February 23, 2011

リビアの独裁者カダフィ失脚直前、何故オバマ王は沈黙なのか?

オバマ王は中東の平和には非情に大事なエジプトの紛争を、モスミ・ムバラク大統領失脚がほぼ間違いないという土壇場まで沈黙を守っていた。そして今度はリビア。スコットランド上空で起きた航空機爆破テロの黒幕と20年以上噂されているカダフィ政権崩壊間近だというのに、オバマ王は再びだんまりを決め込んでいる。

どちらの場合も暴力はいけないとか、平和的な早期解決を求めるとかいう誰でも言えそうなおざなりの声明を発表した程度で、アメリカの立場としてこれらの国がどのように変化することを望むといった強い意思表示が全くされないうちに、現状は急速に変化してしまっている。

ムバラクはともかく、カダフィ政権は長年アメリカにとっては宿敵である。1988年にスコットランドはロッカービー上空で起きたパンナム航空機爆破テロ事件では、当時のレーガン大統領が報復のためリビアを空爆したりしたが、カダフィが黒幕だったという確たる証拠はつかめていなかった。それが、今回の紛争を機に、リビア司法省の長官の口から、あれはカダフィの直接命令によって起こされたテロだったという事実が明らかにされつつある。

(ロッカビーテロの真犯人は2年くらい前に難病をかかえ、あと数ヶ月の命という建前でスコットランドから釈放されてリビアに帰国した。あと数ヶ月にしては2年以上も生き延びてぴんぴんしてるというのも不思議だが。カダフィーが失脚すれば、この犯人はアメリカに送ってもらって、今度はアメリカの裁判にかけるべきだろう。前回はスコットランドの裁判にかけられてのであってアメリカの裁判ではないから二重裁判という違法にもならないし。)

いったいオバマ王は何を待っているのか? エジプトの時はムバラク政権はイスラエルには攻撃しないという姿勢を取り共通の敵であるイスラム過激派テロリストを徹底的に弾圧するなど表面的にはアメリカに協力してきた政権だった。だからきついことは言えないというオバマ政権の態度は理解できた。(それにしては、結構簡単にオバマ王はムバラクを見限り辞任を求めたが。)

だが、長年の宿敵のカダフィ政権には何の遠慮が要るというのだろうか? カダフィ政権を倒して自由な国を作りたい、とリビア市民が望んでいるのだとしたら、ずっとカダフィ政権を敵とみなしてきたアメリカにとって今こそリビア市民をアメリカの味方に付ける絶好の機会ではないか。何故オバマ王はこの機会を利用して徹底的にカダフィ政権を攻めないのだ?何故反カダフィ市民の運動を熱烈に支持し応援しないのだ?

エジプトのムバラク政権崩壊によって、アラブ諸国各地で、独裁政権から自由政権を奪い取るべく革命紛いの紛争が起きている。革命を望む市民は必ずしも親米ではない。いや、どちらかと言えばアメリカがこれらの独裁者を後押ししてきたという印象を持った反米市民が大半かもしれない。

しかしもしここで、アメリカがアメリカこそが自由市民の味方であるという姿勢をはっきりと示し、リビアにしろイランにしろそして中国にしろ、市民の自由を弾圧する独裁政権には断固反対だという態度を取ったなら、革命後の中東がこぞってアメリカびいきになる可能性が高まるというものだ。

反対に、中東やアラブの革命に対して、アメリカがだんまりを決め込むのであれば、彼らのなかでもともとあるアメリカへの猜疑心や嫌悪が確認され「アメリカは自由の敵だ、独裁者を守る悪の帝国だ」というイメージが固まってしまうのだ。

今こそアメリカは自由を愛する世界の市民に向って、我々が彼らの自由を支持し応援し熱烈な声援を送ると示す時なのである。オバマ王はブッシュ前大統領が中東に民主主義を広めようとしたことをあざ笑い、腰の低い姿勢を示すことで中東の好意を買おうとして完全に失敗した。

今からでも遅くはない。オバマ王は本当の意味での指導力を示し、アメリカこそが自由を愛するアラブ市民の味方なのだと態度で示すべきである。

February 23, 2011, 現時間 7:58 PM

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