昨日のAPのニュースで、ビンラデンと名乗る人物が、音声による声明でイラクのアルカエダ連中に仲間割れせずに協力してアメリカ軍と戦えと呼びかけた。国際テロリストの親玉であるビンラデンでさえも、イラクのアルカエダは過激派だと感じるらしい。しかし人殺し集団を育てておきながら、彼らが自分勝手に暴走したからといって今更あわてても無駄だ。テロリストとはしょせん人殺しの口実が欲しかっただけの大量殺人鬼にすぎない。そんな奴らに独立した権限を与えておいて、いつまでも自分の統率下においておけると考えるほうが甘い。
だが、ビンラデン(もしくはアルカエダの指揮者)がこのような声明を発表せざる終えないとしたら、少なくとも現アルカエダのリーダー格はイラク内での自分達のコントロールが、スンニ部族たちが次々にアメリカへと寝返っているや、アメリカ軍による激しい攻撃によって大幅に失われていくことにかなりの圧力を感じていると判断できる。

アルジェジーラで放映された短いテープでは、テロリストのリーダーは戦闘員たちに「分裂に気をつけろ、イスラム世界は君たちがひとつの旗の下にまとまるのを待っている。」と訴えた。

彼(ビンラデン)は「熱狂派」という意味の「タアスーブ」という言葉を使って部族や過激派団体への協力関係をアメリカ軍と戦うという大きな目的よりも優先させている反乱分子を批判した。

ビンラデンが「過激派」だの「熱狂派」だの相手を批判するというのは、なんともお笑いだ。例によってテープがビンラデンの本当の声かどうかという確認はできないそうだ。私はビンラデンはトラボラの山奥でとっくの昔にくたばっていると考えているが、アフガニスタンとパキスタンの国境沿いにアルカエダの現リーダーたちがいることは間違いないだろう。
アルカエダ幹部が憂いているのは、アルカエダのあまりにも無謀なやり方がイラク市民の顰蹙を買って、いまやアルカエダはイラクで内乱を起こさせることができないばかりか、スンニからも見放されて、イラクを拠点に世界でテロ活動をするなどということは望めなくなっているということだ。アルカエダがイラクのフセインに取り入ったのも、フセイン亡き後必死でアメリカ軍と戦ってきたのも、イラクをテロリストの温床とすることが目的だった。ところが温床どころか、いまやイラクは過激派連中のお陰でアルカエダが非常に活動しにくい場所となってしまった。
アメリカ軍はスンニ部族との協力関係成功を祝って「統一行進」をラマディでおこなうことを呼びかけた。この行進には少なくともスンニの部族代表の200人あまりのシークと地元の勢力者が集まる予定だそうだ。
さて、アルカエダがスンニから愛想をつかされたのと同様、シーア派の民兵たちもシーア市民から見放されつつあるという話はこれまでにも何度かしてきたが、アメリカ軍は軍に協力してくれそうなシーア部族を選んで、積極的な歩み寄りを試みている。結果はまちまちだが、シーア派部族のほうも、少しづつアメリカ軍に協力する気配が見え始めている。
このクリスチャンモニター
の記事は小さいながらもその努力が実を結びつつある事実が記されている。
バビ地区にある聖廟の階段には星条旗が描かれており、参詣にくる人々が星条旗を足蹴にしなければ会場内に入れないようになっていた。星条旗のこのような扱いはアメリカでイラク人のために大量の血を流したアメリカ軍への侮辱であるとして、アメリカ陸軍Beau Balcavage中佐はこの星条旗を即刻聖廟の階段から取り除くようにと地元部族リーダー達との会合で要請した。
しかし、星条旗を取り除くということは、サドル派の民兵らと協力関係のある部族のリーダーたちに、アメリカ軍に協力する意思を公にしろと要請しているようなものである。これは単なる星条旗の問題ではないのだ。
しかしBalcavage中佐はこのような絵がいつまでも聖廟に描かれていることのほうが、かえって反米意識を高まらせるものであり、双方の歩み寄りには害になると判断。シーア民兵に働きかけるという大きな目的のひとつとして、中佐はこれは小さなことのようで大事な一歩と考えた。
イラクの政治リーダーたち、聖教師などと先月行った会議で、Balcavage中佐は旗を取り除くよう要請した。これはイラクを助けるために死んだアメリカ人への冒涜であると中佐は語った。旗を取り除く交換条件の一部として、地元ムサイーブ市(バグダッド南部にあるスンニとシーアが在住。最近治安は良くなっている。)の復興資金を提供することを約束した。
しかし、シーア民兵と深い関係があると疑われている地元の政治家は消極的だった。それというのもあまりあっさりとアメリカ軍のいいなりになっては地元市民から腰抜けと思われるのを心配したからだ。「もう少し時間をください。」と彼はいった。ところが、会議が終わるとすぐ、他の地元政治家たちは夜遅く、だれにもみられないうちに星条旗に硫酸をかけて旗を消しにかかった。
アメリカ軍は少しづつではあるが、他の地域でもシーア民兵との交渉を進めている。サドルシティでもアメリカ軍と民兵たちと三度にわたって会合を行った。サドルシティでアメリカ軍と民兵が会合するなどこれまででは考えられないことだった。
無論、アメリカ軍を殺してきた民兵らを、すぐさま味方に引き入れるなどということは出来ない。大体彼らが口先だけ協力するようなことをいって、アメリカ軍攻撃の機会を狙っている可能性もあるし、実際、あまりにもひどい罪を犯してきた民兵らを処罰しないで、仲間にするわけにはいかなからだ。協力関係をつくるといっても、ある程度の常識は必要だ。


1 response to ビンラデンも感じる、イラクアルカエダの衰退

In the Strawberry Field13 years ago

「暗闇は漆黒の闇と化した」ビンラデンの愚痴

先日もお話したオサマ・ビンラデンの声明について、ビル・ロジオが分析しているので紹介したい。 最近、イラクでは地元スンニ派市民がアルカエダに背を向けたことや、アメリカ軍及びイラク軍の激しい取締りにより、イラクのアルカエダが苦境を迎えているという話はここでも何度も紹介してきたとおりである。そのことを一番ひしひしと肌で感じているのは、国際アルカエダ組織の親玉であるオサマ・ビンラデン(もしくは現リーダー)だろう。 ビンラデンが彼らの言う「聖戦」がイラクにおいてどのような状況になっていると考えているのかは、こ…

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