November 5, 2009

ハローウィーン騒ぎ、ちょっと気になった日本保守派の人種差別

ハローウィーンといえば、アメリカでは子供達が仮装して近所の家を"Trick or treat"といいながら訪問し、お菓子をおねだりする習慣がある。お菓子をくれないケチな家にはトイレットペーパーを投げるなどしていたずらをするという暗黙の了解があるが、大抵の家ではお菓子を用意してあるので、まあそういういたずらはあまり見られない。

ハローウィーンとは、「諸聖人の祝日前夜」という意味で"All hallow's Eve"が短縮されたものだというのが言語由来だ。ま、もともとは基督教のお祭りで、この日はご先祖様の霊やそれに混じって悪霊が舞い戻っていたずらをするという迷信があり、日本でいったらお盆のようなものだ。

しかしアメリカでは、そういう宗教的な意味合いはとっくの昔に失われており、今や大人達がどんちゃん騒ぎをするいい口実になっていて、あちこちで仮装パーティや仮装行列が行われたりしている。私もハワイのワイキキに泊まっていた同僚がカルカウア通りに繰り出した大勢の仮装した男女の写真を自分のフェイスブックサイトにアップしたのを見たばかり。

さて、ここ数年、この大人によるハローウィーンのお祭り騒ぎが日本にも輸出されたようで、日本では仮装パーティならぬ、仮装した男女による地下鉄乗車が流行っているらしい。多分最初は日本に住む外国人たちが余興で始めたことなのだろうが、最近では日本人も加わってかなりきわどい格好で地下鉄電車に乗り込んでいるようだ。

これを忌々しく思ったのが日本の保守派諸氏。なんとメガホンとプラカード持参でハローウィーン仮装乗客に抗議をしに出かけたというのだから極端。

その抗議の模様を掲載した、とある保守派サイトをみていて私はちょっと嫌な気がした。それは、抗議をしている人たちが持っている看板に「日本人にハローウィーンは必要ない」と英語と日本語で書かれているものの他に、「白人キリスト教徒による日本侵略を許すな」と書かれた看板が目についたからだ。

はっきり言ってカカシとしては、きわどい衣装を着て電車に乗ってる若い男女を見るよりも、駅の構内で中年のおっさん連中がメガホンで「ハローウィーン粉砕」などと野暮なことをガ鳴り立てている方がよっぽども迷惑。日本の法律を破っていない限り、どんな服装で電車に乗ろうと余計なお世話ではないか。それが電車の中で飲酒したり法律で禁じられている破廉恥行為に至るようなことがあれば、それはそれで警察が取り締まるべきではあるが、単におもしろい格好で電車に乗っているというだけなら、一年に一度のことだし、別にそれほど眉をひそめるほどのことではないと思う。

それよりも、そういうことを口実に他人種や異教徒を迫害するような行為をすることのほうがよっぽども問題ではないだろうか。

日本では宗教の自由は保証されているはずだ。地下鉄に乗り込む若者たちが宗教活動としてこのようなことをしているとは考えられないが、仮に抗議者が言うように、これがキリスト教の宗教活動の一部だと解釈するならば、それこそこの行為は保証されるべきで迫害されるべきではない。

抗議者たちの目的は、単に破廉恥な格好で電車に乗り込むお祭り騒ぎを止めさせたいだけなのか、それとも日本に住む「白人のキリスト教徒」を迫害したいのか、どっちなのだ?はっきり言ってこれなら、スカーフをしていない女性になぐりかかるイスラム過激派と全く変わりがない。

私はずっと、一部の日本の保守派の間にある人種差別的な要素には不信感を持っていた。アメリカの保守派の間でも違法移民を嫌う風潮があるが、単に国土安全の心配からくるものなのか、それとも外国人に対する人種差別からくるものなのか、混乱しているひとたちがかなり居る。

私のブログの読者の皆様は、私がやたらに人権を振り回すリベラルではないことは充分ご承知のはず。その私が「人種差別」や「人権擁護」という言葉を使う時は、けっして軽々しい意味で言うのではない。

リベラル連中が、やたらとこれらの言葉を振り回し、自分たちの都合のいい時に「人種差別だ!」「人権迫害だ!」とやるので、その意味が薄れてしまったことは非情に忌々しいばかりなのだが、一部の保守派の人々によるあからさまな人種差別や外国人排斥行為を見ていると、これらの人々は決して日本の保守派思想推進に役立っていない。

こういう人種差別行為が、「人権」という言葉を振り回すリベラルに、保守派を攻撃する格好の武器を与えてしまうのだと私は思う。

これは以前にも「人種差別の汚名を着ないために」というエントリーで書いたことなのだが、ここでもう一度強調しておきたい。一部抜粋するつもりだったが短いので全文掲載しておく。

人権擁護法反対の勢いが日本の右翼ブログの増してきているが、それらのブログ及びコメント欄を読んでいてちょっと心配になることがある。人権擁護法は確かに悪法であり、差別意識の「サ」の字もないような善良な市民がこの法律によって迫害される可能性は多大にある。しかしながら、この法律を反対する人たちのなかにこのような法律を正当化してしまうようなあからさまな差別意識を持っている人々がいることも否めない。

我々人権擁護法反対派が本気でこの法律の阻止を望むのであれば、断固として人種(および性別年齢並びに国籍)差別者を拒絶すべきである。例えば中国及び東南アジア諸国からの違法移民や外国人暴力団員などへの批判は当然だが、何世代にも渡って日本に住み着いている在日合法外国人をこれらの違法移民や犯罪者と同等に扱うべきではない。また合法に就労許可を持っている外国人への差別も決して容認されてはならない。

我々が容認できないとする外国人は、日本国内に違法に滞在し日本の法律を犯している外国人のみにしぼられるべきである。そしてその批判の理由は彼等が犯罪者であるからであり、彼等が異人種であるとか外国人であるからという理由からではないことを明確にしなければならない。

であるから、日本にいる「支那人や半島人は国外追放せよ」とか、「ユダ公の陰謀に騙されるな」とかいう発言は「苺畑より」においては完全に拒絶することを明確にしておく。

このような発言は人権擁護法を悪用しようとする左翼連中の「右翼や保守派は人種差別者のあつまりである」というステレオタイプにきっちりはまってしまう。

人権擁護法を阻止したいのであれば、法支持者の立場を正当化するような差別意識は断固拒絶しなければならない。相手側に法律の必要性の大義を与えるような行動を反対派は絶対にとってはいけない。差別意識が存在しなければ擁護法など必要ないのだ。そのことを人権擁護法反対派の我々は肝に銘じておく必要がある。

November 5, 2009, 現時間 7:46 AM

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下記投稿者名: Sachi

偶然に見つけたGaspard de la nuitというブログで、カカシのことを「真性なレイシスト」と批判していたので、そのリンクを張っておきます。彼がいかにカカシについて頓珍漢な意見を持っているか読んでみるのもおもしろいですよ。時間があったら、いかに彼が間違っているかを指摘するエントリーも書かせていただきます。本日はリンクのみ。

カカシ

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 November 5, 2009 6:56 PM

下記投稿者名: Sachi

これに関して読者の方からメールを頂いたのでこちらに張っておきます。
*****

じめまして。
いつも楽しくブログを拝見させて頂いております。

しかしながら、今回のハロウィーンのエントリーと言うか日本の保守の認識は、かなりハズレです。

騒ぎを起こした....この集団は現天皇は偽物で日本には本当の天皇は別に存在すると主張する、極右のような極左集団で、基本的には国家社会主義と反米を掲げています。

その上に、メンバーのほとんどが北朝鮮を支援したがっている面子です。何故かと言うと、天皇は朝鮮人で日本人のルーツは朝鮮人だそうです。

そして、この会は第二次世界大戦時の社会主義政権下の日本を賞賛しています。つまり、偽装保守集団と考えて間違いないです。

ですから彼らの目的は、日本人を排斥主義人種として、海外に印象づける以外には有りません。そして、正論は排斥主義者の暴言に、、、。また、最終目標は日米分断。

チャンネル桜及び関係者も同じですが、変な右翼の裏には韓国人と朝鮮人、中国人の影が見られます。

.....現在の日本では保守も十分に警戒しないと、本当は左翼だったりします。(私は陳さんのWorld viewの読者ですが、苺さんの保守リンクはかなりビミョーです。)

ちなみに、ハロウィーンに関しては何とも言えません。
一部の外国人が山手線を止めるなどの本国では絶対にやらない事(犯罪ですから)を多々していますので。

長く成りましたが、日米の危機的関係の中で、”苺畑より”はアメリカを理解する上で大変参考になっております。
今後とも、ご健闘をお祈りいたします。

追伸
ハロウィーンとは無関係ですが、
鳩山民主党とオバマ民主党はつながっていますね。

キーパーソンはデーブスペクター。
デーブが「政権交代」スローガンを鳩山幸さんに授けたそうです。

そして、デーブの従兄弟。
http://en.wikipedia.org/wiki/Jon_Leibowitz

深い所では、デーブスペクターとマイケルジャクソン経由で北朝鮮との関係。

不思議ですねー。

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 November 22, 2009 9:14 PM

下記投稿者名: Sachi

もうひとつモンタナ州在住のクリスチャンの方から、ハローウィーンはクリスチャンのお祭りではないというコメントがありました。
******

いつも楽しみにあなたのブログを読ませていただいています。
私はコンサーヴァティヴに立つ者として、極左に走る昨今のアメリカを心から憂い、自由のアメリカが戻ってくるようにと毎日祈っているクリスチャンのひとりです。
いつもいろいろな情報を有難うございます!毎日楽しみしてあなたのブログを開け、更新されてないとちょっとガッカリという、あなたのファンのひとりです。

さて今日のブログを読みメールしています。ハローウインについての説明に、‘クリスチャンの行事’と書いてありました。私はクリスチャンとしてそうは思っていません。ハローウインは、名だけのクリスチャンか世俗のノンクリスチャンの行事だと私は考えています。悪霊が主体となり暗闇の中で行われる行事は、キリスト教の行事では決してありえません。キリスト教は、闇でなく光、悪霊ではなく聖霊、死ではなく生を尊びます。昨今この町では多くの教会ではハローウイン当日は、収穫祭などに代えて子供たちを忌々しい悪霊の行事から守っているのが現実です。

私はひとりのクリスチャンとしてハローウインを忌々しく思っていますので、母国日本に入ってほしくないなあという思いがあります。何も悪霊の祭りであることなどを知らずに、‘仮装をする行事’または‘かぼちゃをくりぬく行事’という表面だけ輸入されたら、そこには何も真実の意味を知る余地がないからです。もちろんハローウインが‘白人クリスチャンによる日本侵略’とは、全くハローウインの真実(死・悪霊の祭り)を知らないばかりか、人種差別まで加わって思い切り捻じ曲げられていて言葉を失ってしまいます。

以上です。読んでいただいて有難うございました。
モンタナ州在住、一クリスチャンより

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 November 22, 2009 9:22 PM

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