが本音だろう。
また、中国でオリンピック中にダルフールについて講演をする予定だった元オリンピック金メダリストのアメリカ人選手ジョーイ・チークさんが、中国訪問どたんばで入国ビザを取り消されるという出来事があった。これも朝のラジオでインタビューを聴いたのだが、彼の所属するグループには世界中のオリンピック選手も参加しているが、他の国の選手らはこの運動に参加するならオリンピック出場権利を剥奪すると脅されたという。
チーク選手の話だと、最初に中国でオリンピックが開かれるという話が出た時から、どうしてあんな人権迫害がひどい国でオリンピックなどするのかという批判の声がオリンピック選手の間でも上がったのだと言う。それについて世界オリンピック協会(IOC)に抗議したところ、IOCは中国でオリンピックを開くことで中国の人権問題の焦点を当てることが出来る。中国に対してオリンピック選手らの意見も多いに奨励すると語ったという。ところがオリンピックが近づくにつれ、選手らの抗議の声は厳しく制限されてきた。そして今回ついにビザの取り消しとなったわけだ。
これについてIOCは、判断は中国政府に任せるといって取りつく島もない。だいたいIOCが共産主義国に楯をつく根性があるなどと信じるほうが最初からお人好しだとしか言いようが無い。中国にオリンピク開催など許して、中国が人権問題を見直すなんてことがあるはずないではないか。IOCはもともとそんなことには興味がないのだ。どうせ中国から巨額の賄賂でももらっての決断だったのだろう。アホクサ!
今回のオリンピックでは、中国は汚い手段を使ってアメリカや日本選手からメダルを奪いとろうとするだろう。訳のわからない失格があったり、あからさまに不公平な審判があることは充分に覚悟すべきだ。
それでもアメリカはメダル数は世界一となることは先ず間違いないと思う。同じことが日本には言えないのは残念だが、中国の陰謀に負けずに日本選手にも是非がんばって頂きたい。
カカシは来週から四週間ほど日本へ出張なので、日本選手の活躍を日本で観ることが出来そうだ。


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