先日から、恩師の過激発言について厳しい批判を受けていたバラク・オバマ議員民主党大統領候補は18日、ライト牧師の見解について30分にわたる弁明演説を行った

これを受けてオバマ氏は当地の国立憲法センターで演説し、こうした発言を受け入れない姿勢を明言。自身がケニア出身で黒人の父と、カンザス州出身で白人の母を持ち、米国人として育った点を強調した。星条旗を背景に1人で演台に立った同氏は、「この国が寄せ集め以上であり、多くの人々が真に団結しているとの考えは、わたしの生い立ちにさかのぼる」と語った。

オバマ氏はさらに、トリニティー統合キリスト教会でライト牧師の問題発言を聞いたことを認めたうえで、自身が同牧師の政治観の多くに強く反対していると明言。発言が「誤りであるばかりではなく、団結が必要とされている時に分断を助長する」ものだと述べた。オバマ氏はまた、同牧師の発言と、12日にクリントン氏陣営の財政委員会を辞任したジェラルディン・フェラーロ元下院議員による人種差別発言との類似点を指摘し、「人種間の統合の一部はまだ完璧ではない」との見解を表明。差別制度を経験した同牧師の世代の黒人が本気で強い怒りを持っているものの、怒りが常に生産的とは限らず、「真の問題解決から注意を逸らしていることが多い」と指摘した。
オバマ氏はそのうえで、ユーチューブに投稿された動画がライト牧師の人格の全てを示すものではないと述べ、「牧師は完璧な人間ではないかも知れないが、私にとっては知り合いだ」と語り、理解を求めた。

演説の全体を聞いていたミスター苺の感想は、最初にライト牧師の言葉をさんざん批判したうえで、次の30分間ライト牧師の弁護にあたるという非常に不誠実な内容だったということだ。しかも白人の母方の祖母のことを「典型的な白人」といって引き合いにだし、いかに典型的な白人が人種差別者であるかという話を延々としたという。千差万別の個人に向かって「典型的な白人」などと人種だけでひとからげに人種差別者だと批判するとは失礼きわまりない。この発言によってオバマ議員の白人への偏見が丸出しとなった。これまでオバマ議員は人種間の隔たりを狭める偏見を超越した候補者を装ってきたが、それが今回の演説によっていかに偽りであったのか暴露する形となった。
これについてパワーラインのポールが鋭い指摘をしているので、今日はそちらから紹介しよう。
保守派で黒人の哲学者、シェルビー・スティールがバラク・オバマについて書いたものに「A Bound Man」という著書がある。スティール氏は政治活動によって権力を求める黒人にはバーゲンナー(譲渡人)とチャレンジャー(挑戦者)という、ふたつのタイプがいると説明する。譲渡人は常に「私はあなた方が人種差別者ではないことは解っている。その見解が正しいことを証明するために私を支持してください。」といって白人から支持を求め、おうおうにしてその支持を受けることができる。
それに比べて挑戦者は、白人は皆人種差別者だと決めつけ、自分らの人種偏見是正方針を受け入れて、黒人になんらかの優遇政策をとるまでは白人はすべて差別者であるとみなす、といういい方をする。黒人政治活動家のジェシー・ジャクソンやアル・シャープトンなどはこの部類だ。スティールによると黒人の政治家は挑戦者のやり方を好む。それというのも、黒人の間では白人に迎合する黒人は信用されないと恐れるからだ。
このモデルからいくと、無論オバマは譲渡者を装っており、今後もその路線で進みたいはずだが、それは難かしいだろうとスティールは言う。それというのも譲渡者は常に仮面を被っていなければならないが、大統領候補ともなればその仮面が至る所で吟味されることになるからだ。一度我々が譲渡者は人種を無視しているふりをしているだけで、実際には人種に固執している人間だということを学んでしまうと、彼の譲渡者の仮面ははがれる。魔法は解けてしまうのである。彼が「あなた方が人種差別者でないことは分かっている」と言っていたのは嘘で本当は我々を差別者だと忌み嫌っていたことを知った人々は彼を無条件では支持しなくなる。
この間の演説はまさにオバマの仮面を剥がしてしまったのである。あのさわやかな笑顔で自分は人種問題など超越していると語っていたオバマは実は反米で白人嫌悪の演説を繰り返す牧師のいる協会へ20年間も熱心に通っていてなんとも思っていなかった。それどころかその白人嫌いの牧師と個人的にも親しかったことがはっきりしてしまったのだ。
ライト牧師の白人嫌悪に満ちた演説ビデオが公開された今となっては、オバマはこれまで通りの好青年イメージを売り付けることはできない。すくなくともオバマは自分が誰なのか、人種について自分はどう考えているのかをアメリカ市民にはっきりと伝える必要があった。今週のオバマの演説はそのためのもののはずだった。
ポールの感想はミスター苺とは違って、オバマは誠実に人種に関する自分の意見を正直に述べたと語っている。例えばオバマはライト牧師の人種差別的な意見には賛成できないとしながらも、彼がそう思うのにはそれなりの理由があること、アメリカの人種問題は非常に複雑であり、一人の政治家候補や一つの選挙で解決できるようなものではないことを語った。しかしオバマはアメリカ社会の人種差別を変えていくのは白人の責任だと語っている。

白人が人種問題を一種の騒動としてのみ捉えることによって生じる分裂や衝突を防ぐためには、単にオバマに投票する以上のことをしなければなりません。白人たちはアフリカ系アメリカ社会に存在する苦しみは、彼等の頭の中だけに存在するのではなく、人種差別の後遺症、過去よりあからさまではないとはいえ現在もある差別が事実であることを認め取り組んでいく必要があるのです。単に口でいうだけでなく学校や社会に投資することや、人権擁護の法律を行使するなど…の行動で示すことによって先の世代には不可能だった機会へのはしごを提供しなければなりません。

つまりアメリカの人種問題は白人のせいだから白人は自分に投票することによってアメリカ社会をかえていく必要があると説いているわけだ。これは明かに挑戦者の口調である。しかし、あくまでも穏健派を装いたいオバマとしては、白人たちが黒人救済のための政策に反感を持つことに理解を示した後で、自分がその溝を埋める橋渡しの役割として白人に手助けをすると提案している。人種問題は今の世の中無視することは出来ない問題だと強調しながら「一緒に努力しましょう」そして「古い人種の傷を乗り越えましょう」と繰り返す。
常に罪悪感にかられている左翼やリベラルは別として、そうでない中道派のオバマ支持者たちはオバマからこのような演説を聞きたくはなかったはずだとポールは言う。はっきり言って、アメリカ社会の問題がお前らの責任だ、俺が手助けしてやるから罪の償いをしろ、などと言われて気分のいい人はいないだろう。ましてや自分達は人種差別者ではないと考えているひとたちにとってはなおさらである。第一これでは今までの黒人リベラル政治家と何のかわりもないではないか。オバマのモットーは「変化」にあったはず。単にアメリカ社会の問題はすべて白人による黒人差別にあるのだと主張するなら、ジェシー・ジャクソンでやアル・シャープトンと同じではないか。以前にビル・クリントンがバラク・オバマをジェシー・ジャクソンと比べてオバマを単なる黒人だけを代表する候補者だと表現した時、オバマは黒人だけの候補者ではないとクリントンを責めたオバマ支持者たちはオバマの本性をみて今いったいどんな気持ちだろうか?
ライト牧師スキャンダルはオバマが民主党の候補指名になるのには特にそれほど影響はないだろうというのが一般的な見方だが、一般選挙となると話は全く別である。この演説は黒人や極左翼からの支持を得るという意味では効果があったかもしれないが、一般選挙に必要な中道派を遠ざけることになったのは否めない。
オバマはメディアからも有権者からもこれまでのような救世主並の扱いを受けることはなくなるだろう。


Leave a Reply

Your email address will not be published.