アップデート下記参照
デキシーチックスといえば、3年前まではカントリーウエスタンの新星、飛ぶ鳥も落とす勢いの女性三人組のバンドだった。コンサート券は売り出し早々売り切れだし、アルバムも飛ぶように売れ、カントリー音楽賞ではいくつもの部門にノミネートされるなど凄まじいものだった。
ところが、イラク戦争前夜、バンドがロンドンでのコンサート中にリーダーのナタリーが「大統領が自分達と同じテキサス出身なのが恥かしい。」と言ったのが原因で、アメリカ国内のカントリーファンは大激怒。自国が戦争をしようという時に、外国へ行って自国のシンボルである大統領を侮辱するとは何事か、戦争反対運動なら国内でやれ! と批難を浴び、全国各地にあるカントリー専門のラジオ局から閉め出され、音楽賞もすべて落ち、CDの売れ行きも急落。チックスたちは三年間新曲もコンサートもできない状態になっていた。
ナタリーの失言を聞いた時、私は彼女たちは自分らのファンを分かってないなあとあきれかえったものだ。彼女たちがロックとかフォークのバンドなら、大統領の悪口をいったり、反戦運動をしたりすれば、かえって人気はあがっただろう。でもカントリーのファンは保守的で愛国心が強い人が多い。特にテキサス州は軍人の数がほかの州に比べて非常に多い。テキサス出身のカントリーバンドが軍隊の総指揮者である大統領を外国でしかもテキサスを引き合いにだしてこき下ろすなんてことはカントリーミュージシャンとしてはあるまじき行為である。そんなことをテキサス出身の彼女たちが知らなかったというのは信じがたい。
でもまあ3年もたっていることだし、そろそろほとぼりもさめた頃。神妙にしてカントリーファンにお詫びをいれれば、ファンたちも許してくれたことだろう。ところが、バカは死ななきゃなおらないというかなんというか、彼女たちの新曲は神妙にするつもりはない、といった意味の題名で、しかもその歌詞が自分らを批判して「黙って歌え」と言った保守派ラジオDJにあてつけて、黙って歌わなきゃ命はないぞなんていうほど切れちゃう人がいるなんて悲しい世の中ね、といった内容だ。それだけじゃなく新曲の宣伝のためのインタビューなどで、カントリーファンは無知だ、ばかだ、田舎者だ、自分らはカントリー歌手の意識はない、などとさんざんカントリーファンをこけにした発言の連続。
カントリーファンもここまでコケにされては許せるものも許せなくなる。また曲をかけてあげおうとおもっていたラジオ局は再びチックスをボイコットすることにし、新曲をかけたラジオ局には苦情が殺到。どうしてお世話になった自分らのファンの好意を踏みにじるようなことをするのか私には不思議でしょうがない。これって演歌歌手がトラックの運ちゃんをこき下ろすのと同じ行為。ばかとしかいいようがない。
チックスたちのシングルは二枚とも全く売り上げのびず、ビルボード200という売り上げチャートでも最初のNot Ready To Make Niceは32位どまりで急落。二枚目のEverybody Knowsは48位とかでうちどめ。先週発売になったアルバムも最初は69位だったので、もうこれでチックスも終わったなあと思っていたら、今週のビルボードでなんとアルバム売り上げ一位!
どうやらチックス達のカントリーを完全に見放し、ロックやフォークのリベラルファンの同情を買おうという作戦は大当たりだったようだ。テレビや雑誌などでも彼女たちが反戦反戦と騒ぐので、あっちこっちでインタビューを受けており、もうテレビなど, どこへチャンネルまわしても彼女たちの顔ばかり。ここまで宣伝して一位にならなきゃそれこそ悲劇。
しかしシングルの売り上げが全くのびてないのにアルバムだけが売れるということは、やはりカントリーファンは彼女たちを見放したといっていいのではないだろうか。私としては、今後彼女たちがカントリーのジャンルからはずされ、ポップスとして売り出してくれることを願うのみ。そうすれば私の行きつけのカントリーラジオ局で彼女たちの曲を聞かずにすむから。
アップデート
ミスター苺がもってきてくれたこの英語の記事によると、チックス(雌のひよこ)のコンサートツアーの前売り券売り上げが全くのびていないということだ。彼女たちのコンサートは球場のような大きな場所が多かったため、私もミスター苺もこの状態で彼女たちが会場を埋め尽くすほど人気あるんだろうかとはなしていたばかりである。どんな状態かなと一応件発売予約サイトへいってみたが、どこの会場でも席はかなりあまっていた。
この記事によると平均してこれらの球場では5〜6000席しかうれていないという。15000は入る場所でこれではお話にならない。すでにインディアナポリス、オクラホマシティ、メンフィス、ヒューストン(テキサス)などのコンサートが中止になっている。
日本のみなさんには地理的にこれらの地域がどういうところかお分かりにならないだろうが、これらはアメリカ南部にあたり、この間の二回の大統領戦で圧倒的にブッシュ大統領を支持した地域であり、カントリーウエスタンの人気は非常に高い。
せいぜい10ドルのCDなら単にチックスに同情した左翼たちでもアマゾンから簡単に注文できるが、60ドルから400ドルまでするコンサートの切符を買ってわざわざコンサート会場までいくとなると、やはりファンでなければできないだろう。ということは思った通り、カントリーファンたちはチックスを完全に見放したという私の見解は正しかったようである。
しかしカナダやイギリスなどでは彼女たちの人気は結構高い。この際だからアメリカはあきらめて、外国へいってアメリカバッシングツアーをおこなってはどうなのかな?


4 responses to カントリーの雌鳥たち、蘇る????

In the Strawberry Field18 years ago

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In the Strawberry Field18 years ago

言論の自由は私だけに

ここでも何度か紹介したが、私は元カントリーウエスタンの女性ボーカルグループ、デキシーチックスの熱狂的なアンチファン(笑)。彼女たちが2003年のイラク戦争前夜に行った反…

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In the Strawberry Field17 years ago

デキシー・チックス、グラミー賞受賞の裏

カカシは2003年のナタリーメインズの非国民発言以来、ずっとデキシーチックスのアンチファンなので、今回のグラミー賞についてもひとこといわねばならないだろう。チックスのアルバムテイキング・ザ・ロングウェイ(「遠回りをして」の意)は年間最優秀カントリーアルバム賞などグラミー賞の5部門で受賞。一組の歌手がグラミーで五つの部門をすべての受賞というのは13年ぶりだったという。 これに関してニューヨークタイムスはブッシュ政権に関する不信感がつのったことで、ブッシュ批判をしたデキシー・チックスが正しかったことをレ…

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