August 22, 2006

イスラム教はテロリズムを奨励するのか?

『イスラム教は平和の宗教だ、ジハーディストはイスラム教を乗っ取った一部の過激派だ』といういいかたをよく耳にする。ブッシュ大統領も、クリントン元大統領も、同じようなことを言っている。だが、『そうではない、イスラム教の教えそのものがテロを生み出す原因となっている、その事実に目を向けなければ文明社会はジハーディストとの戦いに勝つことはできない』と語る人がいる。

ロバート·スペンサーなる人がそれである。彼はジハードウォッチというブログを書いているひとだが、何冊かイスラム教に関する本も書いていて、最近はイスラム教の危険性を唱えるドキュメンタリーにも出演している。著書に”Islam Unveiled” と”Onward Muslim Soldiers”がある。

スペンサー氏は生まれはアメリカだが、祖父の代に現在のトルコにあたるあたりから移民してきた。メルカイトグリークカトリック(Melkite Greek Catholic)というローマンカトリックと似たヨルダン、レバノン、パレスチナ地方で信じられている宗教を信仰している。ノースカロライナ大学で宗教の修士を持つ。

彼が出演したC-SPANのインタビュー番組から要点を少しまとめてみよう。

イスラム教は世界でただひとつその教義、神学、法律が不信心な者への暴力を要求する宗教であり、イスラム教が独裁する社会を世界中に広めるために戦争をすべきだととなえる宗教である。

コーランを読み、イスラムの歴史を勉強し、イスラム法のテキストを読めばこれが真実であることが誰にでも明白である。

しかしイスラム教が暴力を要求するからといって、すべてのイスラム教徒がテロリストであるとか、テロリストシンパであるというわけではない。ほかのどの宗教でもあるように、人によってはイスラム教のこのような教えを知らない人も入れば、その部分に特に注意を払っていない人もいるし、また知っていて拒絶している人もいる。

しかしイスラム教のなかにテロリストに悪用されやすい要素が含まれていることは否定できない。イスラムの伝統がこのような行為を正当化しているのである。であるからテロリストはイスラムのこのような教えを指摘して自分達の行為こそが本当のイスラム教なのだと主張することができるのである。

イスラム教徒にとってコーランはアラーの神の言葉そのままなのであり、完璧で神聖な本である。そしてこの完璧な本は本の母であり天国に永遠に存在している。それを23年間かけてすこしづつ予言者モハメッドを経てアラーがこの世に届けたもうたのであると信じられている。

欧米にすむイスラム教徒にとってやっかいなのは、テロリストがコーランが暴力を要求する部分を強調してそれだけで突き進んでいることにある。イスラム教徒であればテロリズムがイスラム教の教えに反するとは議論しがたい。

特にイスラム教では「信じないもの、インファデル」を剣で改宗させ、拒絶するものは奴隷にして虐げてもいい、特にユダヤ教徒やキリスト教徒は殺してもいいとさえされている。つまりイスラム教はインファデルの程度によりどのような差別行為をするべきかという掟さえあるのである。これは信じないものは地獄に堕ちるというキリスト教のような生易しい教えではない。

ではイスラム教はテロリズムを奨励する宗教なのか、テロリズムのみがイスラムの定めなのか、世界がイスラム教に改宗するかイスラム教徒の僕としてイスラム征服に甘んじるかするまでジハード(聖戦)を続けるよりないのだろうか?

私はそうは思わない。暴力を奨励したり時と場合によっては要求する宗教はなにもイスラム教に限ったことではない。ユダヤ教も他宗教をジェンタイルと言って拒絶する教えがあるし、キリスト教の軍隊であった十字軍の悪行は多く記録されている。日本や中国でも仏教徒による僧兵など当たり前だったくらいだから、決して何時の世でも平和的な宗教だったとはいえない。

だが、現代社会においてこれらの宗教は暴力を奨励しない。聖書やお経の下りが書き換えられたわけではないのに、信者たちは暴力を拒絶した。同じことがイスラム教にもできるはずだ。イスラムにも変化する希望があると私は考える。

スペンサー氏も語るように、イスラム教徒のなかにも、コーランに書かれている暴力的な部分は無視している人たちが大多数を占める。ということはイスラム教徒も現代の文明社会の一員として、コーランの教えを文字どおりに受け入れるのではなく、比喩的に解釈し、現代社会にそった教えへと変化させることが可能なはずだ。

問題は暴力を拒絶したイスラム教徒たちが、暴力を奨励するジハーディストにどうやって武器を捨てさせるかにかかっている。我々インファデルには彼等を説得させて武装解除することはできない。彼等はインファデルのいうことになど興味がないからである。我々インファデルによるジハーディストの武装解除は暴力でしかなしえない。

ブッシュ大統領をはじめ、欧米の指導者たちがイスラム教全体を非難せず、過激派だけをとりあげて非難している理由は戦争をイスラム教対自由主義国というふうに拡大したくないからだ。そんなことをすれば双方で莫大な数の犠牲者を出す大戦争になってしまう。そして結果的にはイスラム教は完全に滅びてしまうだろう。

もし穏健派のイスラム教徒たちが生き延びたいのであれば、彼等が彼等の手でジハーディストをそれこそ「インファデル」として拒絶すべきだ。彼等のやっていることはイスラムの教えを誤って解釈していると世界のイスラム教徒に訴えるべきだ。そのためには常にテロリズムを非難しなけらばならない。テロリズムを批判する他宗教の人々に対して人種差別だの宗教弾圧だのといった抗議をしていては駄目なのだ。

イスラムをテロリズムと同義語にされたくなければ、イスラム教徒みずからが立ち上がって、自分達の中に潜むテロリストを駆除すべきである。

ちなみに、スペンサー氏のこの番組出演について、アメリカのイスラム教市民団体のCAIRがまたまた理不尽な抗議をしている。穏健派のイスラム教徒はCAIRのようなテロの表看板団体を糾弾することからはじめるべきだろう。

August 22, 2006, 現時間 12:33 AM

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» 何故西洋社会はイスラムの事実を認めないのか? from In the Strawberry Field
さて、イスラムについて文明社会が知るべき事実、シリーズ三段目の最終回はおなじみロバート・スペンサー氏のおでましである。 スペンサー氏は、西洋社会は悪の根源はイスラム教に�... [Read More]

トラックバック日付け November 18, 2006 4:47 PM

コメント

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下記投稿者名: yoshi

カカシsachiさん

情報戦についての私の投書へのコメントありがとう。
イスラム教の本質についてのあなたの意見、興味深く読みました。あなたやスペンサー氏が言っているように、イスラム教徒の中にはテロを否定する人たちもいるでしょう。しかし、現状はその反対が大多数で、心配でなりません。Dershowitz教授の次のエッセイは、へズボラ、イラン、レバノンの指導者はナチス以上にユダヤ人撲滅を究極の目的としていると警告しています。彼らは熱心なイスラム教信奉者だから、本当に怖い世の中になりかねない。

http://www.aish.com/jewishissues/jewishsociety/Hezbollahs_Final_Solution.asp

このブログや例の掲示板でのあなたの活躍をみて、いつも感心しています。毎日旺盛にすばらしいエッセイを書いており、大変優秀な方だと尊敬しています。イスラエルやユダヤ人について、これほど正しくpassionを持って日本語で書いてあるのはあまり見かけません。

最近の掲示板をみると、偏見にみちて、公正に物事をみない人が多いですね。こんなマナーの悪い人たちを相手に、あなたがいくら丁寧に教えても、効果はありませんね。あなたも疲れるでしょう。しかし、あなたの投稿はまともで説得力があるから、すぐ注目されます。あなたの過去の投稿も読んで、新知識を得たりします。J-Postは1950年まではP-Postであったとは知りませんでした。

私は日本生まれ育ちの米国市民です。去年から日本に駐在しています。よろしく。

Yoshi

上記投稿者名: yoshi Author Profile Page 日付 August 26, 2006 5:31 AM

下記投稿者名: Sachi

yoshiさん、

アラン·ドーシュウィッツ教授のリンクをありがとうございます。教授はものすごいリベラルなので、私は大抵の場合意見が全くあわないのですが、ことイスラムジハーディストの件については同意できることが多いです。イランの脅威は世界中の問題です。ヒズボラとイスラエルの戦争はいってみればイランの小手調べですから、軽々しくみることはできないでしょう。

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 August 28, 2006 3:49 PM

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