読者の皆さん、二週間にわたりリアルタイムのネットアクセスが不能だったため、しばらくカカシとミスター苺のアラスカンクルーズの旅行記にお付き合いをいただきました。また写真のアップロードが済み次第、アラスカの美しい景色をご披露したいと思います。
さて、ではアクセス復帰第一弾はイラクの話。
以前にもスンニ市民がアルカエダの暴虐に耐え切れず、アルカエダを見放してアメリカ軍及びイラク軍に協力を求め始めたという話はここでも何度もしてきたが、今回は同じようなことがシーア派市民の間でも起きているという話をミスター苺がしているので、今日はそれを紹介しよう。
驚くことにこの「シーアの目覚め」はなんと反米メディアのニューヨークタイムスが報道している。

バグダッド各地のシーア居住区で市民はマフディ軍を見放し始めている。マフディ軍といえば一時はスンニ武装集団から唯一市民を護ってくれる組織と考えられていたが、最近では信念もなく町を荒らしまくる、単なるならず者の集団と化している。
このバグダッドのシーア市民の気持ちの変化は長くマフディ軍相手に苦戦してきたアメリカ軍にとって良い機会である。最近アメリカ軍は戦闘作戦において、地元のリーダーたちを頼りにするようになってきているからだ。

あの悪名高きニューヨークタイムスとは思えないほどこの記事は非常に均衡のとれた公平な報道となっている。

バグダッドの西と東の四つの地区から10人のシーア人をあつめて行ったインタビューでは、シーア民兵は新しく収入を得るためにシーア市民を敵に回したやり方が説明されている。
今日町をのさばるシーア民兵は2004年、モクタダ・アル・サドル師をしたってシーア独立を目指してアメリカ軍と衝突したマフディ軍の面影はない。 当時は近所の人々が料理用ガスや他の必需品を供給したことにより、戦士の数は倍増していた。
三年たった今、メンバーの多くは暴力的な過去を後にして地元政府の職についたりする傍ら、一部の者達は犯罪に走り、車を盗んだり死亡したり避難した両派の人々の家々を乗っ取ったりしている。
メンバーの年齢層も変わり、今では家族にも見放された10代の若者がほとんどであり、これがアメリカ軍の成功につながっている。去年の秋、アメリカ軍はシーア民兵への取り締まりを厳しくし、リーダーを何人も逮捕し、(マフディ軍は)目的をもたない下級のメンバーを残すのみとなった。
「いまは若いもんだけで、宗教も自制もありません。」というのはアバスさん40歳。シーア派市民でバグダッド南部のアミーンにおいて車の部品の卸業をしている。アバスさんの22歳の従兄弟のラティブさんはこの春、マフディ民兵を侮辱してメンバーから口を撃たれた。
「みんなやつらを嫌ってます」とアバスさん。「人々は奴らがみんなの前から消えて欲しいと望んでいます。」

イランの飼い豚サドルは、イラクでシーア派に暴力行為をしている人間は、その行為そのものがマフディ軍のメンバーとしての資格はないと言い訳をしている。 市民に暴力を振るえばマフディではないなどという都合のいい言い訳をして、責任逃れをしようとしても、イラク市民には通用しないだろう。なんにしても、サドルがイランからイラクへ戻ってくるときが来たとしても、サドルが戻るマフディ軍のメンバーがサドルを指導者として受け入れるという保障はまったくないばかりか、多分サドルがもどってくるような組織はイラクには残っていないことだろう。
ここでミスター苺は大予言をする!「イラク反乱分子は誰が考えるよりも早く崩壊するだろう。」と。イラクのアルカエダはもう虫の息だし、シーアのマフディやバーダーの民兵も駄目となれば、いったい誰が残っているのか?
無論イラク国内の内乱を望む、イランや外国人テロリストによる援助は無視できない。しかしイラクは宗派主義の国ではなく、部族主義の国である。だから、シーアだというだけでイラクのシーア派はイランに単純に同調はしない。 イラクでシーアにとって非常に大事なアルアスキリ聖廟がアルカエダに爆破されたときですら、お互いに殺しあいを続けはしたが、影の政府を設立するとか、軍隊が真っ二つに割れるといったような本当の意味での内乱は起きなかった。
イラク市民は内乱を起こすどころか、スンニとシーアの両方の過激派反乱分子を拒絶した。自称「救世主」を頼りにせずにイラク人は自分たちの手でイラクを立て直そうとしている。そのような場所ではどちらの反乱分子も長期にわたって敗戦を戦い続けることは出来ない。
ミスター苺は来年の11月の選挙の時までには、スンニにしろシーアにしろ反乱分子はほぼ鎮圧されているだろうと予測する。2006年の中間選挙ではイラクが負けていると思われたため、共和党も大敗すると予測されていたが、共和党の損害は民主党が望んだほど大きくはなかった。多くの市民が「とにかくまだ様子を見よう」という姿勢をとっていたからだ。
ここ最近の状況を観察してみると、アメリカ軍はどうやらイラク戦争に勝ちそうである。無論だからといって、アメリカ市民が共和党に投票するという保障はない。だが、この戦争は共和党の失態だと民主党は投票者に言い続けてきたので、この戦争が成功したら、ある程度共和党への認識は高まる可能性はある。
ここでニューヨークタイムスの記事を引用して締めくくらせてもらおう。

ビジネスマンのアリさんは、マフディ軍は将来ずっと小規模なものになるだろうと語った。人々は(マフディの)リーダーたちを信用していないという。「彼らの中に信念というものがまったくなくなってしまったからです。」

米民主党にも耳の痛い言葉なのではないだろうか?


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