July 29, 2016

欧州緒政府の現実逃避はいつまで続くのか

最近、フランスとドイツそしてスエーデンにおいてほぼ毎日のように乱射や自爆や強姦テロのニュースを聴く。(日本でもひどい大量刺殺事件があったが、今のところモスレムテロとは無関係な模様。)しかし、ヨーロッパ諸国の政府やメディアは明らかに組織的なイスラム教テロを気の狂った一匹狼の仕業だとして、過激派イスラム教徒によるテロに関して現実逃避を続けている。

ここほんの数日の間だけでも、ニースで起きた84人大量轢殺事件、ノルマンディの教会で起きた牧師斬首事件、ドイツのババリアン地区の電車内で起きた斧による惨殺事件、フランス人の子供三人と母親を狙った刺殺未遂事件、ドイツの妊婦殺傷事件、ミュンヘンのマクドナルド乱射事件、ドイツの自爆テロ事件、どれもこれもモハメッドとかアリといった名前の若者が「アラーアックバー!」と叫んでのテロリズムである。

ヨーロッパ諸国の市民は何が起きているのか十分に理解しているがメディアも政府も完全に現実否認の状態にあると保守系雑誌のスペクテーター(英国版)でダグラス・マレーが書いている。

一般市民はこれらの事件は全てモスレムテロだと十分に理解している。だがこメディアや政治家たちはこれらの事件には全く一連性がなく、まるで訳のわからない摩訶不思議な事件であるかのように報道している。イギリスのEU離脱を求める意見を「ヘイトクライム」と決め付けてはばからなかったメディアも本当の暴力事件の犯人の動機は全くわからないととぼけるのである。

ドイツで自爆テロを図って自分だけ死んだシリア人の事件も、ロイターの記事の見出しは「難民庇護を拒絶されたシリア人爆発によって死亡」と、まるでシリア人が何かの爆発に巻き込まれた犠牲者のような書き方をした。このテロリストは音楽祭会場への入場を拒否されたため、近くで自爆を計り通行人数人を巻き込んで怪我をさせ自分だけ死んだのだ。もし会場に入ることが許されていたら何十人という犠牲者をだしていただろうことなどメディアは完全無視である。

ミュンヘンで起きたマクドナルド乱射事件でも、イギリスの国営放送BBCは犯人のイスラム名「アリ」を削除し、犯人がモスレムだったことも隠して報道した。しかも犯行の日が偶然ノルウェーで起きた白人崇高テロリストによるモスレム教徒乱射殺害事件の記念日だったことから、現場にいたイスラム教徒の目撃者たちが犯人は「アラーアックバー」と叫んでいたと証言しているのに、BBCはイラン系二世のドイツ人青年があたかも白人崇高者であったかのように報道した。

メディアにしろ警察にしろ一般市民がなんらかの結論に至ることを必死にさえぎろうとしている。だが我々のほとんどがもうずっと前から何が起きているのか結論をだしており、それは毎日のように確認されている。

今のところ、テロ行為をアフガニスタン発のテロ軍団であるイスラム国のせいにすることが一般的だ。確かにドイツやフランスのテロリストたちがイスラム国と関係があったらしいことはわかっているが、問題の本質はイスラム国ではなくイスラム教そのものにあると多くのヨーロッパ市民は理解しているとマレーは言う。

シャリル・へブド襲撃事件のあった二年前、フランスで行なわれた世論調査によると、74%のフランス市民はイスラム教は不寛容な宗教でありフランスの価値観とは相容れないものがあると答えたそうだ。しかしそれに対するフランス政府の反応は国民がイスラム教徒との接触があまりないため本当のイスラム教がどういうものかきちんと理解していないからだというものだった。だが現実はその正反対。フランス人は中東のキリスト教徒のようにイスラム教徒の異教徒への暴力的な行動を十分に体験している。そうしたうえでイスラム教を嫌っているのだ。だが何故か欧州の政治家たちはそれが理解できない。ドイツのマルケル首相が筆頭となって欧州に大量のモスレム移民を招き入れ、ヨーロッパの未来を大幅に変えようとしている。モスレム移民を自国の文化とは相容れない侵略者と考える一般市民と、可愛そうな難民及び労働力と考えている政治家たちの考えのギャップはいずれは埋められなければならない。

このギャップを埋めるためには、政治家たちは自分の政治生命を危険にさらしてでも現実を正直に国民に語る必要があるとマレーはいう。

ここまでは私もマレーの意見に賛成なのだが、所詮マレーもイギリスのエリート。長年のヨーロッパ上流階級のリベラル思想に洗脳されてきただけあって言うことがやはり生ぬるい。先ず、この間フランスのマヌエル・バルス首相が「テロリズムと生きていくことに慣れなければならない」と語って大批判を受けたことに対し、マレーはバルス首相は正しいのだという。確かに現実に起きているのはテロリズムだと認めたところまではいいが、一国の首相ともあろう人が、まあこういう状況だから慣れるしかないっしょ、というような最初から諦めて戦う意欲もないような投げ捨てた態度を取るのはいただけない。テロが連発する状況にあるから私はフランスを救うためにこれこれこういう意志を持って戦うつもりだ、くらいの指導力を見せないでなにを首相ずらしているのだと批判されるのは当然だ。

マレーは今、最も大事なのは銃や爆発物がテロリストの手に渡らないようにすることだと言う。もっともナイフやトラックを違法にするわけにはいかないし、テロリストたちはいくらも新しいやり方で攻撃してくるのでこれまでのような警備体制ではテロを防ぐことは出来ないと認めている。

テロを未然に防ぐために銃規制が先ず第一だという考えは何十年も前に完全銃規制を行なったイギリス市民の典型的な考えだろう。イギリスで生まれ育ちながら銃携帯の大事さを理解しているマイロ・イヤナポリスなどはかなりの例外だ。

マレーに言わせるとバルス首相はすくなくとも敵がイスラム過激派であることを認めていることには一応の価値があるというものだ。敵を敵として自覚することは敵と戦う上で第一歩である。我が国のオバマ王はそれすれも出来ないのだから。

しかしバルス首相はその敵がどこから来ているかという事実を言及していないとマレーは言う。イスラム過激派のルーツはイスラム教そのものだ。過激派はそのほんの一部なのかもしれない。だがすでにヨーロッパに居るイスラム教徒らがホストカントリーに融和していないのに、さらに過激派テロリストの巣窟であるシリアや他のアラブ・アフリカ諸国から大量の移民を受け入れるのは愚の骨頂だ。

マレーはヨーロッパがシリア難民を救済したいなら、自国に招きいれずとも外国で難民キャンプをつくり救済すればいいという。なにもヨーロッパ全体を難民キャンプにする必要はない。いや、ヨーロッパにそのようなことをする余裕はないと。

しかしドイツでは総選挙を来年に控えて、いまだにマルケルに挑戦できるような有力な候補が出ていない。ヨーロッパ市民は右傾化しているにも関わらず、ヨーロッパの政治家たちはさらに左へ左へと進んでいる。まるで現実を認めようとしないのだ。

このままいけばマルケルの血塗られた夏は秋へと進む。それは同時にヨーロッパのリベラル社会の秋ともなるだろうとマレーは嘆く。

July 29, 2016, 現時間 9:58 AM

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