中国では釘で床に打ち付けてないものは何でも盗まれるという話を以前に陳さんのところで読んだことがある。なにしろ公共広場においてある鉢植えだの、ガスだの電線だのが平然と盗まれてしまうという社会だから、考えてみれば下記のような実態も驚くほどのことはないのかもしれない。

2007年5月17日、鉄道高速化計画の目玉として登場した弾丸列車が走行を開始して1か月、定期点検のため河南省鄭州市の鉄道局検査場に戻ってきた。約100人の技術者が車体を検査したところ、無残なほどボロボロにされていることがわかった。

ボロボロになった原因は乗客による備品の持ち去り。被害が最も多かったのは手洗い場のセンサー式蛇口。多数取り外されてなくなっていた。さらに緊急脱出用のハンマー。また密室であるトイレも被害が大きかった。便座の温度調節つまみやペーパーホルダーの軸さえ取りはずされ消え失せている実態には、ただもうむなしさが募るばかりだと技術者たちはこぼす。
鳴り物入りで走り出した夢の高速列車だが、わずか1か月で満身創痍になって戻ってくるとはおそらく想定外だったはずだ。同局は今後、備品持ち去り禁止を表示するのか、乗客の資質向上を待つのか、判断を迫られることだろう。

なぜ中国ではこのような窃盗が日常茶飯事に起きるのだろうか? カカシはこれは共産主義国家においては起こるべくして起こる現象だと考える。共産主義という思想そのものが個々の所有権を拒絶するものだ。共産主義社会ではすべてが国民全体の共有物であり個々は何も所持しないという思想だ。しかも最近の中国では農村や漁村の土地が国が支持する大企業によって個々の市民から強制的に奪い取られている。土地が奪われないまでも工業排水や有毒ガスの排出によって川も湖も魚介類が生息できないほど汚染されてしまっている。
個々が所有物を持つ権利がここまで迫害される世の中で個々の市民が公共施設を尊重しないからといって何の不思議があるだろう?公共物はみんなのもの、だったら私がもらってもいいと破損窃盗がひろまったとしても、これは中国共産主義の実から出たさびと言える。
また共産主義社会は宗教を拒絶する。精神のよりどころのない国民に道徳観念が根付かないのも無理はない。


1 response to 中国の新幹線部品盗難で散々な目に!

rice_shower17 years ago

地方の在来線では“線路”が盗まれる、と聞いたことが有るからなぁー。
中国とは20年近いビジネス経験を有る私からすると、“小成金化した、そもそも民度の低い国民が、人の迷惑を顧みず、欲望のまま行動している、属性を露にしているだけ”で、共産主義だ、宗教だ、などという高尚な議論に値しないというか、空しいというか、何と言うか。

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