数日前、ニューヨークタイムスはブッシュ政権がイラク駐留米軍を来年あたり半減させることを考えているという情報を報道すると、アメリカでは右も左もブッシュがついに民主党の圧力に負けて妥協したと歓喜したり激怒したりと大騒ぎになっている。

構想をめぐる調整は今後数カ月間続くともし、具体的な内容は現在、固まっていないとも伝えた。

シナリオの一つは、来年の米大統領選を考慮し、兵力を約10万人規模に削減することを想定。現在の兵力は約14万5000人となっている。
また、ブッシュ大統領が今年1月に発表した首都バグダッドと武装勢力の活動が活発なアンバル州の治安回復に米軍を投入する方針を修正し、主要任務をイラク軍の訓練、国際テロ組織アルカイダ系勢力の掃討に集約させることも考えられていると伝えた。
米軍の戦闘旅団の数では、現在の20を約10に減らし、来年春から年末までの間に実現させたいとしている。
政権内で駐留米軍の削減論が浮上したのは、米大統領選を踏まえ、イラク政策に関する論議の焦点を撤退期限の明示問題から米軍の長期配備に移したいとの思惑があるという。野党・民主党は撤収期限の提示を予算案などに絡めて強硬に要求、ブッシュ政権と対立している。
また、駐留米軍の現在の規模が、イラク、中東や米国内の情勢を踏まえ、今後も維持することは不可能との認識が議論の背景にあるとている。
タイムズ紙によると、来年中の部隊削減を提案しているのはゲーツ国防長官とライス国務長官で、イラクの政治改革の進展を疑問視する一部将官も加わっている。イラク駐留米軍の司令官は議論に関与していないという。

なんでもかんでもイラク敗戦に結び付ける左翼連中が誤解するのはしょうがないとしても、左翼メディアを信じるなと常々いってる保守派連中までブッシュが妥協したなどと頓珍漢なことを言ってるのをきくと苛立ちを通りこして腹が立ってくる。
ブッシュ大統領は戦争が始まる前からフセイン政権を倒し民主主義国家を創立し、治安が落ち着いたら一部のアドバイザーだけを残してイラク人に自治を任せて撤退すると言っていた。イラクに半永久的に十数万の隊を駐留させるなどと言ったことは一度もない。
総司令官たるものあらゆる戦況に対してあらゆる対応策をあらかじめ考えておくのは当たり前だ。今の作戦がうまくいって治安が安定した場合を想定して、来年兵数を半分に減らす可能性を考えるのは軍隊の総司令官として当然の義務である。
どうして4年間もイラク戦争を見つめてきた人たちがこんな基礎的な戦略も理解できないのだ?最初から戦争に反対なリベラルや左翼連中がブッシュ政権の主張を都合良く忘れてわい曲して話をするのは仕方ないとしても、イラク戦争を支持してきたひとたちがブッシュ大統領の当初からの作戦を理解できていないというのはどういうことなのだ?いったい何を基盤にしてこの戦争を支持していたのだ?
アメリカの保守派を自負するカカシとしてはこういうことはいいたくないのだが、アメリカの保守派のなかには左翼メディアは信用できないと常々いっているくせに、左翼メディアがイラク戦争は負ける、来期の大統領選挙と一般選挙は民主党が圧勝すると報道すると、「もうだめだ〜」」とすぐ弱腰になる連中が多すぎる。どうして信用できない左翼メディアの報道を鵜呑みにするのだ!
イラクは対テロ戦争の一貫であるが、これが最初でも最後でもない。対テロ戦争は東共産圏との長年に渡る冷戦のように何十年も続く戦争になるだろう。だがイラク戦争で敵の力を弱体化しておけば、それだけ今後の戦争に我々は有利になる。だからイラク戦争はイラク人が自立できるまで見届ける必要がある。だがそれは我々が永久にイラクを面倒みるということではない。今後長丁場になる対テロ戦争を考えたら、いつまでもイラクにだけ手間どっているわけにはいかないのである。


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