苺畑一家はただいまカナダにあるナイアガラの滝を訪問中。  昨日ロサンゼルスからニュージャージーのニューアーク空港へとび、ニューヨークで一泊してから、ニューヨークのラグアディア空港からバッファロー空港へ。そしてそこからレンタルカーを30マイルほど走ってアメリカとカナダをつなぐ国境の橋、レインボーブリッジを渡ってカナダへ入国。
昔はアメリカとカナダの国境はそれほど厳しい取締りは無かったのだが、2000年直前にカナダから爆弾抱えたテロリストがアメリカへ入国しようとして国境の税関の役員に取り押さえられたのがきっかけで、国境の警備は非常に厳しい。 高速道路の料金所のブースのようなところから顔をだした可愛い顔の金髪男性の税関係員はその笑顔に似合わぬ防弾チョッキを着ていた。
ナイアガラへ行く計画を立てていたとき、ホテルがカナダ側にあるので、パスポートをもっていくか悩んだのだが、やっぱり持ってきてよかった。日本から来ている叔母と両親だけでなく、アメリカからの苺畑夫婦のパスポートもしっかり調べられた。
ナイアガラの滝は昔の映画、スーパーマンでも出てきたが、映画やテレビの画像ではとても現せることのできるような代物ではない。我々は最初ホテルまでの道のりで滝の脇を通ったがその壮絶な水の壁に後ろ座席で両親と叔母が「すごいね~、みてみて~」とやってるので、運転している私までがうっとりしてしまった。おかげでホテルに曲がる道を通り越してとんでもないほうまで行ってしまったのだが、これも観光だと言い訳してなんとかホテルへたどり着いた。
ナイアガラ市にある我々の泊まったホテルは結構よくて、私がいつも出張で泊まってメンバーになっているホテルの姉妹店だっただけのことはあり、部屋に泡がたつジャクージと呼ばれるお風呂がついていた。 両親の部屋もなかなかで、私の顔が利いたとちょっと鼻が高かった。多い出張も多少の利益はあったようだ。
本日の予定はとにかく滝のすぐそばまで行く観光船に乗ることだった。 ミスター苺はまず食事をしてからといっていたのだが、なにしろはるばる日本から滝を観に来た両親と叔母は食事どころではない。 すぐさま船に乗ろうといきり立っていた。 それでおなかがすいてるミスター苺を説得して、先ずとにかく船に乗ろうということになった。 (常に腹具合と相談するミスター苺にとってはちょっときつかったのだが)
ところが、ホテルから船着場へ行くまでに、その壮大な姿にすっかり感服した母たちは、ちょっと歩くと「写真、写真」といって立ち止まるので、せいぜい300メートルの道が全然進まない。 「船に乗りたくて待ちきれなかったんじゃないの?」と苛立つミスター苺を傍目に母も叔母もキャーキャー子供のように騒いで写真を撮っていた。「ほら、苺さんもはいって、はいって」と嫌がるミスター苺を無理やり写真に押し込める。 さすが日本人だ。
やっとの思いでたどりついた「霧の乙女号」。 カナダのナイアガラ地方としてはかなり暑い摂氏30度という気温なのに、水よけにともらったビニールの河童をきるともう蒸し暑いのなんのって。しかし船が滝に近づくともう豪雨のごときみずしぶき。それでもアメリカ側の滝はそうでもなかったが、カナダ側のひずめ型の滝のほうでは3方を滝に囲まれびしょぬれになった。母はあれほど見たいといっていた滝を見ず、河童で顔を隠して怖がっていた。おばが大声で「船が立ち止まっている」と叫ぶ。どうやらサービスらしい。私は水しぶきなどなんのそのと滝を見上げたが、周り中水しぶきで真っ白だった。月並みだが自然の力は偉大だと感激したカカシであった。
船の観光が終わった後、カカシ夫婦と叔母は滝の裏側を見る一時間のツアーに参加したかったのだが、両親は70才を越す熟年夫婦なので、ちょっとこれはきつい。またここから徒歩でホテルに戻るのもちょっとたいへんだ。それでタクシーを呼んで両親だけ先にホテルに返し、我々三人だけで滝の裏側を観ようと思ったのだが、強気の母はタクシーなどいらない、もったいない、と駄々をこねた。実は行きがけにサングラスをなくしたから帰り道で探したいのだという。叔母が帰り際に探してあげるからと無理やり両親をタクシーに押し込めると、「タクシー代は払わないからね!」と捨て台詞。ミスター苺がうんちゃんに料金より余計に払って、両親を送り出し、我々は滝の裏側へ向かった。
ちょっと余談ですが、、、
ところで滝の裏側ツアーまでの待ち時間に寄ったレストランのバーで、ミスター苺がポートワインを注文したのだが、3オンス入った大きめのグラスに入れてくれといったら、カナダでは一時間に1オンス以上飲んではいけないという法律があるといわれてびっくり。カリフォルニアでも飲み屋でさえ煙草がすえないという窮屈な世の中になったが、カナダでは一時間に飲む酒の量まで規制されているとは、さすが社会主義傾向のある国である。


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