いざアラスカ、豪華客船の旅 その5

シャンペンとキャビアー
船内では夜遅く、翌日のイベントの予定表が配られる。毎日歌や踊りのショーや、手品師やコメディアンのショーなどが劇場で行われるほか、数あるバーのうちひとつではスペインコーヒーが出されるとか、ピアノバーではコールポーターの歌が特集されるとか、いったことも紹介されている。
その中で私が目を留めたのはオーシャンバーでシャンペンとキャビアが無料で出されるという記事である。その夜はロシアの夜と称して、フィリピン人のウエイターが皆ロシアの民族衣装を着て様々なロシア風マティーニ(有料)を用意するとあった。私はすし屋で食べられるいくらとびこまさごといったキャビアならいくらでも食べたことはあるが、ここでいうキャビアとは一オンスで何百ドルというブルーガキャビアのことである。こんな高級品は今までに食べたことがないので、是非是非この無料サービスは見逃すまいと早々にバーに乗り込んだ。
ところが、確かにウエイターはロシア服を着てマティーニの注文を受けてはいたが、どこを見回しても無料シャンペンは出ていないし、オードブルのお盆を片手に回っているウエイターの姿は見当たらない。最初から「無料シャンペンはどうした、キャビアはどうした」と聞くのも下品かなと思い、一応変わったマティーニを二杯オーダーして、カクテルカードに穴を二つ開けてもらった。
しかし待てど暮らせどシャンペンも出てこなければキャビアーも出てこない。痺れを切らした我々二人は、ついにプライドを捨てて「キャビアはどこじゃ!」とウエイターを問い詰めると、ウエイターはそんな話は聞いていないという。それでその日の日程表を見せると、ウエイターは奥へ引っ込み誰かと話をしている模様。やっと出てきたヘッドウエイターらしき人物が「連絡不行き届きでオードブルの用意ができていなかった」と釈明。「すぐに用意させますので」。
しかし20分くらいして出てきたオードブルはキャビアではなくて春巻きと揚げワンタン。「申し訳ありません。キャビアが品切れでして、、、」ここでミスター苺は皮肉たっぷりに「出してもいないのにどうすれば品切れになるんだね?」と質問。 困った顔のウエイターが突き出したワンタンを一口食べた私は、その味の不思議さに首をひねった。「これ豚肉じゃないよ。なんか牛肉のソーセージみたい。」と言うと、ミスター苺も味見をしてみた。「これはソーセージじゃない!ホットドッグだよ!」
無料のシャンペンが有料のマティーニに化けたくらいはしょうがないとしても、キャビアがソーセージ入りの揚げワンタンではいくらなんでもこれはひどい。それで我々はフロントに苦情を言いに行った。船内のアンケート調査でもミスター苺は延々とキャビアーがホットドックに化けたことを書き連ねていた。
その二日後、明日はシアトルに帰港するという夜遅く、甲板で散歩を済ませたカカシが部屋に戻ってくると、ミスター苺がニコニコ顔で「ちょうど良かった。もう何処へも行くな。今いいものが届くよ」と言う。何かと思えば、先日のロシアの夜の不都合へのお詫びとしてシャンペンとキャビアがルームサービスで届けられるというのである。しばらしくして届いたトレーを見てびっくり仰天。大型のお盆の上にきれいに飾ったいくつものキーシや一口大のタルトの上にキャビアがどっさり乗せられていたからである。これはどうみても4~5人で食べるオードブルだ。これに冷え切ったシャンペンが一本ついてきたのだから凄い。私は無料のシャンペンを一杯ぐらい飲みながら、キャビアの乗ったクラッカーをニ~三枚食べられればそれでいいと思っていたのに、こんなのとても二人では食べきれない。
それで私はタルトの上に乗っていたキャビアだけを、猫のようにぺろぺろと舐めて食べてしまった。そうかこれがキャビアというものなのか、ちょっとぱさぱさだな、塩辛いかな、などとうなずきながら。ミスター苺はお盆の上に何オンスのキャビアが盛られているのか、これは市場でいくらぐらいするかとか下世話なことを計算し始めた。これだから貧乏性はしょうがない。せっかくの豪華客船の旅なのだ、せせこましいことは忘れて楽しもう。
しかし文句は言ってみるものだな。


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いざアラスカへ、豪華客船の旅 その4

水曜日 ジュノー
今日はクルーズ初めての寄港、ジュノーの港に停泊した。船が港に着き、桟橋がおろされると乗客はずらっと出口の前で並び始めたが、乗客が下船するのをサーモンやら熊やらのぬいぐるみを着た人が待ち構えていて、一列に並んだ乗客を一組づつ抱き寄せてはそれをカメラマンが写真を撮っていた。
この写真なのだが、船の中ではプロのカメラマンが大きなカメラをかついで歩き回っており、一番最初に乗船したときも、最初のフォーマルディナーでもレストランへ入る前と、レストランでの食事中とで写真を撮られた。また、避難訓練が行われた時も救命具をつけた姿をカメラマンはバチバチ写真にとっていた。
こうして撮られた写真は、次の日通路に飾られ、もし気に入れば一枚、2000円程度で購入することができる。我々二人の写真はいつも非常にまずく撮られており、被写体が美男美女なのに何故だろうと不思議だった。(笑)
ということもあって、ミスター苺は熊のぬいぐるみに見つからないように、下船の際にも他の人が写真を撮られている隙を狙ってこっそり下船した。しかし私はちょっとのろのろしていたせいか、ぬいぐるみのお兄さんにみつかってしまい肩を強引に引き寄せられ引きつった顔で写真に撮られてしまった。
アラスカといえばアイディタロドと呼ばれる毎年恒例の犬ぞりのレースが有名。そこで我々のジュノーでのツアーはレース用の犬を訓練しているところへいって犬ぞりに乗せてもらおうというもの。もっとも夏なのでアラスカといっても訓練所に雪はない。そこで犬達はゴルフカートをひっぱって訓練をするという。我々が乗せてもらったのはこのゴルフカート。
港からバスで20分くらい山奥の道を走り、ついたところは小さな木の小屋が二つ三つ建っているだけの場所。トイレも野外で水洗ではない旧式。(なぜかアメリカではトイレのマークは新月)まだ9月上旬だが、山奥はすでに秋。落ち葉の焚き火から煙が上がっていた。
最初に生まれたばかりの仔犬をみせてもらい、どういった種類の犬がレースに適しているかというような話を聞いたのだが、私には空気のなかに犬の毛が漂っているのが気になった。犬は夏から冬にかけて新しい毛皮に衣替えするのだそうで、今は脱毛の時期だという。どうやらあちこち犬の毛だらけなわけだ。こんな犬をペットにしたら掃除がたいへんだなあなどとくらだらないことを考えてしまった。
レースの犬というと私はアラスカンハスキーのような大きな犬を想像していたのだが、実はそうではなくて、割と小柄のタフな雑種を使うそうだ。アイディタロドでは毛皮の厚い冬のレースに適した雑種が一応規則で決まっているらしい。それというのも一度プードル犬でレースに参加した人がいたからで、いくらプードルがタフでもアラスカの厳しい寒さに耐え切れずに凍え死んでしまったことから、寒地に適さない犬は許可されないのだそうだ。
ゴルフカートにつながれた犬達はマッシャーと呼ばれる騎手が近づいてくると二の足で立ち上がって興奮し始めた。本当に走るのが好きらしく走る時間が近づくとものすごく興奮するらしい。それでもリードの犬が走り始めなければ犬達は走らない。一台に乗った客の数は6~7人。騎手が一番後ろに立って合図をすると犬達はすごいスピードで走り始めた。山の狭い泥道を走っているのでかなり早いスピードに感じたが、実際には時速15マイル程度なのだそうだ。それ以上早く走ると長距離もたないからだ。しかし泥道のカーブなど恐ろしいほど早く曲がり、犬の上げるハネで我々の顔は泥だらけになった。 なるほど汚れてもいい格好で来いというのはこのことだったのか。
カカシ注:旅行中にとった写真はいま整理中です。整理が終わり次第犬ぞりの写真をお届けしますので今しばらくお待ちください。


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マーサ米下院議員よ、海兵隊員侮辱を釈明せよ!

米下院議員のジョン・マーサ氏は法廷において、ハディーサ事件で議員がまだ調査も行われていなかった時点で米海兵隊員たちがイラク市民を虐殺したとメディアに発表したことについて、釈明しなければならない可能性が高まっている。
それというのも、ハディーサ事件の容疑者として逮捕され、最近になって証拠不十分で起訴取り消しになった海兵隊曹長Marine Sgt. Frank Wuterich氏がマーサ議員を名誉毀損で訴えたからである。
マーサ議員が当時どのような発言をしていたか、2006年の6月にカカシが書いたハディーサ事件:それぞれの思惑
を振り返ってみよう。
****米軍の捜査経過の詳細を研究したとして民主党の下院で反ブッシュのマーサ議員があちこちのテレビ局で海兵隊員が一般市民を虐殺した証拠があると発表した。下記はABCがおこなったマーサ議員のインタビューの記事を訳したもの。(翻訳:妹之山商店街さん)

マーサ議員:IEDが爆発したんです…毎日外に出る度にIEDが爆発するんです…ですから毎回プレッシャーが高まっていく訳です。この場合はIEDが爆発し、海兵隊員一人が死亡。そこにタクシーがやって来て、中には四、五人が乗っていました。武装していなかったのですが、この人達を射殺しました。その後、民家を襲撃して人々が殺害したんです。女性の一人は、海兵隊の人から話を聞いた所、子供をかばって命を助けてくれと懇願したにも関わらず射殺したということです。更に気になるのはイラクの人達はこのことを知っていたということなんです。家族に補償金を支払ったからです。それに加え、隠蔽工作が行われたんです。間違いありません。最初この人達はIEDで死亡したと言ったんです。翌日調査の為に要員が派遣されました。ところがそれについて何の報告も行われず、三月になってタイム誌がこれを伝える時誰も何が起こったのかを知らなかったのです…
質問:写真や画像証拠があるとのことですが、本当ですか
マーサ議員:その通りです。捜査を担当した人とイラク側の証拠を入手しました。何が起こったかについては、疑いようがないんです。問題は、誰が、何故、隠蔽工作をしたかということなんです。何故明らかになるのに半年も掛かったんでしょうか翌日調査を行い、ニ、三日後にはこの人達が殺害されたことが分かっていたんです。

まだ米軍による調査がすんでもいないのに、何が起きたかは間違いないとか、隠ぺいが行われたとか適当なことを良く言えたものだと思う。問題なのはマーサ議員があらゆるニュース番組にはしご出演してこのような発言をしていた時、マーサ議員はまだ軍当局から捜査結果の報告を受けていなかったということだ。マーサ議員はタイムスの記事を書いたイラク記者の報道をそのまま鵜呑みにして事実確認もせずに米海兵隊を有罪と決めつけ軍当局が隠ぺいしたと言い切っているのである。******
無論、その語の捜査で、ハディーサ事件は海兵隊員が戦闘規約に従って正しく行動していたことが明らかになり、ウーテリック曹長ならびに他の容疑者の審査過程で、ハディーサにおいて犯罪は起きていなかった。この事件の容疑は最初から最後まで捏造だったという結論が出ているのである。
しかしマーサ議員は下院のなかでも有力な政治家であり、現職の議員は裁判で証言する義務を免除されるという法律があるため、それを使って証言を避けるのではないかという見方もある。だが、もしもマーサ議員がその特権を使って証言を避ければ、かえって証言をした場合よりもマーサ議員のみならず、民主党にも悪い結果になるのではないかという意見もある。
民主党はブッシュ大統領を忌み嫌うばかりに、ブッシュに都合の悪いことならアメリカにとって悪い結果になるような行為でも積極的にやってきた。特にアメリカ軍隊への攻撃にはひどいものがある。アメリカ市民は戦争に反対している人たちでも反軍隊とは限らない。南部の民主党支持者は戦争自体には反対でも家族に軍人がいたり、今現在イラクやアフガニスタンに出動している人も少なくない。そうしたアメリカ社会でことあるごとにアメリカ軍隊を侮辱する民主党のやり方は一般のアメリカ市民からかなり反感を買っているのである。
そんな中で、自分も元海兵隊員という肩書きをことアルごとにひけらかしているジャック・マーサ議員は証拠もないのに無実の海兵隊員の名誉を汚し、その発言を法廷で釈明せよとの法廷命令を議員の特権を使って拒否するとなったなら、国民は民主党のことをどう考えるだろうか?
ジョン・ケリーは「勉強しないとイラクへ行く羽目になる」といってアメリカ軍人を馬鹿にする失言をしたばっかりに大統領立候補から降りなければならないという失態を起こした。一般のアメリカ人はアメリカ軍を馬鹿にする政治家を許さない。このことに関して他の民主党員がどう反応を示すかによっては、アメリカ市民はついに民主党の本性を見ることになるかもしれない。
少なくとも共和党の大統領候補諸君には今後の選挙運動で、どんどんこの件を話題にして、民主党はアメリカ軍の敵だと投票者に印象付けさせて欲しいものだ。


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いざアラスカへ、豪華客船の旅 その3

水曜日、グレイシャーベイ
アラスカといえばなんといってもグレイシャーである。グレイシャーというのは要するに氷の川。大昔に山に降った雪が凍って、それが引力でどんどん海に向かって流れてくるのだが、液体の川のような速い流れではなく、一日30センチくらいのゆっくりな速度で流れている。この氷の川が海岸に辿り着くと氷の絶壁を作り出すのだが、スローモーションとはいえ氷は動いているので、常にめきめきという音を立て、10分か20分に一度の割で大きな氷の破片が海に落ちる。今日はそのグレイシャー湾自然公園を通過することになっている。運が良ければ大きな氷の破片が海に落ちる瞬間を見ることができるかもしれない。
第9デッキの食堂で朝食を食べていると窓の外は真っ白な霧。グレイシャー湾につくまではまだ数時間あるので、霧がそれまでに晴れてくれることを祈った。
11時頃になってそろそろグレイシャー湾に入るという放送がはいったので、我々はカメラを持って第10デッキの外側に行き船の前方に陣取ってグレイシャーの訪れを待ち構えた。外部から戻ってくる人々が厚手の上着に帽子や手袋をしている姿をみて、どれほど寒いのかと思って外へ出てみると、朝の霧はどこへやらお日さまがさんさんと照っていてセーターを着ていると暑いくらいだった。我々の船は山に囲まれた湾内に入り込み、遠くに見える山の上から川が見えた。しかしよくよくみていると、これは普通の川ではなくてグレイシャー。個体なのでまだ海にたどり着かない白い川が山を下っている姿が非常に不思議だ。

 Glacier Bay

霧のただようグレイシャー湾


グレイシャーの氷の崖が近付いてくると、海の上になにやら白いものがぷかぷかと浮いている。よくよく見てみるとそれがすべて氷。もしかしてこれは氷山? どうやらグレイシャーから落ちてきた氷が海の上を浮かんでいるらしいのだ。崖に近付けば近付くほど氷の数は多くなった。

Glacier Bay Icefield

氷が浮かぶグレイシャー湾の海面


船内放送でお天気がことのほかよいので、これまでのクルーズ船では不可能だったほど崖の近くまで船を近付けることが出来るとのこと。我々は皆カメラを構えてシャッターチャンスを待った。

Glacier Bay Icebergs

グレイシャー湾の氷山


そして遂に目の前に氷の絶壁が現れた。この膨大さは写真では分かりにくいが、絶壁のてっぺんから海面までの高さは76メートルという高さ。しかも、水面下の深さも同じく76メートル!

Lamplugh Glacier

山から流れる氷の川


この絶壁の前で船はしばらく停泊していたが、気が付くのは聞こえてくるメキメキっという氷のひしめく音。写真ではその瞬間をとらえることはできなかったのだが、時々氷の破片が割れてメラメラ、メキメキ、バシャーンと轟音をたてて海水へ落下した姿はすごい迫力があった。

Johns Hopkins Glacier

ジョン・ホプキンスグレーシャー


我々はこの自然の美しさにすっかり見入ってしまい、何時間もデッキに立って写真のシャッターを押し続けていた。もうこれだけでもアラスカに来た価値があった。


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いざアラスカへ、豪華客船の旅 その2

月曜日, ファインダイニング
グレイシャーベイにつくまで、今日は一日海の上。特にやることもないので私は朝早く起きてエアロビのクラスに挑戦。熟年カップルが多い割には朝のエアロビに参加した女性の数は結構いたし、固定自転車やウエイトトレーニングをやってる男性などでジムは満員だった。最近の熟年はみんな若くて元気だなあと感心してしまった。
エアロビの講師はイギリス人のスタイル抜群の若い女性。「運動だけでは体重は減りませんよ!ダイエットもがんばりましょう!」と午後に彼女が教えているダイエット教室の宣伝に余念がない。
エアロビが終わって部屋にもどると、ミスター苺はやっと目をこすりながら、「あさごはんたべた〜?」ともう食べることを考えている。朝食は第9デッキでブフェスタイル(バイキング形式)とはいうものの、カウンターの向こう側に給仕の男性がいてお皿に食品を盛ってくれるし、オムレツも好みのスタイルで焼いてくれる。お盆が満杯になったらウエイターがやってきてさっさとお盆をもって開いてるテーブルに案内してくれる。座るとすぐ飲み物の注文をうけてくれるし、こんなブフェなんてみたことない。訳の分からない食べ物をプラスチックの皿の上にベチャっとのせてくれる海軍の食事を考えると月とすっぽん。ま、比べるほうが悪いけど。
船旅には慣れている私だが、仕事で乗る船では外にでることはほとんどない。地下のコンピュータールームに入り浸って何日も外の空気を吸わない日もあるカカシには、好きな時に外にでてデッキチェアに座っているのは最高な気分だ。気温はそれほど低くはなかったが、それでも野外プールで泳ぐほど暖かいとは言えなかった。風もあるから外で座っている時はみの虫みたいに毛布にくるまっていた。でも近付いてきたパーサーにあったかいアイリッシュコーヒー(ウィスキー入りのコーヒー)を持ってきてもらって満足なカカシ。ああ、このままずっとこうしていたい、、、とついうとうとするカカシ。
「親分、てえへんだ、てえへんだ、」と銭形平次のハチ公みたいにミスター苺が騒ぐ声で目が覚めた。実は今夜は船長さんが挨拶に回るフォーマルディナーがある。この時とばかりにあつらえたばかりの新品の背広と白と赤の派手な革靴まで用意してこのディナーを楽しみにしていたミスター苺なのに、突然大変なことに気が付いたという。「どうしたの?」とおもむろにデッキチェアから体を起こすカカシに「ネクタイ忘れた」というミスター苺。実はミスター苺はスーツはたくさんもっていないがネクタイだけは色々もっており、しかも度派手なものが好きな彼は旅行前もベッドに何本もネクタイを並べて「これにしよ〜かな〜、あれにしよ〜かな〜」と迷いに迷っていたのである。そのネクタイをどうやって忘れてきたというのだろう?
「皺にならないように別にしといてすっかり全部わすれてきちゃった。」んだそうだ。
仕方ないので船のギフトショップにネクタイを買いに行ったら、なぜか高級ネクタイは全くうっておらず一本10ドルという安物ばっかり。なんで豪華客船で売ってるネクタイが安物ばっかりなのかさっぱり分からないのだが、背に腹は代えられない。仕方なく10ドルネクタイを買ったはいいが、せっかくの食事中、ミスター苺は合うひと事に「ネクタイを忘れまして、、いつもはいいのをきてるんですが、、いやお恥かしい、、がはははは」と説明しまくるので、こっちのほうがよっぽど恥かしかった。
フォーマルディナーはかなり格式張ったフランス料理風。我々の目的は何と言っても蟹とサーモン。なにせアラスカといえば蟹とサーモン以外にはないでしょう。そこで我々は前菜に蟹サラダを注文、メインメニューはサーモンが二種類、肉類が二種類とあったので、二人ともそれぞれ別々のサーモン料理を選んだ。
子供の時に両親と一緒にアラスカンクルーズを体験しているミスター苺からは、とにかく船では食べきれないほどたくさん料理が出てくるので、がつがつとすべて食べないようにと何度も注意をうけていた。ところが、出てきた前菜の蟹サラダは直径5センチ、厚さ一センチ程度の平べったいケーキみたいで、器は大きいが中身は小さいというまるで懐石料理風の盛り付け。その後のメインコースも同じように盛り付けは芸術的できれいではあったが、量が極端に少ない。ミスター苺はサーモンをたった三口で食べ終わってしまい、まるで満足してない表情。「足りないならもうひとつ注文すれば?ひとつでもふたつでも値段は一緒なんだし、、」というと「そんな下品な真似ができるか」と立腹顔。船長の乾杯の挨拶もどこへやら、苺夫婦はかなり不満足でレストランを出た。
夕飯の後もミスター苺はおなかがすいたままだった。夜零時近くになって私は私が仕事で乗る船では夜遅く夜勤のひとたちのためにミッドレップと呼ばれる食事が出るよ、という話をしていたらミスター苺が、もしかしてこの船でも夜食がでるかもしれない、第9デッキのブッフェに行ってみようと行ってみると案の定ピザとパスタがあった。しかもパスタはその場で麺をゆでソースをあたためてくれるようになっていた。ミスター苺は大喜びでピザを三切れも食べた後、大盛りミートソースを平らげてしまった。「ああ満足」とおなかをかかえるミスター苺。
どうしてフォーマルディナーの夜がピザとミートソースで幕を降ろすのか、やっぱうちら夫婦は庶人的だ。


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いざアラスカへ、豪華客船の旅 その1

下記は2007年の9月上旬、カカシとミスター苺が行ったアラスカ旅行の旅行記です。
我々夫婦が選んだツアーはホーランドアメリカというオランダ本社のクルーズツアーで、船名はノールダム。
日曜日にシアトルを出発してグレイシャーベイ・ジュノー・シトカ・ケチカン・ビクトリア(カナダ)を巡って次に日曜日のシアトルに帰ってくるという日程。
日曜日、シアトル出港
シアトル空港からタクシーで船着き場まで行くと、港には大きな客船が二隻停泊していた。タクシーをおりると赤帽さんがそそくさと我々の荷物に荷札をつけはじめた。自分で重たい荷物を担ぎながらの乗船に慣れているカカシはちょっと戸惑ってしまった。同じ船の旅とはいえ、軍艦と客船ではなにもかも月とスッポン。船のサイズからお酒や食べ物から客船は本当にすばらしいが、なんといっても感激するのがこのきめ細かいサービスだ。
乗船手続きをする以前からいくつか並ぶテーブルでワイン券、カクテル券、ソーダ券などが販売されており、あらかじめ前払いしておけば船の中でいちいちお金を払わなくて済むようになっている。もっとも飲みきれないほど券を買ってしまうと最後に朝からワインを飲んだりして問題なのだが、ま、その話はまた後でしょう。また、持ってくるのを忘れた乗客のために、望遠鏡や日焼け帽子などが売られていた。カカシはミスター苺に「乗る前からお金をどんどん使えるようになっているね」とささやいたほど。
さて乗船手続きをすませていざ乗船していみると、第一デックのロビーは高級ホテルそのもの。吹き抜けのロビーは三階まで続いており、真ん中にねじ曲がった不思議な形のシャンデリアがぶら下がっていた。通された船室は団体部屋の三段ベッドで寝返りもできないほど狭いベッドになれているカカシには信じられないほどゆったりとしていた。部屋のなかには冷えたシャンパンがおかれており、チョコレートにくるまった苺が備え付けてあった。
身の回りの世話をしてくれるスチュワードは皆フィリピン人で、あんまり色々やってくれるので私はなんだか悪くなってしまい、「掃除は一日一回でいいよ」と言ったのが、「仕事ですから」とすんなり断られてしまった。どうも庶民のカカシには上流社会のしきたりはあわないようだ。
最初の目的地であるアラスカのグレーシャーベイに着く火曜日までは、特に何もすることはないので、ミスター苺と私は船の中を色々歩き回って探索することにした。船は水の上に出ている部分だけで10階(デッキ)もあり、第一から第三までのデッキには図書館、ギフトショップ、ヘルススパ、メインダイニングルームなどがあり、どこの階だか忘れたがカジノまであった。水泳プールも野外と室内の両方あり、ジャクジーと呼ばれる露天風呂もプールにふたつかみっつづつ着いていた。
カクテルバーが船の至る所にあり、どこに座っていても必ずパーサーが飲み物の注文をとりにくる。食事は時間帯によって出るものが違うが、その気になれば一日中食べていることができる。部屋にいてもルームサービスもすべて最初の値段に含まれている。だから調子に乗って飲んだり食べたりしていると大変なことになる。しかし、このクルーズの乗客は平均年齢が60歳くらいで、40代のなんてのはまだまだ若い部類なので、多くの乗客はゆっくり座ったまま景色を楽しむという時間の過ごし方をしていた。
苺夫婦は最初の晩は展望の出来る最上階のバーでゆっくり過ごすことにした。いってみると広いダンスフロアのあるナイトクラブには従業員はわんさかいるのにお客が一人も来ていなかった。考えてみれば乗客のほとんどはシアトルまでそれぞれ遠いところから旅をしてきたひとたちばかりだ。我々は南カリフォルニアなのでシアトルまでの旅行時間はたったの二時間程度。しかし上記のリンクでも分かるように、日本からシアトルまで来て、そこから船に乗ってくる乗客もいるくらいで、最初の晩は皆疲労困憊だろう。乗客の年齢を考えるとナイトクラブでどんちゃん騒ぎをする体力はちょっとないのかもしれない。
ナイトクラブにつとめるフィリピン人のウエイトレスはこの晩私たちの名前を覚えて以来、一週間全く私たちの名前を忘れなかった。繰り返すが船上でのサービスは並大抵のものではない。しかし感謝の気持ちを表そうにもスチュワードやウエイトレスにチップを渡そうとしても断られてしまった。いったいチップの規則はどうなっているのだろう?
ま、いいか。まだ旅は始まったばかり。後でゆっくりフロントにでも聞くことにしよう。ミスター苺は誰もいないクラブで踊るきはしないというし、今夜は二人でゆっくりバーで飲もう。でも明日の晩は踊ろうねミスター苺。覚悟しといてね。


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弁護士つきで戦争やるの?戦闘をいちいち戦犯扱いする米軍将軍たち

私がこのブログを書き始めたころにハディーサでおきた海兵隊による民間人殺害が戦犯だったかどうかという事件について、すでに容疑者の何人もが続けて不起訴になったことはここでも何度か書いてきたとおりである。審査官の話ではハディーサでの海兵隊の行為は正当な軍事行為であり、犯罪は起きていないという結論が出ているくらいだ。
しかし裁判沙汰になって不起訴だの無罪だのという結果が出てみても、容疑者となっていた兵士らは一年半近くも犯罪容疑者として正規の軍人としての任務もはたせず、弁護にかかる費用のみならず、本人や家族らの心労はどのようなものか計り知れない。この無実の罪を着せられた兵士らだけでなく、このような裁判はアメリカ軍全体の行動に非常な悪影響を与えるものだ。
生きるか死ぬかのとっさの判断が必要なときに、自分の戦闘行為がいちいち刑事犯罪として罪に問われるかもしれないなどと考えて、どうやって軍人が任務を全うできるというのだ?これは捕虜を拷問したとか、罪のない婦女子を暴行したとかいう誰が見ても明らかに犯罪だとわかるような行為ではないのである。弾が飛んでくるほうへ反撃したとか、死んだふりをしているテロリストが動いたので撃ち殺したとか、戦場ではごく普通におきる状況なのである。
フォックスニュースでハント大佐(退役)がこのことについてかんかんに怒っているので今日はそれを紹介しよう。

我が将軍たちは兵士を裏切っている、まただぜ!

おっと失礼、しかし読者諸君の注意を引く必要があったのだ。アフガニスタンにしろイラクにしろ、米陸軍は(リベラルメディアやビルクリントンや議会ではない)そうアメリカ合衆国の軍隊がだ、任務を遂行している兵士たちを起訴しているのだ。我輩は叫んだり、汚い言葉でののしってみたり、ユーモアをつかってみたりして抗議してきたが梨の礫だ。読者諸君は私を信じないか、気に留めてないかのどちらかなのだろう。
…特別部隊の有能な陸軍兵が彼らのチームと共にアフガニスタンでも10の指にはいるお尋ねものの居所をつきとめた。特別部隊の兵士たちは悪いやつらを捕らえて殺せという忌み嫌われている戦闘規則に従って爆弾つくりの専門家テロリストとそのリーダーを追い詰めていた。隊員たちは殺し屋たちを隠れ家まで付けていき、さまざまなトリックを使って悪者たちを穴から外へおびき出し、頭に銃弾を打ち込んでやった。
完璧な任務遂行だった。「ようやらはりましたな」とハイファイブして「休暇でももろうて、次の任務に備えておくれやす」とねぎらいの言葉もあらばこそ、陸軍がどうやって特別部隊の兵士らに感謝の意を表したかといえば、なんと彼らを戦犯の容疑で取調べをはじめ、弁護費に何千ドルという金を使わせたのである。
テロリストたちが最初に殺されたとき、陸軍は勇者中の勇者である彼らを二度も捜査した。しかしどちらの捜査も必要なかった。捜査の結果彼らは何も悪いことはしていない無実であることが判明したのだ。今やわれわれは何をするにもおっかなびっくり、政治的に正しくあることに神経質になりすぎて戦闘をまるで警察の射撃のように扱っている。この偉大なる国のほとんどの都市では警察官は銃を撃つたびに、かならず上から取り調べを受けることになっている。警察官は上司を信頼することができずに 常におびえながら仕事をする状況にいい加減嫌気がさしている。しかし少なくとも彼らがいるのは一応平和な都市だ、戦場ではない。
我々の将軍たちは陸軍にしろ海兵隊にしろ、部下たちのことより自分らのキャリアと名声だけが先行している。海兵隊など隊員たちがテロリストを殺したこといってはやたらに起訴のしすぎだ。陸軍にいたっては、まったく陸軍では(味方による誤射によって死亡した)パット・ティルマンやアル・グレーブの醜態といった責任問題による軍法会議の件がある。
イラクでも同じようなものだ。陸軍は「ナム」でされた「おとり」を再発見した。これは弾薬だの爆発物の材料の一部だのを放置しておいて、それを盗みにきた敵を撃ち殺すという方法だ。我々は爆発性の銃弾をアルカエダ連中用に置いておいた。これを使えば銃のなかで爆発するしかけになっているのだ。ベトナム当時にも効果的だったように現在でも効果的なやりかただ。しかしなんと陸軍は任務を遂行しているだけの狙撃兵を裁判にかけているのである。 戦闘規則はきちんと従われたにもかかわらず、わが将軍どもはここでも我らが兵士らよりも自分らのキャリアを先行させようとしているのだからあきれる。このような不信感は軍隊の根本を揺るがすものだ。このような行為は兵士らやその部下たちをためらわせる。こんな戦い方をしていて勝利は望めない。
我々はこういう将軍連中こそ、まずラミーの尻馬に乗ったということ、そして同じように重大なことだが、自分らの兵士らを信用していないという罪で、裁判にかけるべきだ。少なくとも既述の事件のように兵士を起訴して彼らの無実がはっきりした場合には起訴した将軍どもが豚箱送りになるべきだ。残念なことに、こうした裁判のあと、兵士らのキャリアのみならず人生は破壊されてしまう。弁護費にかかった莫大な借金の返済で首がまわらなくなる兵士らをよそに、起訴した将軍どもは昇格される。
彼らが指揮をとるはずの兵士たちはこんな将軍の面汚したちにはもったいない。我々は国として第二次世界大戦当初に何百人という高位将校らを職務不行き届きで首にしたマーシャルみたいなやつが必要だ。とっくにやめさえられるべき高位将軍が多くいる今こそ、マーシャルが必要なのだ。

ハディーサ事件当時、海兵隊のひとりから、「今後は弁護士つきで戦闘に赴かなければならないな。」と冗談交じりに言われたことがある。まったく本当だ。アメリカ人から訓練を受けているイラク兵たちは、よくアメリカ兵がパトロール中に怪しげな一般市民を取り調べるときに非常に神経質に気を使っているのをみてあきれているという話を何度もきいたことがある。特に女性の容疑者への取調べはわざわざ女性兵士を呼び出すという気の使いようで、女性蔑視の傾向があるイラクでは考えられないようだ。
米軍は地元市民の気分を害さないようにとか、人権を大切にしたいとかいう気持ちが先走って、実際にそれが戦地で適切な行為であるのかという現実的な解決策を考えていない。
アメリカ軍隊をよく知らない人々は、アメリカ軍は政治的に正しい行為などということに気を使うとは思っていない。それどころか、軍人はぶっきらぼうで無作法で人権など無視しまくってイラクでも無差別殺人をしているという印象を持っている人が多いことだろう。だが実際には軍隊ほど人権問題だの差別意識だの女性蔑視だので攻撃されることに被害妄想なほど神経質になっている組織も少ない。
たとえば、私は民間人の女性として軍人と接することが多いのだが、男性兵士が私を軍事施設のどこかへ案内した場合、もしもその部屋に他に女性がいなかったらドアは必ず開けっ放しにされる。一度あまりにも風がひどく開け放されたドアがばたばたとうるさいので、「ドアを閉めてくれ」と頼んだが、若い男性の兵士は自分でドアを抑えながら、絶対に閉めようとはしなかった。これは軍人でない女性と密室で二人きりになって何か悪さをしたという疑いをかけられないための用心なのである。また基地内で自分の机の上にビキニ姿の女性の写真がついた卓上カレンダーを置いていた民間人従業員は上司からしかられたという話を聞いたことがる。これは小さなカレンダーで、その机のまん前で注意深く覗き込まなければ気がつかないほどのものだったのにもかかわらず、回りの女性に不快感を与えるといって取り除くようにといわれたというのだ。だが彼の周りい女性の従業員などいなかった。
またフィリピンの密林で勤務するむさくるしい野郎ばかりの隊の連中が、ハードコアのポルノビデオをみていたら、上司からポルノは今後一切禁止と言い渡されたという話もきいたことがある。隊員たちは地元娼婦との交渉も厳禁されており、そのうえにポルノ映画をみてもいけないというのだから、いったい上部の人間は兵士らを何だと思っているのだと聞きたくなる。命がけの仕事をしている隊員たちがせめて気分転換にポルノ映画をみたからといって何だというのだ。この隊に女性がいるわけじゃなし。
政治的に正しくあろうという態度が講じて、軍隊が戦争をしにくい場所になっているとしたらこれは非常に問題だ。ポルノがみられるどうのこうのの問題ではない。生きるか死ぬかの問題なのである。これは兵士らだけの問題ではない。兵士らが裁判を恐れて必要な戦闘を避ければ、兵士らの命のみならず、いずれはアメリカ国民全体の命にかかわることになるのである。


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ピグミーとイグアナ、空港セキュリティーを無事通過!

私はここ数週間の間で飛行機での旅は何回しただろう。ロスとシアトル間を往復。ロスから成田、羽田から長崎、長崎から名古屋、名古屋から成田、成田からサンフランシスコ、サンフランシスコからハワイ、ハワイからロサンゼルス、、、なんだか何処にいるのか今何時なのかさっぱりわからなくなってきた。
このように空の旅が続くと、なんといってもセキュリティーを通り抜けるのもカカシはすでにプロ。歯磨きのチューブも、コンタクトの液体も、すべて規定の大きさでビニール袋に入れてあるし。ライターは持ち込まないしカッターナイフは郵送しておいた。パソコンも鞄からだして靴も上着も脱いでポケットには乗車券以外はなにもはいっていない。だから通過は非常に簡単。
私のような善良なビジネスウーマンがこのような努力をしているというのに、実はこれは先月おきたことなのだが、生きたピグミー猿を隠し持って空港のセキュリティーを二回も無事通過した人がいるという話を今日読んでびっくり。これはCBSテレビの報道より

火曜日の午後ペルーからニューヨークのラグアディア空港に到着したスピリット航空の便の乗客がアメリカに猿を隠し持って搭乗し、機内で放していたことを(CBS) NEW YORK CBS 2 HDは学んだ。

当局の話では猿はピグミーマーモセットで、ペルーのリマ出身の男性の持ち物であったという。男性はリマの街頭で猿を買ったと話ている。

猿は背丈30センチもない小さいが、男性はこの猿を隠し持ったまま、ペルーからフロリダのフォートローダーデール(Fort Lauderdale)、そしてフロリダからニューヨークの便と二つもセキュリティーを通過していたにも拘わらず、警備員はどちらでも発見できなかったというのだから驚いてしまう。
それが何故みつかったのかというと、乗客が男性のポニーテールにしがみついている猿を目撃し、乗務員にしらせたのがきっかけで解ったと言うのだからしょうがない。ラグアディア空港で待っていた警察に男性は取り押さえられ猿は保護されたが、男性は動物を持って帰るのが違法だとは知らなかったと述べたと言うが、どうも疑わしいな。
もちろんここで問題になるのは、どうやってこの男性が二つのセキュリティーチェックをまったく察知されずに通過したのかということと、もうひとつは猿が持っているかもしれない伝染病に周りの人たちが感染したかどうかということだ。
交通警備当局の話では猿があまりにもちいさかったため、警備員は気がつかなかったと言っているが、この間規定よりちょっと大きめの歯磨き粉を持っていて没収されたミスター苺にいわせると、なんで生きた動物に気がつかないで歯磨き粉なんかには気がつくんだ!ってなとこだろう。
ところで、生きた動物を密輸入しようとする人間は結構いるらしい。これはほんの数日前に裁判が行われた出来事だが、カリフォルニアの男性が擬足にイグアナを隠して密輸しようとしたのが見つかっている。
フィジィ島の自然公園から三匹のイグアナを盗んだ男が、自分の擬足にイグアナを隠して密輸入しようとしてつかまった。 男の名はジェレーム・ジェームス33歳でロングビーチ在住。これは連邦法に触れるらしく、有罪になれば最高5年間の禁固刑の処せられる深刻な犯罪。
イグアナは絶滅の危機にさらされてるとかで、輸出入は禁じられているが、ジェームスは闇で三匹のイグアナを3万2千ドルで売ったという。
この間もセーターの中にイグアナを隠して空港のセキュリティーを通過しようとした女性が、セーターの中からイグアナが首を出して御用となったという話をきいたのだが、ちょっと記事が見つからない。このほかにもワニの赤ちゃんとか蛇とか珍動物がこういう形で密輸入されるケースが結構あると私はきいたことがある。
まったく世の中には不思議な商売が横行するものだ。


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イラク戦争、戦死者の数はここ14か月で最低に減る!

イラクにおけるアメリカ軍兵の戦死者が減っているとAFPが報道している。
2007年9月のアメリカ軍戦死者の数は70名と、去年の7月の月平均で最低の数となったとペンタゴンは発表している。この数値はここ4か月に渡る連続減少であり、今年で一番高かった5月の121人、6月の93人、7月の82人、8月の79人、と減る傾向が見えている。

「明らかにこの傾向は正しい方向へ向かってます。」とアメリカ軍報道官のマーク・フォックス少将はバグダッドの記者会見で語った。

「増派は文句抜きでより多くの場所に同時に多くの勢力が行動できることが可能となり、アルカエダや過激派から温床や聖域を拒絶することができるようになりました。」

これまでで戦死者の数が一番多かったのは2004年の11月の137人で、米軍の率いる連合軍がファルージャを攻撃した月であるが、死者137人のうち何と126人までもが戦闘で戦死した。次に多かったのはイラク戦争が激化し始めた2004年の4月の135人だった。
一般に増派と呼ばれているが、実際にはCOINと呼ばれるべき現在のアメリカ軍の対反乱軍作戦は、その成功の尺度は民間人と味方軍の犠牲者の数がどのように減少するかにかかっている。COINの成功を一般の正規軍同士の戦争のようには解釈出来ない理由は、テロリストやゲリラは正規軍のような戦い方をしないからだ。特にイスラム教反乱分子は影の政府を設立するでもなく、地元市民に取り入っていわゆるハートアンドマインド(心と魂)を勝ち取ろうという努力すらしない。彼らがすることといったらやたらめったらに市街地へ攻め入り、不特定多数の市民を殺しまくるだけだ。
テロリストは主に市民を攻撃するが、時々味方軍を攻撃する時でもパトロール中を待ち伏せするやり方を好む。面と向かっての突撃では勝ち目は無いからである。これはアフガニスタンのタリバンがNATO軍に正面からの攻撃をしては大惨敗をとげていることがよく物語っている。であるからテロリストが生き残るためには小さくてもいいから連続的な「勝利」を必要とする。なぜなら勝たなければ地元市民からの援助も新しいメンバーの勧誘も今のメンバーの士気を保つこともうまくいかなくなるからである。だからテロリストが勢力を保つためにはなんとしても目立った大量殺人を続けなければならないのである。
テロリストと戦っている側がテロリストによる勝利を阻止すればするほど市民やCOIN軍の犠牲は減る。これが続くと次の二つのことが起きると、最近専門書を読んだミスター苺は説明する。

  • 一部の市民は反乱分子への支持を考え直し始め、次第に積極的な援助をしなくなる。そして対反乱分子軍のほうに協力し始める。
  • 反乱分子そのものもだんだんと恐怖と飽きもあって、地元市民に紛れ込んだりそれが不可能な場合には外国へ逃げたりする。(イランに逃げ帰った白豚サドルがいい例である。)

というわけだから、イラクで市民や味方軍の犠牲者の数が減っているのは、COIN作戦が成功している証拠なのだ。なぜならこの作戦がうまくいっていれば当初の激しい戦争で味方軍の戦死者が一旦増えた後は、どんどん減るというのが予測されていたからである。
iCasualtiesによるとイラク市民の死者数 は9月で746人、2006年2月から最低の数。なんと今年の2月から比べてイラク市民の死者数は75%も減っているのだ!
ミスター苺がこの傾向をグラフにしてくれているので、下記を参照いただきたい。このグラフには8月14日のヤズィーズ爆破は含まれていない。それはあの爆破はCOIN作戦の行われていない僻地での出来事だったからである。緑が連合軍、赤が全体。

Iraq insurgency killings 2007


このグラフを見れば犠牲者減少の傾向は明らかである。まさにCOIN作戦は計画通りの大成功を遂げているのだ! つまり、今後なにか特別な変化でもない限り、イラク戦争はアメリカ軍にとってもイラク民主主義にとっても文句無く勝利は約束されたのである。無論まだまだ戦闘は続くし、今後の後片付けにも連合軍にもイラク市民にも犠牲は出るだろう。だが、もう結果は決まったのだ。我々の勝利は間違いない。


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