デキシー・チックス、グラミー賞受賞の裏

カカシは2003年のナタリーメインズの非国民発言以来、ずっとデキシーチックスのアンチファンなので、今回のグラミー賞についてもひとこといわねばならないだろう。チックスのアルバムテイキング・ザ・ロングウェイ(「遠回りをして」の意)は年間最優秀カントリーアルバム賞などグラミー賞の5部門で受賞。一組の歌手がグラミーで五つの部門をすべての受賞というのは13年ぶりだったという。
これに関してニューヨークタイムスはブッシュ政権に関する不信感がつのったことで、ブッシュ批判をしたデキシー・チックスが正しかったことをレコード業界が認めた証拠だと評価している。
さらにタイムスは今回のことでアカデミー協会とナッシュビルの音楽業界との政治的な見解の亀裂がはっきりしたと書いている。

日曜日のグラミー賞におけるデキシー・チックスの大きな勝利はナッシュビルの音楽業界体制ともっと広く多様なメンバーの投票によって勝者を決めるアカデミーレコード業界との政治見解の差を暴露した…

アカデミーのメンバーが多様だなどというのは真っ赤な嘘である。ニューヨークやハリウッドのリベラルが中心となっているアカデミー協会と中南部の保守派が中心となっているナッシュビルの音楽業界が全く違う文化をもっていることは確かだが、ナッシュビルが片方に偏っているのと同じようにアカデミーもある一方に傾いているのである。
アカデミーのメンバーでベテランのレコード会社重役のジェフ・アエロフ(Jeff Ayeroff)は全国のラジオ局がチックスを閉め出したのはアメリカ的ではないと批判した。
しかし全国のカントリー専門ラジオ局がデキシー・チックスを閉め出したのは、彼女たちの政治的な見解に反対したからではない。確かにDJの間ではそのような意見があったかもしれないが局がどの歌手の曲をかけるかは一重にリスナーからのリクエストで決まるのである。
2003年のデキシーチックスの失言があった時、全国各地のラジオ局がリスナーから種々の反響を受けた。当時はまだ存在していたロサンゼルスのカントリー専門ラジオ局のKZLAはチックスの曲をかけるべきかどうかというアンケート調査を行った。比較的リベラルの多いロサンゼルス地方では「かけるべき」という意見のほうが多かったためKZLAはそのままチックスの曲をかけ続けていた。ロサンゼルスの北側にあるベントゥラ地方のKHEYもチックスの曲をかけ続けた。しかしカリフォルニア南部で海軍基地のあるサンディエゴ地方の局では苦情が殺到しチックスはかけられなくなったそうだ。
全国のラジオ局でこのようなアンケートが行われたことは想像に固くない。そして私もやったように苦情の手紙や電話やメールを送ったカントリーファンも多くいたことだろう。もし局がイラク戦争に参加している軍人やその家族が多くすんでいるような場所にあれば、チックスの曲をかけるな、というリスナーが圧倒的多数を占めたとしても不思議でもなんでもない。ラジオ局も商売である。リスナーの苦情を無視する余裕はない。
しかしチックスの曲を閉め出す方針はないといっていたKZLAやKHEYなどの局でも2003年以来チックスを掛ける頻度は極端に減った。メインズの失言があるまで私は3時間の通勤往復で少なくとも4回は彼女たちの曲を聴いたが、失言の後は何日もチックスを聴かない日が続いた。2006年発売の新アルバムに関してはKZLAが失くなる直前に一回聴いたきりである。なんだかんだ言いながらチックスの人気がカントリーファンの間で落ちていたことの証拠だろう。
ニューヨークタイムスはナッシュビルとアカデミーの政治的見解の差を顕著にした例として去年の11月に行われたカントリー音楽賞においてチックスがノミネートもされなかったことをあげている。しかしカントリー音楽界がチックスを無視した理由はナッシュビルはすでにチックスをカントリー歌手として認めていないからだと私は思う。そうだとしたらその責任はチックス自身にあるのである。
これは私が彼女たちの新アルバムが出たばかりの頃書いたものだ。
カントリーの雌鳥たち、蘇る????

でもまあ3年もたっていることだし、そろそろほとぼりもさめた頃。神妙にしてカントリーファンにお詫びをいれれば、ファンたちも許してくれたことだろう。
ところが、バカは死ななきゃなおらないというかなんというか、彼女たちの新曲は神妙にするつもりはない、といった意味の題名で、しかもその歌詞が自分らを批判して「黙って歌え」と言った保守派ラジオDJにあてつけて、『黙って歌わなきゃ命はないぞ、なんていうほど切れちゃう人がいるなんて悲しい世の中ね』といった内容だ。
それだけじゃなく新曲の宣伝のためのインタビューなどで、カントリーファンは無知だ、ばかだ、田舎者だ、自分らはカントリー歌手の意識はない、などとさんざんカントリーファンをこけにした発言の連続。
カントリーファンもここまでコケにされては許せるものも許せなくなる。また曲をかけてあげおうとおもっていたラジオ局は再びチックスをボイコットすることにし、新曲をかけたラジオ局には苦情が殺到。

またチックスは「黙って歌え」という記録映画をつくり、自分達がカントリーファンから見放されてどれだけ傷付いたかという当てつけまでやっている。
ところで、カントリーファンが見放してもチックスのCDの売り上げが高かったのだから賞をもらって何が悪いという意見もあるだろう。確かに彼女たちのアルバムはずっとレコードチャートで何週間も一位だったからアルバム賞を取るのは文句はない。だが明かに彼女たちはカントリーではないのだからカントリー部門を受賞するのはおかしい。それに彼女たちのコンサートは一時期に比べると半分以下の観客しか動員できず、全国各地で狭い会場に変更したりキャンセルされたりしていた。およそグラミー賞をとる歌手の興行成績とはいいがたい。
今回のグラミー賞でいえることは、音楽ファンのイラク戦争に関する意見の反映だの、チックスが正しかったことを証明したとかいうことではなく、グラミーがどれだけ政治的に左巻きかということが顕著になったということだけである。


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イラク: 積もるイラン関与の証拠

昨日もイランによるイラクへの関与の話をしたが、アメリカ軍はどのような証拠をもってイランがイラクに関与しているというのか、その記事を紹介し、どうしてブッシュ政権がずっと過小評価してきたイランの関与について、最近突然大々的な発表をはじめるようになったのか考えてみたい。
まずはCNNのニュースから、

「爆弾攻撃にイラン関与」とイラク駐留米軍
2007.02.12
Web posted at: 12:43 JST
– CNN/AP/REUTERS
バグダッド──イラク駐留米軍は11日、少なくとも米兵170人が死亡したイラク国内の爆弾攻撃に、イランの最高指導者ハメネイ師から指示を受けている精鋭部隊が関与しているとの見解を示した。
米軍がイラン関与の証拠として挙げたのは爆発成形弾(EFP)で、製造法にイラン起源の特徴が見られるという。また、同じくイラク国内で攻撃に使用されている81ミリ迫撃砲弾は、イランからイラク国内に直接持ち込まれたとみられている。
米軍によると、こうした弾薬類はハメネイ師が直轄するイラン革命防衛隊のアルクッズ部隊によって、イラク国内のイスラム教シーア派グループに供給されている。ここ数週間内に北部アービル市内で拘束された数人のイラン当局者の中に、同部隊の関係者1人が含まれていた。
さらに、昨年12月にバグダッド市内で拘束された他のイラン当局者らは、イランがイラク国内の有力政治組織を武装していると供述した。当局者らは、イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の指導者アブドゥル・アジズ・ハキム氏の施設の家宅捜索で拘束され、米軍はこの際に武器取引の証拠文書を押収した。
政治組織の関係者は、武器調達が自衛目的であると説明。ただ、米軍側は、迫撃砲や狙撃用ライフル銃といった調達武器が自衛には使用されないと反論している。

この狙撃銃について今日新しい情報がはいった。下記はPowerline紹介のDaily Taragraphの記事より。


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アメリカが国際社会でイランのイラク関与を批判する意味

な〜んか、イラク戦争前夜と似たような雰囲気になってきたなあ〜。
我々保守派の間ではイラクにおけるイランの関与をなんとかすべきではないのかという意見がもう2年以上も前から議論されていた。しかし以前にもここで話たように、アメリカはイランの関与についてあまり表立った批判をしてこなかった。その理由はイランの関与を表だって批判しないことで、アメリカは内々にイランの協力を得ようという思惑があったからなのかもしれない。だがイランの最近の行動は目にあまるものがあるため最近アメリカ政府は方針をかえ、大々的にイランを批判すうようになった

イラクで使用の爆発物にイラン関与の証拠と、米国防長官

スペイン・セビーリャ——ゲーツ米国防長官は9日、イラクで武装勢力が使った爆発物にイランが関与したことを示す製造番号や刻印が発見された、と述べた。セビーリャでの北大西洋条約機構(NATO)の国防相理事会後の会見で述べた。
イラクの武装勢力に兵器もしくは技術を供与していることの物的証拠としている。これらの爆発物の数は全体の中で大きな比率を占めないが、「殺傷能力は極めて高い」と指摘した。路上に仕掛けられる爆弾攻撃などで米兵は大きな犠牲を強いられている。
長官はまた、「イランがイラク情勢に関与していることは驚きではないが、米軍などの家宅捜索でイラン人が実際に見付かったことは驚きだった」とも述べた。米政府はイラン政府が影響力を拡大するためにイラクに干渉していると主張している。

アメリカ軍がわざわざNATOの理事会でこのようなことを発表したとなると、アメリカ政府はいよいよイランに本格的な圧力をかける覚悟ができたということだろう。ブッシュ大統領はイランへの「侵略」はあり得ないと言っているが、この言葉使いに気をつける必要がある。ブッシュはイランと戦争をするつもりはないとも、イランに軍事攻撃を仕掛けるつもりはないともいっていない。ブッシュがあり得ないといったのはイランへの「侵略攻撃」だけである。
よくブッシュ大統領をバカにしている左翼連中はブッシュが舌がよく回らないのをおちょくってあたかもブッシュが言葉使いには疎い人間であるかのような批判をするが、実はブッシュ大統領は言葉使いには非常な神経を使っている。だからブッシュがわざわざ「侵略は」あり得ないと言ったことには十分に注目すべきである。
以前にアセアンさんがアメリカがイランとの外交をうまくやって来なかったからアメリカはイランとの戦争に追い込まれているのではないかといっていた。だが私はそうは思わない。アメリカはイランと交渉をしようとしているのである。だが、イランはアメリカと交渉をして得をすることはないと考えているはずだ。つまり、アメリカにはイランと交渉をするための札を持っていないので、アメリカが今やっていることはイランに交渉を強制させるための切り札作りをしているといえるだろう。ま、平たくいえば脅迫である。(笑)
アメリカはイランには「戦争を仕掛ける可能性がある」という姿勢を見せて脅かしながら、諸外国には経済制裁のような政治的な圧力をかけていこうと呼びかけるわけだ。そうやってイランがイラク関与をやめてくれればいいし、それが駄目なら軍事行使となるのかもしれない。
関連過去エントリー
イラクに伸びるイランの魔の手


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ゲリラには勝てないという神話

先日歴史家のドナルド・ストカー氏が書いた「ゲリラはめったに勝たない」(“Insurgencies Rarely Win – And Iraq Won’t Be Any Different (Maybe) By Donald Stoker)という記事を読んで、イラク戦争も多いに歴史に学ぶことがあるなと思って感心した。
ゲリラ戦というとアメリカではどうしてもベトナム戦争の記憶が新しい。しかしストカー氏はアメリカはベトナム戦争からゲリラには勝てないという間違った教訓を学んだという。氏はゲリラは常に勝つどころか、めったに勝たないと断言する。だから、イラクでもアメリカ軍を増派し作戦を変更することで十分に勝利をおさめることが可能だというのである。しかし、イラクでアメリカが勝とうというのであれば、アメリカは過去の間違いから学ばなければならない。なぜならゲリラ撲滅は辛抱強く時間をかけてやる必要があるのだが、ブッシュにはあまり時間がないからである。

ゲリラや反乱軍は不滅であるという神話はアメリカの南ベトナム敗退についてアメリカ人が集団的に誤解したことからはじまる。この敗北は一般にパジャマ姿のベトコンによる卓抜さと軍事力によるものだと思われている。ベトナム人はタフで辛抱強かったかもしれないが、彼等は卓抜ではなかった。というより彼等は単にアメリカという自らの間違いから学ぼうとしない敵に面するという幸運に恵まれただけなのである。ベトコンが面と向かってアメリカ軍と戦った1968年のテット襲撃ではベトコンは惨敗した。1975年に南ベトナムが遂に墜ちた時も、南ベトナムはベトコンによっておとされたのではなく、北ベトナムの正規軍の侵略によっておとされたのである。ベトコンのゲリラはアメリカ民衆の戦う意志を崩壊させる要因となったが、それをいうならリンドン・ジョンソン大統領の戦争のやり方も民衆の士気を弱めた。 ハノイ勝利の鍵は北ベトナムの意志とアメリカの失敗にあるのであり、ゲリラの戦略にあるのではない。

氏はソビエトのアフガニスタンでの敗北についても同じような誤解があるという。これにしてもムジャハディーン(アフガニスタンの反ソビエト反乱軍)がソビエトを追い出したというよりも、ソビエト内部の経済および内政の混乱が原因だったのだと言う。
カカシはここでもうひとつアフガニスタンの反乱軍が勝った理由を付け加えておきたい。それはアメリカや諸外国が反乱軍に武器供給を惜しみなく与えたということだ。
ストカー氏も書いているが、反乱軍が一般的に成功しない理由は、組織力と資源に乏しいからである。あっちで一発、こっちで一発、といった散発的な攻撃をいつまでもやっていれば、いずれは弾も人間も乏しくなり戦闘は尻つぼみとなる。資源も人員も豊富な一国を相手にこのような方法ではいずれ負ける。だから反乱軍が勝つためにはこの二つの点をどうにかして確保する必要がある。
であるからイラクでの問題はイラクの反乱軍を倒すことができるかどうかということではなく、アメリカがその機会を逃してしまったかどうかにかかっている、とストカー氏は語る。
私はもうずいぶん前から、アメリカ軍がスンニ派反乱軍のアジトなどで何百という武器を発見したとか、フセインがイラク各地に隠しておいた爆弾だの銃器だのをトン単位で破壊してきたことでもあり、もうそろそろ反乱軍は人も弾も足りなくなっているはずだと考えていた。
現に2005年くらいには、テロリスト攻撃はかなり弱体化しており、アメリカ軍や保守派の間でも希望的な気持ちが高まっていたのである。それが2006年になって再びおかしな状態になってきた。私はいったいイラクの反乱軍はどこから武器弾薬や人員を補給しているのだろうと不思議に思ったものである。
最近になってその原因がイランにあることが明らかになってきた。アメリカがイラクで勝つためにはこのイランからの供給ラインを切断することが最優先されなければならない。まずイラクとイランの国境を固めること、そしてイランに政治的、経済的、軍事的な圧力をかけ、イラクの反乱軍を援助することがイランのためにならないことを思い知らせることが大切だろう。
ストカー氏はイランの話はしていないが、増派による新作戦はゲリラ反乱軍を倒す可能性を非常に高めたと語る。だが氏が一番心配しているのはアメリカがすでに反乱軍を倒す機会をのがしてしまったのではないかということだ。

一つ確かなことは時間が迫っていることだ。ゲリラとの戦いは普通8年から11年はかかる。だがブッシュ政権はアメリカ民衆の世論にあまりにも無関心であったため、このような戦争に関する説明を全くしてこなかった。それで市民の戦争を支持する気持ちはほとんど使い果たされてしまったのである。イラクでの一つの悲劇は反乱軍に対する勝利をおさめるには作戦変更がおそすぎたかもしれないということにある。

アメリカはアメリカとイラクのためだけでなく、自由を愛するすべての社会の安定のためにもこの戦争には勝たねばならない。なぜならこの戦争に負ければ戦争が終わるのではなく、新たな戦争が始まることになるからだ。その時はアメリカもそして欧州も日本も恐ろしい戦争に巻き込まれることだろう。
新作戦の成功を切に願うものである。


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ジョン・エドワードの選挙運動カトリック協会を攻撃

アメリカの民主党次期大統領候補としては、オバマのような未経験で中身のない人間や、親の七光りならぬ夫の七光りでまともなインタビューも受けていないヒラリーなどにくらば、ジョン・エドワードは実力派である。前回ジョン・ケリーの副大統領候補として選挙運動をやった経験もあるし、民事弁護士として大金持ちになったひとだから運動資金もたっぷりある。いまのところ支持率はまあまあだが、いざとなると彼が民主党候補になるのではないかと苺畑家ではもっぱらの噂である。(って二人だけど)
さて、そのエドワードの選挙運動が今ちょっとアメリカの宗教界、特にカトリックの間で問題になっている。その原因はエドワードが数日前、選挙運動員として雇用したアマンダ・マーコッテとメリッサ・マック・イワン(Amanda Marcotte, formerly of Pandagon, and Melissa McEwan, of Shakespeare’s Sister)という二人の左翼ブロガーにある。
この二人は過去に自分達のブログで反カトリックのエントリーを何度も書いているのだが、その言葉使いのきたないことといったら、泥酔した水兵でも顔を赤らめるような表現ばかりなのである。上品なキャンペーンを表看板にしているエドワードのような候補者がこんな下品な運動員を雇うことの常識を疑う。
その内容を紹介するのはちょっと心苦しいのだが、内容を書かないと彼女たちがどれほど過激な左翼であるかが分からないのでここに少し紹介しよう。放送禁止用語は星印でかこって表現する。下記はマーコッテのブログより:

リンクイスト最高裁判長官が死んだ。彼は心得の追求者とかいうんでもなんでもなかった、でも彼の理想が決断を取り消してしまうようなことはなかった。最高裁のそういう時代は終わった。ブッシュ一味は新しい最高裁判長官を任命する。
要するに、私たちは*犯された*のだ。
選択(の自由)などおさらばだ。そしてロー対ウェード(人工中絶は合法とした法律)は取り消される。各州は避妊を違法にしてしまだろう。そしていずれはイデオロギーが裁判所を支配し、プライバシーもなくなるのだ。そして避妊防具などなくなってしまう。
今私に言えることといったら、子供がもうたくさんいてこれ以上いらないという女性は今のうちに避妊手術をしておけってことだけだ。子供が欲しいけど、今はいらないというひとは、さてどうしたものだろう。コンドームをつかうなら買いだめしておくことだろうね。もしピルをつかってるならカナダから入手するとか。
ひとつだけ避妊を違法にしたいお前ら*母を犯すもの達*にいっておく。私はここに誓う。お前らは今後眠ることはない。私は赤ん坊を身ごもらずに毎日毎日*性交*をし続けてやる。 お前らは私をとめられないことを知るだろう。何度も寝返りを打ちながら嫉妬する*母を犯す者*たちよ。 私は妊娠という「罰」を受けない。お前らの企みは失敗する。不妊症の女たちは免れた。だからあきらめろ!私たち全員を捕まえることはできない。

まったく紙面からフェミニズムが度を超して男性嫌悪症になってる欲求不満な女性の悲鳴が聞こえてくるようだ。マーコッテはイタリア系、マックイワンはアイルランド系の名前なので、多分二人ともカトリック教徒として育ったのだろう。大人になって無宗教いなったひとほど宗教への憎悪を深めることはよくあることだ。
エドワードの選挙運動会は一旦は二人を解雇しようと考えたようだが、左翼からの強い反対があり、右翼の圧力には負けないといって二人を解雇しない決断をくだした。このような過激派も解雇できないとなるとエドワーズの支持者はかなり左翼だということができる。
民主党の予選選挙ではそれでもいいかもしれないが、共和党相手の一般選挙でこの二人の反カトリック主義が持ち出されないとは思えない。宗教右翼と呼ばれる人たちが一斉に共和党候補の支持にまわる可能性は大きい。エドワードはこんな人たちは早いうちにきっておいた方がいいと思うのだが。
もっとも共和党としては大変に歓迎できるニュースなので、自滅したいならどうぞご勝手に、といったところかな?


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脱走兵ワタダ中尉の軍法会議は無効審理へ

イラク戦争が始まった直後の2003年に陸軍に入隊し去年初めてのイラク出動を拒否して軍法会議にかけられていたハワイ出身のワタダ中尉の軍法会議が本日無効審理となり、今年の4月に審理がやり直しされることになった。

イラク派遣拒否の中尉、軍法会議が「無効」…再審理へ

 【ロサンゼルス=古沢由紀子】米ワシントン州フォートルイス陸軍基地で行われていたイラク戦争への派遣を拒否した日系3世アーレン・ワタダ陸軍中尉(28)に対する軍法会議で、担当判事は7日、事前の弁護側と検察側による事実認定手続きに問題があったとして、「審理無効」を宣言した。
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 軍法会議は3月以降に再審理が行われることになった。
 AP通信によると、ジョン・ヘッド判事は、ワタダ中尉が訴追内容をよく理解しないまま無罪を主張しており、事実認定に矛盾があると判断した。
 中尉は「イラク戦争は根拠がなく、違法行為だ」として派遣を拒否。軍の命令を無視し、将校として不適切な行為をとった罪に問われ、軍法会議にかけられた。有罪なら最高で4年の禁固刑の可能性がある。
(2007年2月8日12時1分 読売新聞)

ワタダ中尉はアメリカ人将校としては唯一人出動を拒否した軍人である。ワタダ中尉はイラク戦争は違法だと言い張っていたが、すでに戦争が始まっていた2003年に、しかも出動する可能性が非常に高い陸軍にわざわざ入隊して三年間ずっと黙っていた人間が出動する段になって突然「違法云々」を言い出すのはおかしいという意見がミルブログを中心に交わされた。
ワタダ中尉は最初から反戦運動をする目的で軍隊に入ったのではないかという話もあるが、これはちょっと変だろう。もし現役軍人であることで反戦運動に博をつけたかったのなら、陸軍よりも海軍か空軍に入隊すれば実際に戦地へ送られる可能性はかなり低い。
話はずれるが、現役軍人が創設したというAn Appeal for Rederssというイラク戦争反対運動がある。創設者も参加者も現役もしくは元軍人で最初は草の根運動だということになっているのだが、これがどうもうさん臭い団体なのだ。草の根運動とは建前だけで、実は左翼のプロ団体が背景にあり組織力も資金力も抜群の団体なのだ。(詳細はMudville Gazetteを参照されたし)が、その話はちょっとおいといて、、
先ず創設者というのが海軍の水兵二年目のジョナサン・フトーという男性。フトー兵は自分の反戦ウェッブサイトで「無収益団体, NPO」に何年かつとめ小学校の教師を目指したが失敗し、2004年の1月に海軍に志願入隊したと書いている。しかしフトー兵が働いていたというNPOとはアムネスティーインターナショナルというおよそ親米とは言えない団体で、2001年には社会主義労働者党という過激派左翼のメンバーと並んで反警察運動をしていたこともある。2002年には同団体の大西洋地域部のプログラムコーディネータをしていた。
そしてきわめつけは2003年にフトーはイラク反戦運動に参加していたのである。
そういう人間がどうしてわざわざアメリカ海軍に入隊したのか。そして入隊後たった2年で再び反戦運動をはじめた理由はなにか? これは最初から軍隊内部で現役軍人として反戦運動をするつもりだったと考えるべきだろう。だから彼は海軍を選んだのだと私は考える。海軍ならば職種を選べば、特別部隊にでも入らない限り軍艦をあちこち乗り回す程度でイラク戦地でライフルもって歩き回る可能性はほとんどないからだ。
一般市民が反戦運動をすれば、軍隊に入る勇気がないからだろうといわれかねないが、実際に現役の軍人が反戦ということになれば話は別である。
さて、ここでワタダ中尉に話を戻そう。もしもワタダ中尉が最初からイラク戦争に反対で現役の軍人として反戦運動をするのが目的だったのだとしたら、出動の可能性が非常に高い陸軍に入隊するのはおかしい。実際にイラクへいって帰ってきてからなら話は別だが、出動拒否ではお話にならない。
思うにワタダ中尉は何の考えもなく陸軍に入隊したのだ。3年間の任期があと半年で終わるという時までずっとだまっていたのも、このまま戦地へいかずに除隊できるかもしれないと考えたからだろう。だが出動命令が出てはじめて恐怖におののいたのである。そこで自分の臆病心に直面する勇気もないから戦争が違法だのなんだのとこじつけを考えたに過ぎないのだ。
みじめな男だ。ワタダ中尉。


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イランを武装するロシア、何考えてんの?

ソビエト連邦共和国プーチン書記長、、じゃなかった、ロシアのプーチン大統領はアメリカや国連の意向に反して 29の最新鋭TOR-M1 型の対空ミサイルシステムの配達を完了した。イランはテストも完了し、このミサイル防衛システムを航空防衛作戦のひとつとして取り入れることとなった。下記はU.S.Frontlineの日本語ニュースより。

ロシア製ミサイルを試射 イラン

 イラン学生通信によると、同国革命防衛隊は7日、ペルシャ湾などでミサイル演習を2日間の日程で開始し、ロシアから到着したばかりの対空ミサイルシステム「TORM1」を使ってミサイルを試射した。
 演習には革命防衛隊の航空部隊と海上部隊が参加。米軍が同湾に2隻目の空母を派遣したことに対抗する狙いもあるとみられる。
 初の国連制裁が昨年末に発動されるなどイランへの国際的な圧力が強まる中、ロシアは米国などの反対を押し切って今年1月、TORM1をイランに供与した。(共同)

いずれはイランの核兵器開発を破壊することが、イランの宗教指導者政権を倒す唯一つの方法だと分かっているのに、どうしてロシアはこのように積極的にイランを武装するのであろうか? どう考えてもロシアはアメリカやイスラエルがイランを攻めた場合に備えてイランの防衛力を強めるのが目的としか思えない。
つまり、プーチン大統領はテロリストの味方である過激派イスラム教の核武装を望んでいるということになるのだ。
過激派イスラム教徒についてはロシアのほうがアメリカよりもずっと深刻な問題を抱えている事実を考えると、ロシアのこのような行動はどうも解せない。もう10年以上に渡る内紛でチェチニアの凶暴なジハーディスト(聖戦主義者)たちによってロシア人は何千と殺されているではないか。モスクワの映画館やベスランの幼稚園での惨殺はまだ記憶に新しい。
2000年にロシアはグロズニーに傀儡政権を立て独立主義者たちを征圧しているとは言うものの、反乱がいつ何時再燃するか分からない状態である。特にイランがレバノンのヒズボラ、パレスチナのハマス、イラクのサドルらにしているようにチェチニアのテロリストに種々の援助などをすれば、ジハーディスト達はたちまちのうちに勢力を持ちかえすだろう。
ロシアやイランに対空ミサイルシステムを売ることで過激派テロリストの攻撃から自分達だけは免れると考えているのかもしれないが、もしそうだとすればプーチンは気が触れたとしか言い様がない。
アメリカもクリントン政権の時、イスラム教の味方をしてキリスト教徒と2度も戦った。一度はボスニア、そして二度目はコソボ。それでイスラム教社会から少しでも感謝されただろうか? と〜んでもない。イスラム教徒を民族浄化の危機から救ってやったお礼は2年後の911で支払われたのである。アルカエダの親玉オサマ・ビン・ラデンはアメリカがクエートをイラクから助けるためにサウジに乗り込んだことは何度も持ち出してるが、コソボやボスニアの話は一度たりともしたことがない。
ここで注目されるのはロシアがイランのシステムの作動にロシア人操縦者を供給するのかということだろう。契約にはアフターケアも含まれているらしいから部品や修理は請け負うのだろうが、操縦にはロシア軍人を使うのであろうか? もしそうだとしたら、ロシアは本当にアメリカと対決することになってしまう。これはヨーロッパも承知していることなのだろうか? もっともヨーロッパ連合は暗にロシアに対してイランの防衛システム発達に力を貸すことを承認しているのかもしれない。ヨーロッパの本音はアメリカにイランを攻撃させるのを防ぐことなのではないだろうか? ヨーロッパは此の期におよんでまだジハーディストたちに迎合しようというのである。ヨーロッパの常套手段ではあるが。
そうだとすれば非常に悲しいことだが、そしてそれ以前に愚かな考えである。ロシアだけでなくヨーロッパ大陸はアメリカよりもイスラム過激派からの脅威にさらされており、その脅威は急激に増幅しているのである。イランの核武装によって先ず最初に被害を受けるのはアメリカよりもロシアを含めたヨーロッパ諸国なのである。フランスのシラク大統領はブッシュ憎悪に目が曇ってそんなこともわからなくなっているのだろうか?
もっとも新しい防衛システムなどアメリカの空爆にかかったらひとたまりもないだろう。 我々は多分Bー2爆撃機でもつかってシステムそのものを先ず破壊してしまうだろうから。しかし今回のことはロシアをはじめヨーロッパは対イスラム過激派テロ戦争においてあんまり当てにはならない存在だということがはっきりした。
ブッシュ大統領はもう一度プーチンの目を見て、奥にある本性を見直す必要があるだろう。


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イラク反増派議案、採決ならず

や〜っばりね。採決するには票が足りないとカカシが予測した通りだった。まずはこの記事から。

イラク増派反対決議案、共和党が上院で採決阻止

ワシントン(CNNー2007.02.06) ブッシュ米大統領が先月発表した米軍イラク増派に反対する超党派決議案の本格審議が5日、米上院で始まったが、共和党議員らが採決を阻止した。上院の規定により、審議および採決の動議可決には60票の賛成票が必要だが、賛成49反対47と、共和・民主両党の議席数でほぼ割れる結果となった。
反対決議案は、共和党のジョン・ワーナー上院議員(バージニア)と民主党のカール・レビン上院議員(ミシガン)が各自の決議案を一本化したもの。ミッチ・マコーネル少数党院内総務(共和党、ケンタッキー)は、共和党側が作成した2つの代替案についても審議と採決を行うべきだと主張したが、ハリー・リード多数党院内総務(民主党、ネバダ)がこれを拒否。両者は先週末に協議したものの、行き詰まりは打開できなかった。
5日の本会議では、リード同総務がイラク新政策をめぐる「審議をつぶそうとしている」として共和党を非難。これを受けてマコーネル同総務は、共和党は「審議の用意がある」ものの、過程の「公正さ」求めて審議に反対している、と反論した。
マコーネル同総務が採決を求めている代替案は、ブッシュ大統領の戦略を支持する案と、イラク戦費の拠出継続を盛り込んだ案。共和党指導部は動議採決に強硬に反対しているものの、同党はイラク政策について一枚岩ではない。

民主党は多数派になって少数党の切り札が身にしみただろうか。なにせ民主党はこの手を使って何度もブッシュ大統領推薦の裁判官承認の採決を阻止していきたのだから文句は言えまい。戦争反対といって戦争予算を削るほどの度胸はないくせに、全く拘束力のない議決だけ通して立派に反戦運動やってる気分なんだからあきれる。
ところで、この議案の草案者であるへーグルとワーナーの両方の議員が採決に反対する票を入れたのには笑ってしまった。アルファベット順だったので共和党で来期の選挙では苦戦が予想されるミネソタのノーム・コールマン議員は最初のほうで採決に賛成の投票をして完全にバカを見てしまった。私がミネソタ住民なら次回はかなり考えるだろう。だが、彼のライバルはなんと反ブッシュの本を何冊も出版している人気コメディアンのアル・フランケン。ミネソタは大変だわな。


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米軍ヘリ4機を撃ち落としたミサイルはイラン製

ここ2週間で米軍の攻撃ヘリ4機が連続してイラクで墜落するという事件が発生している。

バグダッド(CNNー2007.02.03) イラク駐留米軍は2日朝、バグダッド北方のタジ近郊で米軍の攻撃ヘリコプター「アパッチ」が墜落、乗員2人が死亡した、と発表した。米軍ヘリの墜落は過去2週間で4機目。

墜落原因は不明。砲火を浴びる中で落ちた、との目撃証言がある。米軍は、乗員の遺体を収容した。
国際テロ組織アルカイダ系を名乗る組織が犯行声明をイスラム系ウェブサイトに載せたが、真偽は不明。米軍機を撃墜する新たな方法を得たとも主張している。米統合参謀本部のペース議長はワシントンで、武装勢力による米軍ヘリへの地上砲火は過去数週間、命中精度が向上したと認めた。
中部のイスラム教シーア派の聖地ナジャフでは1月29日、武装組織との交戦で同じアパッチ型ヘリコプターが墜落し、2人が死亡。23日には米民間警備会社のヘリが墜落。

アルカエダの連中はこれまでにも肩がけ対航空機ミサイル(Sholder Fired Anti Aicraft Missile)を使って戦闘機を狙っていたがその命中度は悪かった。それなのに最近になってその精度があがったというのは何故だろうか?必然的に誰かが性能の高い武器をアルカエダに供給しているからだと考えられる。
アメリカ軍当局はこれはイラン政府だと考えているようだ。アルカエダの連中はこれまでにもSA-7ミサイルを使っていたが、最近の一連の攻撃はもっと性能の高いSA-18と考えられる。イラクのアルカエダは最近になって「神が新しい道をお導きになった」と宣言していることから、「新しい道」とはイランから供給された新型対航空機ミサイルのことではないかという話もある。
これがもし本当にイラン製のミサイルで、イラン政府がイラクのテロリストに武器や戦闘訓練を供給しているとしたら、これはイラン政府によるアメリカ軍への攻撃ととれる。にも関わらずアメリカ軍はイラン政府に対して何もしない態度をとるのであれば、今後イランからの攻撃はイラクのテロリストを通じてまずます激化することだろう。
もともとアメリカがイラクのフセイン政権を倒したというのも、イラクがテロリストの温床となって、フセインがテロリストを手先にしてアメリカやアメリカ関係の対象を攻撃するのを防ぐためであった。それがフセインは倒したものの、イラクがイランによってテロリストの温床となってアメリカを攻撃するのであれば、せっかくフセインを倒した意味がなくなってしまうではないだろうか。


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戦争を反対して軍隊を支持できるのか?

最近よく、「イラク戦争には反対だがアメリカ軍は支持する」と言う人がリベラルの、特に政治家の中で増えている。民主党のジョン・ケリー議員が「勉強にしないとイラクへいくはめになる」とアメリカ軍人をバカにした発言をして以来、人気急下降で希望していた大統領選挙への出馬を断念せざるおえなくなったのでも分かるように、アメリカ人はアメリカ軍人をバカにされるのが大嫌いである。
アメリカリベラルの間では軍人を嫌うのが日常茶飯事になっている。自分達の内輪ジョークではしょっちゅう軍人の悪口を言っているから、つい公式の場でもうっかり軍人の悪口をいってしまうのだろう。だが、賢い政治家になってくるとそんなへまはやらない。下院議長のナンシー・ペロシもことあるごとにイラク戦争の批判をしながら、演説の最後にアメリカ軍を支持すると付け加えることを忘れない。2008年の大統領選挙希望の星、ヒラリー・クリントンもアメリカ軍への予算を削ってはならない、とアメリカ軍への支持を強調している。
しかしアメリカ軍人がやっていることを真っ向から反対し、現場の軍人が必要だと訴えている援軍の出動に異議を唱え、アメリカ軍人の仕事がやりにくくなるような決議案を通し、アメリカ軍人をより危険な状況に陥らせるような行為ばかりをとるリベラル政治家の口先だけの「軍隊支持」にはいい加減アメリカ軍人もうんざりしている。
この間アメリカのテレビ局NBCで、リチャード・エンゲル特派員がそうした軍人へのインタビューをし、戦地で戦う兵隊さんたちが祖国の偽善者たちに口々に不満を漏らす映像が放送された。

エンゲル:新しい兵士らが慣れなければならないのは新しい任務だけではありません。彼等には他に心配なことがあります。それは祖国において高まっている戦争討論です。ここにいる兵士らは口々にアメリカ市民の戦争批判に関して不満がつのっているといいます。兵士の多くが自分達が戦っていることへの批判は自分達への個人攻撃であると受け取っています。21歳の技術者、タイラー・ジョンソン兵は今回初めてのイラク任務です。彼は戦争に猜疑心のある人たちは批判する前にここへきて現場を自分の目で確かめてみてはどうかといいます。
タイラー・ジョンソン兵(Specialist Tyler Johnson):..人が死んでんですよ。分かります? 俺のいってること? あんたたちは軍隊を支持するとかいうかもしれないけど、軍隊が汗水たらして血流して命落としてがんばってることを支持しないっていってるわけですよ。そんなの俺に言わしたらおかしいっすよ。
エンゲル:マヌエル・サハガン伍長はアフガニスタンでも勤務し、イラクは4回目の任務です。彼は祖国の人々は両方を支持することはできないといいます。
マヌエル・サハガン伍長:(Staff Sergeant Manuel Sahagun): ひとつ私が一番嫌いなのは軍隊を支持するといいながら戦争を支持していないということです。支持するなら全て支持してほしいです。
エンゲル:ピーター・マナ兵は人々は戦争がどれだけ大変なものか忘れているといいます。
ピーター・マナ兵(Specialist Peter Manna): もし人々がおれたちがちゃんとした仕事をしてないって思うなら、おれたちがやってきた全てが無駄だったっていってることになる。
リチャード・エンゲル:アパッチ隊は二人の兵士を失いました。兵士たちは同士が命を捧げた任務を捨てざる終えなくなるのではないかと心配しています。NBCニュース、リチャード・エンゲルがバグダッドからお伝えしました。

この番組を見ていて腹がたったのはワシントンポストのコラムニスト、ウィリアム・アーキン(William Arkin)だ。彼は早速翌日のコラムにアメリカ軍人は文句をいうどころか、『反戦でありながらアメリカ軍を支持しているアメリカ市民に感謝すべきだ、アメリカ軍人は志願者だけの傭兵のようなもので、市民から唾を吐きかけられないだけでもありがたいと思え』という内容のコラムを書いた。リンクはすでにつながらないので私が保存しておいた元記事から抜粋する。

これらの兵士らは、世論調査では圧倒的にブッシュ大統領のイラク戦争のやり方を支持していないアメリカ市民が、それでも軍隊を支持し尊敬していることに感謝すべきである。
アルグレーブだの、ハディーサだの、強姦や殺人が起きる度にアメリカ市民は一部の不届きものによるしわざだとか、政権や司令部の責任だといって軍事を赦免してきた。
そりゃ確かに下っ端兵隊は監獄送りになる。だが反戦運動ですらその焦点はホワイトハウスの方針だ。近頃では制服組のひとりとして「赤ん坊殺し!」などといわれて唾を吐きかけられるなんてことはめったに聞かない。
そのうえ我々は兵士にまともな給料を払い、家族の面倒をみて、家裁だの医療費だの社会保障をし、戦地で必要とされる訳の分からない必需品まで供給している。我々は軍隊をできる限りのやり方で援助しているというのに、彼等はその上にさらに、我々に地べたにはいつくばって死んだふりをしろというのだ。軍人たちは自分達が社会の掟を超越しているのだから軍隊に道を譲り将軍たちに戦争をさせろ、そして我々の権利や言論の責任を放棄しろというのである。

アーキンは911以後のアメリカ政府の対テロ戦争の意味が理解できないという。本当にイスラムテロリストによる脅威などあるのだろうかとさえ問いかける。

NBCのこの放送はアメリカが傭兵、おっと失礼、志願兵軍、を持つことの代償を思い知らされる。汚い仕事というのは、洗濯と同じで誰もやりたがらない。しかしイラクは汚い洗濯物を洗うのとは違って誰かがやらなければならない仕事ではない。もう誰もそんなことは信じていない。
兵士らが仕事をするためには、自分らが大事な防御壁を守っているのだと信じなければならないというのは分かる。そこから彼等の不満が生まれるのだということも理解できる。彼等は若く無垢で自分らの仕事が全く成果をあげず、何の変化もない状況に不満を持っているのも理解できる。世間から遮断され常に誰もが彼等を支持すると聞かされてるのに祖国での討論で混乱するのも無理はない。

アーキンは、アメリカ兵は世間知らずの教養のないバカばっかりで、自分らの戦っている戦争が意味のないものであることすら知らずに戦争を批判する人間に八つ当たりをしている、とでも言いたげだ。実際にはアメリカ兵はイラクでもインターネットで世界のニュースを知ることができるし、その上に現場の状況を把握しており、アメリカでパジャマを来たままソファに座ってパソコンたたいてる我々なんかよりよっぽども正しい判断のできる立場にいるのだ。
これを読んで怒ったのは現役軍人だけではない。記事は軍人の家族、親戚一同はもとより、保守派ブロガーや軍隊を支持している一般市民の逆鱗に触れた。ワシントンポストへはよっぽど大量の苦情が寄せられたとみえ、元記事はオンラインからは削除され、本日アーキンはネット上で謝罪を余儀なくされた。(元のリンクへいってみるとたちまちのうちに600以上のコメントが寄せられたため、サイトは一時閉鎖されたと注意書きがあるほどだ。)
もっとも昨日ラジオのインタビューで彼は『発言を撤回するつもりはない、アメリカは負けている、アメリカ軍は教養が低い』などと息巻いていたから、謝罪文は編集部に言われて仕方なく書いたもので心のこもったものでないことは明白である。
アーキンのように軍人は黙って戦争やってろというような奴に限って自分が批判されると言論の自由を迫害しているといってごねるのは常だ。しかしアーキンは決して軍人が文句を言う権利がないとか、唾をはきかけられるべきだとか言ったのではなく、軍人も反戦でありながら軍隊を支持しているアメリカ市民に感謝すべきだといいたかっただけだと強調している。私には全くそうは読めないけどね。とにかくこの謝罪文の一部を読んでもらいたい。

私が今日のアメリカ兵を傭兵と表現したことは明かに誤りであった。
(軍隊の)男女はお金のために国家おざなりに働いているのではない。現状はもっとひどい。制服を着ている非常に多くの人々が自分らこそが本当の国家だと思い込んでいる。彼等は憲法と国旗の影に隠れ反民主的、反リベラル、反ジャーナリズム、不寛容、多少でもアメリカに反する考えを否定する姿勢をとっている。
私が「軍隊もアメリカ市民を支持すべきだ』が火曜日に掲載されて以来、多くの人々から私は黙って他者が私のために犠牲になっていることに感謝しろと言われた。

これが謝罪?謝罪どころかアメリカ軍人を傭兵などといったのは生易しすぎた、アメリカ軍人は自由も民主主義も信じない暴君だと言い直しただけではないか、なんというごう慢さだろう。
私は戦争そのものを支持できなくても軍隊を支持することは可能だと考える。私はクリントン大統領政権下で行われたコソボ・ボスニアの戦争には大反対だった。しかし出動した軍人たちの任務が失敗すればいいなどとは思ったこともないし、戦地へ行った人々には「がんばってね、無事にかえってきて下さい」と激励の声をかけた。戦争そのものが間違っているとしても戦っている兵士らに責任はないではないか、彼等に八つ当たりしてどうなる?
アメリカ軍人が文句をいっているのは、アーキンのように戦争に反対なだけでなく、その戦争で戦っている軍人を軽蔑している人間が、社会からつまはじきにされるのを恐れるばかりに口先だけで軍隊を支持しているなどとでまかせを言っている人間に対してのものだ。家族と別れて危険な場所で感謝もされない仕事をしている兵隊さんたちのことを一度でも真剣に考えたならば、こんな下らない記事はかけないはずだ。アーキンのようなバカが自由にものがいえるのも、我々の勇敢な軍人たちが命がけで戦ってくれているからだ。
すこしは感謝しろ!


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