私はもともと日本の防衛は弱体すぎると考えてきたほうなので、日本が軍事力を強めるべしとか、北朝鮮に経済制裁を加えるべしという意見にはそのやり方云々は別として、ほとんど賛同できる。極右評論の瀬戸さんのご意見などはただ単に軍事強化を唱えるだけでなく、なぜミサイル迎撃システムを日米共同で開発する必要があるのか分かりやすく説明してくださっている。
現在、核兵器は確かに安価な最終兵器とされてきたが、この核兵器を保有するだけではテロリスト国家には対抗できない。勿論、核兵器も必要だが、核弾頭の迎撃システムの開発もまた不可欠なのである
現在、この迎撃システムの完成を目指して共同開発しているのは、米国、日本、台湾などである。日本の科学技術がなければ米国一国だけでも開発は不可能とされている。
核を持って威嚇をするような国に対して、これを撥ね退けるには、同じような核の保有だけでは抑止にはならない。核兵器と迎撃システムを完成させてこそ、真の国防体制が構築されるのである。
だが、北朝鮮のような脅威を目の前にして、日本が国防強化をすべきではないと語る人々の意見にも意外と、なるほど〜と思う部分があるのは面白い。
まずは日本がアブナイ!から、、
安部官房長官、額賀防衛大臣、麻生外務大臣をはじめとする政府の一部の者が、声高に北朝鮮に対してでだけでなく、中国や韓国への批判を行なったり、制裁を強めたり、日本の軍事力を強化したりしようとしている…
ここは「千載一遇のチャンス!」とばかりに、今まで言いたかったりやりたかったりしたのに、野党や国民や他国の反応を気にして控えていたことを、ここぞとばかりに表に出しているように思える。今なら国民やメディアもあまり文句は言わないだろう。逆にメディアの一部は、ミサイルや核の脅威をあおってくれている…
私には、一部の者が今回のミサイル実験を「待ってました」とばかりにとらえて、ある意味では、喜々として対応しているようにさえ見える時があるほどだ…
また防衛庁は、8日には来年3月に予定していた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備を年内に開始するほか、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)も含めた全体計画の本格稼働を、予定の2011年度から早めることを発表した。
日本は、米軍再編成に合わせて、できれば2010年ぐらいまでに憲法改正を行ない米軍と自衛軍が協力して日本やその周辺地域を共同して防衛を行なう計画を立てている。私は軍事や安保については詳しくないのであるが、その方面に詳しい人によれば、もうその後の青写真もすっかり作られており、今後は共同で軍事演習を行ないながら、その時が来るのを待っているだけなのだという。
だから、今度の北朝鮮のミサイル実験で、武器調達の計画を早めることができるかも知れないのは、ある意味で、願ったりもかなったりの面があるのだ。
私はこのブログの著者mew-run7さんのこの分析は全く的を射たものだと思う。もっともmew-run7さんは、与党のこのような動きは北朝鮮のミサイルなんかよりも日本にとっては脅威なのではないか、というご意見で、そこが私とは全く意見が異なる点である。
私は北朝鮮の脅威を言い訳にすることで日本が憲法を改憲し軍事強化ができるのであれば、これは歓迎すべき出来事だと考える。
2年ほど前だったろうか、私は日本人の集まる某掲示板にて日本の国防強化を唱えたことがある。その時そのトピックに集まっていた人々のほとんどが、北朝鮮や中国の脅威を唱える私や他の保守派の人々を被害妄想だとののしった。もしあのような考えが日本では普通だったのだとしたら、いくら政府がミサイル迎撃システムだの北朝鮮経済制裁だのを唱えても国民の支持をえられたかどうか疑わしい。
だからもし今回の北朝鮮のミサイル発射実験が日本に正しい危機感を与えて国防強化の踏み台になるというなら、これはよいことだと思う。本当をいえば、何十人という日本国民を拉致して涼しい顔をしている北朝鮮にいままで経済制裁もできなかったということ自体おかしいといえばおかしいのだが、、、
北朝鮮のミサイル実験そのものは北朝鮮にとってはあまり良い結果を生んだとは思えない。だが、このミサイル実験によって日本や欧州が自分らの国防の不十分さに気が付き、軍事強化につとめる役にたったということで、おもわぬ恩恵があったといえる。