先日、10月の終わりに日本のタンカーがソマリア沖で海賊船にシージャックされ、アメリカの護衛艦が海賊船を撃墜していたという話を兎に風さんのところで読んで驚いた。しかも3年前の2004年にもペルシャ湾で同じような事件がおき、その時はアメリカの海兵隊員二人と湾岸警備隊員の一人がテロリストの撃ち合いで命を落としていたということまで知ってもっと驚いてしまった。
実は最近、海上自衛隊の幹部の人と話をする機会があり、その人の話だと海上自衛隊は日本の商船を守りたくてもペルシャ湾まで出かけていって警備をする権限がないのだと嘆いていた。それで日本の商船が海賊やテロリストに襲われた場合、頼りになるのはアメリカの船だけというていたらく。
日本は原油の9割を中東に依存している。しかもその警備を全面的に米海軍に頼っているにも関わらず、日本政府は日本が世界の対テロ戦争にかかわれる最低の任務であるテロ対策特別阻止法を期限切れにしたままインド洋から補給艦をひきあげてしまった。このような恩を仇で返すような行為が今後の日本の防衛に役にたつとは思えない。
先の自衛隊幹部の方もおっしゃていたが、日本人には日本が世界で危険にさらされているという自覚がほとんどない。テロとの戦いはアメリカが勝手にやっていることで、日本とは関係ないと考えている人が多すぎるのだ。これは最近海上自衛隊の人に見せてもらった2〜3年前の日本のニュースで、アメリカと合同演習をしている海上自衛隊に対して、海上自衛隊はアメリカ軍の一部に成り果てたなどと批判的ないい方をしていたのと重複する。
しかし現実に日本の石油タンカーなど重要な商船がテロリストや海賊たちに脅かされているのだ。それを海上自衛隊が十分な武力を備えていながら憲法上の理由で自国の商船を外敵から守れない状況がはたして日本にとって好ましいことなのだろうか?これが独立国たるものの姿であろうか?
ところで10月の末に起きたソマリア沖合でのシージャック事件だが、去年の3月にもアメリカの護衛艦二隻がソマリア沖合で海賊たちと撃ち合い になっている。実はこの戦いに巻き込まれた二隻、ケープセントジョージ(USS Cape St. George)とゴンザレス(USS Gonzalez)のうち、ゴンザレスのほうに私の同僚が乗っていて、この時の話をしてくれたので私はよく覚えている。
12月1日付けのAPニュースによれば、ソマリアでは今年だけですでに31件の海賊による攻撃がおきており、10月に日本のタンカーを攻撃した小型ボートはどこかの母船から派遣されたものではないかという疑いが強まっている。
この記事によれば、当初日本のタンカーは化学物質を輸送する船だったことから、テロリストがテロ行為に利用するのではないかと懸念されたが、乗っ取り犯人から身代金要求があったことからただの海賊による乗っ取りだったことが分かって、関係者はほっとしたという。
しかし、今後海賊を利用してテロリストが科学製品や原油を自分らのテロ行為に悪用しないという保証は全くない。ソマリアはイスラム圏国であることを我々は忘れてはならない。
それにしても、このような重要な問題がソマリア沖合で起きているにも関わらず、ほとんどの日本人がその事実を知らないのはどういうわけだろうか? これは一重に平和ぼけした日本メディアがこうした重大事件を過小評価してほとんど報道しないことに問題がある。日本メディアは日本がどれほど危険な状態にあるのかを日本人が本気で悟ったら、日本の軍事強化は避けられない事実を十分に承知しているのだろう。だからそれを阻止するためになら本当の危険からすら目をそらそうというのだ。
アメリカがイラク戦争に負けることで国内での勢力を取り戻そうとしている米民主党のやり方となんらかわりのない非国民的背信行為だ。
しかし今はネットの時代。いつまでもメジャーなメディアの新聞やテレビが事実を隠しとおせるものではない。実際に私はこれらの事件をネットブロガーたちのおかげで知ることができた。日本にも自衛隊幹部の人々だけでなく、実際に日本の将来を憂う愛国者たちが大勢いる。テロ対策特別阻止法も、もう一度見直され、インド洋での補給活動もいずれは再開されるだろう。
ソマリア沖合では海賊に対抗すべく、すでにアメリカが率先して諸外国の有志同盟が結成されつつある。日本は自分らのタンカーを守るという直接的国益がかかっているのだ。この際アメリカに協力して自国の原油航路くらい自国で警護してはどうだろうか? 日本がアメリカのポチだのなんだのと批判するやからでも、日本が自国の商船を守るのであれば文句あるまい。
日本は先進国として日本の安全を国内でも国外でも守る責任をとるべきである。それには主流メディアの平和ぼけにいつまでもつきあっている余裕はないのだ。


1 response to 海上自衛隊は原油航路をパトロールすべき

アラメイン伯14 years ago

まったく同感です。
今の日本の繁栄は海洋を支配する国との同盟があるからです。
アメリカの青年だけ危険にさらして自国の繁栄を維持するような国が世界から相手にされるでしょうか?
このままでは日英同盟ありながら一次大戦に積極的にかかわらず国際的孤立を招いたのと同じ過ちを繰り返すことになるかもしれません。

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