March 4, 2017

マイロ・イヤナポリスを弁護する意外な人々

ちょっと最近私はマイロ・イヤナポリスに執着しているように思われるかもしれないが、彼に起きたことをきちんと理解するのは言論の自由こそが人類にとって一番大切な人権だと思うカカシとしては、言論の自由のチャンピオンを買って出たマイロを決して沈黙させてはならないと考える。

マイロについては左翼も右翼も色々なことを書いたり話したりしているが、どれもこれも表面的な批判だけ。もっと理解力があると思っていた人々が彼を完全に誤解していて、マイロに同情的な人々でさえも、彼の本質をしっかり理解できていないということを知って非常に残念に思っている。

私はとっても悲しい。これまで私自身が右翼保守だと思っていたのに、とっても失望している。

何で事の真相がはっきりしないうちからマイロが幼児虐待者だと決め付けるのだ?彼の釈明に少しは耳を傾けてやれよ。昔のビデオや音声なんてどんなふうにも編集できるではないか、全体を聴いて本当に彼が幼児性虐待を奨励しているという証拠があるなら別。でも単にテープの一部だけ切り取って継ぎ接ぎに編集した音声だけで、これまでのマイロのジャーナリストとしての功績を一切無視してしまうのか?

それが右翼保守のやることなのか?

というのが私の事件直後の感想だが、最近になってマイロを弁護している二人のブロガーをマイロが自分のフェイスブックで紹介していたので読んでみた。特にこのレイチェル・フルトン・ブラウン教授(シカゴ大学歴史学教授)の洞察力はすごいなと感心した。、

マイロ同様、ブラウン女史もカトリック教徒で、去年の9月頃からマイロのファンになった。彼女曰く、マイロは道化師なのだ。この道化師というのはシェークスピアのリア王に出てくるようなピエロのこと。誰もが自分の社会的立場を失うのを恐れて思っていても言えないことを、王様のお墨付き道化師は遠慮もなく口にして笑い飛ばす。道化師だけが王の怒りを恐れずに真実を述べられるのだ。

多くの宗教保守はずっと左翼リベラルの笑いの種にされてきたが、クリスチャンだから反撃できないでいた。それをマイロは遠慮なくSJW(社会正義戦士と名乗る左翼連中)をおちょくって笑い飛ばした。フェミニストも、ゲイも、トランスジェンダーも、同じようにおちょくって、人々にSJWを笑ってもいいんだよと許可を与えてくれたのだ。

同時にマイロは犠牲者精神を完全に拒絶する。彼は本当の弱者は守るが、犠牲者気取りで、弱さを武器に他人をコントロールしようとする人間を嫌うのだ。しかしクリスチャンだからそうした犠牲者への攻撃は武力ではなく笑いで反撃する。だからこそ彼は自分の性虐待という被害に対してすらも、笑い飛ばして冗談にして反撃したのだ。そのことを道徳的に自分は崇高だと思い込んでるステファン・マリノーなどは理解できないのだ

マイロは道化師だから左翼とともに右翼や保守派もおちょくる。彼のどうみてもオネエな身振りや、敬虔なクリスチャンならとても口に出来ないような汚い性的な言葉使いは、とうてい右翼保守が浮け入れられるものではない。こんな下品な奴に保守派の代表みたいな顔をされたくないと忌々しく思っていた右翼保守は多かったはずだ。

右翼保守のナショナルレビューの社説より。

保守派の間では右系のハエが飛び回る度に声援を送るのが流行っているが、「アラシ」は保守派ではない。単に大学の民主党を怒らせることに価値はない。保守派のなかには常に左翼扇動者と戦っている立派な人格を持ち、落ち着いて気の効いたことを元気よく言える人たちがいくらでもいる。

つまり、右翼保守体制派はマイロの演説の内容より、その話方が気に入らないというのである。もっとお行儀よく威厳のある演説をやれというのだ。は!自分たちと違うスタイルの人間は受け入れないというのであれば、左翼連中のやっていることとどう違うというのだ?

こういうふうだから今回マイロに起きたことが右翼保守による計画的な政治的暗殺だったというのも納得がいく。

ブラウン女史はマイロは政治家ではなく、文化人なのだという。マイロにとって大切なのは西洋文明を守ること、本当の意味での正義を守ること、そして常に真実を述べることにある。だから、今回のことで彼がジャーナリストとしてのキャリアを引退し、今後はエンターテイナーとして生きていくと決めたことは良い結果になったと彼女は言う。

マイロを才能あるエンターテイナーとして認めているのがこの二つ目のブログ。自称アルト・ライト白人国粋主義のスペンサー・グイン。

マイロは素晴らしいドラマを作り出す。彼はともかく見ていて面白い。これは蔑みではない。 人々を楽しませることができるというのは授かり物であり、とても必要なものだ。マイロを愛いすも嫌うも、マイロはニュースを楽しくするだけでなく、興奮させてくれる。何百万という人たちが彼が次に何をするのか楽しみにしている。メディアに生きるものにとって、とてもよい商売だ。それに彼の格好は決まっている。あのおどけた金髪の髪型、奇抜な洋服、まるでデイビッド・ボウイかマドンナかといった感じだ。実際彼は劇画のヒーローか何かで物語りの展開を見ているようだ。先ず第一幕は毒舌で衝撃的な人物として颯爽と登場。第二幕は文化戦士として毎日のように活躍。第三幕は右から見放され左から毛嫌いされる。今我々は第四幕の彼の崩壊を見ている。次の幕は上がるのだろうか?マイロはこの危機を乗り越えられるのだろうか?

グインもブラウン女史同様、左翼がマイロを嫌悪するのはともかくとして、右翼保守がマイロを受け入れられないことや、リバタリアンのアルト・ライトのなかでもマイロを見放す人々が居る現象について語っている。グインもまた、一時はマイロの味方だったはずのステファン・マリノーのビデオについて、

42分間に渡るマリノーのマイロに関する話を観ていて、リバタリアン派のアルト・ライトもマイロの弁護には消極的だということははっきりした。これは残念なことだ。マイロにとっては痛手だ。

カカシもマリノーのビデオは半分くらい観たが、要するにマリノーはマイロが幼児性虐待に関して軽々しく物を言いすぎるということが気に入らないらしい。だが、自分には聞くに堪えない発言を守ってこそ言論の自由は守れるのだと、マリノーは普段から言っていたのではないのか?だからこそ一般人が口ごもるようなことを平気で言うマイロを支持していたのでは?

グインはアルト・ライトがマイロを躍起になって責めてはいないものの、積極的に弁護もしていない理由はわかるとしながら、それでもマイロはアルト・ライトにとって強い味方になりうると語る。

先ず第一に、グインはマイロがアルト・ライトに損害を与えるとは思えないと語る。彼自身自分はアルト・ライトだとは言ってないし、自分らも彼を同胞として受け入れる気はない。アルト・ライトの回りで活躍しているマイロが自分の性嗜好について何を言おうとアルト・ライトには関係がない。だったら左翼との戦いに有効なマイロを味方につけることに何の損があるというのか?

グインに言わせるとアルト・ライトではないが、左翼と戦っている他の人々のことを考えてみても、マイロほど効果のある人物はない。カカシも時々紹介しているロバート・スペンサー、パメラ・ゲラー、ミッセル・モルキンといった保守派もがんばって入るが、マイロほどのスターではない。

それにマイロとアルト・ライトを一緒くたにしてアルト・ライトを責めるような人間は、もともとアルト・ライトのことなど支持していない連中だ。マイロが居なくても別のことでアルト・ライトを責めていただろう。

右翼にとってマイロが味方についていた方が心強い。もしマイロが右翼からの攻撃に嫌気が差して敵に回ったらどうする?それこそマイロは手ごわい敵になってしまうだろう。マリノーは左翼のリナ・ダナムが自分の妹が子供の頃に性的虐待をしたことを平気で自分の自叙伝に書いていたことと比べて、確かにマイロはダナムに比べたら雲泥の差があるが、だからと言ってマイロの言動が許されるわけではないと語る。

だが、グインはそれに同意できないという。我々は戦争中なのだ。左翼との戦いに勝つためには、味方の些細な落ち度をいちいち重箱の隅をつっつくように攻め立てている余裕はない。マイロは自分の体験を軽々しく語ったかもしれないが、彼が実際に子供を虐待したという証拠があるわけでもなく、幼時と大人の性行為を奨励するNAMBLAなどという団体を支持しているわけでもない。

公開された音声についてグインとカカシの解釈は全く同一だ。つまり、マイロのキャラは人々が衝撃を受けるようなことを言うことにあるので、次から次へとショッキングな供述をしているうちに危険な境界に入ってしまったのだ。マイロが自分が13歳の時に自分を性的に虐待した神父のことを「オーラルセックスがうまくなったのも、マイケル神父のおかげだ」などと口走ったりしたのも、実際にマイロがそう思っていたからではなく、聞いている人々に衝撃を与えることが目的だった。それは文字通りに真に受けるべきではないのだ。

ブラウン女史もグインもマイロのそういう危険すれすれのユーモアを理解している。

カカシが残念に思っているのは、私が今まで頭がいいと思っていた右翼保守の人々の多くが、マイロの危険すれすれユーモアを全く理解できなかったということにある。ステファン・マリノーなどはその口だ。もっとも多くの人々が最初から忌々しい目の上のたんこぶだったマイロを破壊する絶好の機会とばかりに積極的に誤解することを選んだのも事実だが。

グインは最後にマイロは根本的に善良な人だと思うという。グインは以前にマイロがどこかの大学で演説した時、保守派の男子学生が大学構内の左翼とどのように戦ったらいいのかと質問した際、マイロはためらわず即座に、最大の復讐は、ちゃんと勉強してよい仕事につき、お金を儲けて美人の奥さんをもらい、たくさん子供を作って幸せになることだと語ったという。グインはそれを聴いて涙が出るほど感激した。

確かにマイロ自身は右翼や保守派の鏡ではないかもしれない。だがこれはマイロ個人の問題ではない。これは文明社会をどうするかという問題なのだ。そしてマイロは文明社会を守る強い味方なのだ。

ブラウン女史もグインもそういう意味でマイロを応援している。

そしてカカシも。

早くマイロには立ち直ってもらって、また前のように元気に活躍してもらいたいと思う。マイロは本当の意味での文明社会正義の味方なのだから。

March 4, 2017, 現時間 3:47 PM

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下記投稿者名: yomogineko

>最大の復讐は、ちゃんと勉強してよい仕事につき、お金を儲けて美人の奥さんをもらい、たくさん子供を作って幸せになることだと語ったという。

 賢い人ですね。 
 
>マイロが自分が13歳の時に自分を性的に虐待した神父のことを「オーラルセックスがうまくなったのも、マイケル神父のおかげだ」などと口走った

 凄い話ですね。

 子供への性的虐待を非難するためには、被害者の苦しみを強調するべきでしょう。
 
 しかし実際に自分自身が性的虐待を受けた人は、その苦しみを何とか克服しなければならないのです。

 苦しかった、辛かった、許せない。
 苦しかった、辛かった、許せない。

 こればかり思い続けていたら、恨みで人格が固まってそれ以外何も考えられなくなってしまいます。 恨みで自分の人生を喪ってしまいます。

 だから自分を取り戻すには、笑ってごまかすなり、何なり何か自分でそれを受け入れるしかないのです。

 これは例えば、事故や犯罪で重い障碍を抱え込んだ人達が、その障碍を肯定する事によって自分の人生を取り戻すのと同じでしょう。

 それを小児性愛の肯定として責めるのは余りに酷いでしょう?

上記投稿者名: yomogineko Author Profile Page 日付 March 5, 2017 6:26 AM

下記投稿者名: 苺畑カカシ

よもぎねこさん、

しかし実際に自分自身が性的虐待を受けた人は、その苦しみを何とか克服しなければならないのです。

まさしくそうなのです。

マイロは常に笑うことの大切さを強調しています。独裁者にとって笑いはコントロールできないからです。独裁社会においてはエンターテイメントが厳しく規制されるのはそれが理由です。

マイロはブレイトバートを辞任する発表をした記者会見で、幼い頃に性的虐待を受けた被害者の人たちに対して、「それが人生で最悪の体験ではない。大丈夫あなたは立ち直れる。」というような発言をしていました。

マイロにとってその克服はよもぎねこさんが言うように「笑い」にあったのです。

自分の苦しみを笑い飛ばしてしまう。

彼の優しさは、そういう苦しみを乗り越えてきたからこそあるのだと私は思います。

それを小児性愛の肯定として責めるのは余りに酷いでしょう?

ですよね。私が腹が立ったのは、どうしてそういうことを右翼保守とかアルト・ライトの人たちが理解できないのかということなんです。いや、理解しようという気さえないのかと。

以前に誰かが、「ある種の犯罪はあまりにも極悪であるため、無罪すら弁護にならない」と言ってました。よもぎねこさんのブログにも幼児虐待冤罪についてのエントリーがありましたが、子供への虐待というのは罪そのものがあまりにもむごいため、無罪であることすら弁護にならない、ということなのかもしれません。

上記投稿者名: 苺畑カカシ Author Profile Page 日付 March 5, 2017 7:51 AM

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