先日お約束したとおり、パレスチナの国際連帯運動(ISM)キャンプへ潜入したStop The ISM の記者の話をしよう。ISMが世界で一躍有名になったのはコメンターのkokunanさんがおっしゃっているようにISMのメンバーだったアメリカ人、レイチェル·コリーが2003年、イスラエル軍がパレスチナ人の家を破壊するブルドーザーの前に立ちはだかってその下敷きになって死んだ事件からだろう。ISMはいまだに彼女の名前を持ち出してはセイントさながらの扱いである。イスラエル軍が破壊していた家というのは家族に自爆テロをさせた代償としてテロリストの家族がPLOによって新しく建ててもらった家であることは皆様もご存じのとおり。
レイチェル·コリーの二つの顔
読者にわかりやすいように私はここで勝手にこの記者をマークとよばせてもらう。イギリスのスコットランドーヤードで覆面捜査をしたこともある「マーク」記者は二か月前テルアビブのBen Gurion空港に到着した。すぐさまエミリアノというアメリカ人が近付いてきた。どこへ行くのかと訪ねるのでマークがエルサレムだと答えるとエミリアノは一緒にバスに乗って便利なユースホステルを教えてくれたダマスカスゲート近く、東エルサレムのThe Faisal Youth Hostel である。
実はこのホステルはISMの本拠地といわれている。このホステルはもとパレスチナテロ軍団(PFLP)のメンバーのHisham Jam Jounが経営している。マークはホステルにつくとすぐ二階へ案内され、ISMのメンバーたちを紹介された。アイルランドから来たガビとデイブ。ガビはスウェーデン人で夫のデイブはアイルランド国籍だが二人ともアイルランドのパスポートをもっていた。ISMはなぜかアイルランドのパスポートを使うのが好きらしい。
ニューヨークISMのリーダーで、パトリック·オコーナーというアイルランド人はパトリック·コナーズという名前でアメリカのパスポートも使っている。ISMはメンバーを大学のサークルなどで勧誘し、イスラエルで活動をさせる。イスラエル当局に捕まって強制送還された場合は名前をかえて偽パスポートをつかって再び入国。ベテラン活動家は何度もこれを繰り返しているそうだ。これらの訓練はすべてアメリカの大学のサークルで教えられるというのだからあきれる。のちにISMのリーダー的存在となり、イスラエル当局からも目をつけられているメーガン·ウィルス(Magan Wiles)ジョセフ·スミス(別名ジョーカーJoseph Smith a.k.a. Joe Carr)、マーク·チミエル(Mark Chmiel)などは皆アメリカの大学のサークルで勧誘されたという。
マークが次に紹介されたのはカミールというデンマーク人、スコットランド人のアランだっった。彼等は全員ISMのメンバーでウエストバンクとイスラエルを何度もいったりきたりしていた。 そのうち二人のアメリカ人が加わった。ロサンゼルス出身の黒人のジョナサンと彼女だった。ガビはあきらかにこのグループのリーダーだった。アランはヨルダン経由でイスラエル入りしたという。テルアビブの空港は警備が厳重なのでヨルダンを経由するひとが最近は増えたらしい。イスラエルはいまになってヨルダン国境の警備を見直しているという。
マークはほかのメンバーと一緒にパレスチナ刑務所の見学をした。その後PLOのテロリストたちにも紹介された。マークが記念写真をとりたいというと、どこからともなくAK-47が手渡され、ISMメンバーはそれぞれライフルを持ってポーズをとった。
宿にもどって撮った写真をみんなでみていると、偉そうな女性がやってきてメンバーの何人かを外へ連れ出しなにかはなしていた。マークはすばやくデジタルカメラからメモリチップを取り出して隠した。偉そうな女性は部屋にもどってくると写真はすべて消せと命令し、それぞれのメンバーは彼女の前で写真を消したが、マークは腕を組んで知らぬ顔をしていた。
翌日マークはキリスト教徒のアラブ系イスラエル人と出会い、ヘブロンの自宅へ招かれたため、ISMのアジトを後にした。マークの通報によりアランとデイブはイスラエル当局に逮捕されたがカミールとガビは逃走した。それぞれの国へかえってメンバーの勧誘をしているのだろう。
欧米の政府もイスラエル政府も、このようなテロリスト擁護市民団体を放っておいてはいけない。彼等は平和運動市民団体とは名ばかりのテロリストである。自分らで武器をとって実際にテロ行為をおこなわなくても、テロリストを援助、擁護していれば同じことではないか。我々の大学などを通じて若い人々の心を蝕む死のカルトなのだ。
非暴力が聞いてあきれるISMのメンバー達