March 13, 2011

オバマは何故カダーフィの空軍を破壊しない?アメリカが指導力を示さないとこうなるという典型例

本日、アメリカ軍の救援隊が日本の東北大震災の被害地に到着したとニュースで知ったが、その話を出張先のバージニアからカリフォルニアにいるミスター苺と電話で話していたら、ミスター苺は「アメリカからの救援は軍が独断でやったことだろう。オバマの指令など待っていたら何時になるかわからないからね。」といった。そういえば、地震が起きてすでに三日が経とうとしているのに、同盟国であるアメリカの大統領、オバマ王からはなんのお見舞いの言葉もない。一万からの死亡者が出るかもしれないと言われている史上稀に見る大地震であるにも関わらず、オバマ王は大事な同盟国の悲劇に対してなにもいうことはないのか?

指導力が全くないという点では、一年前に起きたイランでの市民紛争の時にも、オバマ王は独裁政権に反対する自由を求める市民の味方を全くしなかった。エジプトの反乱しても、異変時におろおろするだけで、アメリカの姿勢はどういうものなのかというはっきりした声明を出さなかった。そしてリビアだ。

リビアはアメリカにとって長年の宿敵である。1986年、レーガン大統領は、アメリカへのテロ行為は許さんという度重なる警告を無視して当時の西ベルリンのディスコ爆破というテロ行為に出たリビアに、カダーフィ官邸空爆という報復に出た。2003年、ブッシュ大統領は、湾岸戦争後大量破壊兵器の開発や飛行禁止区域におけるアメリカ軍への挑発行為など国連条例をあからさまに違反する行為に対し、すぐさま国連の調査団を受け入れなければ容赦しないという警告した。それを無視したイラクにアメリカは武力行使に出た。

どちらの行為も国際社会の左翼リベラルの間から、アメリカによる一極的行為としてずいぶん批判が出たものだ。しかし、リビアはそれぞれのアメリカ大統領の指導力と決断力に恐れをなして、しばらくおとなしくしていた。1988年のパンナム航空機空爆事件の黒幕がリビアのカダーフィであったことが最近になってはっきりしたが、当時、カダーフィは自分の直接的かかわりについてはっきりさせなかった。レーガン大統領からのさらなる報復を恐れていた証拠だ。そしてアメリカのイラク侵略直後、カダフィーはりビアでの大量破壊兵器開発を全面的にあきらめると声明を発表した。あきらかにカダーフィーはブッシュの行動力に脅威を抱いたのである。

ところが、現在のカダーフィーといえばどうだ? 自国の国民に対して銃を向け空爆し、何百何千という自国民を虐殺し、まったくその勢いを弱める気配がない。なぜにカダーフィーはこれほど傍若無人におそろしい悪行をつづけているのか? その答えは簡単だ。カダーフィーはオバマ王にはリビアに懲罰を加える金玉、もとい、肝っ玉などないことを充分に承知しているからだ。ウォールストリートジャーナルの記事から、リビアで紛争がおきて三週間、オバマ王が国連何をしてきたか項目を立ててみてみよう。

  • 国連安全保障理事会はリビアに対し武器輸出禁止発令をした。しかし条例の内容は明確ではなく、規制がカダーフィ軍だけに該当するのか反カダーフィ側にも該当するのかがはっきりしていない。アメリカの国務省もホワイトハウスもきちんと理解してない様子。
  • 国連はカダーフィーの一連の行為を国際犯罪と判断し捜査をはじめた。オバマ王は昨日、これによって国連はカダーフィーに対し「世界は監視している」と声明文をおくったことになると発言。しかし同時に、これはカダーフィーによる流血は防げないものとなった。なぜなら、カダーフィーが権力を失って国外に逃亡した場合、国際社会から戦争犯罪人として追われる身になるからだ。つまり、カダーフィーにとって、なんとしてでもリビアで権力を守り通す以外に選択の余地がなくなったのである。
  • フランスは先日反カダーフィー勢力のベンガーズィ全国委員会を承認したが、アメリカは今になってはじめて反政権側の代表と会見するなど、おふらんすから遅れを取っている。反かダーフィー勢力はすでに西側メディアのインタビューに何度も受けており、フランスへは使者すら送っているというのに、アメリカときたらまだ反カダーフィー勢力の実態をつかんでいない。
  • フランスは飛行禁止区域をつくりたがっているが、イタリアとドイツが反対している。オバマ王は昨日NATOは種々の対策を吟味していると語った。しかしNATOのラスマスン長官は飛行禁止区域に関する国連からの指令を待っているという。だがこれは、ロシアと中国が賛成する可能性は低いので先ず無理だろう。つまりNATOに任せていたら、いつまでもちんたら会議が続くだけで、誰も思い腰をあげようなどとしない。アメリカ大統領の鶴の一声があればまた話は別だが。
  • 反カダーフィー勢力が援助を求めているにも関わらず、アメリカの全国諜報部のジェームス・クラッパー長官は木曜日、結果的にカダーフィーは勝つだろうなどと無責任な発言をした。オバマ政権はこの失言のいい訳に苦労しているが、カダーフィーを裏切って反対勢力に付こうとしていた将軍がいたとしたら、先ずかれらの意力を失わせたことは確かだ。長い目でみて負け側につきたい軍人などいないだろうから。

WSJ記事の筆者は、今回のことでアメリカが指導権を握らないと世界がどういうことになるか明白になったはずだと書く。レーガン大統領もブッシュ大統領もその一極的な行動をずいぶん批判された。だが、もし彼らが肝心な場所で決断を下さなかったら、国連やNATOがいつまでもぐずぐず実のない話し合を続けているのを、指をくわえてみているだけだったら、今でもソ連は存在し、イラクではいまだにフセインが独裁政権を続け毎年何十万というイラク人が虐殺されつづけていただろう。そしてアメリカもフセインの協力で強大となったイスラムテロリストからの攻撃に日夜悩まされていたことだろう。

今からでも遅くはない。オバマ政権はリビアの空軍を破壊すべきである。空爆さえ終われば、反カダーフィー勢力にも勝ち目はある。ここで独裁者を敵に回し、アメリカが反政府側の援助をすれば、今後新米なりビア国をつくることが可能になるのである。アメリカにとって絶好の機会なのだ。何故オバマ王はそれをみすみす見過ごそうというのだ?

アメリカが指導力のない大統領を選ぶと世界中がひどいことになるという証拠である。

March 13, 2011, 現時間 7:02 PM

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