April 2, 2016

大統領候補としての真剣さに欠けるドナルド・トランプ

この間、ドナルド・トランプは日韓は独自で核兵器保有すべきと発言して話題になっている。

ワシントン 28日 ロイター] - 米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏は27日、日本と韓国について、北朝鮮や中国から自国を防衛するために、米国に依存するのではなく独自で核兵器を製造することを容認する可能性を示した。

ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで述べた。

トランプ氏は、日韓両国が米国に対する費用負担を増やさない限り、米軍を引き揚げる意向も示した。日本には約5万人、韓国には約2万8500人の米軍が駐留している。

これに対し菅義偉官房長官は28日の会見で、非核三原則には何の変更もないとし、誰が米国の次期大統領に就任しても日米同盟は日本の外交の基軸であり、地域や世界の安定にとって不可欠だと述べた。

一方、韓国は、在韓米軍は対北朝鮮の防衛における両国の同盟に前向きな貢献を続けており、相互防衛条約へのコミットメントに変わりはないとした。

日韓の防衛強化を説くことは特に問題ないと思うが、こと核武装に関しては非常に微妙な外交問題が関わってくるので、よっぽどこの道に長けた人でない限り、やたらなことを言うのは避けるべきである。特にトランプは以前に大統領候補討論会で三元戦略核戦力(大陸間弾道ミサイル、弾道ミサイル搭載潜水艦、巡航ミサイル搭載戦略爆撃機の三つの核兵器のこと。)が何であるかも知らなかったくらいだし、実際にトランプのいうアメリカによる日韓の防衛負担とはどのようなものなのか、また日韓が米軍駐留のためにどれだけの経費を負担しているかについても全く無知である。そういう人間がやたらに米国の負担を減らすべきだとして70年にも渡る米国の核兵器政策を覆し、大事な同盟国を責め立てるような態度をとるのは非常にあさはかである。

核兵器に関する発言だけでなく、トランプの発言は常にこうだ。政治評論家のチャールズ・クラウトハンマーも指摘しているが、トランプは共和党から立候補しているにも関わらず、長年にわたる共和党の姿勢や宗教右派の取ってきた立場などに関して全く無知である。それだけでなく、そうした人々の立場を勉強しようという興味心もないのである。

先にの人口妊娠中絶に関する意見にしても、トランプは多くの反中絶派は女性を罰するべきだと考えているなどと発言した。だがこれは間違いである。トランプが言う保守派の立場とは左翼リベラルによる歪曲した保守派の立場であり本当の立場ではない。そんなことも知らないのは、トランプが本当の共和党員ではないからだ。たとえその意見に賛成しようとしまいと、自分が代表する党の有権者たちがどのような意見を持っているかぐらい勉強してしかるべきだろう。クラウトハンマーの批判はトランプは無知であるだけでなく、知ろうという興味心も持ち合わせていないということである。

だが、ここで、では何故トランプは共和党の有力候補なんだ、という疑問が生まれるのは当然。そんなに共和党の空気が読めない男がどうして共和党の予選で大勝利を遂げているのだろうか?

実はトランプは大勝利をとげていない。従来の大統領選挙であれば、大勝利を遂げている候補なら予選も今頃になれば、すでに圧倒的多数の大議員数を集め、候補の座を固めているはずである。それなのに、トランプは未だに勝ったり負けたりを繰り返して候補にひつような最低代議員数を獲得していない。次回のウィスコンシン州でもクルーズが今のところ10%以上も優勢だ。トランプ地元のニューヨークではトランプが優勢とはいうものの、クルーズやケーシックが追い上げている。

トランプが未だに優勢なのは、予選当初に多く居た候補者たちが反トランプ勢の票を割ってしまったからだ。トランプ支持者は30%から45%の間で留まっており、反トランプ側よりもずっと少ない。今更ながらルビオが二ヶ月前にリタイアしてくれていたらどれほど状況が変わっていただろうかと悔やまれる。

April 2, 2016, 現時間 1:09 PM

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