November 11, 2016

トランプ大勝利!庶民の空気が読めなかったエリート政治家とエリートメディアの誤算

いやあ~、ドナルド・トランプ勝っちゃったよ~! 火曜日の夜は西海岸時間の午後11時くらいまでミスター苺がフォックスニュースを付けっぱなしで私を眠らせてくれなかったのだが、カカシは途中で睡魔に負けて寝てしまった。深夜二時ごろだっただろうか、ミスター苺が「俺達勝ったぞ~!」と私をたたき起こした。「俺達って誰だよ~、まったく~」と思ったのだが、世論調査の予測をよそにトランプは大勝利を得ていたのだ。

カカシがネバートランプ組だったのことは読者諸氏はよくご存知のことだが、告白すると私は最後の最後にトランプに投票した。もっとも完全に青色(民主党支持)のわが州ではカカシの清き一票など全く意味がないのだが、やはり民主主義を重んじる私にとって誰に投票するかは大事なことだった。

わが州で意味がない行為でも甲乙付け難い州においては土壇場でトランプ投票を決意した人々の清き一票は非情に大事だった。トランプが絶対に勝たねばならなかったフロリダ州がトランプ当選確実と発表された時はさすがに興奮してしまった。他にも勝敗がはっきりしていなかったウィスコンシン、アイオア、ジョージアなどの州が次々にトランプに軍配が上がる度にミスター苺は奇声を張り上げた。ミシガン州在住のカカシのフェイスブック友達からは「勝ってるぞ!」「勝てるかも~!」というメッセージがやつぎばやに届いた。こうなってくると、どっちが勝ってもいいやという気持ちだったカカシにも熱が入ってしまった。

なぜ冗談候補のはずだったドナルド・トランプが遂に次期アメリカ大統領に選ばれてしまったのであろうか、下記はカカシが去年の8月、トランプが共和党候補になる数ヶ月前に書いたエントリーの一部。

トランプが自分の言っていることをどれだけ信じているのかは解らない。だが、少なくともトランプは今現在のアメリカ国民の感情を十分に把握して国民が聞きたいことを語っている。共和党の候補者たちはトランプの人気から学ぶべきである。今国民が何を欲しているのか真剣に考えるべきだ。リベラルメディアががなりたてるプロパガンダに騙されずに一般国民の声に耳を傾けるべきである。そうしないと冗談候補のトランプが本当に候補になってしまうなんてことになりかねない。

まさしくその通りの結果が生まれたわけだが、今年の2月、もう少しでトランプが共和党候補になりそうだという時期にトランプの勝利は「守られている人々」と「守られていない人々」の感覚の差が焦点になると語った人がいた。保守派政治評論家のペギー・ヌーナンがその人である。(Trump and the Rise of the UnprotectedWhy political professionals are struggling to make sense of the world they created)

守られし者と守られざる者とがある。守られし者が政策を作り、守られざ者がそれを生きる。守られざる者たちが押し返し始めたのだ、力強く。

守られし者たちは達成し安泰で成功者であり権力者とのコネもある。彼らは世の中の荒っぽさからほぼ守られている。というより彼ら自身が作り出した世界から守られているのだ。そしてその政策の中でだいぶ長いこと生きてきたのが守られざる者たちなのだ。

守られし者たちは安全な地域に住み、子供たちは質のいい私立学校に通い、何不自由ない生活を送っているから、下々の者たちがどんな生活をしているかなど知らない。ワシントンDCの政治家たちも、それをいうならブルッセルの国連や欧州連盟のお偉方は、自分らが守られた立派な建物の中で作り上げた方針がどんなふうに一般人に悪影響を与えているかなど知る由もないのだ。

自分らが守られているから自分たちは何でもできると錯覚する。現実と全くそぐわないような政策を平気で作りだす。

たしかにそうだ。たとえばオバマケア、オバマ王にしろ上下議会にしろ、国民に強制しておきながら自分たちは免除している。彼らはオバマケアのおかげで保険料が10倍になったり主治医を失う苦労など味わわなくてすむ。男女共用トイレや更衣室にしたって大統領やお偉方が公共施設など使うわけはないから関係ない。下々の守られざる女たちが女装した変質者に子供たちの安全を脅かされることなどまるで念頭にない。重装備したボディガードに囲まれている政治家や大金持ちには個人的な銃規制など全く影響しない。治安の悪い地域で自分の持っているピストルだけが頼りという下層階級のことなど理解できるものか。

そして移民問題だ。これはアメリカだけでなく西欧を襲っている深刻な問題だが、これほど政治家たちと一般庶民との間で溝の深い問題もないだろう。

拙ブログやナンミンウォッチさんやナスタチウムさんらが紹介しているように、ヨーロッパでは政治家たちが勝手に決めた歯止めの利かないイスラム圏からの野蛮人移民の流入で庶民たちは大被害を被っているのに、野蛮人たちと全く接触のない政治家たちは「ナンミンは可哀そうだから受け入れなければならない」などと言って市民の悲痛な訴えを完全無視。

アメリカでは南の国境からなだれ込んでくるラテン系の麻薬暴力団員たちによって国境の町はまるで西部劇時代のような無法地帯になっている。低賃金で働く違法移民らに職を奪われた市民をよそに、異邦移民の掃除婦や家政婦をはべらす政治家も安い労働者で金儲けをしている大企業も庶民の苦しみなどわからない、いやわかろうともしない。これは民主党の政治家だけに限らない。共和党も大企業とつるんで国境を守ろうとしてこなかった。体制派共和党ポール・ライアン下院議長なんかその部類だ。

守られざる者たちは、民主党にしろ共和党にしろ体制派は自分らのことなど全く考えてくれていないとずっと不満を抱いていた。そこに颯爽と現れたのが「ミスタートランプ」だ。移民問題に真正面から取り組んだのはトランプだけだった。

モスレムテロリストにしてもそうだ。

我々一般人はモスレムテロリストによる乱射事件や爆破事件といった極悪なテロの後ですらも、テロの犯人はモスレムだった、とすら指摘することが許されない。エリートたちは「イスラム教は平和な宗教だ」と言い張り、モスレムを批判するソーシャルメディアへの記述が削除されたり、学生なら同級生から暴力的に攻撃され、教授からは落第点を付けられ、学校から停学処分にされかねない。

常識ある大学教授に、女装しただけの男を女と認めろ、さもないと首にすると脅したり、ハローウィンの仮装は人種差別だから止めるべきとか、これまで普通に使ってきた言葉や習慣すら人種差別だ、ホモフォビアだトランスフォビアだと批判されて何も出来ない状態が続いていたのだ。

トランプの暴言は、自分らの権力を脅かすものとして恐れた左翼リベラルには脅威だったし、道徳観ある保守派エリートたちには耳障りだった。しかし、ごくごく普通の人たちが他人の目を気にせずに普段使っている言葉使いを、まるで遠慮なく大統領候補が使ってくれたことが、かえって一般人にはスカッとするものがあったのではないだろうか?

モスレム移民によってテロの脅威におびえている一般市民、南米からの犯罪者に苦しめられている一般人。それをみるにつけ、イスラム教徒なんか全員国からオン出せばいい、とかイスラム教徒を国に入れるな、とか国内にいる南米暴力団員は全員死刑にしてしまえ、とかお茶の間の一般人は家族で話したことがあったはずだ。これは排他的とか人種差別とかの問題ではない。一般人が身につまされて体験している恐怖の表れなのだ。

確かにそのままそれを政府の政策にすることは出来ない。イスラム教徒が全員テロリストであるわけではないし、南米からの違法移民がすべて犯罪者であるわけでもない。だが、モスレムテロリストや南米暴力団員の存在を認めようともしない体制派の政治家と違って、トランプはこれらの問題で人々が苦しんでいると認めた、唯一の大統領候補だったのだ。そして人種差別者とかなんとか言われようと全く気に留めないその傲慢とも思える態度が、かえってポリティカルコレクトネスに首を締め付けられてきた守られざる者たちには気分がよかったのだ。

左翼リベラルのエリート政治家もエリートメディアも自分らがどれだけ守られたバブルの中で生きてきたか気が付かなかった。だからトランプの人気が理解できなかったのである。

November 11, 2016, 現時間 10:26 AM

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