私は毎朝一時間以上ドライブしての通勤なので、通勤途中で聴くカントリーミュージックがただひとつの慰めだ。昨日も朝もトビー·キースを聴きながら、「イッツトゥーレート〜」などとこぶしをきかせて踏んばりながら運転していた。
ところが午後になって帰宅の路についた時、同じラジオ局から聞こえてきたのは80年代にはやったシンディーローバーの「タイムアフタータイム」。え〜、これってカントリー? と首を傾げていたら次にかかったのがプシキャットドールのなんとかいう下品な歌! な、な、なんだこれは〜! 私はコーヒーカップでラジオをいじってしまったのだろうかと周波数を確認したが間違いない。ロサンゼルスで唯一のカントリーウエスタン局、93.9KZLAだ。
もう運転など全然身がはいらずに、プシキャットドールの嫌らしい歌が終わるのをなんとか我慢して待っていると、出てきた聞き覚えのないDJの声が「Movin’ 93.9がお届けします。」と言った。え? ムーミン? じゃなくてムービン? なんだそれは、局が変更? そんな話は聞いてないぞ!
そんな話を聞いてなかったのは我々聴取者だけじゃなく、番組のDJたちもそうだったという。今日になって友達のリーがこんな記事をメールしてきた。

ロサンゼルス: カントリーファンの飲むビールの中には涙が溢れた。20年も続いたこの市ただ一つのカントリーミュージック局KZLA-FMが突然消えたからである。木曜日、ビヨンセ、ジャネット·ジャクソン、ジェニファー·ロペズなどをかけるポップ音楽のMovin’ 93.9への引き継ぎはまったく切れ目なくおこなわれた。…
局の方針変更はベテランDJのピーター·ティルダンを含め朝番組のスタッフすら変更数分前まで知らされていなかった。
朝番組のショーンパーは彼の番組が始まった直後、局が番組方針を変更すると告げられ、キース·アーバンの「トゥナイトアイワナクライ」を10:18にかけたあと、7分後にはブラックアイドピーズの「レッツゲットイットスターテド」をかけ、ショーン·パーは番組を去った。(カカシ注:リスナーはさぞびっくりしたことだろう。)
「納得しがたいですね。リスナーのみなさんのことを考えるとつらいです。もっとちゃんとすべきですよ。」パー氏はテレビのカントリー音楽賞の声を努めてきた。「三時間半後にメールをあけてみたら2100もメールがきてました。僕の電話は24時間なりっぱなしです。」

記事によると、これでロサンゼルスはニューヨークに次いで、カントリーウエスタンのラジオ局がひとつもない都市になったのだという。最近のカントリーの人気高揚から考えてこの動きは完全にトレンドの逆をいくものだ。つい最近もカントリーの新星、ラスカルフラッツがロサンゼルスの室内球技場ステープルセンターで大入り満員のコンサートをやったばかりだし、カントリーのおしどり夫婦ティム·マクグローとフェイス·ヒルがやはり同じ会場での売り切れコンサートがはじまったばかり。ロサンゼルスではカントリーは大人気なのだ。

「当地ではカントリーは製品売り上げの面でもコンサート地区としても非常に人気があります。」ナッシュビルを基盤にするカントリー音楽協会の会長、ビクターサンソネさんは語る。「この局はカントリー局として非常に長年存在していました。そんな実績のある局が突然なくなるなんて信じられません。」

局側の方針としてはロサンゼルスでは80局中20位を占めていたKZLAの対象を25歳から54歳の女性に変更し、局の人気高揚をはかるというものだ。は、私はこの対象に入るが絶対に聴いてやんないからな。カントリーファンの反応はといえば、、

木曜の朝、エリック·オルソンさん22歳、グレンデールで乗馬レンタルの支配人をしている。オルソンさんはトラックから馬をおろしてかえってくると、ラジオからはマイケル·ジャクソンの「ビリージーン」が流れていた。
「トラックへもどってきたらもうないんだから。妻に電話して、『おい、どうなってんだ。局の方針がかわってるぞ』といったんです。」と子供の頃からKZLAを聴いていたというオルソンさん。「カントリーを聞きたかったら、サテライトラジオを聴くしかないんでしょうかね。いやなんですが。」

私もこれからサテライトラジオを買いにいく。


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