December 18, 2011

児童労働法の改悪はアメリカの家族農業を破壊する

左翼リベラルが弱者を守るためという名目で何かをし始めたら要注意である。奴らが「弱者のため」といってすることが、弱者のためになった試しは一度もない。いや、それどころか、かえって弱者を迫害する結果が生まれるのが常である。

今回オバマ政権の労働省が提案した「児童労働法改革案」は、まさにそのひとつ。この改革案が通れば、アメリカにおける中小の家庭農家及び酪農業は完全に崩壊する。残るのはこの法案に全く影響されない大手農企業だけである。オバマ王はなにかと格差戦争を煽り、自分が大企業や裕福層と闘う中下層の味方だと言い張るが、オバマほど大企業べったりの反中小企業大統領も珍しい。オバマのやることなすこと、すべて大企業を守り中小企業を破壊するものばかりである。

労働省は、アメリカの児童労働法が1970年代から全く改善されていないこと、農家において18歳以下の青少年による死亡事故が多く起きていることなどから、今回の改革は必要になったと述べている。

普通18歳以下の少年の労働には色々規制があるが、家が農場や酪農を営んでいる場合は、家族の一員として家族の農家を手伝う分においては色々と例外が設けられている。例えば自動車免許を取れる年齢に達していない子供でも、家族農園敷地内におけるトラクターの運転は許可されているとか。

しかし、今回提案されている改正案では、未成年による機械操業はほぼ全面的に禁止されることになり、また、家族農園や牧場の定義が大幅に狭められ、季節に寄って多くのアルバイト学生を雇う中小農酪農業は深刻な人手不足を被ることになる。

ウィスコンシン州のウィスコンシン農業協会(the Wisconsin Dairy Business Association)が労働省に寄せた抗議文から読んでいると、これがいかに深刻な問題であるかが理解できる。

協会のメンバーは子供たちの教育と安全を第一に考えていることを強調。『彼らは産業の未来を背負う大事な人材であるだけでなく、彼らは我々の子供であり近所や友達や親戚の子供たちである。現在の法律(Fair Labor Standards Act)に従って、すでに能率的な安全処置は施されている』としたうえで、今回の改正案は、酪農業の基本を全く知らない者によって提案された内容だと結論づけている。このような規制は現場の安全を通り越した全く非現実的な規制だと手厳しい。

家族業の手伝いは除外するというからには、家族業とは何ぞやという定義づけが必要だ。今回の改正案によると、両親もしくは直接の保護者が経営する農地でのみ16歳以下の少年の労働が許可されるとある。 (Parental Exemption: 29 CFR 570.126).

アメリカの家族農業はひと家族のみで経営されていることは稀で、親戚や近所の農家数家族の共同経営になっているところが多い。となると子供達は両親の共同経営者の農地で働くことが出来なくなる。

この規制は全く受け入れられない。(これが施行されれば)歴代に渡る家族農業は崩壊する。この法案では、16歳未満の子供が数家族共同経営農場で働くためには、農業専門学校に通う学生でなければならないとあるが、地方の若者にとって、交通手段や学費の支払いといった、社会的及び経済的な理由から、そのような条件を満たすことは不可能である。 このような規制は地方の若者から、またも伝達可能な技術を習得する機会を取り上げるものである。この規制は従来の両親例外(Parental Exemption)の意図から外れるものと信じる。

この規制は子供達から家族業を学ぶ機会を奪うものであり、家族に歴代受け継がれて来た知識や技術を子孫に託することを不可能にするものだと協会は訴えている。

また、この提案では16歳以下の若者によるトラクターなどモーター付きの機械操業をほぼ全面的に禁止しているばかりでなく、18歳以下による穀物倉庫やサイロといった職場での就職を禁止している。これについて、農業に州の産業を頼っている全国32の上院議員たちは労働省長官のヒルダ・ソリスに宛てて法案への投書期間を60日間延長する要請文を送った。労働省は30日の延期しか受け入れなかった。その期限は12月1日に切れている。

労働省に手紙を送った議員たちのうちにはネブラスカ州の上院議員も含まれているが、ベン・ネルソン(民主)上院議員とマイク・ジョアンズ(共和)上院議員は法案が農業が特に人手を必要とする忙しい収穫期の9月に提案されたことに怒りを隠せない。

ソリス長官に宛てられた手紙には、この法案は若者の農業や酪農業教育に関して、深く介入し過ぎているだけでなく、地方の家族農業経営に多大なる悪影響及ぼすものであるとし、「家族農業がどう機能するかを考えると、全く意味をなさない」変革だとジョアンズ議員は語る。

「農業労働者やその従業員が職場における安全について適切な注意をはらうことは必要ですが、提案された法案はこの政権による農業経済に関する理解度を真剣に疑うものであります。」

上記のように改正案では「家族農業」の定義が狭まれているが、法人は家族農業から除外する項目がある。しかし、アメリカの農家は経営上の理由から法人を設立しているところがほとんどである。便宜上は法人でも家族経営であることに変わりはない。それを家族経営から除外して子供達の労働を禁止するとなれば、中小企業はやっていけない。

さて、ここで気がつかなければならないのは、オバマ政権の労働省による今回の提案が、実際にオバマ王が子供達の安全を気遣ってのものであるとか、その内容がおかしいのはオバマ王がアメリカの家族農業の実態について無知だからだなどと考えるのはナイーブ過ぎる。

オバマ王はアメリカの失業率を減らし雇用率を増やしたいと常に述べている。だが、農業に産業を頼る地方において、若者が将来必要な技術を得るための職場を奪うことによって、どうやってアメリカの経済を建て直そうというのだ? 

労働省は農家で怪我をする危険から若者を守るのが目的だと言うが、農家でアルバイト出来ずにあぶれた若者達は、他に勤めるところもない地方で何をすればいいのだ?暇を持て余した若者たちが麻薬に手を出したり暴力団に入ったりしたら、若者の身を守るどころか地域の治安にも危険を及ぼし、大事な農業技術を将来の担い手に伝達することも出来なくなる。数人のけが人を救うために、こんな規則は行き過ぎも甚だしい。新しい法案による弊害のほうが、現在起きている少数の事故による弊害よりずっと大きい。

無論ウィスコンシン州の乳業協会やネブラスカの上院議員たちが、今回の提案が中小農家を破壊しようというオバマ王の陰謀だなど抗議するのは、政治上賢いことではないので、単にオバマ政権は理解が足りないと批判するに留まっているが、関係者の間でオバマ王の陰謀に気がつかない者などないだろう。

オバマ王の本当の目的はアメリカの家族農業破壊にある。中小企業は大手農業には邪魔な存在だ。どうせ大手農業がオバマ政権に多大なる献金をしたのだろう。オバマ王はファシストである。ファシストにとって家族業ほど邪魔なものはない。市場はすべて大手企業に独占させ、政府が大手企業を牛耳る。それがファシストのやり方だ。

「ウォールストリートを占拠せよ」運動に踊らされた愚か者達は、自分らは大企業の強欲に抗議するといいながら、実際は大企業べったりのオバマ王に利用され、中小企業の崩壊に手を貸していることに気づいていない。

なんたる馬鹿者たちなのだろう!

奴らが「大企業撲滅!」なんて騒ぎ立てている隙に、ファシストオバマ王の陰謀はちゃくちゃくと進んでいるのだ。

December 18, 2011, 現時間 12:04 PM

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