今すぐ停戦という声があがっているが、停戦停戦といってもいったい誰が停戦をするのか、という問題があまりきちんとは話されていないように思う。ヒズボラは国ではない。イスラエルと停戦条約を結ぶにしても外相だの首相だのがいるわけではない。たとえリーダーのナスララが納得しても手下が納得しなければテロは続行されるだろうし、いったい誰がその停戦を行使するのかという問題が残る。
そんなことを考えていうちに、このブログにもよくコメントしてくれるアセアンさんがこんなことを書いているのをみつけた。その内容の一部は明らかに私の飲み屋の喧嘩から得た教訓に関するご意見とうけとれるので、この紙面を借りて反論してみたいと思う。
まずは、亜瀬庵・内見聞・徒然草より。

どうも保守系と言われる(ブログを含めた)”徹底的な攻撃”論調は、ちょっと頂けない(よりは、ハッキリ言ってかなり不快に感じる)

事実、その生存を賭けて戦っているのはイスラエルであることは間違いがない訳ですが、その当のイスラエルでさえも一体誰を降伏させる(又は殲滅する)戦略で戦っているのか? を明確には出来ていないはずなのです。
(拉致された兵士を奪回すること”だけ”が目的だと言うなら、それこそ交渉事で済む話)
つまり、ヒズボラ、ハマス・・の誰が”参った!”っと言って降参(降伏)したら今回の戦闘は終結したとするのか?です。なぜなら、ヒズボラもハマスも国際社会からは”テロ組織だ”とは認められていても国家や国民を代表する正当な政権集団だ・・っとは共に認められていない。
つまり、例え”誰かが”降伏する!と宣言したとしても現状では国際社会の誰もがその”誰か”が正当な当事者である、っと認める方法が存在していないのです。停戦協定でも、降伏文書でも何でも構いませんが、イスラエルは”誰”と結ぶ気なのでしょうか?
(こうしたモノを締結すると言う事はイスラエルがヒズボラやハマスを正当な存在として認めたことになってしまいますが・・・)
彼ら(ヒズボラやハマス)の価値観からすると”降伏”等は考えることさえイスラムに対する犯罪であり攻撃に他ならない(つまり、無辜の民と処される一般的なイスラム教徒が、もう戦いはコリゴリだ!っと言うことで何らかの停戦を受け入れよう、等と口にしただけでそれは背教的な思想であり、正しい宗教であるイスラムに対する攻撃だ!っとされる、場合によっては背教者に対する正しい制裁として殺害される:背教者へのイスラム教徒の正しい義務:)故に停戦にも応じなければ降伏等全く念頭にない。
しかし欧米やイスラエルの価値観が通じないのだから、そんな相手は殲滅すべきだ又は二度とイスラエル(欧米)に歯向かう気を無くす程に徹底して叩け・・・という話になること自体がイスラム原理主義のテロ組織が掲げる原則と何ら変わらないことになってしまうのを欧米やイスラエルが本当に受け入れ気なのか?を今一度問い質すべきなのではないかっと思うからです。
欧米が掲げる自由・民主主義とは、そういとも簡単にどちらかに振れてしまう底の浅い概念だったのか?っと少々疑問に感じるのは僕だけなんでしょうか? …
当事者同士が「妥協の余地など無い状態で武力の応酬を繰り返している」場合・・・誰かが仲裁に入る役割を担わなくてはならないのです。
決して”酒場の喧嘩”等が参考になろうはずはないのです。

最後の「酒場の喧嘩等」ってとこが私へのジャブだと思うのだが、私は文字どおりヒズボラが「参った」といって降参宣言をし、山高帽をかぶって杖をついたお役人がミズーリ艦の上で調印して降伏するなんて図は最初から想像していない。アセアンさんがおっしゃるとおり、ヒズボラはテロリスト組織なのであり、そんなやつらとどんなに書類を交わしてみてもそんなもの書かれた紙の値打ちもない。
だから私はイスラエルがヒズボラからの降参宣言や停戦提案など最初から期待しているとは思わないし、例えヒズボラから停戦を提案してきても今の状態では受け付けないだろう。イスラエルがヒズボラからの攻撃を今後受けないためには、ヒズボラは完全に武装解除されなければならないからだ。どんなことがあっても戦争以前と同じ状況にもどることだけは避けなければならない。
ではいったいイスラエルはどこまでやる気なのか。つまりイスラエルにとっての勝利条件とは何なのか、それをハッキリさせる必要がある。
1)ヒズボラがレバノン各地の民家に隠した一万二千のミサイル、および他の武器弾薬を摘発破壊もしくは中和する。
2)何万からいるヒズボラ戦闘員を殺すか、シリアへ追い出すかして、レバノンからヒズボラを完全駆除する。
3)南レバノンを再び占拠する。
まず当面の目的はこの三つだと思う。この段階まできてしまえば、国際社会に出来ることはいくつもある。
まずヒズボラがシリアに逃げ込んだ際、シリアに圧力をかけてイスラエルに攻撃をしかけないように命令する。シリアをかこっているのはレバノン、イスラエル、ヨルダン、イラク、トルコ、そして地中海。 どこもシリアの友達とはいいがたい。シリアの武力が単なる張り子の虎であることは周知の事実。もしイスラエルに手を出したらアメリカの戦闘機がバグダッド空港から飛んでくると脅すのがいいだろう。そして今後もレバノンにヒズボラを侵入させないことをシリアに誓わせる。
国連はレバノン政府と国のインフラの再建を援助する。そしてレいずれは南レバノンの非武装地帯をヒズボラ抜きのレバノン軍がイスラエル軍にかわって警護できるようにレバノン軍を訓練する。
しかしこうしたことが可能になるには、イスラエルがヒズボラをシリア国境まで追いつめる必要があるのであり、そのためには空爆だけではだめだろう。やはり陸上部隊を侵攻させ目的達成までは引くことはできない。
レバノンの人々には気の毒なのだが、もう少し我慢してもらうしかない。できることならヒズボラがいきそうもない安全なところへ疎開していてもらえればいいのだが、、


4 responses to 停戦は誰がするのか?

asean14 years ago

げげっ・・・書いたコメントがぁああ~~(泣)
スンマセン、なぜか何処かに消えて受け付けて貰えませんでした。。。シクシク
因みに、カカシさんの記事にジャブを入れたんじゃなくて、引用された元記事の筆者の考えが
ちょいと短絡に感じられたっからっす。
ちょっと出ますんで、明日にでも再度コメント入れ直します。
取り急ぎご連絡です。

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戦争術についての瞑想と記憶14 years ago

ヒズボラとか敵とか目的とか

苺畑よりさんの停戦は誰がするのか?というエントリを読んでいて、丁度私が考えていた問題に関係していたので、この問題について簡単に論じてみる。
具体的な事実としての現在の中�…

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asean14 years ago

こんにちは、カカシさん
(わざわざ、コメントの追加恐れ入ります・・・大丈夫ですよ)
っとは言うものの(スンマセンね)
やはり、イスラエルの今回の過激な迄の強攻策に全面的に賛成する訳には行かないですね。。。
それと、軍事行動を継続する、っというのにもかなりの抵抗を感じます。
(女房も同じ意見ではありますが)
繰り返しになってしまいますが、僕のブログに
The Israel’s greatest mistake:All diplomatic channels closed
というエントリーを書いておきました。
イスラエルはどうしようというのか?ですが、今のままですとイスラエルという国の存在が疑われてしまう可能性すらある。
故に、イスラエルの採るべき道は「即時停戦」しかないと考えます。
相手が例え何であれです。
取敢えずでした

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In the Strawberry Field14 years ago

ヒズボラの勝利条件

私は以前に停戦は誰がするのかにおいてイスラエルの勝利条件を下記のように提示した。 1)ヒズボラがレバノン各地の民家に隠した一万二千のミサイル、および他の武器弾薬を摘発破�…

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