July 20, 2013

オバマの連邦政府一律予算削減が裏目に出る

Sequestration (シクエストレーションもしくはシークエストレーション)とかFurlough (フォーロー)とかいうのは最近になってカカシが学んだ言葉である。オバマが大統領になってからというもの不思議な言葉がいくつも飛び出してくる。以前にも書いたが、このシクエストレーションというのは一律予算削減の意味で、フォーローというのは無給自宅待機の意味。連邦政府公務員は7月から何かしらの無給自宅待機を強制されている。省によってそのやり方は違うが、防衛省は週一で今年度の終わりの9月30日までの11週間が強いられている。事実上20%の減給である。

来年度のシクエストレーションは今年度よりも大幅なものだというから、いったいどれだけの減給を強いられるのかと心配していたのだが、シクエストレーションはオバマが思ったほど共和党攻撃に役立っていない。いや、それどころか、シクエストレーションはオバマに全面的な責任があると多くの公務員が思い始めている。そこでオバマ王政権は一律削減という強行な態度を多少和らげて、なるべく苦痛を伴わない削減を考え始めているという
それで数々の省ではフォーローの日にちを減らすかキャンセルするかの対策をとりはじめている。

連邦政府の無駄遣いを減らすという目的での予算削減なら我々も大歓迎なのだが、この度のシクエストレーションはわざと無駄なものでも必要なものでも一律に減らし、連邦政府機関全体で苦痛を分かち合うしくみになっている。

そもそもオバマがこのようなばかげた提案をした理由というのも、連邦政府予算を国民が一番苦痛を感じるところから削減することによって予算削減がどれほど国民にとってよくないものであるかを思い知らせることにあった。連邦政府予算を削減すると、国民はこんなに迷惑するのだ、だから国家予算削減は悪なのだ、それを提案する共和党は悪なのだ、不景気を乗り切るのは増税しかないのだ、と国民に訴えるのが狙いだった。

共和党は連邦政府の予算削減は無駄からはぶいていけばいいのであり、国民の生活に支障を起こすような削減をする必要はないと主張してきた。実際共和党はシクエストレーション直前にオバマ王に不必要で一番国民に悪影響を及ばないプログラムから削減しようと提案したが、オバマ王は断固としてその提案を拒絶した。

実際防衛省の公務員は強制自宅待機について、減給のみならず軍隊の任務遂行に多大なる悪影響を及ぼすと訴えてきたが、その度に「オバマ大統領は国民が一番苦痛を感じるやりかたでの削減を望んでいる。悪影響が出なければ意味がない」と上部から言われている。

オバマの当初の狙いは、この苦痛をすべて共和党のせいにすることにあったのだが、もし防衛省の公務員が言われているようなことを他の省の公務員も言われているとしたら、我々の苦痛の原因は全てオバマ王にあると人々は思い始めているはずである。

実際このシクエストレーションは通称「オバマのシクエストレーション」といわれており、オバマに責任があると思う国民が圧倒的であり、よしんば議会を責める人がいても、すべてが共和党のせいだという人はまずいない。シクエストレーションによって共和党の不人気を促進するというオバマ王の狙いは完全に裏目に出たのである。

July 20, 2013, 現時間 9:36 AM

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