May 8, 2010

カリフォルニア: 星条旗模様のTシャツを着て登校した高校生が家に帰された

この間、上海で行われている万博の日本館で国旗掲揚を見送ったという話をきいたばかりだが、去る五月五日、今度は何とアメリカ国内で、星条旗の模様のついたTシャツを着て登校した高校生五人が下校を命ぜられるという事件がおきた。

カリフォルニア中部のモーガンヒル市、五人の生徒が国旗を象徴する赤白青のシャツをシンコデマヨの日に着て感情を掻き立てた翌日、湾岸の高校では緊張感が高まっている。木曜日の朝早く、50人から60人のラテン系生徒が授業を欠席して、モーガンヒルズライブオーク高校から市役所まで行進し、名前は明らかにされていない当校の副校長による、シンコデマヨでアメリカ国旗のTシャツを着ていた生徒にシャツを裏返すか下校するかを命じた学校側の決断への支持を示した。

抗議者のひとり二年生のジャスティナ・ピエドラは、「無視する事もできたわ。でもあのひとたち去年もやったのよ。私たちに対する侮辱だわ。」と生徒達について語った。「今年もやりたかったのよ。計画的だわ。あの人達はおもしろがっているけど私たちを傷つける行為よ。私たちは彼らと平等なのよ。」同級生のリズベス・ルイーズもまた侮辱を感じたという。「あのひとたちに私たちをしたげにする権利はないわ。」「あれはアメリカがあるべきではない姿だということを証明しているだけよ。」

一方ウェスリー・スミス学長は学校区の教育委員会は愛国的な服装をすることを禁止していないという声明文を出した。「校内の安全は学校の職員にとって非常に大事なことであり、昨日の職員の決断も安全を重視してのものであったが、愛国的な服装をしていることは罰せられるべきではなかった。」とスミス学長は語った。

この話は保守系のブログやトークラジオなどで取り上げられたため、あっという間に全国的な話題になってしまった。バージニア州のヨークタウンの学生達は「モーガンヒル高校の五人を支持する」というフェイスブックぺージを設立したりした。

どうやらモーガンヒル高校では、去年も星条旗を翻した学生たちに対して、ラテン系生徒が「威圧されている気がする」という苦情を学校側にしていたらしい。それで今年も学生同士で喧嘩が起きたりしないように、ラテン系生徒らの感情を逆なでするような愛国的な格好はするなというのが副校長の気持ちだったのだろう。

スミス学長も語っているように、この高校のある学校区の教育委員会でも、愛国心を示す服装は禁じられておらず、禁じられるべきではないと発表している。

シンコ・デ・マヨ:五月五日といえば日本ではこどもの日で休日だが、アメリカではシンコ・デ・マヨ(スペイン語で五月五日と言う意味)とよばれるメキシコの祭日として親しまれている。1862年にメキシコがフランス軍にプエブラの合戦とかいう戦いで勝った日。面白い事にアメリカでは大騒ぎされるが、当のメキシコでは祝日でもなんでもない。メキシコの公式な独立記念日は9月16日である。

カリフォルニアはメキシコと国境を接していることでもあり、メキシコ系移民が非常に多く、地元市民との摩擦も起きやすい。

最近、メキシコと国境を接するアリゾナ州で既存の連邦移民法を厳しく施行する法律が通り、全国的にリベラル市民団体から抗議の声が上がっている中、モーガンヒルズ高校としてはこれ以上メキシコ系学生を刺激したくないという気持ちがあったのだろう。

だが、私は学校側の臆病な態度もだが、ラテン系生徒たちの自分勝手ないい分にも腹が立った。侮辱されたとかなんとかいうなら、アメリカ国内の学校でメキシコの旗を振り上げてメキシコの祭日をこれみよがしに祝う事は、移民として自分らを受け入れてくれたアメリカに対して失礼ではいのか? アメリカ国内でアメリカ国旗掲揚を否定する行為はアメリカへの侮辱ではないのか? 第一、ラテン系生徒たちもアメリカ人ではないか。

移民の子孫である自分らがアメリカ人としてきちんと義務教育を受けられる事実に感謝し、メキシコの祭日を祝うと共にアメリカの寛容性も祝うという意味で、二つの国旗を掲げるくらいの気配りをしていれば、ラテン系でない他の生徒達の感情を逆撫ですることにはならなかったはずだ。それをしないで我が物顔の行為をするから他の生徒達からの反感を買って、反対に星条旗のTシャツを着ていこうと頑張る生徒が出てくるのだ。何故ラテン系生徒の感情を逆撫でする行為はいけなくて、そうでない生徒の感情を逆撫ですることは許されるのか?

副校長は校内の安全性を重視したというが、それは裏を返せば、ラテン系生徒は感情をちょっと逆撫でされたくらいで暴力に走る野蛮人だという偏見を示しているにすぎない。明らかに副校長は星条旗Tシャツの生徒らが学校側の決断に怒って暴動を煽動するなどという心配はしていないわけだから。

本来ならば、学校側は暴力沙汰を起こす生徒達に対して断固たる処置をとるべきだ。どちらが始めたにしろ喧嘩は絶対に許さないという姿勢を示していれば、誰が何の国旗を翻そうと問題はないはずである。

しかし、授業をさぼって市役所に繰り出したラテン系生徒たちの行為は、こうしたラテン系への偏見をさらに強化してしまい、それこそ、それでなくても移民問題で過敏になっている一般市民の感情を逆撫でしてしまったといえる。

ところで日系生徒が鯉のぼりのついたTシャツを着ていったらどうなっていたんだろうか?多分誰も気がつかなかいだろうな。(笑)

May 8, 2010, 現時間 10:02 AM

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