December 20, 2012

悲劇を無駄にしないオバマの銃砲規制案

すでに日本でも米コネチカット州のニュータウン市にあるサンディフック小学校で起きた乱射事件については色々報道されていると思う。以下エキサイトニュースより。

米、小学校で銃乱射し26人殺害 子供20人犠牲、容疑者死亡 2012年12月15日 01時51分 (2012年12月15日 11時11分 更新)

 【ニュータウン共同】米東部コネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で14日朝(日本時間14日深夜)、男が校舎内で銃を乱射し、5~10歳の子供20人を含む26人を殺害した。警察は校舎内で男が死亡しているのを発見した。自殺とみられる。

犯人のアダム・ランザ(20歳)は精神障害者で、当日母親を自宅にあったライフルで殺害した後、近所の小学校に行って乱射したとみられる。ランザ家の知り合いの話によると、殺された母親のナンシーは息子を精神病院に入院させようと考えていた矢先だったという。

さて、こういう事件が起きると、必ず出て来る議論がある。それはレーガン政権時代に人権団体がごり押しして通してしまった極度な精神病患者の意志の尊重に関する問題点でもなければ、学校内における警備体制の甘さに関する批判でもない。大量乱射事件が起きる度にかもしだされるのが、なにあろう銃砲取り締まり法の強化である。

どれだけ犯罪学者やその道の専門家が長年に渡る統計から合法な銃の量と犯罪数は反比例の関係にあるという調査を発表してみても、反銃派の『銃が多いから銃犯罪が多いのだ、銃犯罪を減らすためには銃を減らすしかない』という議論は全く変わらないのである。どれだけその正反対の証拠があっても完全に無視なのだ。

そしてこういうことがある度のアメリカ市民の個人の力を弱め、政府の力を強めようする政治家たちが悲劇を利用して国民の感情をけしかけるから始末が悪い。

オバマ王はジョー・バイデン副大統領を銃犯罪減少対策部の責任者に任命し、次のように語った。

「全国ライフル協会(NRA)の会員には母親や父親もいるはずだ。この事件は彼らにも衝撃を与えたことと思う。彼らが自己反映をしてくれることを望む」

なんで、キチガイ男の乱射事件についてNRA会員が自己反映なんかしなくちゃなんないのだ?正気で責任ある善良な市民が合法に銃を所持しているということとキチガイ男のぶっちぎれ発作とどういう関係があるというのだ?

バイデン副大統領は銃犯罪削減対策に関する推薦を一日中にしなければならないことになっているが、その「解決策」は単に特定の銃砲の販売及び所持の全面的な禁止となることはオバマ王のくちぶりから言って火を見るよりも明らかである。

ところで聡明な読者諸君は、アメリカで大量の被害者が出る乱射事件の多くが学校内で起きているという事実に気がつかれたはずである。2007年のバージニア工科大学にしても今回のサンディフック小学校にしても、何故かみな学校構内。これは決して偶然ではないのだ。

当ブログでも何度か書いて来たが、アメリカにはガンフリーゾーン(銃砲持ち込み禁止区域)というのがあり、学校内及びその付近何キロメートル周辺での銃所持が禁止されている。それで普段は銃砲携帯が合法に許可されている州でも、学校構内に銃を持ち込むことが出来ないのである。

大量殺害をめざす犯罪者たちはその事実を充分に承知しているからこそ、反撃される可能性がまずない学校を狙うのである。

私が何度か紹介している統計学者で銃犯罪研究家のジョン・ロット教授は、生徒達の身の安全を守りたかったら、教師に武装させるべきだと語る

教授は事件の起きた金曜日、自分のツイートで「これらの攻撃で共通しているのは、すべてガンフリーゾーンで起きているということだ。」と書いた。翌日教授はピアース・モーガン司会のトークショーでも、「何が起きたか見てごらんなさい。これらの攻撃はみんな銃持ち込みが禁止されているところで起きています。オーロラ映画館の場合もそうです。」そして月曜日にも「私は憲法第二補正案(市民の銃砲所持権利を保証する憲法補正)について述べているのではなく、犯罪について語っているのです。」とソレンダッド・オブライアンの番組で語った。

オバマ政権が本気で銃犯罪を減らしたいと考えているのであれば、銃砲規制どころか、全国のガンフリーゾーンをすべて撤廃し、小中学校に武装した警備員を配置させるか、それだけの予算がないなら、せめて教師らを武装させ、何かの時に子供達の身を犯罪者から守れる体制を作るべきなのである。

だが、オバマ王及び民主党の本当の目的は銃犯罪を減らすことにはない。彼らは単にこの悲劇を利用して市民から銃を取り上げようと企んでいるに過ぎないのである。彼らの提案は銃犯罪とは全く無関係なのだ。

彼らの目的は政府による国民のコントロールである。武装した国民は政府のいいなりにはならない。オバマ及び民主党が一番恐れるのは自分で自分の身を守ることのできる独立した個々の市民なのである。

アメリカは銃が合法だから銃犯罪が多いという神話を信じてはならない。銃犯罪を本気で減らしたかったら現在銃砲携帯が違法な地域を撤廃し、アメリカ全国どこでも銃砲携帯を認めるべきなのである。銃が多ければ犯罪が減るという事実をより多くの人々に知ってもらう事が大切なのだ。

ちなみに、市民の銃所持率と銃犯罪率について面白い記事があったので紹介しておこう。

国民100人あたりの銃所持率を多い順に並べてみると、

1. アメリカ - 89
2. イエメン - 55
3. スイス - 46
4. フィンランド - 45
5. サルビア - 38

という具合にアメリカが圧倒的に多いのだが、国民10万人あたりの銃殺人率を比べてみると、

1. ホンドラス - 69
2. エルサロバドル - 40
3. ジャマイカ - 39
4 ベネズエラ - 39
5. ガテマラ - 35

上位五位はすべて南米国。アメリカは28位で銃犯罪率は10万人に3人の率。

また殺人に銃が使われる率についても、アメリカは一位どころか桁違いに少ない五位。

2010年に銃によって殺された人の数。

1. ブラジル - 34,678
2. コロンビア - 12,539
3. メキシコ - 11,309
4. ベネズエラ - 11,115
5. アメリカ    - 9,146

Source: UNODC & Small arms survey of 2010

December 20, 2012, 現時間 12:13 PM

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下記投稿者名: mhgt

私も、銃規制の事に付いて、追っかけしてました。

恐らく市民を丸腰にした方が、オバマ自体が安心してファシズム政権を進めることが出来るからって事は、見通し出来ますね。

リベラル意識の強いネットニュース系は話になりませんが、アメリカのYahooは非常に釣り合いが取れていて、コメントだけ読んでてもイライラしません(笑)

で、オバマのお膝もとのシカゴ市内。
アメリカでも有数の銃規制が厳しい町なのに、何故か銃事件、違法銃所得者が多いってのも笑えますよね。

今まで現状にある銃規制も守る事が出来ないで、何を強化するんでしょうか??? お隣のメキシコの状態にアメリカをしたい売国人大統領は、本当に呆れてしまいます。

上記投稿者名: mhgt Author Profile Page 日付 December 21, 2012 11:42 AM

下記投稿者名: Sachi

マックさん,

本当におっしゃる通りですよ。メキシコでは銃規制がものすごく厳しいそうですね。この間もアンティークのショットガンを持ち込んだ米マリンが拘束されて今日になって何ヶ月かぶりに解放されました。

でもメキシコの銃犯罪なんてひどすぎてアメリカの比べ物になりません。しかもメキシコのドラッグカーテルの武器は誰が提供したのかといえば、オバマ政権のATFです。

メディアが本気でニュースを報道する気があったら、アメリカの銃規制なんて話より、オバマ政権の腐敗や失態について報道すべきなんですけどね。

カカシ

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 December 22, 2012 6:36 PM

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