昨日もイランによるイラクへの関与の話をしたが、アメリカ軍はどのような証拠をもってイランがイラクに関与しているというのか、その記事を紹介し、どうしてブッシュ政権がずっと過小評価してきたイランの関与について、最近突然大々的な発表をはじめるようになったのか考えてみたい。
まずはCNNのニュースから、

「爆弾攻撃にイラン関与」とイラク駐留米軍
2007.02.12
Web posted at: 12:43 JST
– CNN/AP/REUTERS
バグダッド──イラク駐留米軍は11日、少なくとも米兵170人が死亡したイラク国内の爆弾攻撃に、イランの最高指導者ハメネイ師から指示を受けている精鋭部隊が関与しているとの見解を示した。
米軍がイラン関与の証拠として挙げたのは爆発成形弾(EFP)で、製造法にイラン起源の特徴が見られるという。また、同じくイラク国内で攻撃に使用されている81ミリ迫撃砲弾は、イランからイラク国内に直接持ち込まれたとみられている。
米軍によると、こうした弾薬類はハメネイ師が直轄するイラン革命防衛隊のアルクッズ部隊によって、イラク国内のイスラム教シーア派グループに供給されている。ここ数週間内に北部アービル市内で拘束された数人のイラン当局者の中に、同部隊の関係者1人が含まれていた。
さらに、昨年12月にバグダッド市内で拘束された他のイラン当局者らは、イランがイラク国内の有力政治組織を武装していると供述した。当局者らは、イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の指導者アブドゥル・アジズ・ハキム氏の施設の家宅捜索で拘束され、米軍はこの際に武器取引の証拠文書を押収した。
政治組織の関係者は、武器調達が自衛目的であると説明。ただ、米軍側は、迫撃砲や狙撃用ライフル銃といった調達武器が自衛には使用されないと反論している。

この狙撃銃について今日新しい情報がはいった。下記はPowerline紹介のDaily Taragraphの記事より。

デイリーテレグラフはイランに輸出されたオーストリア製の狙撃ライフルがイラクテロリストの手にわたっていたことが判明したことを学んだ。
100丁以上におよぶ.50 カリバーの防弾チョッキを貫く威力のある武器がアメリカ軍による手入れの最中に発見された。
発見されたのはスタイヤーH550(Steyr HS50)で長距離先鋭ライフルである。
これらのライフルはオーストリアのスタイヤー・マンリッカー社(Steyr-Mannlicher)製造のもので去年合法にイランに輸出された800丁のライフルの一部であるという。
この販売については、これらの武器が反乱軍によってイギリス兵やアメリカ兵に対して使われる恐れがあるとして、ワシントンとロンドンから激しい抗議があった。
H550のイラン出荷わずか45日目してスタイヤー・マンリッカー製ライフルはイラク反乱軍戦闘員の手にわたり、アメリカ人将校を狙撃し殺害した。

アメリカ軍は今後もイランのイラクへの関与についてもっと多くの証拠を陳列するものと考えられ、これらの証拠はそのごく一部であろう。昨日もちょっと書いたが、イラクにイランが関与していることはもう2年以上も前から現地の兵士やイラク人たちの間で周知の事実だったにも関わらず、なぜいまになるまでアメリカ政府はその事実をあまり公開せず、突然最近になって記者会見をやってみたり派手な発表をしているのか、いったいアメリカ政府の意図はなんなのだろう。
国際メディアの間ではアメリカはイランを挑発しているという考えが一般的らしい。国際メディアの傾向に詳しい妹之山商店街さんが某掲示板でこんなことを書いている。

BBC,PBS,そしてあの CNN でさえも、「ブッシュ政権はイランを挑発している。イランへの限定的攻撃の口実を手に入れようとしている」と堂々と放送しています。
BBCは「何故、今なのか」と分析しています。ということで、イラン製兵器の存在という報道は、

    ・イラク政策破綻の聞き苦しい言い逃れであり、
    ・イランへの限定的攻撃=空爆の口実を得る為のミエミエの挑発

まずこれが『イラク政策は単の聞き苦しい言い逃れ』であるという説について、左翼の反戦派の間でそういう意見があるのは理解できるが、カカシが何度も繰り返しているようにイランの関与は現場の兵士たちは伍長以上の立場にいた人たちならもう2年以上も前から知っていた事実。これまでそれに関してアメリカ政府がとりたてた政策をとってことなかったことのほうが不思議なくらいなのだ。言ってみればイラク戦線が苦戦に陥っているのもイラン関与にもっと早い時期に取り組まなかったことが起因しているとさえ言えるのである。
さて、では何故いまになってアメリカ政府はイランの関与を公表しはじめたのだろうか。昨日私は、アメリカがこれまでほのかなもっていたイランとの平和的な外交が、全くうまくいかないことをやっと悟って、軍事的な強行手段を取る、もしくは取るつもりがあるという姿勢を見せてイランを牽制するのが目的なのではないかと書いた。
しかしそのことについてミスター苺はブッシュ大統領の意図はイラン牽制というよりヨーロッパ諸国への警告だという。

私はそのことについてここ数日ずっと考えてきた。そして私が思うにブッシュ大統領はヨーロッパに対して次のような最後通告をする計画なのである。

この状況に対応するため重く意味のある効果的な経済制裁をイランに与えよ、さもなくば我々が軍事行使によって対処する!これ以上の議論はしない。国連の承認も要らない、だからおふらんすもロシアも中国も否決などできない。これは国連の行動でもなければNATOのものでもない。
つまり私はコソボスタイルの空爆がおきると考える。

だとすれば、イランがアメリカから攻撃を受ける受けないはヨーロッパのイランとの交渉にかかっているということになる。無論その間にイランがアメリカに下手に手を出せばアメリカには対応する用意があるというわけだ。
さてここで妹之山さんの第2の点『空爆の口実を得る為のミエミエの挑発』だが、アメリカは決して偶発的な戦争は望んでいないはずだ。戦争をするならするでアメリカの都合のいい時にアメリカの決断でやりたいはず。アメリカがイランと戦争をするつもりなら、なにもイランを挑発する必要などないだろう。


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