アメリカのメディアはあまりにもオバマに焦点を当てすぎているので、民主党候補のバラク・オバマのほうが共和党候補のジョン・マケインよりも優勢なのではないかという印象を受けるが、実はそうでもない。リアルクリアポリティクスによると、46.6:42.6で多少オバマが優勢だが、今の時期でこの程度の差ならマケインはかなり有利だ。なぜなら、こういう世論調査では大抵の場合、民主党が有利な結果が出るのが普通で、実際に蓋を開けてみると共和党が勝つというケースがすくなくない。
だから民主党が共和党より圧倒的に有利だとするなら、せめて9%くらいの差をつけて優勢でなければならないのだ。これだけメディアに支持されて無料宣伝までしてもらって4点くらいの差ではオバマはマケインよりも優勢とは全く言えない状態にある。
さて、この間ヤフーとAPが合同で行なった別の世論調査で、マケインとオバマについて二人の名前を聞いたときに思い浮かぶ言葉を選んでくださいという調査が発表された。この調査は1,759人の大人を対象に6月13から23日にかけて行われ、一人の人がいくつもの言葉を選んでいいことになっていた。誤差の範囲はプラスマイナス2.3%ポイント。 下記はそのパーセンテージ。
この調査でのジョン・マケインの第一印象が「年寄り」でオバマが「変化」というのはちょっと良くないが、それ以外はオバマから受ける印象はそれほど良くないということがわかる。特にオバマが「不正直」「’好きになれないタイプ」と答えた人が結構いるのには驚いた。それに比べてマケインは「実績」があるとか「道徳的」とか「正直」と答えた人が多いのも面白い。
マケインは自分が歳がいってるぶんだけ経験豊かで実績があるという路線で進んでいけば、決して歳がいっていることはマイナスにならない。ロナルド・レーガンがやはり歳の話が出たときに「私は競争相手の未熟さと未経験について攻めないと約束します」などと冗談を言ってすっかり国民の心を得てしまったことがある。マケインもこの手を使うべきだろう。多少ではあるが、マケインがそういう演説をしていることはしている。
オバマのほうは、ワシントンに長年いるプロの政治家ではなく、外部からきた新鮮な息吹であるという印象を国民に与えたいわけで、それは今のところ成功している。だが、実際にはオバマは昔ながらのリベラルで左翼としてはなんの変化もないバリバリの内部者なのだ。オバマがヒラリーよりも有利だった点は、すでに国民はヒラリーという人間を知り尽くしていたため、新人のオバマへの期待度に勝てなかったということだ。オバマはなんといっても未知数。支持者たちは自分達の理想をオバマに期待しているだけで、実際にオバマがその期待に応えられるという保証は全くないのだ。マケインがオバマの正体をひとつづつ暴露していけば、オバマの新鮮なイメージは吹き飛んでしまうことだろう。
ジョン・マケイン
1. 年寄り、 19 %
2. 軍役、 9 %
3. 実績、資格有り、8 %
4. ブッシュ、 7 %
5. 強さ、 7 %
6. 内部者、政治家、7 %
7. イラク、テロ、6 %
8. 正直、5 %
9. 共和党、5 %
10. 道徳的に善良と不正直が同点で 4 % づつ
バラク・オバマ
1. 部外者、変化、 20 %
2. 経験不足、13 %
3. 不正直、9 %
4. 感銘させる、8 %
5. リベラル、6 %
6, 7 オバマ優先と若いが同点で6%づつ。
8. 好きになれないタイプ、5 %
9. インテリ、4 %
10. イスラム教徒、3 %
今、アメリカで一番国民が心配して関心をもっているのは、なんといって石油問題。共和党は自国の原油を掘り起こすべきだと主張しているのに対して、民主党は石油発掘絶対反対の態度をくずしていない。マケインはこの状況を利用して、本当に国民の経済事情を心配し、国家の将来をサウジアラビアのような不安定な国に任せないで済むように勤めているのは共和党の方なのだと国民を説得することができれば、この選挙、マケインの圧勝も夢ではない。


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