本日は一週間ぶりに丘にあがってきたこともあり、コンピューターアニメの傑作コメディ、シュレック3を観てきた。日本語公式サイトはこちら。
1も2も面白かったので今回も期待していたのだが、その期待を裏切らず非常に面白かった。あらすじは予告編を見てもらえば分かるが、遠い遠い国の王様であるカエルのハロルド王は臨終の床でシュレックに後を継いで欲しいと言う。だが王様としての責任など果たせないと感じるシュレックは次の継承の立場にある王の甥、ティーンエージャーのアーサーを探しに旅にでる。長い船旅に出る寸前、妻のフィオラが子供を宿っていることを知らされフィオラと二人きりの静かな生活を今しばらく楽しみたいと思っていたシュレックは愕然とする。
一方今は落ちぶれて安宿で臭い芝居をしているチャーミング王子は王の死去を利用しておとぎ話の悪者連中を集めて今度こそは遠い遠い国の王として返り咲こうと企むのであった。
はっきり言って話の筋はどうでもいい。シュレックの魅力は個性ある登場人物と彼等の交友関係にあると言っていい。第一作目ではしゃべり過ぎでうるさかったロバは二作目、三作目と回を追うにつけ落ち着いてきた。特に二作目で恋におちた竜と結婚して何頭もドラゴン+ドンキーのかわいい子供たちが飛び回る。この親子のじゃれあいはとっても自然で微笑ましい。
シュレックの親友のロバ以外は皆おとぎ話の登場人物ばかり。長靴をはいた猫は窮地に陥ると大きな目を潤わせて訴えかけるし、両腕をひろげる度に小鳥がとまる白雪姫、プレッシャーがかかるとすぐ床みがきをしたくなるシンデレラ、大事な時に居眠りする眠り姫。
チャーミング王にシュレックの行方を問いつめられてなんとか嘘を言わないように何をいってるのかわからないような屁理屈でごまかすピノキオ。それを見ていてたえられなくなって泣き崩れる三匹の子豚たち。とまあ、個性豊な面々である。
シュレックの音楽担当は1960年代後半から70年代くらいの音楽が好きらしい。サウンドトラックに使われる音楽がかなり場違いで面白い。ハロルド王の葬式で流れる曲はボール・マッカートニーのリブオアレットダイだったり、白雪姫が突如レッドツェッペリンを歌い出すシーンなどは傑作だ。
日本語の公式サイトを見る限りでは予告編は日本語の吹き替えになっているが、ポスターには英語版の声優の名前が出ていることから、多分英語日本語字幕と日本語吹き替えの両方で公開されるのだろう。
吹き替えだと失われてしまうのが、キャラクターたちのお国訛りである。
シュレックを演じるマイク・マイヤーはカナダ人だが何故かシュレックはスコットランド訛り。ハロルド王のジョン・クリースもジュディ・アンドリュースもチャーミング王子のルーパート・エベレットも新しく登場する魔術師マーリンのエリック・アイドルも皆イギリス人。特にチャーミング王子のイギリス訛りはハンサムな容貌と家柄の良さを常に意識している上流階級の鼻持ちならない嫌らしさ溢れる声である。
猫の声はスペイン出身のアントニオ・バンデラスが演じているため彼のちょっとハスキーなスペイン語訛りの声はラテンラバーとしてメスにもてもての猫にぴったり。
それでも予告編をちょっと見た感じではロバのエディ・マーフィーの黒人訛りの声と日本の声優は声もイメージもぴったりで驚いてしまった。王子と猫の声は訛りはないがそれなりに演技力で雰囲気がよく出ている。日本の声優の方が元の声よりきれいな印象を受ける。
映画の中ではハリウッドの地元にいると解る内輪ジョークが結構たくさん出てくる。まず遠い遠い国のサインは完全にハリウッドのサインだし、お城に向かうパムツリー並木の道はうちの近所の景色そっくり。お城の門はパラマウントスタジオの門そのもの。城内の町並みはビバリーヒルズのロデオドライブあたりかな?
最後になったが今回の映画の主題は「責任感」シュレックは自分が王様になるのが嫌でアーサーに押し付けようとするし、同時に父親になることへの不安感でいっぱい。アーサーはアーサーで子供の頃から育った全寮制の学校でつねにいじめられてきた自分に王の座が勤まる自信はまるでない。この二人がいろいろな冒険を経て成長していく姿が描かれるわけだが、このあたりはちょっとお説教っぽいかな。
しかし愉快なキャラクター満載のドタバタコメディーで十分楽しめるのでこれは是非お勧め。週末にお子さんを連れてどうぞ。日本では6月30日ロードショー開始。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *