カカシは今、ハワイ諸島のひとつ、マウイ島のホテルにてブロギングをしている。もちろん出張。バカンスではない。
仕事でオアフ島のホノルルはよく行くが、出張でマウイ島へ来たのは初めてだ。私が居るのはラハイナ(Lahaina)というところで、海岸線に沿ってホテルやコンドミニアムが立ち並んでいるとはいうものの、ホノルルのような都会的な雰囲気は全くない。
砂浜が目の前にあるこのホテルに泊まってもう三日になるが、ワイキキビーチのようにタオルを敷く場所もないほど混雑しているビーチとちがって、夕方でもそれほど人出はなく、家族ずれやカップルと時々すれ違う程度だ。何マイルも続く海岸線だが、浜辺はきれいでゴミひとつ落ちていない。今朝も一時間ほど砂浜を散歩したが、静かでとても落ち着くビーチだ。無論海の色はエメラルドだし、沖のほうでパラセーリングをしている人の姿が見え、海外にそってカヤックをしているカップルに出会った。ちょっと沖のほうに低い山のような島が見える。空は晴れているが山の上のほうにはかすみがかかっていた。まさしくパラダイスだな。
10年近く前に新婚旅行でミスター苺とハワイ諸島を一応一巡りしたが、その時に得た印象はといえば、景色が一番美しかったのはカワイ島で、一流ホテルに泊まって贅沢な休暇を楽しみたい人にはカワイ島はぴったりだが、アウトドアの活動がすきな人にはマウイ島が一番適している。
マウイ島ではスノーコリング、スクーバダイビング、サーフィン、パラセイリング、カヤッキングなどが手軽に出来る。クジラ見物のボートも毎朝波止場から出ている。私は休暇で来ているわけではないので料金は調べていないが、毎朝波止場では観光客がさまざまないでたちで現れる。
こういう人たちを傍目に自分は出勤用のモーターボートに乗り込む。観光地での仕事はこういう時みじめだ。考えてみればカカシが出張するところは、今居るラハエナもうそうだが、ポートランド(メイン州)、ジャクソンビル(フロリダ)、サンディエゴ(カリフォルニア)、と観光地ばっかりだ。
ところで我々の出勤用のモーターボートだが、桟橋からボートへの乗り降りはどうということはないが、このボートから大型船への乗り降りはちょっと怖い。特に二日前は波が高く、上下の差が10メートルくらいあった。船には階段がつけてあり、海面のレベルにプラットフォームが設置してあるが、波のタイミングをつかんでちょうどプラットフォームちかくにボートが上がった時点で踏み出さないと、次はストーンと10メートルも落ちてしまうという危険さだ。しかし私が降りるときに都合よく高い波が来て、ちょうどボートとプラットフォームが同じレベルに並んだので、私は楽に降りることができた。
しかし昨日は打って変わって静かな海だった。これは船に乗って仕事をしている時は楽だが、帰りにプラットフォームからボートに乗り込むときに波がないとかえって難しいことを学んだ。それというのもボートがプラットフォームからの高さが一メートル半くらい離れていたからで、波がないからそれ以上ボートは上がらないというのである。ボートの乗組員がボートの屋根をつかめと言ったが、私は腕が短いから手が届かない。しょうがないからプラットフォームから飛び降りた。ボートはゴム製なので足を折ったりはしないが、私は数週間前につま先を骨折していたので、ほぼ完治した状態で助かった。これが二週間前だったらかなりきつかっただろう。
船からの乗り降りは、以前にもやはりハワイで縄梯子からボートへ降りた経験がある。あの時はさすがに落ちた場合を考えて救命具を着せられた。船の上にはダイバーのお兄ちゃんが、万が一の場合の救助のために我々を見守っていた。あの時は朝6時でまだ日も出ておらず、真っ暗な中、縄梯子を降りるのはかなり怖かった。もっとも降りるのはまだしも、ボートから縄梯子で登るのはもっとたいへん。幸いにして私はまだそれはやったことがないのだが、この仕事を長年やっていると、いつかはそういう体験をすることになるだろう。はっきり言ってタフじゃないと勤まらないな、この仕事。
なんて考えていたら、太った同僚のおじさんがドスンとボートに飛び降りてきた。あの体でよく飛び降りられたなと感心してしまった。
おっとそろそろ行かなければ。エントリーの間隔が開きすぎてることをお詫びします。今夜はがんばって書きますので、よろしく。


1 response to 出張ブロギング、マウイ島にて

酔夢ing Voice - 西村幸祐 -16 years ago

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