今朝のニュースでは二つほどブッシュ大統領の決断に関する記事があった。先ずはブッシュ大統領がイラクへの増派について、決断をする権限があるのは大統領である自分だと断言したという記事。
ブッシュ大統領は新作戦に反対する決議案が民主共和の両党から提案されていることに関して、「私は一番成功する可能性のある計画を選んだ」「作戦がうまくいく暇も与えずに批判しているひとがいる」などと強い口調で反撃。そこまでいうなら自分達で成功する方法を提案してみろ、とまで言っている。
リベラル連中はすでにこのブッシュのきっぱりとした口調をあざ笑っているが、普通のアメリカ人はこういう強気の大統領を頼もしいと思うのではないかという気がする。大統領は国のリーダーであり、軍隊の総指揮官である。そのリーダーが権限もない議会の決議案で右往左往しているようでは戦争に勝てるはずがない。こうしてきっぱりと議会に挑戦状を叩き付けるとは、さすがジョージ・W・ブッシュ。
ホワイトハウスの芝生で記者からイラクにいるイラン戦闘員に対する扱いが厳しくなっているが、それがかえって暴力を激化させているのではないかという質問に対してブッシュは自分の方針を弁護しながらも、イランに戦争が拡大するという可能性については「そのような考えは正しくない」と答えた。「我々の方針は我が軍を守ることにある。理屈にあっている。」と付け加えた。
さて、そのイラクのイラン戦闘員の話だが、それが二つ目の記事だ。

イラクのイラン人工作員の「殺害承認」

ワシントン(2007.01.26、 CNN/REUTERS)米紙ワシントン・ポストは26日、ブッシュ大統領がイラク駐留米軍に対し、同国内で活動するイラン人工作員を殺害もしくは捕そくする権限を昨年秋に与えていたと報じた。この権限付与を直接知り得る立場にある政府やテロ対策当局者の情報として伝えた。…
同紙は、イラン人工作員の殺害承認について、一般人や外交官が対象ではなく、イラクの武装組織と関係するイラン革命防衛隊や情報機関の要員が主な狙いとも報じた。米軍は殺害承認を受け、特殊部隊を投入してはいないが、米政権高官は同部隊を使うよう促しているという。
イラクでは先月、米軍の3度にわたる捜索で複数のイラン政府関係者が拘束されている。カリルザード駐イラク大使は24日、拘束の容疑については近く発表するとの方針を示していた。ただ、米軍の捜索は、イラクへのイランの関与を示す治安要員のネットワーク追及の目的があったとしている。

イラク国内で戦闘員の訓練や武器、資金の援助などの工作をしているイラン人やシリア人は容赦しないというのもブッシュの新作戦の一部である。だからアメリカメディアが今さら驚くほどのことはないはずだ。
ブッシュ大統領は国境を越えてイランまで戦闘を拡大するつもりはないと言っているが、私はそれはちょっと疑わしいと思う。ブッシュのイラン工作員に対する新しい方針はイランへの牽制であると考えることも出来るが、イランのイラクでの介入があまりにもあからさまになった場合、ブッシュはその行為をそのままイラク内での工作員退治だけに留めておくだろうか?
もっともイランにそのような猜疑心を持たせておくのも悪くない。イランがアメリカ攻撃を真剣に心配するようになれば、核兵器開発への野心も鈍る可能性があるからだ。


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