最近アルカエダによるスンニ種族への攻撃は過激になってきている。すでに塩素ガスを使った攻撃は今年にはいって9件にもなる

2007.04.07
Web posted at: 16:01 JST
– CNN/AP

バグダッド——イラク警察によると、同国中部ラマディ近くで6日、爆薬や塩素ガスを積んだトラックによる自爆攻撃があり、少なくとも27人が死亡した。塩素ガスを用いたテロは今年1月以降に表面化した新たな手口で、これで9件目。
ラマディがあるアンバール州ではイスラム教スンニ派部族が、国際テロ組織アルカイダ系の外国人戦闘員の追放で政府系勢力を足並みをそろえる動きが出ており、6日のテロはこれに反発した犯行ともみられる。
現場はラマディ市から西部へ約4.8キロ離れた警察の検問所。トラックが高速で突っ込んできたため警官が発砲したものの爆発した。付近の建物も損壊するなどの被害を受けた。
呼吸困難など訴える住民が入院した。負傷者の詳しい数は不明。ラマディはスンニ派武装勢力の拠点ともなっている。

アルカエダによる元同胞への攻撃は自殺行為としかいいようがない。いくら自爆作戦が得意なアルカエダとはいえこれは完全に非生産的なやり方である。そのあまりのひどさに、スンニ派たちは次々にアルカエダに反旗を翻し、一時は敵として戦っていたアメリカ軍やイラク軍に協力する姿勢すら見せ始めている。

2007.04.07
Web posted at: 17:12 JST
– CNN/AP

バグダッド——イラクで昨年10月に結成されたとするイスラム教スンニ派武装組織の結集団体「イラク・イスラム国家」に属する「イラク・イスラム軍」は5日、イスラム系ウェブサイトに声明を載せ、国際テロ組織アルカイダを非難した。
同イスラム国家は、アルカイダ系のイラク・アルカイダ機構の指導者のきも入りで誕生したもので、団体内の対立を物語る動きとして注目される。
イラク中部アンバール州などでは、イスラム教スンニ派部族がアルカイダ系の外国人戦闘員の追放で政府系勢力と足並みをそろえる動きを見せており、これへの報復ともみられる攻撃も生まれている。
「イラク・イスラム軍」は声明で、「アルカイダは、同組織に忠誠を示さないイスラム軍などスンニ派武装勢力の戦闘員を殺害している」と非難。アルカイダはスンニ派の富裕層も標的にしており、「金を払わなければ殺害される」と主張している。
また、アルカイダを批判、もしくは路線の誤りを指摘する人物は殺されていると述べている。

毒ガス攻撃や自爆テロを「良いニュース」というのも変な言い方ではあるが、これは実際我々にとっては良いニュースなのである。なぜならアルカエダはイラク抵抗軍としての表看板を完全にあきらめたことを意味するからだ。
一般的にアルカエダはスンニと協力することでイラクを侵略者アメリカから守る「抵抗軍」だという表向きの正当性を主張してきた。しかし地元イラク人を殺しまくりスンニ派にまで愛想をつかされたのでは、アルカエダなどイラクの平和を乱す単なる外国人武装勢力、つまりテロリスト、に過ぎない。イラク人のアルカエダに対する憎悪は一部のイラク人がアメリカに持っているものなどとは比べ物にならないほど深い。イラク住民のすべてが家族や知り合いの誰かをアルカエダの暴力で失っているのだ。
ということは今後どんなことがあってもイラクがアルカエダの温床となることはあり得ない。アルカエダが地元イラク人の擁護を得ることは完全に不可能となったからだ。また今回の事件でイラク警察の活躍も無視できない。27人のイラク人を殺した毒ガス入り爆弾は関門でイラク警察が発表した際に起爆された。もしイラク警察にとめられずに貫通していたならば何百という被害者がでていたことだろう。
一方南部のシーア民兵は、、、
良いニュースといえば、同盟軍はマフディ軍も順調に噛み砕いている。昨日などは空爆を使っての猛攻撃だった。モクタダ・サドルが戻って来ようとしても彼のマフディ軍は元の面影など全くないものになっているだろう。マフディ軍のないサドルなんて、クリームのはいってないコーヒーと同じよ。政治的に全く意味のない存在となる。
また、昨日イギリス兵4人が戦死したバスラの攻撃でも解るようにマフディ軍はイラク南部へと勢力を集中させている。ところでイギリス兵4人を殺したのはEFP(explosively formed penetrator)と呼ばれる強力な武器でこれまでイラク内ではあまり見られなかった武器だが、最近イラク南部でよくみられるようになった。明らかにイランからの贈り物である。
さてそれでは現在にイラク状況をまとめてみよう。

  • イラクのアルカエダは元同胞のスンニ種族らを恐れるあまり、アメリカ軍や他のイラク人への攻撃を中断し、スンニを標的に攻撃を集中させている。
  • 一方シーア民兵は首都のバグダッドを追われ南部に追い込まれている。しかし避難した南部でも同盟軍の攻撃でどんどん勢力を失っている。
  • そしてイランはイギリス人への贈り物としてイギリス兵がパトロールを中断した海峡を使ってイラクシーア派へEFPなどの武器を供給してイギリス兵を殺している。

こうして見るとイラクの戦況はまずまずといったところだ。しかしイランからのシーア民兵への武器供給は深刻な問題だ。イギリスが人質事件騒ぎで臨検を中断しているというのも心配のひとつ。この機に乗じてイランはどんどんイラクへ武器を運び込むだろう。イギリスが海域を警備できないのであればアメリカがやるしかないが、恥さらしの臆病者15人が無事にかえってきてもその結果が勇敢にイラクで戦う別のイギリス兵を殺すことになるのでは話が逆ではないか? 早くイギリス政府はそれに気付いて海上警備を再会してもらいたい。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *