韓国による反日感情が強まるなか、韓国は日本バッシングになんとかアメリカを巻き込もうとしているという印象を受ける出来事が立て続けに起きているのでその話をしたいのだが、両方書くと長くなるので今日はまずその一つ目。
この話はもう日本のブロガーの間でも取り沙汰されているので御存じの方も多いと思う。ことの起こりはヨーコ・カワシマ・ワトキンズさんというアメリカへ移住した日本女性が戦争中の思い出を書いた『竹の森遠く』(So Far from the Bamboo Grove)という児童向けの本がアメリカの中学校で80年代から推薦書と指定されていたことに最近になって数人の在米韓国人父兄が抗議をしたことにある。この物語りは1945年当時11歳だったヨーコさんが軍人だった父親の仕事の関係で家族と一緒に住んでいた今の北朝鮮に当たる場所から日本へと引き上げる際に、日本の避難民が地元朝鮮人の盗賊やロシア兵に冒涜されたり金品を略奪されたのを目の当たりにした体験を少女の目からみて綴ったものである。

問題はこの小説が数年前から米国の中学校の推せん図書60冊に入っているという点だ。この事実を知ったボストンやニューヨークなどに住む韓人の保護者らが教育当局に強く抗議を始めた。子供たちがこの本しか読まなかった場合、残酷な日本の植民地統治は全く知らず、韓国人に迫害された日本人たちの話だけを知ることになるという論理だ。

誤った歴史認識を持ってしまう可能性のあるこの小説を、学校から退出させようという運動は昨年も起こった。ニューヨーク州にあるライカントリーデイスクールの場合は非常に成功的だった。昨年、この学校の6年生の韓人女子児童が問題の小説が英語の推せん図書に含まれた事実を知り、自ら授業をボイコットした。娘の授業の拒否理由を知った親は学校側に説明し、一理あると判断した学校側はこの本を推せん図書から除外した。
ボストンでは韓人保護者たちの抗議が続くと地域教育委まで出た。マサチューセッツ州ドーバー・シェルボーン地域教育委員会は論議の末、2日、この本を推せん図書に含むかについて投票を実施した。投票の結果、推せん図書から外そうということになった。しかしこうした結果について英語教師らは「戦争の惨酷さをよく表した作品」として反発した。ここに他の人種の保護者たちが加勢し、投票はなかったことになってしまった。
韓人たちが多く暮らすカリフォルニア州でもサンフランシスコ韓国教育院を中心に最近ボイコット運動が始まっている。教育院は現在、北部カリフォルニア州の学校を対象に実態の調査も並行して行っているということだ。

私の伯母も幼い子供と一緒に中国から引き上げた人間の一人であるし、恩師もやはり同じような経験をしている。特に恩師のご主人はヨーコさんのお父さんのように、ロシア軍に捉えられて何年もシベリア送りになっていた。当時の大陸や朝鮮からの引き上げ難民の凄まじい話は幼い頃から聞かされてきたことなので、カカシはヨーコさんの体験が嘘だなどとはよもや思わない。だが韓国人たちは彼女の本のなかの内容が歴史的事実と噛み合ないとしてこの話は真っ赤な嘘であると主張している。
親日のオーストラリア人が書いてるブログ、Occidentalismで、以前にも紹介したアメリカ人のゲリー・ビーバーさんがこの話を特集しているが、今年の2月16日にワトキンズさんがサイン会をしたボストンの会場で、彼女は「南京」などと書かれたTシャツをきた反日の観客らに詰問攻めにあったという。「あなたのお父さんは中国で何をしてたんですか?」とその中でも特に敵意丸出しで73歳のワトキンズさんに詰め寄ったのはダニエル・バレンブラット(Daniel Barenblatt)という男性で、日本軍が中国人をつかって生体実験をしたとする話題作”A Plague Upon Humanity”の著者である。
彼はヨーコさんの話は最初から最後までねつ造だと言い切り歴史的にも間違いだらけだとし、その最大の間違いは加害者と被害者を取り違えていることにあるとしている。さらに、このバレンブラットなる人物はワトキンズさんの父親が生体実験をやったとされる731部隊の隊員だったのではないかとさえ言っているのである。(自分の反日本を売りたいためのパフォーマンスではないのか勘ぐるのはカカシだけだろうか?)
一般に韓国人が「竹の森遠く」が歴史的に正しくないと指摘する数々の点、例えば少女のヨーコたちが住んでいた場所には竹林などなかったとか、鉄道がアメリカ軍の空爆で破壊されたとあるが1945年にアメリカ軍はこの地区を空爆していないとか、ヨーコや家族が共産党員が攻めてきたと話しているが、その頃まだ北朝鮮には共産党はなかったなどというのは重箱の隅を突くようなくだらない言いがかりだ。
まず、北朝鮮に竹林が存在しないといういい分こそが嘘である。また11歳の少女には鉄道の爆発がアメリカ軍の空爆によるものか、ロシア軍のものか、それをいうなら日本軍がわざと爆破したものだったとしても、周りの大人たちの言っていたことをそのまま信繰り返しているにすぎない。北朝鮮に共産党員が実際に居たか居ないかにしても、北朝鮮の反対勢力を日本軍が単に「共産党員」と呼んでいただけのことかもしれず、11歳の少女に自分らに襲いかかってくるのがただの野盗か共産党員かなど分かるはずはない。
第一、日本軍が朝鮮半島や中国で例え悪逆非道を行っていたということが事実だったとしても、日本軍が負けた時点で日本を占領軍として憎んでいた半島の抵抗勢力が日本人市民に報復としての悪行を働いたとしても不思議でもなんでもない。いやむしろ復讐の念を持って仕返しをする人間が一人もいなかったと考えるほうがおかしい。被害者は必ずしも善とは限らないのである。
はっきり言って日本軍の行いとヨーコさんの体験は無関係であり、それをもって嘘だったという根拠には全くならない。
在米韓国人たちがアメリカの児童に朝鮮の恥べき姿を知られたくないという気持ちは解る。だが、ヨーコさんらに悪行を働いたのは今の北朝鮮にあたる地域にすんでいた朝鮮人であって、今の韓国人とは関係ないはず。韓国の人々は悪事を働いたのは北朝鮮に人間で自分達ではないので混乱しないようにと読者に教えればいいだけの話だ。それとも北も南も同民族だというだけで道義上同じ責任があるというのだろうか?
私にはどうして韓国が日本よりも後になって戦争した北朝鮮を、日本バッシングをしてまで庇う理由がどうも分からない。いくら同じ朝鮮民族だといっても彼等は共産党独裁主義であり、民主主義で自由な国は北などより日本とのほうがよっぽども共通点があるではないか。
血族にばかりこだわって、韓国にとって大切なことを見失うと、今後の韓国の発展は見通しが暗くなってくる。


1 response to 日本女性の半島引き上げ体験本がアメリカでボイコットされる理由

scarecrowstrawberryfield17 years ago

下記はOceanautさんからのコメントです。
******
始めまして! 
本土生まれで、沖縄暮らしのオジンです。
苺畑さんのブログを面白く(有意義に)読ませていただきました。
ヒジョ〜(非常)に、ヒジョ〜に私に近い御意見がいっぱい!
韓国につきましてはこう思うのです。
南北共通で日本に対する恨み&劣等感が南北のつながりの
エネルギーとなっている。劣等感と言えばまだマシで実際は
ヒガミと言えるように思えます。まだまだ朝鮮民族は(心・魂)小さい。
成長を待つしかないでしょう。 我等日本人もそうだった。
民族の成長は子供と同じで、多くの経験を積まねば・・・
長い経験を積んでも駄目な民族も有りますがね!
(ロシアや中国、フランス・・・
政治体制や政治家の質だけの問題ではなく「民度」だと思いますが)
911事件ではホボ全アメリカ人が開戦に賛成したと思うのですが
難関に差し掛かるとコロリと反対側に回る。米民主党とて
同じで、意見のコロリは正に大衆迎合主義的。
なんだか昔のカーター大統領の弱々しい笑い方を思い浮かびます。
私? 私はアメリカに住んでいたら共和党支持でしょうねえ。
ネオコンではなく本コンサバです。
ところで、苺畑カカシさんの記事には中国が無いですね。
現状と未来においてかの国ほど危険な国は無いと思うのですョ。
北朝鮮なんてチンピラ以下ですが、中国はチンピラでは無い。
本物のワル組織です。
米国政府或いは軍は良く御存知だと思うのですが、ボチボチ
国民に中国脅威に付いて知らせるべきだと思いますが、実際は
ドウなんでしょう? アメリカ人は東アジア情勢については余り
興味を示さない?それとも黙視?
私は若い頃アメリカの会社で働いていたので今でも敏感です。
カリフォルニアの大手石油会社でした。つまり戦略物資を
扱う会社。 その頃以前から国防、防衛外交、資源外交に
興味があった。
で!昨今の日本の風見鳥的外交、幼稚な外交にウンザリ。
時々日本に駐在する米兵と話をする事があります。
先ず、「有難う」という。
先方さん「・・・なんで?有難うって言うの?」
「あ〜、東アジア、日本の国防に大いに力を注いでくれているからね!」
先方さん「こんなことを言ってくれる日本人は初めてだョ」と。
カカシ様、共産中国に付いても記述を!
貴ビログへのコメント書込みの方法が解らないのでメールにて
失礼をば!
お元気で!
元海洋科学調査の仕事だったので、メール用ネームはOceanautです

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