昨日イランがホルムズ海峡でアメリカ海軍の米軍艦艇に信じられない挑発行為を行った。

【1月8日 AFP】(一部更新、写真追加)ペルシャ湾(Persian Gulf)のホルムズ海峡(Strait of Hormuz)の公海上で5日、イランの革命防衛隊(Revolutionary Guards)に所属するとみられる5隻の高速艇が、3隻の米軍艦艇に対し攻撃を示唆する威嚇行為を行った。米テレビ局CNNが米軍関係者の話として伝えた。
 米軍関係者によると、イラン側は「われわれは攻撃を行う。あと数分で吹き飛ばす」などと無線を通じて攻撃を示唆。高速艇は米軍艦艇の正面の海中に白い箱状の物体を投下したという。米軍側が攻撃を開始しようとした直前に高速艇は引き返し、交戦には至らなかった。
 ホルムズ海峡はペルシャ湾の出入り口という戦略上重要な海域で、米軍艦艇は同海峡を通過中だった。

このバトルグループの一部として参加していたイージス艦、USSホッパーから撮ったビデオはこちらで見ることができる。実は二年前に真珠湾で仕事をしていた時、ホッパー艦上で乗組員と仕事をしたことがあり、今では乗組員は入れ替わっているだろうが、どうも他人事という気がしない。
それはともかく、アメリカ側が応戦の準備をしている最中にイランが引き返したので交戦にはいたらなかったという事実に関して、そんな逃げ腰でいいのかという批判が出ている。下記当ブログもいつもお世話になっている陳さんの意見

アメリカはこんなナメたマネされても何もできないような腰抜けの国になってしまった。アメリカドルの裏づけの半分は、その圧倒的な軍事力が世界通商の安全を保障しているからだ。

ホルムズ海峡という地政学的・戦略的要衝で、交戦すれば瞬殺のイランの魚雷艇相手に目視距離まで近づかれて、爆雷攻撃の真似事されて、何もできないとなれば、この前提が崩れたと言っても良い。つまり、ドル売りだ。
今のブッシュはジミーカーターに劣るインポ野朗だ。

なんか陳さんが言うと迫力あるなあ。陳さんと同意見のアメリカ人コラムニストのラルフ・ピータースもニューヨークポストでイラン船はすべて沈めるべきだったと書いている。

イラン船たちはずっと迫ってきて、フットボール球場二つ分程度の200メートルにまで近付いてきた。我が海軍は発砲の用意が出来ていたというが発射の命令がでる寸前イラン船が引き上げたのでうたなかったという。

すべて沈めてやるべきだったのだ。
それは我々が戦争好きだからではない。イランは我々を口頭でも物理的にも威嚇したのだ十分に戦闘行為だ。いったいいつになったら我々は初期に行動をとることが後になって多くの命と宝を救うことになるということを学ぶのだ?

ピータースはワシントンからしたら自制したとかなんとかいうだろうが、重大なのはイランが我々の反応をそどう受け止めるかだという。イランがブッシュ政権がイランと交戦しなかったのはアメリカがイランを恐れているからだと思ったとしたらこれは大変なことである。
これは最近のNIEの調査書でイランが核開発を何年も前にやめていたという報告と重なって、イランはアメリカがイランが核兵器開発をやめたなどと信じているはずがないと思っているから、それなのにあんな報告を発表したのは、アメリカがイランを恐れて戦わないで済む口実を探しているからだと考えているだろう。

「いまならアメリカの臆病者を押し倒せる。奴らはイラクで懲りて、完全に落ち込んでるからな。次の大統領なライオンに狙われた鹿のように逃げるだろう。」「奴らの軍隊ですらおれたちを恐れている。日曜日やつらは俺たちの気力にひれ伏した。奴らは恐れて神に見放された。そして今こそ奴らを倒す時がきたのだ」

とかなんとかイランのムラーたちは言ってるのではないか、とピータースは想像しているが、カカシもこれには同意見だ。
以前から西側諸国はイスラム圏政権を刺激しないことがテロ攻撃や戦争を避ける得策だと間違った解釈をしてきた。だからなるべく波風たてないように何もかも穏便にという姿勢が普通に取り入れられていた。だが911以後の世界ではそんな甘い考えは通用しない。平和を守りたいのであれば戦う覚悟をする必要がある。戦争を避けたければこちらから威嚇して相手を古いあがらせ相手の戦意を失わせる以外に道はない。
去年、イギリスの海軍兵と海兵隊員がイランに拉致された時も、彼等はほとんど抵抗せずにイランに連れ去られてしまった。あの時私はあれがアメリカならああ簡単には拉致などされなかっただろうと書いたが、今回のアメリカの反応をみているとなんだか心配になってきた。
イランの威嚇は、我々の戦闘能力を試す稽古のようなものだった。我々がどれだけすぐに侵入者を察知するか、攻撃態勢に入るのにどのくらいの時間がかかるのか、といったことを知るのも大事だが、彼等がもっとも知りたかったことは、現場にいる司令官はワシントンの命令を待たずに独自の判断で攻撃者に反撃できるのか、アメリカ政府はイランに反撃するだけの根性があるのかどうかであったことは間違いない。そうだとすれば今回のアメリカ軍による「自制」はかえって相手を図に乗らせ将来のイエメンで自爆テロに攻撃されたUSSコールの二の舞いになるのではないかという心配はある。
イランのアメリカへの挑発はこのままでは終わらないだろう。次回はもっと攻撃的な手段をとってくるはずだ。そうやって彼等はアメリカがどこまで折れるか試しているのだ。我々の態度を見守っているのは何もイランだけではない。世界にはびこるテロリストどもがアメリカが根性があるかどうかじっくりと観察しているはずだ。
この次にアメリカ艦艇に近付くイラン船は生きて返してはならない。すべて撃沈すべきである。それを怠れば、アメリカはイランとの戦争は避けられないだろう。
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