私は先の中間選挙で民主党が勝ったことでかえってイラクへは兵増強が起きるのではないかと以前に書いたが、やはりブッシュ大統領はその方角へ方針を転換するようだ。以下産經新聞の記事より。リンクをなくしてしまったので抜粋を添付する。

米軍地上兵力を増強 イラク増派も視野 大統領言明

12月21日8時1分配信 産経新聞
 【ワシントン=山本秀也】ブッシュ米大統領は20日、ホワイトハウスでの記者会見で、「米陸軍、海兵隊の恒久的な兵力を増員する必要がある」と、米軍地上兵力の本格的な増強に踏み切る方針を表明した。イラク、アフガニスタンへの派兵など対テロ戦争の長期化を受けた措置だ。短期的にはイラク駐留米軍への部隊増派を含む中東・湾岸情勢への対処が想定されているが、地上兵力全体の兵力増は、在日米軍など再編の進む在外兵力全般の配置にも影響が予想される。
 混迷の続くイラク情勢について、大統領は…年明けの公表に向けて練り直しの進むイラク政策については、「部隊の増派を含むすべての選択肢を考えている」と述べた。
 大統領はイラク政策や兵員規模の増強に向けて、具体的な計画提示をゲーツ国防長官に指示したことを明らかにした。この任務のため、同長官は20日、イラクを訪問。また、新たな体制への人事刷新として、中東地域を管轄する米中央軍のアビザイド司令官は同日、来年早期に辞任することを表明した。
 地上兵力の増員目標について、大統領は言及しなかった。ミリタリー・バランス(2006年版)によると、米陸軍の兵力(予備役を含む)は現在約59万6000人、海兵隊は約18万7000人となっている…
 年明けに向けて練り直しが続くイラク政策では、6〜8カ月の期間を想定して1万5000〜3万人の部隊をイラクに増派する案が浮上している。超党派で作る「イラク研究グループ」(ISG)の報告書は、駐留米軍の役割を戦闘任務からイラク治安部隊の支援に転換することで、2008年3月までに戦闘部隊の削減をめざす方向を勧告していた。

この記事を読む限り、イラク研究グループの推薦はサンキュー、バット、ノーサンキュー(おおきにお世話様!)といったところだろうか。
イラクへの兵増強は実は撤退への布石ではないかという見方もある。確かに15万からいる軍を即座に撤退するなどということは不可能だから、表向きを繕うためにも一時的に兵を増強し撤退のために地域を安定させる必要があるというのである。
これがもし民主党大統領の率いる戦争であるならそういうこともあるかもしれない。だがブッシュ大統領においてはそのようなことはないと私は考える。ブッシュ大統領は来期があるわけではなくこの任期が終わった時点で政治家としての人生も終わるのである。だから今後のことも考えてここは穏便にすませておこうなどという心配をする必要がない。彼には誰に遠慮する必要もなく自分の信念を貫き通す強い意志があるのである。少なくともこれまでに彼は周りの反対を押し切ってその信念を貫き通してきた。いまさらその進路をかえるとは思えない。
ブッシュ大統領というのは政治家としてはまれにみるバカ正直者である。彼には裏に隠された作為とかいうものがない。ブッシュ大統領がイラクに民主主義を設立したいと言えば、これはイラクを植民地にしてイラクの石油を乗っ取りたい、という意味ではない。だから彼がイラクに兵を増強してイラクの治安維持を促進したいといえば、これはメンツを潰さす撤退したい、という意味でもないのである。
イラクには兵が増強されるだろう。そしてその率は一時的なものではなくかなりの長丁場になると予想される。ブッシュ大統領が指揮をとっている限り、目的未然での撤退はあり得ない。民主党勝利やラムスフェルド長官辞任で大喜びしたテロリストどもは今頃かなり困惑していることだろう。


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