June 24, 2011

社会主義が見事に失敗したヨーロッパ、日本もアメリカも他人ごとではない

ギリシャは今完全な経済破綻状態にある。長年に渡る行き過ぎの社会主義が仇となって、国民の収入ではまかないきれない高額な福祉制度のツケが回って来たのだ。にも関わらずギリシャ国民はこれまでのような福祉が受けられないことに腹を立てて、あちこちで暴動を起こし、経済改革を訴える首相を辞任にまで追い込んでいる。

ギリシャ政府は2010年に、債務不履行(デフォルト)を避けるために欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)総額1100億ユーロ(12兆5000億円)の緊急融資を受けている。だが、その条件として、ギリシャ政府は2012年から2015年の3年間で280億ユーロ(3兆2000億円)の赤字削減を迫られている。この赤字削減をめぐって、国中で混乱が広がっている。

この間からちょくちょくツイッターで政府主導の福祉社会を訴える槻菟なるコメンターや、ウィスコンシンの小学校勤務さんのように、日本やアメリカにおける社会福祉の拡大を訴える人々には、是非ともギリシャ及びヨーロッパで起きている社会主義制度が生んだ悲劇的な結末に注目してもらいたいと思う。

過去60年に渡ってヨーロッパを蝕んできた社会主義によって欧州の経済はいまや音と供に崩れ去ろうとしている。ギリシャの破綻は堤防を崩す大洪水の最初の兆候でしかない。ギリシャが崩れればギリシャに多額の金を融資しているヨーロッパ諸国にその波紋は広がるのだ。

ヨーロッパの税金はアメリカのそれよりずっと高い。その理由は言わずと知れた高額の福祉制度を保つためである。過去数十年に渡り、欧州諸国は医療費や学費が無料だとか、夏の休暇は二ヶ月とか、失業保険が二年以上あるとか、信じられないような福祉が国民に与えられて来た。働かなくても国が養ってくれるなら何も一生懸命になる必要がないと思うのは当然の心情というものだ。

私がギリシャのクレタ島に滞在していた一ヶ月間、午前中に働いている人は角のカフェの店員くらいで、工事現場も昼過ぎに2〜3時間職員が働いている程度だったし、アメリカで名の知れた会社の宅急便子会社ですら午前9時の予約をしても昼すぎにならなければ取りにこないとか、我々がアメリカから郵送した小荷物はアテネの郵便局で二週間以上も意味なく足止めを食ったりして、地元民相手の仕事は非常に非能率的だった。

国民から高額の税金を徴収して社会福祉にあてがうやり方には根本的な問題がある。自分がせっせと働いたお金が怠け者の手に渡ると思ったら、普通なら働くのが馬鹿馬鹿しくなる。失業しても二年間も国が面倒をみてくれるとか、仕事中に怪我をしたとか病気になったとかいって障害者とみなされればもっと長いこと働く必要がないといわれたら、誰が一生鶏鳴に職探しなどするだろうか?

働く人の数が減れば、必然的に所得税からの納税率が減る。所得税で国家予算が補えきれなくなれば、消費税で賄おうとするから物の値段が高騰する。ヨーロッパ諸国はどこもかしこも物価が高いのはこれが原因。

ビクター・デイビス・ハンソン教授のコラムに、現在のヨーロッパの情けない状況が書かれている。

赤字財政の欧州諸国にはほとんど防衛が存在しない。たかだか人口7百万のリビアを何ヶ月も空爆しながら年寄りの独裁者カダーフィひとり倒すことが出来ないことからしても、欧州の弱体化は明白。

福祉福祉といいながら、一般人の生活は決して裕福ではない。ガソリンが高いから交通は燃費のいい小型自動車やスクーターに頼るしかない。小型車やスクーターで混み合う道路を政府高官や国連のお偉方が乗る高級車が護衛車の行列と供に一般人の交通を押しのけて大名行列よろしく我が物顔で通り過ぎる。

ヨーロッパ社会に融合していない南アフリカやパキスタンからの移民は下層階級労働者として肉体労働を強いられ、その不満がイスラム過激派に悪用され暴力となって現れ始めると、一般市民からの移民に対する反感は高まるばかり。

物価は上がり税金は上がる一方なのに、一般市民の収入は増えない。住宅も狭く贅沢するお金もない。

そんな状況のヨーロッパを目の当たりにしながら、日本にしろアメリカにしろ、ヨーロッパと同じ社会主義に向ってまっしぐらに進んでいるのはどういうわけだ?

自由市場を根底とする資本主義のアメリカの大統領であるはずのオバマ王は、なにかとアメリカのヨーロッパ化を目指す。これまでに試された事が無い制度だというなら話は解るが、ヨーロッパが60年に渡って実行し今やその末期状態を迎えているという時になって、何故アメリカがヨーロッパを見習う必要があるのだ、この愚かさは信じられない。

日本にしたってそうだろう。国家が赤字状態だから消費税を上げて国民から税金をもっと搾り取ろう等、言語同断だ。そんなことをすれば国民はもっと物を買わなくなり、経済はより低迷する。国家財政の立て直しは増税では絶対に解決できないのだということが何故わからない?

だから左翼リベラルに国は任せておけないのだ。

June 24, 2011, 現時間 11:35 AM

エントリーが気に入ったらクリックしてください。
にほんブログ村 政治ブログへ

トラックバック

この記事のトラックバックURL: http://biglizards.net/mt4.21/agakhantrack.cgi/4877

コメント

前のコメント

登録ありがとうございます。 さん コメントを残して下さい。 (サインアウト)

このサイトへ初めて投稿される場合には、サイト主による承認が済むまで投稿が画面に現れないことがあります。しばらくお待ちください。


登録者を記憶する(URL必要)


© 2006-2015 by 苺畑カカシ - All Rights Reserved