November 1, 2015

なんでいつもユダヤ人ってことになるんだろう?

明日胃の検診があるんで、今日は一日断食しているカカシである。まだ朝9時なのにお腹すいたなあ。月曜日を検診の日にしたのは前日に色々用意することがあったからで、断食もそのひとつなのだが、仕事しながらでは出来ないこともあるからである。ま、そんなことはどうでもいいのだが、本日は外出も不可能なのでネットサーフを色々していたら、ヨーロッパの移民問題とかフェミニズムなどで、結構意見が合うブログを見つけた。黒木頼景( くろき よりかげ )という人が書いている「無敵の太陽」というサイト。

アメリカの保守派とはなんぞやという興味深い記事に惹かれて読んでみたのだが、どうもこの人反ユダヤ偏見丸出しで、何の話をしていても最後には「ユダヤ人の陰謀」ってな話に収まってしまうのである。ヨーロッパの移民問題もユダヤ人の陰謀、フェミニズムもユダヤ人の陰謀、米保守派の分裂もネオコン(ユダヤ人)の陰謀、ハリウッドはユダヤ人に牛耳られてる~!

他のことでは完全にまともなことを言っているひとが、どうして最後にはユダヤ人の陰謀とかって話になってしまうのか、私には不思議でしょうがない。

元々ユダヤ民族はどこの国でも嫌われる存在にあった。歴史的にそういう運命を背負った民族なのだ。近年欧米では多文化主義などでユダヤ人差別はよくないということで表向きはユダヤ差別はあまりなかった。特に第二次世界大戦中ナチスドイツによるユダヤ人虐待がひどかったことから、ナチスと一緒にされたくない欧州の人々はあからさまなユダヤ人差別は避けてきた。

しかし最近になって、イスラム教圏の勢力が旺盛になってくると、反ユダヤ感情をあからさまに出す人が多くなってきた。イスラエルとパレスチナの問題では国連は常にアラブ人の味方をしイスラエルを一方的に悪者扱いする。主流メディアの報道も、パレスチナから何千と飛んでくるスカッドミサイルの応戦をしているだけのイスラエルに対して過剰防衛だと批判する。最近頻発しているアラブ人が包丁振り回してユダヤ人を殺している事件にしたって、悪いのはユダヤ人といわんばかりの報道。挙句の果てにユダヤ教の神殿テンプルマウントは元々アラブ人のものだったなどと言い出す始末。

私が怖いなと思うのは、今ヨーロッパで起きている反移民運動がモスレム移民を追い出すのと同時に、その嫌悪感が何世代もヨーロッパに居住し完全に融和しているユダヤ教徒にも向けられるのではないかということだ。ユダヤ人は反移民運動に協力してモスレム移民を追い出したいかもしれないが、17世紀にもヨーロッパに侵攻したアラブ人を地元民と一緒に追い出した直後にヨーロッパから追放された歴史を持つユダヤ民族。今回も同じようなことが起きる可能性は大である。特に黒木のようにヨーロッパの行きすぎな移民受け入れ政策はユダヤ人の陰謀だなどと言い出す人間が居たのではイスラム排斥と同時にユダヤ排斥につながるのは自然な成り行きだ。

ところでアメリカの保守派のなかでネオコンサーバティブ(新保守)と呼ばれる人たちが居るが、ネオコン=ユダヤ系と位置づける人が多いのはちょっといただけない。ネオコンというのは元々リベラルで民主党支持だった人たちが、1980年代、ロナルド・レーガン大統領の思想に感化されて共和党支持に変わった人たちを指した。無論現在のネオコンはすでにレーガン世代ではないから、そういう定義には当てはまらない人も多い。ミスター苺に言わせると、ネオコンは感情的にはリベラルだが結論的に保守に収まる人と定義している。理屈で保守的思想に収まる人々との違いはこの思考過程にあるというのがミスター苺の見解。

黒木はアメリカとイスラエルの同盟についてかなり批判的である。湾岸戦争もイラク・アフガン戦争もユダヤロビーの陰謀であるかのような言い方だ。孤立主義の米保守派にはそういうことを言う人が多いのは事実。だが、イスラエルにかこつけて、単なる自分らのユダヤ人種差別意識を正当化する口実に使う人が多いのも事実。

皮肉なことに超リベラルや左翼の間でのユダヤ人嫌いは全く普通。オバマ大統領はじめ、民主党大統領候補のひとりヒラリー・クリントンのユダヤ人嫌いは悪名高い。

だからユダヤ人は保守派からも左翼リベラルからも嫌われるといういつもながらのシナリオになるわけ。反モスレム運動をくりかえしているパメラ・ゲラーが嫌われるのも彼女が反モスレムだからというだけでなく、彼女がばりばりのユダヤ系だからといってもまるで差し支えないだろう。

カカシは大昔からユダヤ人嫌いの人種差別には大きな疑問を持っていた。我が父などもイスラエルはユダヤ人が捨てた国で、何世紀も経ってからアラブ人から奪い取ったりするから問題が起きるのだ、などとアラブ人が広めた嘘八百を信じ込んでいた。にも関わらず、私がユダヤ嫌いにならなかったのは元々私が人種差別が嫌いだったのと、私が10代のときに起きたミュンヘンオリンピックでのモスレムテロリストによるイスラエル選手たちの惨殺事件。ユダヤ嫌いなオリンピック協議会は一日も競技を休まず、まるで何事もなかったかのようにオリンピックは進められた。惨殺されたイスラエル選手たちへの黙祷すらなかった。あの時私はいかに世界中がイスラエルをユダヤ民族を忌み嫌っているかを知り、ものすごい憤りを覚えた。同時に世界を敵に回しても堂々と独立国を作ったユダヤ民族に尊敬の念も抱いた。カカシのユダヤ民族びいきはここから始まる。

アメリカとイスラエルの同盟は世界平和には欠かせない条件だと私は信じている。モスレム台頭の世界に住むくらいなら、ユダヤ人が牛耳る世界に生きたほうがよっぽども平和である。だが、私はユダヤ人の陰謀などという説は全く信じていない。

ところでミスター苺がユダヤ系なのは拙ブログの読者諸君ならもうご存知だろうが、ミスター苺は全然敬虔なユダヤ教徒ではない。単にユダヤ民族の家系に生まれたというだけの話。ユダヤ人が世界の金融市場を牛耳っているというのが本当なら、俺にもそのおこぼれを頂戴したい、と彼は常に言っている。

November 1, 2015, 現時間 10:36 AM

エントリーが気に入ったらクリックしてください。
にほんブログ村 政治ブログへ

トラックバック

この記事のトラックバックURL: http://biglizards.net/mt3.36/earendiltrack.cgi/5555

コメント

前のコメント

下記投稿者名: アンデルセン

「ユダヤ人」については、本人も「ユダヤ人」であったアーサー・ケストラー(Arthur Koestler)の「ユダヤ人とは誰か―第十三支族・カザール王国の謎」という研究書があります。日本語訳はいささか難あり、英語の方がお勧めだそうです(私は読んでません)。

「ユダヤ人」と呼ばれる民族の内訳が実は単一ではなく、もともとユダヤ教を信仰していた人たちと、政治上の実益から後づけでユダヤ教に改宗した一群があり、本来の「ユダヤ人」の故郷はイスラエルではなく、現・ロシアの一部であったこと(もし事実であるなら、イスラエルという国の正当性は根底から揺るがされる)を明らかにしています。そして、現在主流であり、経済や文化面でパワーエリートとして世界に君臨する「ユダヤ人」は後者であるとのこと。

私は、人間には「環境」や「教育」といった後天的な影響が大きく働くものであることは認めますが、「移民の国」アメリカの人間観と異なり、血(人種・民族・家系・ルーツ)で伝わる根深い部分もあると考えています。

「ユダヤ人」の「世界を牛耳るためにこうしようぜ」という意識的合意はないとしか思えませんが、ソロスがムスリム移民受け入れの勧めを説いたり、ユダヤ系重鎮の多い経済界がムスリム移民を認容したりする現実を知ると、「”血”レベルの反応」があるのかなぁ、と思ってしまいます。

個人的にモサドのハッキリしたところ、好きですけどね。

上記投稿者名: アンデルセン [TypeKey Profile Page] 日付 November 1, 2015 9:30 PM

下記投稿者名: 苺畑カカシ

メールの方で、デイビッド・デュークというアメリカの白人崇高者のビデオを送ってくれた人が居たので、それに対する返事を掲載しておく。

コメンターさんへ、

デイビッ・デュークは悪名高い白人崇高者でKKKのメンバーです。無論だから彼の言ってることにまったく理がないとはいえませんけどね。欧米は特にヨーロッパは日本と同じで原住民の出生率が減っているため、今後モスレム移民の数が増え、また移民二世たちの国内での出産が増えることによってヨーロッパ系白人の数が脅かされるというのは本当です。でもそこに陰謀があるとしたら、それはユダヤ人ではなくてイスラム教徒による移民による侵略という聖戦(ジハド)の一部と考えるほうが自然です。ユダヤ教徒にとってモスレムは宿敵であり、モスレムの数が増えてヨーロッパがモスレム化することがユダヤ人にとっていいはずがないのです。すでにヨーロッパ各地で、特にフランスでは、モスレム市民及び一般白人フランス人からも、ユダヤ人虐待が始まっています。何故自分らが不利な立場に追い込まれるような政策をユダヤ人組織が企むのですか?

確かにジョージ・ソロスなどのユダヤ人が世界の金融界に君臨していることは事実です。でも彼の場合、ユダヤ民族のためというより単に自分の私服を肥やしているというだけの話でしょう。

生粋のユダヤ教徒は混血を好みません。それは事実です。でもそれをいうなら他の宗教も似たり寄ったりでしょう。いや、モスレムなどその最たるものでしょう。異教徒と結婚を望む娘を平気で殺したりしますからね。ユダヤ人は少なくとも現代のユダヤ教徒はそんな野蛮なことはしません。

それに、デュークは誤解していますが、ユダヤ人種というものは存在しないのです。ユダヤ民族は人種ではなく宗教で結ばれているだけで、人種としてはヨーロッパ系白人、アラビア人、アフリカ人、などが居ます。欧米でユダヤ人に遭遇しても、顔を見ただけではユダヤ人かどうかわかりません。名前で判断するのがせいぜいですが、それにしたって結婚して名前が変わった人も居るし、芸名やペンネームをヨーロッパ系にしてる人も多いですから一目ではわかりません。

デュークみたいな人種差別者がユダヤ人の陰謀を唱えるのは仕方ないとしても、一般人がそんなことを本気にするというのは、はっきり言って情けないですね。

カカシ

上記投稿者名: 苺畑カカシ [TypeKey Profile Page] 日付 November 7, 2015 9:14 AM

登録ありがとうございます。 さん コメントを残して下さい。 (サインアウト)

このサイトへ初めて投稿される場合には、サイト主による承認が済むまで投稿が画面に現れないことがあります。しばらくお待ちください。


登録者を記憶する(URL必要)


© 2006-2015 by 苺畑カカシ - All Rights Reserved