昨日ロサンゼルスのラジオDJがカナダのトロントに住むイラン人のブロガーにインタビューした話を、危険なのはブッシュ、アクマネナジャドではないで紹介したが、今日はその続きを紹介しよう。
このイラン人、ホセイン君、危険なのはイランの気違い大統領ではなくて過激派キリスト教徒に囲まれているブッシュ大統領のほうだといっていたが、ヒューはここで話題を変えてイラク戦争について質問した。イラクにおいて最近イランからの介入が入っていることが序々に明かになってきているが、そにについてヒューは、、
イランのブロガー: イランのアメリカ軍攻撃は正当防衛
番組のおしらせ! 14日『911への道』放映
おしらせです。
日本時間14日20時よりWOWOWにおいて911同時多発テロがどのようにしておこったかを描いたテレビドラマが全編と後編にわかれて報道されます。詳細はこちら。
真実を知りたいひとは是非御覧下さい。
この番組に関するカカシの意見は下記に書いていますのでご参考にどうぞ。
911ドラマ、『911への道』を観て、、
イランのブロガー:危険なのはブッシュ、アクマネナジャドではない。
ロサンゼルスを基盤にしているラジオ番組の人気DJ、ヒュー・ヒューイットがカナダのトロント在住イラン人のブロガーにインタビューをした。その一部を紹介しよう。
ブロガーの名前はHossein Derakhshan, 生まれ育ちはイラン、イランで新聞記者をしていたが、彼のつとめていた新聞社が政権の保守派と対立する革新主義の政党を支持しているとして閉鎖されたのをきっかけに2001年イランを去ってカナダに移住した。ブログをはじめたのは911同時多発テロの直後で、一般市民の生の声を書きたかったからだという。
彼がブログをはじめた頃は英語以外のブログは珍しかったので、どうやってこの新しいユニコードを使ってペルシャ語でブログのブログを作るか彼自信が段階に分けて分かりやすい説明書を作成したのだという。
HH: さてホセイン、現在どのくらいの人がイラン国内でやってるんですか、そのブログですけど。
HD: イラン国内では少なくとも4つの会社がテヘランとかの大都市でブログサービスをしています。これらの会社が提供しているブログの数はというと概算で多分70万は超えるんじゃないでしょうか。これはもちろん、、、
HH: 現政権はこうしたブログに何か規制をかけてるんですか?
HD: イスラム共和主義はそれほど人気のないことにはあまり関心をしめしません。もちろん彼等は世論をコントロールしたいでしょう。これは明らかです。でも一日せいぜい60人程度の読者しかいないようなブログのことまで心配していません。それがたとえイスラム共和主義の最大のタブーをやぶっていたとしてもです。でもものすごい人気があって世論に影響を与えるようなブログで、それがタブーをおかしているとなれば、僕のブログなんかもそうですが、人気があって影響力があると心配なようです。僕もこのタブーとかの問題は話しています。だから僕のサイトはフィルターかけれたりブロックされたりしてもうかれこれ2年くらいはイランからアクセスできなくなっています。
ここでヒューはイランのアクマネナジャド大統領について質問をした。ホセイン君はアクマネナジャドは過激派で本当に12人目のイマムを再来を信じ込んでいるような狂信家だが、国内ではほとんど人気がないし、イランの実際の権力者である聖職者の間からも支持がないという。この間のイランの選挙でアクマネナジャド派が大敗したことを考えるとホセイン君の見方は正しいのかもしれない。
しかし話がイランの核開発になってくるとホセイン君の意見はやはり我々とは違う。そして話がブッシュ大統領の方針になってくると常識ではちょっと考えられないような不思議な意見がとびだしてくる。
HH: ホセイン、あなたはさっきアクマネジャダドは12人目のイマム再来を本気で信じてると言いましたが、イラン政権に核兵器を持ってほしいとも言いましたね。
HD: ええ、ええ。
HH: アメリカが、多くのアメリカ人が、それは許せない気持ちはわかりますか?
HD: ここにひとつ重要な事実があります。あまり多くのひとに知られてないことですが、メディアはほとんど報道しませんし、でもアクマネジャドの脅威なんて全然現実的ではありません。なぜって彼には軍隊を指揮する権限なんてないんですから。だから彼がヒットラーみたいになるなんてkとはあり得ないんです。よく彼とヒットラーを比べるひとがいますけど。イランの大統領で軍隊をコントロールできた人なんていないんです。これは非常に大事なことです。
HH: それは私も知っています。でも最高統治者のKhameneiがまだ生きているとしても、アクマネジャドと同じ考えを持つAyatollah Yazdim みたいな人と交替される可能性もあるわけでしょう。だとしたら我々がイランのYazdiのような最高統治者のもとにある核開発を、なぜ心配すべきではないというのですか?
HD: なぜならそれはほぼあり得ないことだからです。この間ほぼ民主的な形でリーダーの候補を選ぶ選挙がありました。ガーディアンと呼ばれるこの委員会において Ayatollah Yazdiは一番の候補者よりもずと離れた二番でした。この委員会は Council of Expediencyとも呼ばれていてペルシャ語ではMajlis-e Khobregaanといわれています。この一番候補になった人はかなりリベラルなひとです。彼はカターミの前に大統領だったひとで名前を、、
HH: ラフサンジャニ。
HD: ラフサンジャニ。
HH: 我々西側の人間からいわせるとラフサンジャニはリベラルでも穏健でもないですが、まそれはいいとしても、もしあなたが間違っていたらYazdiが最高統治者になる可能性もあるわけでしょう、そうなったら心配じゃないですか?
HD: それはそうですが、そんなことは先ずあり得ません。なんといっても色々問題はありますがイランは基本的には民主的な国ですから、この少数派で影響力も小さいグループの勢力は限られています。
HH: でもホセイン、たとえ僅かとはいえその可能性が多少でもある以上イランの核開発を否定する理由になりませんか。我々は12番目のイマムなんかに核爆弾のスイッチを握ってられちゃ困るわけですから。
HD: でもそれは、正直な話、ブッシュの側近に過激なキリスト教徒がいるのとたいした違いはありません。彼等がいたことがブッシュが最初のときも二回目も当選した理由のひとつですし。彼等も救世主の存在を信じてるわけですからそれと大して変わりませんよ。
HH: ホセイン、ちょっと待った。待った、待った、待った。ジョージ・ブッシュの周りには混乱による最期の時を信じてる過激派キリスト教徒なんていませんよ。それは真実ではありません。誰か名前があるんですか、、
HD: でも証拠がそれを示しています。
HH: 示してません。そんな人はいません。ひとりとして。そんな過激派がいるというなら一人でも名前をあげてみて下さい。
HD: 誰がブッシュに近いか近くないかということが問題なんじゃありません。彼等の政策が、例えばイラク侵略とか、味方につかなけりゃ敵だとかっていう言い方とか、他の方針とか色々なことがそのイデオロギーからきてることから言って、彼等がそれを信じていることを示唆しています。これはもっと危険なことです。なぜなら彼等はアクマネナジャドや彼を支持してる小さなグループなんかよりずっと人気があるんですから。
HH: ホセイン、もし事実この世の終わりを唱えるような人たちがいたとしたらもうすでに6年間もあったんですから、今頃はもうはじめてるはずですよ。
HD: わかりません。でもブッシュ政権のやり方をみているとアクマネナジャド政権からでてくるどんな方針より危険だと思いますよ。
アメリカのキリスト教徒がイランの気違い大統領と同じレベルだという考えには驚いたが、ブッシュ大統領のほうがアクマネナジャドなんかよりはずっと驚異的な存在だというのは私も同意する。もっともこれは民主主義を敵に回したらという意味だが。
ヒューのインタビューはその後イラクにおけるイランの介入に移るがこれに関するホセインの見解もまた面白いのでその話は続けて明日しよう。
米イスラム市民団体に断固たる姿勢:バーバラ・ボクサー民主党議員
CAIRというアメリカ最大のイスラム教の、市民団体とは名ばかりのテロ団体の話は以前から何度もしているが、今回カリフォルニア州の下院議員バーバラ・ボクサー氏が公にCAIRとテロ軍団との関係を批判しイスラム教徒らから大攻撃を受けている。
以下はワシントンタイムスに載ったジョール・マーブレイ氏のコメンタリーを参考にして書かせてもらった。
バーバラ・ボクサー議員といえば私には地元の民主党議員だが、その思想は非常に左翼的で私は何一つ賛成できることがない。だから今回女史が穏健派を装い裏ではテロ軍団に資金援助をしたりイスラム過激派思想を広めているCAIRにたいして断固とした姿勢を示したことは驚くと共に非常に喜ばしく思う。
ことのきっかけはボクサー議員がサクラメント市の政治運動市民バシム・エルカラ氏に「活躍賞」を贈呈する予定だったのをエルカラ氏が地元CAIRのリーダーであることを学んだ直後ボクサー議員が賞を取り下げたことにある。これにショックを受けたのはエルカラ氏当人よりもCAIR本部である。
911事件後、なぜかアメリカ最大のイスラム市民団体はその勢力が衰退するどころか一見穏健な意見を掲げてアメリカの政治家達に取り入り、あらゆる部門でその権力の幅をきかせるようになってきた。特に反ブッシュ政権の左翼政治家への取り入りかたは熱心だったので、今回左翼の政治家であるボクサー議員から公の場でテロリストとの関係を指摘され大々的に拒絶されたことはCAIRにとっては予想外の衝撃であったろう。
ボクサー議員は同じく民主党の左翼議員ニューヨーク代表チャールズ・シューマー議員やディック・ダービン議員が三年前に発表した見解を繰り返したにすぎないのだが、政治家の間では民主党も共和党の議員もCAIRを表立って批判する人間は少ない。これまでCAIRについて批判的な意見を表明してきたのは主に保守派の政治評論家やブロガーたちである。
CAIRはボクサー議員が「親イスラエルロビー」の「反イスラムの過激派」に丸め込まれたのだと主張している。ボクサー議員は地元では人気のある議員であり、今後も再選で負ける可能性のほとんどな安全な議席の所有者だ。そのボクサー議員がCAIR関係の市民に賞を与えたからといって特にこれといった批判を受ける心配はない。だが逆に人権擁護を表看板にしている勢力ある市民団体CAIRを公に批判することで、ボクサー議員はイスラム教過激派から政治的にも身体的にも多大なる攻撃を受ける危険性がある。政治的に経験豊富なボクサー氏がその危険性を考えなかったとは思えない。だから今回の彼女の行動はかなり勇気あるものだと評価されるべきだろう。
CAIRは予想どおりその組織力を動員してボクサー議員の事務所に大量の嫌がらせ電話攻撃をおこなっている。皮肉なことにこのCAIRのボクサー議員への攻撃がCAIRの暴力団的な危険性を世間に示す結果となった。
CNNテレビのインタビューにおいてCAIRのスポークスマンであるイブラヒム・フーパー氏はCAIRは常にテロリズムを厳しく批判してきたと大嘘を述べた。
CAIRは過去に一度だけハマスのテロ行為を批判したことがある。2002年3月にユダヤ教の大事な祭日パスオーバーの日にイスラエルのネタンヤで起きた虐殺事件がそれである。しかしCAIRはその声明文で事件がイスラエルで起きたとせず「中東での攻撃」とだけ書いていた。またヒズボラに関してはこの間の一か月に渡る戦争について、CAIRはヒズボラのテロ行為を一度も批判せずアメリカとイスラエルへの批判ばかり少なくとも8回は声明を発表している。
実際にCAIRがハマスやヒズボラを糾弾したことなど一度もない。その気になればワシントンポストやピッツバーグガゼットなどの紙面を使ってその機会はいくらでもあったのにである。ニュースウィーク誌が先月ハマスを糾弾すべきではないかと直接質問した時もCAIRの会長で創設者のひとりNihad Awad氏は「親イスラエルロビーの遊びだ」といって一笑に伏して答えなかった。
しかしCAIRは誰も聞いていないと思うとその会合などでテロリストへの熱烈な支援と共感を述べている。
1994年フロリダのバリー大学で行われた演説のなかでAwad氏は「私はハマス運動を支持する」と宣言。氏は「私はハマス運動を支持する」と1999年シカゴで行われたパレスチナイスラム協会の大会でも青年たちに向かって述べた。またもう一人の創設者Omar Ahmad氏も自爆テロ犯人を讃え「イスラムのために自決した」「自由のために戦い、イスラムのために戦ったのだ、自殺ではない、イスラムのために死んだのである。」と語った。
CAIRはしたたかな団体なので今後も色々と問題を起こすだろうが今回のボクサー議員の行動がきっかけとなって、アメリカの左翼の間にもCAIRがアメリカの敵なのだという意識がひろまってくれればこれに越したことはない。
この間下院議員に就任したばかりのアメリカ初のイスラム教議員にしてもそうだが、イスラム教過激派は正体を隠して我々の世界に潜入するので、十分な注意が必要だ。
アメリカ市民の7割がイラク増兵反対の意味
ブッシュ大統領のイラク新作戦演説が終わるか終わらないうちに数社による世論調査が発表された。そのどれもが圧倒的多数のアメリカ市民がイラク増兵には反対だというもの。以下読売新聞の記事より引用:
米国民の7割、イラク増派に反対…APなど調査
1月12日11時26分配信 読売新聞
【ワシントン=五十嵐文】ブッシュ米大統領が発表したイラクへの米軍2万人増派について、米国民の約7割が反対していることが、AP通信などが実施した世論調査で明らかになった。
8日から大統領が増派を発表した10日夜にかけて実施したもので、大統領の支持率も同通信の調査で最低の32%まで落ち込んだ。
米紙ワシントン・ポストと米ABCテレビが10日夜の増派発表直後に実施した緊急電話世論調査でも、増派反対が61%を占めた。
上・下両院で多数派の民主党は、増派関連予算凍結なども視野に増派阻止策を検討しているが、調査では53%が民主党の取り組みを支持すると回答した。
世論調査というのは質問の仕方やサンプルの取り方で答えはどうにでも操作できるので、結果だけみてほとんどのアメリカ人がブッシュ大統領の新しい方針を支持していないと考えるのは誤りである。
ここで取り上げられている AP-Ipsos and ABC/Washington Post の世論調査には 根本的な間違いがある。 それはなにかというと、、
政党の方針に関する質問をするのに民主党のメンバーを他党のメンバーより多く調査対象にしている。
ということだ。
AP-Ipsosでは対象人口の政党に関する質問があったがこれは非常に興味深い。
あなたは自分を民主党、共和党、無所属、その他のどれだと考えるか。
共和党 ……………………………. 24%
民主党………………………………35%
無所属………………………………26%
その他……………………………. 12%
分からない…………………………3%
これを見てもらえばわかるが、民主党のサンプルが最も多く、それに続いて無所属そして共和と続いている。民主党のサンプルは共和党のそれよりも46% も大きいのである。共和党の方針に関する質問で民主党のサンプルが多ければ、共和党に批判的な結果がでるのは当たり前である。
しかし多くの世論調査会社はこういった質問は回答者がどの党に所属しているかを聞いているのではなくて、どの党をより支持しているか、という質問なので問題はないと主張する。このような理屈は民主党を多めにとる不公平なサンプルをごまかすための言い訳にすぎない。だがそれを指摘すると彼等はこぞって共和党の不能な方針が民主党の支持者を増やしただけであって、サンプルに問題があるのではないと答える。
だがこの答えには二つの問題がある。
- もし民主党支持者の数が共和党支持者よりも増えているというならば、選挙時の投票でその結果が現れているはずである。だが2006年11月の選挙では民主党がすれすれで勝ったとはいえ、民主/共和の支持率はほぼ五分五分であり1992年からずっと変化がない。
- それにもし Ipsosが本当に回答者の所属党がその答えに反映しないと考えているなら, なぜこの質問だけ, 質問の対象を 一般の大人から投票登録者のみにかえたのであろうか?
一般の大人であればこの質問の意味を「どの政党をより支持するか」という質問にとるだろうが、投票登録をしている人間なら「どの党に所属しているか」というふうに取るのが普通だ。ということはこの世論調査は 非常に多くの民主党所属市民を対象にした調査だということになる。
ABC/Washington Post の調査ではこのような質問がないため対象人口の分布は明らかではない。だが「イラクの状況を扱うにおいて、民主と共和のどちらをより信用するか」という質問において、民主47% 、共和36% と民主党のほうが多い。民主党はイラクについて一度もどのような方針をとるか発表したことがないので、このような結果がでるということは対象サンプルに民主党の方が共和より多くとられていると判断しても間違いではないだろう。
質問には計画の主要点をすべて含むべきであり、不評と思われる計画だけの質問をすべきではない。
AP-Ipsos の調査ではブッシュの新計画に対してひとつしか質問がされていない。
イラクに兵を増強することに賛成ですか反対ですか?
これでは70% が反対、26% が賛成と答えても不思議でもなんでもない。だが昨日も当ブログで説明したように、増兵は新しい作戦のほんの一部でしかない。ブッシュ大統領が増兵した兵を何に起用するのか、これまでの作戦をどう変更するのかという説明がない限り、単なる増兵案なら私でも拒絶するだろう。イラクで兵が足りないという話はイラク戦争が始まった頃からいわれていたことで、なるべく少ない数でハイテックや特別部隊の起用でやっていこうというラムスフェルド長官の考えは長いこと批判されていた。それでも私は作戦変更なくしての単なる増兵は敵の標的を増やすだけで意味がないと考えてきた。
だから2万兵も増やすというのであれば、この増えた兵がどのように起用されるのか詳しい作戦が提示されない限り私とてそう簡単には同意できない。だがブッシュ大統領は水曜日の演説でその細い新作戦を詳細に渡って説明したのである。この新方針では米軍の戦闘規制の緩和、イラク政府への圧力、シーア民兵および武装勢力の厳しい取り締まり、占拠した土地の長期に渡る制覇など、これまでとは違った新しい作戦が盛りだくさんだった。アメリカ市民がブッシュの新作戦を支持するかどうかはそうした詳しい作戦に関して市民の意見を聞かなければ判断できないのである。
ここが知りたい! ブッシュ大統領のイラク新作戦質疑応答
さてアメリカ時間で昨晩6時、ブッシュ大統領はテレビ放映でアメリカ国民に今後のイラク政策を発表した。まずはCNNの日本語ニュースから:
ブッシュ大統領「兵力不足だった」 イラク新戦略で2万人増派
ワシントン(CNN) 米国のブッシュ大統領は10日夜(日本時間11日午前)、ホワイトハウスでテレビ演説をし、イラクにおける新戦略を発表した。これまでの戦略は兵力面で欠陥があったとの認識を示し、今後数カ月のうちに約2万人の米兵をイラクに増派する方針を打ち出した。
ブッシュ氏は、特にバグダッド周辺で治安が保たれていないことについて、「イラクと米国の兵士の数が、治安維持のためには十分ではない」と説明。また、部隊の活動に規制がかけられ過ぎているとの認識も明らかにした。
米兵の即時撤退については、断固として否定。直ちに撤兵すれば「イラク政府の崩壊を招きかねない」とし、「そうした方針は結局、米部隊がイラクにより長い期間駐留し、より強力な敵と直面しなければならないことになる」と述べた。
内戦状態との指摘もあるイスラム教宗派間の武力衝突については、イラク国民だけが終わらせることができると強調。すでにイラク政府が積極的な取り組みを進めていると述べた。
ブッシュ氏はまた、「イラクに成功をもたらす魔法などない」とする一方で、イラクにおける失敗は「米国にとって災難となるだろう」との考えを表明。イラク情勢が悪化すれば、「イスラム教過激派が力と人数を増す」ことになり、地域の政情が不安定になり、ゆくゆくは「原油による収入が野望実現のために使われる」可能性もあると述べた。さらに、イランの核開発を加速させることにもつながるとの見解を示した。
ま、概要はそういうことだが、実際これがどういう意味を持つのかミスター苺が質疑応答の形で分析しているのでここに提示しよう。
以下ミスター苺の質疑応答:
問: ブッシュは昨晩ちょっとあがってみえましたが
答: ちょっとそんな感じはあったが、非常にというほどではなかった。私の想像ではスタッフが土壇場まで演説を書き直していたのではないか思う。だから大統領は十分にリハーサルする暇がなかったのではないっか。
しかし大事なのは大統領の話し方どうこうよりも中身。その点では新しい作戦は古いそれよりもずっと改善されている。
問: どうしてうまくいくと思うのですか。増兵は過去にもやりましたけどうまくいかなかったじゃないですか。
答: たしかに新聞の見出しはこぞって「増兵」としか書いてない。アメリカの主流メディアはブッシュの計画は単なる「増兵」だと思わせたいようだ。だが昨晩明らかにされたことで重要なのは兵起用の作戦変更にある。
昨晩の演説への反響は共和党の間での失望感から民主党の間での泡を吹くような怒りといった報道ばかり。 AP-Ipsosの世論調査 と ABC/Washington Post の調査によればアメリカのほとんどの市民が「イラクにもっと兵を送り出すことに反対」しており増兵はうまくいかないという意見だと発表している。これらの世論調査には根本的に問題があるのだが、単に21,500人ほど兵を増加させるというだけならこれまでと何もかわらない。だが、昨晩ブッシュ大統領は増兵よりももっと重要な作戦変更を発表した。
その重要な変更を箇条書きにしてみよう。:
- 兵士らの再出動 — 18 のイラク旅団 (6万兵以上)そしてアメリカ軍5旅団( 17,500 陸軍兵と海兵隊員)イラク国内において攻撃制覇するためバグダッドに関門を設置。さらに4000の米兵とイラク兵(未定数)をアンバー地区に導入。 アルカエダを含むスンニテロリストの家々を最近アルカエダに反旗を翻した地元の族長らと協力して攻撃する。
- 占拠した領土をこれまでより長期に渡って制覇する。少なくとも18か月は保持し敵が舞い戻ってくるのを防ぐ。これによって大事な中央部を敵から奪い取り長期にわたって敵の動きを阻止できる。安定したら地元のイラク軍に治安をまかせる。
- イラクのマリキ首相にバーダー旅団やマフディ民兵軍などのシーアの民兵も含みどの武装集団も例外なく, 攻撃すると一筆書かせて約束させた。
- 攻撃規制(ROE)を大幅に緩和し、米軍及びイラク軍が武装集団と戦闘しやすいようにする。
これらの変更が行われなければ兵の数だけ21,500人増やしてみても何の意味もない。単に標的を増やすのが関の山である。 米民主党がどう思おうと軍事アドバイザーは 全くの アホではない。
問: 戦闘規制 (ROE) とはなんですか?
戦闘規制というのは軍隊や警察などが状況によってどの程度の武力行使が出来るかという規則である。ROEには1983年のベイルートでの平和維持の時のように関門をつっこんでくる車にさえ発砲できないような非常に厳しいものから 「自由発砲地域」といって上官から特に許可をもらわなくても個々の兵士が独自の判断で敵兵に発砲することができる緩い規則まで色々ある。
これまで我が軍は非常に厳しいROEに従って行動してきた。例えば民兵軍と知られている連中が単に重装備をして町中を歩いているというだけでは攻撃できなかった。彼等がなにか悪さをするまで待っていなければならなかったのである。しかもその時でさえイラク政府からの許可を仰がなければアメリカ軍は身動きがとれなかった。
今回の変更によってこの規制がどのくらい緩和されるのかは不明だがブッシュ大統領はこの間の 2時間に渡るビデオ会議で: かなりきつい口調でマリキ首相に圧力をかけたものと思われる。マリキが首相としての政治生命を保ちたいのであれば、モクタダ・アルサドルとの親しい関係を断ち切り、我が軍に本格的な戦争が出来るようにしろと言い渡したのであろう。
軍隊の「増強」には少なくとも一か月はかかるしかし ROEの緩和は即座に実行できる。
この先数日のうちにスンニテロリストとの戦闘が激化したというニュースと共にシーア民兵との戦闘のニュースを多く聞くようになれば、これはよい徴候といえる。
問: ROEが変わったからといってどんな効果があるというのですか?我が軍はすでにアメリカ軍やイラク市民を攻撃する敵には攻撃してたんじゃないんですか?
答:いや、それが実はそうでもない。現在のROEでは我々はどのような攻撃にもあらかじめイラク政府からの許可が必要とされている。ブッシュ政権のトニー・スノー報道官がラジオ番組で説明していたのだが、ひどい時は例えばサドル市を取り囲んで家から家への捜索作戦の真っ最中に突然司令官がイラクの内政省の高官から「近所から苦情がでているので攻撃をいますぐ中止するように」とか「逮捕した戦闘員は俺のいとこだから釈放しろ」などという電話がかかってくるというのである。そして我が軍はそれに従わねばならなかったのだ。
だがこの規制はこれで終わりだ。我々はマリキ首相にどのテロリストも戦闘員も犯罪者も特別扱いしないと同意させた。サドル自身すら例外ではないのだ。そして我が軍はいちいちイラクの許可なくとも攻撃ができることになった。マリキが後になって約束をやぶろうとしても我々は単に彼にしろ内政省の役人にしろ無視するだけである。なぜなら 我々にはすでに合意を取り付けているからだ。.
問: でもこの「新作戦」というのは本当にうまくいくのでしょうか? ブッシュの計画なんてうまくいった試しがないじゃないですか。
この作戦が絶対にうまくいくと断言することは私にも出来ない。だがこれまでの作戦よりは成功する可能性がずっと高いということだけはいえる。
我々はA作戦を試みた。そしてそれはうまくいかなかった。だからB作戦に切り替えたが、それもうまくいかなかったからC作戦に変更した。今我々はD作戦に取り組もうとしている。だがこれまでの作戦がすべて失敗したからこれからも失敗するという考え方は単純すぎる。先の作戦が失敗したから今後も失敗するとは限らない。
今回の作戦はこれまでとは全く違うものである。この作戦はこれまでの失敗を十分に見直した上での 作戦だ。これまでよりも成功の可能性はずっと高い。
問: でもそれならどうしてこれを最初からやらなかったんですか?なんでブッシュは効果のないAだのB, Cだのって作戦で時間を無駄にしていたんですか?
答: なぜならやってみるまでは作戦がうまくいくかどうか解からなかったからだ。 後になってあの作戦もこの作戦も失敗だったじゃないかと言ってみても意味がない。 未来を予知できる魔法の水晶でもない限りそれは無理だ。これまでの作戦が失敗だったということも実際にやってみてこそ わかったことなのだから。
問: ちょっと待ってください!ということは今度の作戦だってこれまでよりうまくいくとは限らないってことじゃないですか?
答:その通り。先のことは解らない。しかしながら、我々が失敗すればどうなるかという予測はおおよそつく。ほかにこの戦争に勝つためのより良い方法があるというなら是非ともお伺いしたい。
問: この戦争は最初から最後まで完全なる失敗じゃないんですか? この際敗北を認めて兵士たちを帰還させるべきなのでは?
答:ここである政治家の言葉を借りてブッシュのこれまでの功績を述べさせてもらおう。
我々はイラクのために色々してきた。我々は 独裁者を倒し、奴を穴から引きずり出し、 国民による裁判で裁きをうけさせた。我々はイラクの人々に憲法の草案をする機会を与え、自由な選挙を実現させ、自分たちの政府創立を可能にさせた。 .
我々アメリカ人と同盟国数カ国は 他のどの国も助けにこない時にイラクを守ってあげた。.
この政治家は元来ブッシュ支持者とは言い難い人なのだが、まさに彼のいう通りである。(注:実はこれ民主党の上院議員ダービン氏のブッシュ演説への返答 の一部。しかし氏が掲げたすべてが、民主党が絶望だと言っていた戦争でブッシュがもたらした勝利なのである。
にも関わらず今もなお民主党はお先真っ暗の絶望論を唱えている。だが民主党の予測が現実になったことはこれまでに一度もないのである。間違いだらけの予測をしている人間がいるとしたら、それはブッシュ大統領ではなく民主党Democratsのほうなのだ。
問: ミスター苺、あなたはいつからヒットラーブッシュの雇われ者になったんです?
おととしの10月11日にはじめてのお手当もらってから毎月ずっともらっている。しかしこの間の選挙の後から支払いが滞っている。おい、ヒットラーブッシュ、早く払え!
カカシ: ちょっと!そんな話きいてないわよ。どこにへそくり隠してるの!だしなさ〜い!
イラク増兵関連エントリー
イラクへは兵増強で方針転換
民主党イラクへ二万人増兵へ方針転換か?
民主党勝利=イラク撤退ではない!
イラク多国籍軍イラン政府ビルを強制捜査
ラジオではイラクの多国籍軍がイラクにあるイランの領事館に攻め入ったという話だったのだが、米軍の話ではこれは領事館ではなく、単にイラン政府の所有しているビルであって外交官特権のある場所ではなかったそうだ。もしこれが正式な領事館だったらイラクはイラン領土に攻め入ったことになるので、もっと深刻な問題となる。
CNNのニュースから抜粋:
バグダッド──イラク国営テレビ局アルイラキアは11日、米軍主導のイラク駐留多国籍軍が、北部アービル市内のイラン領事館を強制捜査したと伝えた。
現場はクルド人居住地区で、多国籍軍は複数の領事館職員を拘束したうえ、事務機器を押収した。
この事務機器のなかにはコンピューターや多種の書類が含まれている。また建物につとめていたイラン人職員も数人拘束された。APの記事ではイラン側からスイス領事を通して問い合わせと抗議がきていると報道している。
テヘランではイランの外務大臣がイラクとスイスの外交官を呼び寄せ、事件に関する「説明を要請」しているという。イランにはアメリカの大使館がないため、スイスがアメリカ政府の代行をしている。
イラン外務大臣の報道官、モハメッド・アリ・ホセイニ氏は国営ラジオにおいて「アービル市内でのイラン人職員の存在は合法であり」強制捜査は「合法な施設」にたいする「外交上違法行為である」と述べ連合軍の行動はイランに対する「圧力の続行」でありかえってイラクと近隣諸国の間に「緊張を深める」ことになると述べた。
昨日の演説でブッシュ大統領はイランやシリアからイラクに入ってくる援助を阻止すると宣言したばかりのことであるから、この捜査の結果次第ではアメリカ軍によるイランへの強行手段がとられる可能性は十分にある。どうやらブッシュ大統領は外国からのテロ資源流入をやっと真剣に止める政策にはいったようである。
イスラエルのイラン攻撃はちょっと無理?
この間、イスラエルはイランにちかぢか限定的な核攻撃をする計画があるらしいとイギリスの新聞、サンデータイムスが報道したという話を紹介したが、いつも読者に貴重な記事を紹介してくれている 陳さんは、こんなことをおっしゃっている。
再三述べるように、イランに対する軍事力行使のタイムリミットは今年春頃に予定されているブシェール原発への燃料棒搬入前にならざるを得ません。外交的に原発の稼動が阻止できないとなれば、イスラエルは内政的に動きが取れないアメリカを差し置いて単独攻撃を行い、ブッシュ政権はそれを黙認する可能性がありますね
さて、その陳さんの紹介で宮崎正弘の国際ニュースでは、サンデータイムスはガセ情報を流す常習犯なので、そう簡単には信じないほうがいいと警告している。
英紙『サンデー・タイムズ』はどうやら常習犯らしい。
イスラエルがイランのウラン濃縮施設を空襲する計画を練り上げた、という世界を驚かせたニュースである。同紙は昨年三月にもおなじ内容の報道をして「これはシャロン首相(当時)も同意している」などと報じた。
イスラエルの奇襲それ自体は既に言い古されたことで、とりたてての驚きではない。
げんに著名ジャーナリストのセイモア・ハーシェが老舗マガジンの『ニューヨーカー』(06年4月)でも同様な計画を「アメリカが」立案したと書いて物議をかもし、ホワイトハウスは、「セイモアは病的」とまで酷評して否定した事件もあった。…
イスラエル外務省はただちに会見し「あれは荒唐無稽」「そもそもイスラエル軍幹部の匿名情報などというニュースソウスもあやしい」とした。テルアビブの首相府は「荒唐無稽で、反論する必要もない」とする態度だった。
シーモア・ハーシェは有名は有名だが保守派の間では嘘つきハーシで通っているほど信用のない男なので、これと同じレベルだとしたらサンデータイムスもあまり信用できるとはいえないだろう。
これにたいしてイランはいつもどおり、奇襲などしたら後悔させてやる、これはシオニスト国家がわざと核兵器の存在を示しての威嚇だと鼻息があらい。自分達は核兵器が完成し次第イスラエルを攻めると常に豪語しているのだから、イスラエルからこのくらい威嚇されたからといって腹をたてるのは筋違いというものだ。
しかし、イスラエルがイランに奇襲攻撃をかけるという話そのものは大いにあり得ることなので、問題はそのタイミングとその効果力だろう。陳さんもおっしゃるようにイスラエルにはあまり時間がないからである。
専門家は次のように言う。
「イラクのオシラク原子炉攻撃は、一箇所に集中していたうえ、イラクまでは距離が近いという条件に恵まれた。だからイスラエルは81年4月のオシラク原子炉攻撃を成功させた。
イランの場合はナタンズ、イスファファンなど十二箇所以上に核施設は分散している上、地中深くのトンネルのなかである。イスラエルからの飛行距離も長く、ジェット戦闘機がレーダーに捕捉されないで、空中給油を受けながら飛ぶ可能性は高くない。
米軍との協力があろうとも、奇襲の成功は容易ではない上、攻撃できたとしても効果が疑わしいだろう」。
とはいえイスラエル情報筋は「イランの濃縮ウラン施設の完成は2010年」と踏んでいる。
外交努力が2010年までに実を結ぶことがないとすれば、最後の選択肢はかならず浮上するだろう。
ペルシア帝国の復活をおそれるアラブ穏健派のくにぐに(エジプト、サウジ、ヨルダンなど)が、この騒ぎに沈黙を守っているのも奇妙である。
私がイラン人ならかなり神経を尖らせているところだな。
カカシ人気ブログにゲスト出演
今朝起きてみたら、なんとまだ朝6時なのにいつもの倍以上のヒット数。こりゃなんじゃらほいと思っていたらアメリカの保守派で人気ブロガーのミッシェル・モルキンのところからの紹介がいっぱい。なんでアメリカ人が日本語ブログなんか読むんだろうと首を傾げていたら、これはミスター苺の仕業だった。
実はミッシェルがイラクにいっている間、ミスター苺とほかの二つのブログがミッシェルのサイトでお留守番をすることになったのだ。それでミスター苺の最初のエントリーで当ブログの宣伝をしたというわけ。英語のサイトで日本語ブログ宣伝してどうすんの、という気もするのだが。
実はミッシェルがイラクへ行った理由のひとつにイラクからの悪いニュースでAPが使った情報源が本物であったのかどうかを確かめる目的がある。この話は当ブログでもまた暴かれたAPのねつ造記事で取り上げた。
レバノンでは緑ヘルメットの男があちこちに現れてレバノン市民の被害を訴えていたが、今度はイラクでジャミール・フセインなる「警察官」がAPニュースの情報元としてあちこちで出没している。
ジャミール・フセインの名前が取りざたされるようになったのは、先月APがイラクでシーア派の民兵がスンニ派一イラク人6名をイラク軍が見守るなか焼き殺したという報道をしたのがきっかけだ…
4つもの聖廟が焼かれ6人の祈祷者が焼き殺されたという話にもどるが、25日付けの米軍の公式発表によると焼かれたのは一つだけで、AP記事に載った事件の確認はできないという。バグダッドの地元消防隊および警察もそんな報告は受けていないとしている。
バグダッド地元警察も聞いていない? ではいったいAP記事に話をしたフセイン署長はどこの警察の署長なのだ? ブロガーのカートはCENTCOM(アメリカ軍中央司令部)に連絡してこの男の身元について質問したところ、CENTCOMからはこの男の身元は確認できないが、彼がイラク警察の正式な報道官でないことは確かだという返答があった。
その後27日になってCENTCOMはジャミール・フセインなる男はイラク警察官でもなければ内政省の人間でもないと発表した。そして24日のAP記事の事件は全く根も葉もないでっちあげであるとAPへ抗議の手紙を送った。この手紙のなかには、APが好んで引用しているヤーモーク地区の警察官と称するマイセム・アブドゥール・ラザーク警部(Lt. Maithem Abdul Razzaq)もイラク警察の人間ではなく、イラク警察を代表して声明文を出す立場にいる人間ではないとある。
この話に関連したメディア偏向についてミスター苺とカカシの競作でその話をミッシェルのところで載せてるので、英語に自信のある方はどうぞ。(この記事だけは我々夫婦の英語サイトBig Lizard.netにも載せている)
非常に長い記事なのだが、内容は以前にここで紹介したこととブロガーの役割などを織りまぜて書いた内容。日本語読者のためにまた後で概要を日本語で説明します。
ではみなさんハブ・ア・ナイスデー
米人講師、竹島問題で韓国の大学から解雇される
Update: ビーバー氏が載せている韓国の古い地図は研究の価値あり、詳細は追記参照のこと。
韓国の大学で長年英語の講師をしていたアメリカ人が竹島問題に関して韓国の主張を批判する記事を発表したことから、大学から解雇されるという事件があった。
(カカシ注:この記事を紹介しているのは、以前にコメンターのマイクさんが話していた在韓国のオーストラリア人のブログOccidentalismだが、マイクさんの話だとこのブロガー自身も北朝鮮による拉致問題などで親日的な記事を書いてることから、彼のつとめ先から圧力をかけられているという話だ。)
解雇されたのは韓国にあるガチョン医学大学(Gachon University of Medicine and Science)で6年間英語の講師をつとめていたゲリー・ビーバー氏、51歳。氏はコリアタイムスのインタビューで「先月末私の大学から私の独島に関する見解のせいで英語講師としての再採用はないと通告されました。」と語った。
昨年の8月中旬からビーバー氏は独島に関する連載記事を書いていた。そのなかで氏は彼独自の調査による独島への見解を示していた。「嘘、真実半分、そして独島ビデオ」という見出しで本文はオーストラリア人経営のブログwww.occidentalism.org, で見ることができる。
このウェッブサイトに掲載された記事のひとつで氏は、「1905年以前の朝鮮の地図で日本海に浮かぶ島で独島と呼ばれている島は存在しない。アメリカの法律学者が紹介している1900年の大韓帝国声明文にも載っていない。であるから大韓帝国の地図に独島がのっているというビデオはすべて嘘であることがわかる。」と書いている。ビーバー氏は自身のブログ「Korean Language Notes」でも韓国の歴史に関する見解を述べている。
昨年大学側は英語講師の採用をこれまでの一年ごとの契約更新という形ではなく、一年ごとに再採用する形へと変更した。そのため6年間つとめてきたビーバー氏も志願し直す形となった。しかし大学側はこれまでのビーバー氏の経歴からいって再志願は形式上だけのことで氏の再採用は間違いないと保証していたとビーバー氏はいう。
しかし昨年11月に行われた再採用の面接のあった数週間後に氏の再採用が拒絶されたことで、その理由を問いただしたビーバー氏は学校側から氏の功績には全く問題はないが独島の問題は重大すぎるため再採用はできないと説明を受けたという。
「独島問題は敏感な問題だということは分かりますが、敏感すぎて人々が自由に討論もできないほどになってしまったのでしょうか?」と氏は問いかける。「我が校のモットーは『人間性、奉仕、そして愛国心』ですが、学校側が言論の自由を規制し別な意見を持つ人間を罰することが愛国的だといえるのでしょうか?」
学校側は氏の独島に関する見解と再採用の件は全く関係がないと主張している。しかし、さすがにビーバー氏は訴訟社会アメリカの出身だけああって、将来の訴訟の可能性も考えて会議の模様を録音していたし、上司から受けたメールも保存してある。だからいざという時には証拠は十分あるというわけだ。もっとも韓国の裁判所における訴訟となるといくら証拠があっても大学側には職員の政治見解を規制する権利があるといわれてしまえばおしまいだが。
ビーバー氏は1977年に米海軍にいた時韓国を訪れて以来、韓国とアメリカを行き来してベンチャー事業などの企業につとめたりしていたそうだ。11月の面接の時、独島に関する記事は今後書かないと約束させられたが、学校側との契約が切れた以上、今後も書き続けていくつもりだと見解を語った。
韓国には言論の自由などというものはないらしいね。
Update: ビーバーさんが大学の再採用を拒絶された原因となった肝心の記事の紹介がまだだったので、リンクを張っておく。ビーバーさんは1905年以前の朝鮮の地図をいくつか載せ、そのどこにも現在の竹島(独島)に値する島が描かれていないことを指摘している。どの地図を見ても現在の鬱陵島(ウレンド)の北東に于山島(ウサンド)という島が描かれている。韓国はこれが現在の竹島であると主張しているわけだが、軽度がはっきり引かれている1899年の地図において于山島は37度と38度の間に描かれている。ビーバー氏によればこの位置は旧竹島(チュクド)であり現在の竹島(独島)の位置ではないと指摘している。
01.03.07
Lies, Half-truths, & Dokdo Video, Part 7、by Gerry-Bever