この間、アメリカの下院議会でナンシー・ペロシ議長が、アメリカ国内の原油発掘を解禁するかどうかという法案を賛成/反対という投票をしようという共和党の提案を拒否して決議見送りで夏休みに入った件に関し、日曜日の朝番組でABCテレビのジョージ・ステパノポリス司会がペロシ議長に、「どうして投票を行わないのですか?」と質問した。その時のペロシ議長の綱渡り的な答えにならない答えは面白い。

ペロシ議長: 私たち(民主党)が提案した解決策はガソリンスタンドで結果が出る策なのです。大統領に貯蓄ガソリンを解放してくださいと、、、、一億ガロン(3.78億リットル)の石油があるんですから。

司会者:でも共和党だけでなく、民主党の議員からも投票すべきだという声が上がっています。
ペロシ議長: これは(ブッシュ政権の)失敗したエネルギー政策から話をそらせようという企てなのです。
司会者: そういう議論をするならどうして投票をしないんですか?
ペロシ議長: なぜならこの対策がガソリンの値段を下げるという偽りがすでに述べられているからです。これはからくりです、解決策ではありません。
司会者: それが正しいなら、討論をして投票したらいいんじゃないですか?
ペロシ議長: これに関する討論なら毎日しています。しかし私たち守るべく惑星があるのです。
司会者: それはどういう意味ですか?他の議案と一緒なら許可するが単にこの法案だけの賛否を決める投票は許可しないということですか?
ペロシ議長: 私は、、そういうつもりは、、、私たちは原油を解放しろと提案しました。それには両党から強い支持があります、、
(略)
司会者: 彼ら(共和党)が国内発掘というアイディアがあるなら、なぜそれについて賛否を決める投票をさせないんですか?
ペロシ: それは、それは、、、彼らは想像力を使ってどうすれば投票を獲得できるか考えなければなりません。私がしようとしていることは、、、私たちは真剣な政策があり、、、
(略)
司会者: ちょっと明確にさせてください。議長は他の法案と一緒であれば、国内石油発掘を含んだ案でも投票を許可するつもりがあるという意味ですか?
ペロシ: いえ、私はそういうことは、、、(訳の解らない言い訳が続く、、、)
司会者: つまり、どんな場合でも投票させないということですね。私に解らないのは、そんなに大事な政策ならどうして投票を許可しないのかということなんです。

なぜかと言えば、投票を許可すれば案が通ってしまうとペロシ議長は充分に承知しているからだ。需要が多すぎて供給が足りないなら供給を増やすのが解決策だということくらい子供でも解る。非常時用にためてある貯蓄原油を今市場に流したりしたら、一時しのぎにはなっても問題の根本的な解決になどならない。第一平常時に非常時用の蓄えを使ってしまったら、本当の非常時にはどうするんだという質問にオバマを始め民主党は答えていない。
有権者の大多数が国内原油発掘を望んでいる。次の選挙で勝ちたい国会議員たちはそんなことは百も承知だ。だから今の段階でこの決議案が投票にかけられたら共和党だけでなく民主党からも賛成票が多くでて、決議案は通りに決まっている。ペロシ議長はそれを許す訳にはいかないのだ。
何故、民主党は国民の生活が楽になる原油の発掘を許可しないのか。その理由は社会主義の民主党にとって国民の生活は苦しい方が都合がいいからだ。国民が共和党の現政権下で苦労すればするほど民主党は自分たちの支持率が上がると信じている。そうやって民主党が今度の選挙でさらに議席を稼ぎ大統領も民主党から出るとなった暁には、生活に苦しむ国民に民主党の政府こそが国民を救えるのだと主張して税金を大幅に上げようという魂胆だ。
しかしペロし議員が甘く見ているのは有権者の判断力だ。アメリカの有権者も馬鹿ではない。アメリカ人の生活を楽にするために石油の自給力を高めようとする共和党とそれを阻止する民主党。どちらが国民の味方なのか、結構アメリカの有権者は正しい判断を下す可能性は高い。
共和党議員たちは、今後もこの線で、何故民主党が議会や政権を握ってはいいけないのか、はっきりアピールして行っていただきたい。


4 responses to アメリカ、どうして国内原油発掘では駄目なのか? ペロシ議長のしどろもどろな言い訳

hatch11 years ago

ペロシ議長のあたふたぶりは苺さんの言うとおり、民主党の政略に基づくものだと私も思います。
しかしながら、苺さんも言うとおり、所詮アラスカの原油埋蔵量も最大でアメリカの消費量の20年分でしかありません。思い出してください。第一次オイルショックはいつの話でしたか?
---Wikipedia オイルショックより------
1973年10月6日に第四次中東戦争が勃発。これをうけて10月16日に、石油輸出国機構(OPEC)に加盟のペルシア湾岸産油6カ国は、原油公示価格の21%引き上げと、原油生産の削減とイスラエル支援国への禁輸を決定。
さらに12月には,翌1974年1月より原油価格を2倍に引き上げると決定した。
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実に35年前です。
ついで、第二次オイルショックが1978年のイラン革命の時です。
これが30年前。
そして、30年前のアメリカ自動車産業のていたらくが次の通りです。
--http://blogs.yahoo.co.jp/tomkanemochi/20114578.html より--
・アメ車と日本車の差 1
 
車にまつわる話と言うと自家用車選びも後々の駐在生活に影響してくる決断の1つだ。免許取得後、アメリカ車(以降アメ車) にするか日本車にするか。単純だが、後々家計に響く大きな選択肢だった。
私までの歴代駐在員は折角アメリカに住むのだからと、最初はアメ車を購入することが成り行きとなっていた。
従って私をアテンドしてくれた先輩は、当然の如くアメ車のデーラーのみ、2-3社見に行って、その中から気に入ったものを即決に近い決め方で購入した。
その当時は折りしも第二次オイルショックの直後であり、燃費の悪いアメ車が、日本車に追い上げられていた時期で、アメ車も相当無理をして場当たり的な方法で車体を軽くしたりして燃費を下げようと試みていた年でもあった。
そんな時期であり、その年に製造したアメ車はその後リコール問題が多発するなど、最悪の出来だった。
この年代のアメ車の購入を選択したばかりに、相当苦労し、家計に響く損をしたのは、私だけではないはずだ。
とにかく、一万ドルでアメ車を購入後、半年経たないうちに調子が悪くなり、何故か保障の対象外の原因が多く自腹を切った修理費が3年で5千ドルに上った。さらに売却時には、千ドル余りとタダ同然の価格でしか引き取ってくれなかった。
同じ時期に日本車のコンパクトカーを購入した別部門の駐在員は、8千ドルで購入し、故障知らず(当たり前だが)で3年乗って中古で売ったところ、日本車の人気と新車の輸入価格の高騰により、8千5百ドルと買ったときよりも高く売れた。
まさに嘘のような本当の話であり、私のアメ車に纏わる損失との差額は、実に1万5千ドル(当時で約3百万円)。
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そして今、ついにビッグ3の自国内でのシェアが日本車のシェアに追い抜かれたそうです。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、は日本のことわざで、熱しやすく冷めやすい日本人の愚かさを象徴する言葉ですが、どうやらアメリカ人にも通用するようです。
30年前のビッグ3のていたらくぶりからアメリカ人は何も学んでいないのですか?
石油価格の高騰は今に始まった話ではないのです。
30年以上前からの話なのです。
それなのにわずか20年分でしかない埋蔵量のアラスカ原油の発掘の是非が
-----苺さんのエントリーから引用-------
有権者の大多数が国内原油発掘を望んでいる。次の選挙で勝ちたい国会議員たちは
そんなことは百も承知だ。だから今の段階でこの決議案が投票にかけられたら
共和党だけでなく民主党からも賛成票が多くでて、決議案は通りに決まっている。
ペロシ議長はそれを許す訳にはいかないのだ。
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こんなように政争に利用されるほどにアメリカ人は愚かなのですか?
つまり私は以下のように言いたいのです。
アメリカ人は本当に石油が枯渇するまで、燃費が悪いピックアップトラックに乗り続けたり、毎日、一時間以上車で通勤するようなライフスタイルを維持し続けるのでしょうか?
アメリカ人には技術開発力がないのですか?
職住接近の暮らしはそんなに嫌ですか?あるいは公共交通機関で通勤するのはだめですか?
本当に、ペロシ議長の政争に翻弄されるほど、アメリカ人は愚かなのでしょうか?

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Sachi11 years ago

hatchさん、
20年間でもアメリカが石油を自給できたら大したもんですよ。でも実際にはアラスカだけでなく、アメリカ沿岸のシェルオイルも発掘したらアメリカの自給力は半永久的だと聞いてます。大事なのはアメリカの自給ということよりも、中東の石油独占主義を崩壊することにあるのです。何故ならば、彼らはアメリカから得た石油ドルでテロリストを支援してるからです。
それにたとえアメリカが完全自給できなくても、アメリカがいくらかでも市場に原油を流せば、原油の値段は下がります。そこでサウジなどの経済にも影響が及ぶということです。

アメリカ人は本当に石油が枯渇するまで、燃費が悪いピックアップトラックに乗り続けたり、毎日、一時間以上車で通勤するようなライフスタイルを維持し続けるのでしょうか?
アメリカ人には技術開発力がないのですか?
職住接近の暮らしはそんなに嫌ですか?あるいは公共交通機関で通勤するのはだめですか?

通勤三時間の私には耳が痛いですね。(苦笑)でも、ハッチさんには是非カリフォルニアに来ていただいて、州高速の5番をサンディエゴからサクラメントまでドライブしていただきたいと思います。そうすればアメリカ人がピックアップトラックにのるのも、職場の近所に住めないのも、鉄道を簡単に利用できないのも、決して贅沢でやっているのではないことがお分かりいただけると思います。
ところで、この間借りたレンタルカーはガソリンと電気のハイブリッドで、非常に燃費のいいものでした。まだ市場では高すぎて多くの消費者には手が出ませんが、ああいうものが普通の値段になったら、アメリカ人もハイブリッドに乗る人が増えると思いますよ。
カカシ

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hatch11 years ago

苺さん、早速のレスありがとうございます。
うーーん、苺さんの言う
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でも、ハッチさんには是非カリフォルニアに来ていただいて、州高速の5番をサンディエゴからサクラメントまでドライブしていただきたいと思います。そうすればアメリカ人がピックアップトラックにのるのも、職場の近所に住めないのも、鉄道を簡単に利用できないのも、決して贅沢でやっているのではないことがお分かりいただけると思います。
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と言うのはよくわかりません。
推測するには、3時間のピックアップトラックの通勤が快適であり、多分、代替の公共交通機関がないと言うことなのだと思います。
それにしても、ハイブリッド車が庶民の手が届かない車というのが解せません。私が今乗っているのはトヨタのプリウスですが、価格は280万円です。アメリカでだって、ピックアップトラックより安いと思いますが?
それに私が一番問題にしたいのは、市販されているハイブリッド車が日本製だけだという問題です。
その技術がアメリカにないはずがないと思うのです。
以前のエントリーにも書きましたが、その時代のもっとも力のある国(覇権国と換言してもいいですが)はその時代でもっとも効率のいいエネルギーを持った国だと私は考えています。
半永久的に石油があったにしても、今現在、石炭が枯渇していなくても石油に取って代わったように、代替エネルギーが現れると私は思っています。
イギリスが石炭にこだわって没落したように、アメリカも石油にこだわって没落するのでしょうか?
今世界を見渡して、次のエネルギーの世界で覇権を握ることのできる技術力は米独日ぐらいだと私は考えているのですが。

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Sachi11 years ago

ハッチさん、
説明不足ですいません。私が言いたかったのはアメリカは大きいってことなんです。カリフォルニアだけで日本の面積の1.5倍はあります。サンディエゴからサクラメントまで州道を突っ切ると、都心だけでなくカリフォルニア中部の農園と牧場にぶちあたります。この同じ景色が何百キロと続くのです。周りに民家など数えるほどしか見当たりません。
でもここで暮らしている人も働いている人も居る訳です。こういう人口の少ないところに鉄道を引くのは不合理ですから、このあたりに住む人たちは自家用車に頼るしかない。しかも仕事柄車にいろんな物を積んで走るわけですからピックアップトラックがとっても便利なんですよ。乗り心地がいいから乗っているなんて、そんな贅沢なモンじゃないんです。
職場の近くに住もうにも、不動産は高すぎる。結局遠くに住んで通勤するしかない。でも電車なんて走ってないから結局車で走るしか無いんです。
私の自宅から職場までの間に鉄道は走ってますが、一日一往復しかしない赤字電車で、しかも方角が私とは正反対!
カリフォルニアですらこうなんですから、他の人口密度の低い州などでは、何十キロ平方あるのは自分の家だけなんてところはいくらでもある。何十キロも街道を走っても森また森なんて景色が続くところはごちゃまんとあるのです。そういうところで車に乗るなと言えば、これは自殺しろといってるのと同じです。
ハイブリッドが日本車しかないとか値段が高すぎるとかいうことも、消費者の需要が高まれば市場が解決してくれることだと思います。最近燃費の悪いSUVの売り上げが落ち、値段の高いハイブリッドの需要が増えているそうです。となればアメリカの自動車会社もそのうちこぞってハイブリッドを製造し始めるでしょう。
カカシ

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