本日のハワイ体験はハワイのレインフォーレスト(熱帯多雨密林)「マノアの滝」のお話をしよう。
ワイキキビーチからほんの4マイルほどマノアロード(Manoa Road)と呼ばれる山道を登りきったところに、レインフォーレストがある。その名の通り、山道を運転していくと突然土砂降りの雨に襲われた。ほんの数分前、山の麓のアラワイ運河(the Ala Wai canal)を出発した時は晴れていたのに。 苺畑夫婦は今日のハイキングは辞めたほうがいいのではないかと一瞬とまどった。しかし我々がホノルルに来てから数日間、毎日雨は降ったりやんだりしていたので、今日ハイクしなければもう時間がない。
二マイルほど曲がりくねったマノアロードを運転していくと、道の終わりに駐車場が見えた。そこに大きな傘の下に座っている痩せた日本人のおじさんがいた。おじさんは、今週はこんなふうにずっと雨だと言い、「なにしろレインフォーレストだからね。」とくすっと笑って肩をすくめた。おじさんが蚊よけになるよと言って、洗濯機のドライヤーにいれるソフトナーをくれた。これを肌に擦り込むと蚊に刺されないという。本当かしらとは思ったが、私は蚊に刺されるとひどく腫れる体質なのでだまされたと思ってソフトナーで腕や足をこすって、いざ出発。(驚いたことにこれ効果抜群。カカシはひとつも蚊にさされなかった!)
ハイキングといってもトレイルは出発点から往復たったの2マイル。もっと長い道のりのAihualama Trailというコースもあったが、土砂崩れの恐れがあるとかで閉鎖されていた。始めた時間がかなり遅かったことでもあり、短い方で我々には充分。
密林の植物はこれまで私が見たことのないようなものばかりだった。 まるでターザンのジャングルにでも紛れ込んだようだ。今にもターザンが雄叫びをあげながら、木から木へスイングして行きそうな感じだ。ガイドブックによれば、大きな木はククイ、アフリカチューリップ、グアバそしてマウンテンアップルの木だそうだ。ミスター苺はマングローブの木もあったと言っていたが、私にはどれがどれだか解らなかった。しかし私でもパムツリーやシダと木の区別くらいはつく。ここは本当にジャングルだ。私たちが普段見慣れている砂漠の植物とはなんと違うこと!

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密林の植物は砂漠とは大違い


泥道のコースと平行して流れる小川からは水の流れる音がする。この小川には魚はいるのだろうか、だが川は泥で濁りすぎていてたとえ魚がいたとしても何も見えない。気温は25度くらいでちょうどいい加減だが、雨は降り続いていた。パムツリーの大きな葉っぱを見つけたので、私はミスター苺にこの葉っぱを傘の代わりに使わないかと提案した。「ほら、『隣のトトロ』みたいにさ」そのうち私の目にしたたる水は汗なのか雨なのか解らなくなった。
道は多少坂道ではあったが、特に難しいほどの急斜面ではない。ただ、雨で道は泥道となって滑りやすかったため、歩くのはちょっと困難だった。苦労してたどりついた甲斐あって、目的地のマノアの滝は美しかった。その高く細い滝は華厳の滝を思わせる。高さは約150フィート。下のプールに完璧な水しぶきをあげていた。プール脇に座り、私たちはお弁当を食べることにした。ミスター苺がお弁当のサンドイッチを広げるやいなや、それまでしとしとと降っていた雨が突然土砂降りの雨に変化した。ミスター苺は自分の手でサラミサンドイッチがぬれないように覆ったが、私は濡れないようにサンドイッチをすべて口の中に頬ばった。おかげで息がつまりそうになった。

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華厳の滝を思わせるマノアの滝


大急ぎでサンドイッチを食べ終えると、私たちは引き返すことにした。帰り道はすべて下りだった。しかし道が滑りやすいためかえって下り坂は大変だ。登りの時は上に向かって多少飛び上がる形で進むことが出来た道も、下りはそうはいかない。靴はすぐに泥まみれになり、靴底の摩擦まるでなし。まるで冬のオリンピックのダウンヒルスキーのように歩くというより滑り降りるという感じになってしまった。
「川に飛び込んで泳いで帰ろうか?そっちの方がぬれないで済むかもよ。」と冗談まみれにカカシ。
雨はどんどん激しくなり、すでに森の景色も小川も目にはいってくる水でまったく見えない。完全にびしょぬれになって滑りながらなんとか一度も転ばずに坂を折り切った。 やっと駐車場にたどりつくと、さっきの日本人のおじさんは若いきれいなハワイアンのお姉さんに変身していた。お姉さんは傘の下で震えていて挨拶もしなかった。ま、そのほうがいいかな。あのやたらに馴れ馴れしい「あろ〜は!」で挨拶されるのはかなり飽きたからな。
車のドアをあけると、ミスター苺が空を見上げて言った。「ちょうどいいタイミングだよ。雨が止んだ」へ?あ、ほんとだ。髪の毛から水がまだ滴り落ちていたので私は気がつかなかったのだが、さっきまでの雨が嘘のようにピタっと止んでいる。まるで天が我々が歩き終わったのを見計らったかのように。
私たちの着ていたものは何もかもびっしょりぬれていて、ふたりとも雑巾のよう。手足をペットボトルの水で洗ってびしょぬれのまま車に乗り込み青空の広がるワイキキビーチへの帰途についた苺畑夫婦。
すっごく面白かったのだ!
この次はカネオヘベイ(Kaneohe Bay)でカヤックに挑戦するぞ!


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