ソビエト連邦共和国プーチン書記長、、じゃなかった、ロシアのプーチン大統領はアメリカや国連の意向に反して 29の最新鋭TOR-M1 型の対空ミサイルシステムの配達を完了した。イランはテストも完了し、このミサイル防衛システムを航空防衛作戦のひとつとして取り入れることとなった。下記はU.S.Frontlineの日本語ニュースより。

ロシア製ミサイルを試射 イラン

 イラン学生通信によると、同国革命防衛隊は7日、ペルシャ湾などでミサイル演習を2日間の日程で開始し、ロシアから到着したばかりの対空ミサイルシステム「TORM1」を使ってミサイルを試射した。
 演習には革命防衛隊の航空部隊と海上部隊が参加。米軍が同湾に2隻目の空母を派遣したことに対抗する狙いもあるとみられる。
 初の国連制裁が昨年末に発動されるなどイランへの国際的な圧力が強まる中、ロシアは米国などの反対を押し切って今年1月、TORM1をイランに供与した。(共同)

いずれはイランの核兵器開発を破壊することが、イランの宗教指導者政権を倒す唯一つの方法だと分かっているのに、どうしてロシアはこのように積極的にイランを武装するのであろうか? どう考えてもロシアはアメリカやイスラエルがイランを攻めた場合に備えてイランの防衛力を強めるのが目的としか思えない。
つまり、プーチン大統領はテロリストの味方である過激派イスラム教の核武装を望んでいるということになるのだ。
過激派イスラム教徒についてはロシアのほうがアメリカよりもずっと深刻な問題を抱えている事実を考えると、ロシアのこのような行動はどうも解せない。もう10年以上に渡る内紛でチェチニアの凶暴なジハーディスト(聖戦主義者)たちによってロシア人は何千と殺されているではないか。モスクワの映画館やベスランの幼稚園での惨殺はまだ記憶に新しい。
2000年にロシアはグロズニーに傀儡政権を立て独立主義者たちを征圧しているとは言うものの、反乱がいつ何時再燃するか分からない状態である。特にイランがレバノンのヒズボラ、パレスチナのハマス、イラクのサドルらにしているようにチェチニアのテロリストに種々の援助などをすれば、ジハーディスト達はたちまちのうちに勢力を持ちかえすだろう。
ロシアやイランに対空ミサイルシステムを売ることで過激派テロリストの攻撃から自分達だけは免れると考えているのかもしれないが、もしそうだとすればプーチンは気が触れたとしか言い様がない。
アメリカもクリントン政権の時、イスラム教の味方をしてキリスト教徒と2度も戦った。一度はボスニア、そして二度目はコソボ。それでイスラム教社会から少しでも感謝されただろうか? と〜んでもない。イスラム教徒を民族浄化の危機から救ってやったお礼は2年後の911で支払われたのである。アルカエダの親玉オサマ・ビン・ラデンはアメリカがクエートをイラクから助けるためにサウジに乗り込んだことは何度も持ち出してるが、コソボやボスニアの話は一度たりともしたことがない。
ここで注目されるのはロシアがイランのシステムの作動にロシア人操縦者を供給するのかということだろう。契約にはアフターケアも含まれているらしいから部品や修理は請け負うのだろうが、操縦にはロシア軍人を使うのであろうか? もしそうだとしたら、ロシアは本当にアメリカと対決することになってしまう。これはヨーロッパも承知していることなのだろうか? もっともヨーロッパ連合は暗にロシアに対してイランの防衛システム発達に力を貸すことを承認しているのかもしれない。ヨーロッパの本音はアメリカにイランを攻撃させるのを防ぐことなのではないだろうか? ヨーロッパは此の期におよんでまだジハーディストたちに迎合しようというのである。ヨーロッパの常套手段ではあるが。
そうだとすれば非常に悲しいことだが、そしてそれ以前に愚かな考えである。ロシアだけでなくヨーロッパ大陸はアメリカよりもイスラム過激派からの脅威にさらされており、その脅威は急激に増幅しているのである。イランの核武装によって先ず最初に被害を受けるのはアメリカよりもロシアを含めたヨーロッパ諸国なのである。フランスのシラク大統領はブッシュ憎悪に目が曇ってそんなこともわからなくなっているのだろうか?
もっとも新しい防衛システムなどアメリカの空爆にかかったらひとたまりもないだろう。 我々は多分Bー2爆撃機でもつかってシステムそのものを先ず破壊してしまうだろうから。しかし今回のことはロシアをはじめヨーロッパは対イスラム過激派テロ戦争においてあんまり当てにはならない存在だということがはっきりした。
ブッシュ大統領はもう一度プーチンの目を見て、奥にある本性を見直す必要があるだろう。


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