May 12, 2013

ヒラリー前国務長官、改めてベンガズィ米領事館襲撃の責任を問われる

去年の9月11日、リビアはベンガズィにある米領事館がアルカイダのテロリストに襲撃され領事を含む米国人四人が惨殺され10人が負傷した件で、当時の国務長官ヒラリー・クリントンの責任が改めて問われ始めた。

今年の初めヒラリーは、議会の公聴会で領事館襲撃が反モハメッドビデオに煽られた突発的なデモによるものではなく, 計画的なテロ攻撃であったことを何故国務長官だったヒラリーが即座に知ることができなかったのかと問い詰められ、ヒステリックに「いまさら何の違いがあるというの!」と怒鳴り、かなりの顰蹙を買った。だが、その時、メディアにしろ一般市民にしろ、ヒラリーの癇癪はその場におけるそれこそ突発的な感情の表れだと判断されていたが、いまになって、あのぶちきれは計画的なものだったのではないかという見方が強まっている。

ヒラリーの癇癪を誘発したのはウィスコンシン州代表ロン・ジョンソン上院議員(共和)の非常に単純な質問だった。 ジョンソン議員は同じ質問を下記のように何度も繰り返した。

事件直後、国務省の誰も現場の人間 と連絡を取らなかったのですか?...

つまりですね 単に現場の人間に電話の一本でもしていれば、襲撃直前にデモが起きていなかったことなど簡単に知ることが出来たはずなのに、何故それがされなかったのかということですよ。

長官、単に領事館を避難した人員への電話一本で反米デモがおきていなかったことなど即座に知ることができたはずではありませんか? そういう現場の状況は容易に取得できたはずではありませんか?

しかし、事件直後に実際に何がおきたのかを何故知ろうとしなかったのかという事実を問いただされる度にヒラリーは質問の答えを避け、のらりくらりと話をごまかそうとした。なぜならば、 ヒラリーは自分が電話の一本でも入れていたら実際に何が起きているのかを知ることになり、襲撃は反モハメッドビデオのせいだったという嘘をひろめていた国連大使のスーザン・ライスの提言と矛盾してしまう。それでヒラリーは自分は現場の実情を知る由もなかったという姿勢を保つ必要があったのである。それでヒラリーはFBIの捜索の邪魔をしたくなかったとか、国連大使の情報に頼っていたとかわけの分からないことを繰り返した。ジョンソン議員はひるまず質問を繰り返した。

いいえ、抗議デモが起き、それに誘発されて起きた事件だったと我々は惑わされていました。しかしそうでないことはすぐに知ることができたはずなのです。アメリカ市民は事件直後数日の間に事実を知ることができたはずなのに、市民はそれを知ることができなかった。

ここでヒラリーの悪名高い癇癪が起きた。女性がヒステリーを起こして感情的になっ手いるときに、その女性をそれ以上責めるのは紳士らしくないという状況を作るためである。

お言葉ですが、四人のアメリカ市民がなくなったのです。それが抗議デモのせいであろうと誰かがある日突然アメリカ人を殺そうという気になったせいであろうと、 今更何の違いがあるというの?

はっきり言って今更ながら、突発的な抗議デモと計画的なテロ襲撃とではかなりの違いがあると思うけどね。もちろんヒラリーの本音はジョンソン議員が言うとおり、現場への電話一本で実際に何が起きたのかは簡単に知ることができた。だが、それを認めたならば、では何故予測されたテロ襲撃に対して領事館の警備を厳粛にしていなかったのかという疑問が生まれ、それに答えることのできないヒラリーは現場の事情をきちんと把握などしたくなかったのである。オバマ再選挙の直前に、オバマの外交失態を認めるなど国務長官のヒラリーには不可能だったのだ。

ヒラリー・クリントンはすでに国務長官の座を退いており、現在は特に役職についていない。ということはオバマ政権にとってヒラリーを弁護する義理は全くない。それどころかベンガズィ事件は全てヒラリーの失態だったとすることによってオバマ自身は責任逃れをすることが出来ると踏むだろう。

ヒラリーは2016年の次回選挙で大統領候補を狙っているが、自民党の間ではヒラリーに敵意を燃やすライバル政治家がごちゃまんといる。オバマの庇護を失ったヒラリーなど誰も弁護する義理はないどころか、ヒラリーが大統領に立候補すれば自民党内の候補者からヒラリー攻撃の絶好の道具としてベンガズィ事件が持ち出されることは必定である。

私個人としては、ヒラリーがどうのこうのというよりも、自民党政治家たちがヒラリーの責任を問うことによって実際にベンガズィで何が起きたのか、普段は政治に興味のない人々がやっと事実を知ることが出来るということに価値があると思う。ベンガズィ事件の一ヵ月後にオハイオの大学で行われたオバマ講演に集まったオバマ支持の大学生たちが、ベンガズィで領事館が襲われたという事件を聞いたことがないと答えていた事実を考えるにつけ、ベンガズィ事件がやっと主流メディアで取り上げられるようになったというのは良い傾向だ。それがヒラリーを生贄の羊にすることが目的でされたものであれ、実際にアメリカ政府がアメリカ大使を見殺しにした事実は変わらない。国防は最終的に大統領の責任なのだから。

May 12, 2013, 現時間 8:17 PM

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