実はカカシは今カナダに滞在中。ひょんなことから地元の人とカナダの人権擁護法について話ていたら、「ほら、人権擁護法委員会から訴えられていたマーク・スタイン、オンタリオの委員会は訴えを取り下げ、ブリティッシュコロンビアの方でも罪がひとつ棄却されたんだよ。」と言わた。この話は結構きちんと追ってきたつもりだったのだが、うっかりしていた。それで遅まきながらマーク・スタインの裁判について、アップデートしておこう。
今年の6月27日のことになるのだが、カナダの作家で人権擁護委員会から人権迫害などの罪で訴えられていたマーク・スタインだが、そのなかのひとつの訴えが委員会によって棄却されていた。この裁判の始まりについてはここでも紹介したとおりだ。
興味深いことなのだが、カナダの人権擁護委員会(CHRC)はマーク・スタインやスタインの記事を掲載したマクリーンという出版社を訴えることでカナダ人にCHRCの権限を見せしめるつもりだったのかもしれないが、その行為は完全に裏目に出た。なぜならスタインもマクリーンも金銭的に恵まれているという事実を利用して、泣き寝入りをせずに一流の弁護士をたてて時間もお金もかけて断固戦うという姿勢をとった。そしてカナダやアメリカなどで多いにメディアを利用。いかにCHRCが、いや、人権擁護法というものが言論の自由を迫害しているかを暴露してしまったからである。
私が話していたカナダ人のビジネスマンも語っていたが、この裁判のおかげでカナダのHRCは崩壊してしまう可能性が高いという。
CHRCから自らも訴えられているジャーナリストのエズラ・レバントによると、CHRCは毎日のようにカナダのメディアから叩かれているという。スタインへの訴えが棄却されたのも、有名人を有罪にしてこれ以上自分らのやっている悪行が世間に知られるのを恐れたからだろう。CHRCは今度のことで学び、今後は有名人を対象にせず時間もお金もコネもない、CHRCに訴えられても戦うすべを持たない、しがない市民を対象に嫌がらせを続けるつもりなのだろう。
日本で提案されている人権擁護法がどういうふうに施行されるのかは定かではないが、カナダの場合、中央政府と地方政府が全く同じ人間によって持ち込まれた全く同じ苦情で同時に裁判を起こせるようになっている。だからマクリーンの雑誌が販売されているどの地域でも全く同じ裁判を起こせるという理屈になり、その度にマクリーンは裁判でいちいち戦わなければならないわけだ。これでは出版社は商売あがったりである。無論CHRCの目的はそこにある。
ジャーナリストが好きなときに好きなことを書けない、言論の自由が存在しない国になること、それが人権擁護法の最終目的なのだ。
私のカナダの友人はこういった。「カナダが自由な国だって?とんでもない、カナダは自由なんかじゃないよ。」CHRCが幅を利かす限り、彼の意見は全く事実だろう。


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