イラクにおけるアメリカ軍兵の戦死者が減っているとAFPが報道している。
2007年9月のアメリカ軍戦死者の数は70名と、去年の7月の月平均で最低の数となったとペンタゴンは発表している。この数値はここ4か月に渡る連続減少であり、今年で一番高かった5月の121人、6月の93人、7月の82人、8月の79人、と減る傾向が見えている。

「明らかにこの傾向は正しい方向へ向かってます。」とアメリカ軍報道官のマーク・フォックス少将はバグダッドの記者会見で語った。

「増派は文句抜きでより多くの場所に同時に多くの勢力が行動できることが可能となり、アルカエダや過激派から温床や聖域を拒絶することができるようになりました。」

これまでで戦死者の数が一番多かったのは2004年の11月の137人で、米軍の率いる連合軍がファルージャを攻撃した月であるが、死者137人のうち何と126人までもが戦闘で戦死した。次に多かったのはイラク戦争が激化し始めた2004年の4月の135人だった。
一般に増派と呼ばれているが、実際にはCOINと呼ばれるべき現在のアメリカ軍の対反乱軍作戦は、その成功の尺度は民間人と味方軍の犠牲者の数がどのように減少するかにかかっている。COINの成功を一般の正規軍同士の戦争のようには解釈出来ない理由は、テロリストやゲリラは正規軍のような戦い方をしないからだ。特にイスラム教反乱分子は影の政府を設立するでもなく、地元市民に取り入っていわゆるハートアンドマインド(心と魂)を勝ち取ろうという努力すらしない。彼らがすることといったらやたらめったらに市街地へ攻め入り、不特定多数の市民を殺しまくるだけだ。
テロリストは主に市民を攻撃するが、時々味方軍を攻撃する時でもパトロール中を待ち伏せするやり方を好む。面と向かっての突撃では勝ち目は無いからである。これはアフガニスタンのタリバンがNATO軍に正面からの攻撃をしては大惨敗をとげていることがよく物語っている。であるからテロリストが生き残るためには小さくてもいいから連続的な「勝利」を必要とする。なぜなら勝たなければ地元市民からの援助も新しいメンバーの勧誘も今のメンバーの士気を保つこともうまくいかなくなるからである。だからテロリストが勢力を保つためにはなんとしても目立った大量殺人を続けなければならないのである。
テロリストと戦っている側がテロリストによる勝利を阻止すればするほど市民やCOIN軍の犠牲は減る。これが続くと次の二つのことが起きると、最近専門書を読んだミスター苺は説明する。

  • 一部の市民は反乱分子への支持を考え直し始め、次第に積極的な援助をしなくなる。そして対反乱分子軍のほうに協力し始める。
  • 反乱分子そのものもだんだんと恐怖と飽きもあって、地元市民に紛れ込んだりそれが不可能な場合には外国へ逃げたりする。(イランに逃げ帰った白豚サドルがいい例である。)

というわけだから、イラクで市民や味方軍の犠牲者の数が減っているのは、COIN作戦が成功している証拠なのだ。なぜならこの作戦がうまくいっていれば当初の激しい戦争で味方軍の戦死者が一旦増えた後は、どんどん減るというのが予測されていたからである。
iCasualtiesによるとイラク市民の死者数 は9月で746人、2006年2月から最低の数。なんと今年の2月から比べてイラク市民の死者数は75%も減っているのだ!
ミスター苺がこの傾向をグラフにしてくれているので、下記を参照いただきたい。このグラフには8月14日のヤズィーズ爆破は含まれていない。それはあの爆破はCOIN作戦の行われていない僻地での出来事だったからである。緑が連合軍、赤が全体。

Iraq insurgency killings 2007


このグラフを見れば犠牲者減少の傾向は明らかである。まさにCOIN作戦は計画通りの大成功を遂げているのだ! つまり、今後なにか特別な変化でもない限り、イラク戦争はアメリカ軍にとってもイラク民主主義にとっても文句無く勝利は約束されたのである。無論まだまだ戦闘は続くし、今後の後片付けにも連合軍にもイラク市民にも犠牲は出るだろう。だが、もう結果は決まったのだ。我々の勝利は間違いない。


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