March 20, 2010

医療保険改悪法案通過に憲法も無視するホワイトハウスと民主党

国民の過半数が反対している医療保険改悪法案(いわゆるオバマケア)は、下院が上院の提案を受け入れるかどうかで今もめにもめている。

当初のオバマ政権の策略は、国民があまり気を払わないうちに内緒にさっさと改悪案を通してしまおうというのが狙いだった。ところがリベラルメディアがずっとオバマをかばい通して来たにも関わらず、反対派はオバマによる政権の独裁化に早期から気がつき、オバマの陰謀を暴露し続けた。

それが功を成し、国民はことの重大さに気づき始めた。いわゆるティーパーティ運動などは、普段は政治に興味のなかった国民たちが、地元の議員が開催する市役所での会議などに参加して議会の休み中に地元に帰った議員たちにことの実態を詰問しだしたことからはじまった。

確かにアメリカの健康保険制度には問題点は多くある。だが、オバマケアが提案するような政府による保険の完全統括が好ましいやり方であると考える国民は少数だ。お役所仕事は何かと能率が悪い。医療保険を政府に預けたりすれば、税金が上がるだけでサービスが低下するなど目に見えている。

オバマ王のような左翼は、国民を馬鹿にしきっている。だから国民が個人でそれぞれ正しい判断など出来ないと決めつけているのだ。その国民がオバマケアの実態を知れば知るほどそれを拒絶し始めたことから、民主党は議会の絶対多数を握っていながら一年以上もオバマケア法案を通すことが出来ないでいる。

特に下院では、次回の選挙で当選が危ぶまれる新人議員が結構いる。国民に不人気な議案に賛成票を投じるのをしぶる議員も多い。また、上院で通った提案には妊娠人口中絶に保健がきくなどの理由で、中絶反対の保守派民主党議員からも反対の声が出ているため、ペロシ議長は法案通過に必要な票を獲得できていない。

医療保険改革に政治生命を賭けているオバマ王は、なんとしてでも復活祭の日曜日までにこの法案を通せとペロシ議長に圧力をかけ、予定していた東洋訪問まで延期するという熱の入れようだ。

切羽詰まったペロシ議長は、憲法完全違反の汚い手口を使ってこの法案を通す方法を考えだした。それは、下院議員が納得できない上院の提案に、補正案を合併させ、補正案に賛成するかどうかの投票をすることによって、原案が通ったものと見なすというもの。だが、憲法では補正案は原案が通った後でのみ投票が可能なのであって、法律は上院と下院の双方で意見の一致を得なければ立案されないということになっている。

こんなやり方で法律を無理矢理通せば、反対派から違憲であるとして訴訟が起きることは確実。オバマ政権ののこりの三年間はこの法律の撤回活動で明け暮れ、民主党は多数の議席を失い、与党の座をも失う危険がある。オバマ王の二期目など考えられなくなる。

先日フォックスニュースのインタビュー番組で、オバマ王はこのやり方を支持するのかという質問に対して、自分は上院や下院でのプロセスなどあまり気にしていないという返答をして国民をあきれかえらせている。透明度あるプロセスを強調する政権を目指すというのが、選挙運動中のうたい文句だったのではないのか?この間取り上げたコーヒーパーティでも、彼女らの一番の不満は反対派が政治のプロセスを妨害しているということだったはず。それが、大統領自ら憲法違反をそれほど気にしていないとは、いったいどういうことだ?

クリントン大統領も医療保険改革に取り組んだが、国民に非常な不人気であることがわかると、さっさと放り出してしまった。当時の私はクリントンの風見鶏風政治には感心しなかったが、すくなくともクリントンは空気の読める大統領だった。独裁者オバマ王にはそれが出来ない。『しもじもの考えなど取るにたらない、諚意(じょうい)でござる、控えい、控えい』ってなもんである。

ペロシ議長は今週末には法案を無理矢理にでも通すと宣言している。反対派はまだ意見の定まらない民主党下院議員に向けてメールや電話攻撃を行っているが、どうなるか、誰にも全く想像が付かない状態だ。

March 20, 2010, 現時間 8:04 AM

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コメント

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下記投稿者名: oldman

オバマケアを外国人地方参政権や夫婦別姓に置き換えると日本の状況とそっくりですね。
違いがあるとすれば、ティーパーティーのような保守系の草の根運動と言っていいのでしょうか、そういうものが日本では広がっていないことと、日本では小沢と鳩山、トップ二人が脱税などで汚れきっている、ということでしょうか。

それと、もっと重大な違いは、オバマは米国民にとって良いことをしようとしていると、少なくとも本人は考えているでしょう。
日本の場合、民主党が考えていることは、日本国民にとって良いことではなく、日本国民を犠牲にして中国人や朝鮮人にとって良いことをしようとしていることです。一言で言えば売国奴ですね。

そういうわけで、リベラルがダメなのは世界共通のようですが、日本の状況はとてつもなく悪くて、へたをすれば国家の解体・消滅さえありうるという認識がネット上では広がっています。日米同盟の崩壊東アジア共同体という中国への属国化計画がそれに相当します。

それにもかかわらず、国民はじっとおとなしくしているわけで、ここに悲劇の根本の原因があるように思います。

上記投稿者名: oldman Author Profile Page 日付 March 20, 2010 6:11 PM

下記投稿者名: Sachi

oldmanさん、

私はオバマ大統領がアメリカのためを思って医療保険改革を考えているとは思いません。彼もアメリカをヨーロッパのようにしようと企んでいます。アメリカを愛する人間のすることとはどうしても思えないのです。

カカシ

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 March 20, 2010 8:08 PM

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