January 1, 2010

頭から腐るオバマ政権の対テロ警備体勢

先日の航空機爆破未遂テロで、なぜアメリカの警備体制が完全失敗したのか、ナポリタノ国土保障省長官の「組織は機能した」発言を聞いて、疑問に思うことがあった。

国土保障省の組織自体はブッシュ政権のそれとは特に変化はないはずである。それならば何故、ブッシュ時代にはきちんと機能していたものが、オバマ王政権になった途端に機能しなくなったのか? 

また、ホワイトハウスのギブス報道官が各政府機関とのデータベース共有化を進めたい意向を示した、という記事を読んで、今更なにをとぼけたことを言っているんだろう、そんなことは911事件以後ブッシュ政権によってすでに実施されていたのではないか?

組織というものは、たとえきちんとした機能を備えていても、それがしっかり動くためには、組織内の人員がそれぞれの段階できちんと役目を果たさなければ、デザイン通りの効果は望めない。決められた仕事の必要最低限のことだけをするのと、必要以上の努力をするのとでは結果はまるで違ってくる。そして人員がどのような仕事をするかは、上が何を求めているかという態度で変わってくる。

ブッシュ政権の頃は、ブッシュ前大統領のテロはなんとしてでも防がねばならん、という信念が国土保障省の節々で感じられたに違いない。どんな取るに足りないように見えることでも、細心の注意を払って対処するようにと、従業員たちは上から常々言われていたに違いない。

オバマ王政権はブッシュ政権と違って対テロに関する姿勢が甘い。ナポリタノ長官が保障省の長官に任命され、今後テロ行為をテロリズムと呼ばずい、man-made-disaster(人造災害)と呼ぶと宣言した時から私は悪い予感がしたのだが、国土保障省の従業員たちにも、そのオバマの姿勢が伝わったことは想像に難くない。

そんなことを考えている折り、私はこのアメリカンスペクテーターの記事を読んだ。この記事では匿名の国務庁の職員の話が紹介されている。

爆破未遂犯人のUmar Farouk Abdulmutallabはイギリスへの再入国ビザを拒絶されていた。犯人はロンドン大学卒業後イエメンにわたったが、その後イギリスへの再入国をするために学生ビサを申し込んでいた。それに使った学校がイギリスでは悪名高いイスラム過激派学校で、この学校はテロリスト養成所の看板学校として見張られており、この学校に入る目的での入国申請は自動的に拒絶されることになっている。この情報はアメリカにも伝えられていたにも関わらずアメリカは何もしなかった。

「我々には諸外国と諜報に関して協力するという合意があります。」と国務庁の職員は言う。「いくつもの協定が司法省や外務省、諜報部や国土保障省などを通じて機能します。ワシントンにある、こうした組織のいくつかがこの情報を受け取っていたにも関わらず、我々のシステムには全く警報を鳴らしませんでした。 」

この職員によると、オバマ政権の声明とは裏腹に、ブッシュ政権の時であれば、このような情報には赤旗が立てられ、すぐさま最優先されていたという。しかし政権交替からは「私たちはイスラム教徒を標的にしているとか、プロファイリングをしているように見えることは避けるように(上から)言われてるのです。キャリアの従業員のなかには、ブッシュのやり方や政策には不満を持っていた人も多くいたので、そのやり方の下で働かなくてよくなってホッとしている人もいると思います。」

(中略)

「私はブッシュ政権の時ならこのような失態は犯さなかっただろうとは言いません。」とクリスマスの失態について職員は言う。「ただ、こういう情報や個人について全く違った心構えをするようにと私たちは言われているのです。」

犯人はイギリスで入国禁止リストに乗り、アメリカの一般危険人物にリストにも載っていたというだけではなく、アメリカで二週間も滞在するというのに手荷物ひとつで、旅券も持たず、片道の航空券しか持っていなかったという。そういう人間がなんで空港を素通りするんだよ!

こんなことだったら、我々一般人が素っ裸になってセキュリティを通ってみても意味がない。規則や規制なんていくら作ってみてもそれを有効に施行しなくては意味はないのだ。

魚が頭から腐るとは良くいったものだ。

January 1, 2010, 現時間 2:54 PM

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