June 9, 2009

グォンタナモ収容所を閉めてはいけない理由

小山のエミちゃんが私の反論に反論しているのだが、あまりにもこじつけのような反論だし、時差ぼけでやたらにやり合う元気は今ない。グォンタナモ収容所閉鎖について、保守思想のマイク・ロスさんが、エミちゃんのコメント欄で貴重な情報を提供してくれているので、そちらのほうを紹介しておきたいと思う。

でもその前に、彼女の前置きについてひとこと。

わざわざクレタ島(クリートは英語読みで現地語ではクリティに近いらしいのだが、日本語ではクレタで定着しているのでそう表記する。現地語読みするのも日本語として定着した読みをするのも良いと思うけど、第三国の発音でカタカナ表記するのは変だと思う)でバケーション中にわたしの相手なんてしなくていいのになぁ。クレタ島で過ごせる貴重な時間がもったいないでしょ?

昨日、日本に居る父に「クリート島ってとこに行ってたんだよ。」と言ったら「そんな島は知らんなあ、、クレタ島のことかな? だったら第二次世界大戦で海上大合戦のあった島だが、、」と言われて、はじめてクリート島のカタカナ表記はクレタ島だということを知ったカカシであった。(言っとくが、私はクレタ島に遊びに行ったのではないからね。)クレタ島をクリート島と表記したのは、英語ではそう表記されてるからだし、現地の人の発音もそれに近かった。外国住まいのカカシが日本語のカタカナ表記を知らなかったからってどうってことないでしょう。こういうくだらないことを重箱の隅をつつくみたいにほじくるからリベラルは嫌いよ。では本題。

先ず、水攻めにあった三人の収容者がどのような人物であったのかという件について、マイクさんはウィキペディアを引用してこのように説明している。

Wikiによると、水攻め(Waterboard)されたのはカリー・シェイク・モハメッド(Khalid Sheikh Mohamed)とアブー・ザバヤハー(Abu Zubayahah)。この二人がテロリストではなく、テロ支援者の疑いで捕まっただけでしょうか?

紹介されたウィキによれば、カリー・シェイクは911攻撃陰謀を企てた首謀者であり、1993年の貿易センター爆破事件を初めバリのナイトクラブ爆破事件、未遂で終わった2002年のロサンゼルスバンクタワー攻撃計画、アメリカン航空爆破計画、ダニエル・パール記者斬首虐殺事件などにも加担していた事実を認めている。この事実は911調査報告書に記載されているという。ちなみにオバマ政権が公表したCIAの取り調べ法に関するリポートには、取り調べによってどれだけ貴重な情報が得られ、危険がテロ計画が未遂で阻止された事実は一切隠されていた。

もし、テロリスト=自爆で死んだ人の定義であれば、確かにテロリストではありませんが、テロリスト=テロの計画にかかわった、もしくはテロをプロデュースした人の定義でいけば、彼は立派なテロリストです。

また、彼は”戦場”で捕まった。そして、私服で戦闘にかかわったとなると、第二次世界大戦のルールで行けば、その場で射殺されても国際法上問題が無かった人物です。

小山エミやリベラルが解っていない、もしくはわざと解らない振りをしている大切な事実は、グォンタナモの収容者は単なる犯罪容疑者ではなく、不正規敵側戦闘員として捕虜となったテロリスト達なのだということだ。

もし、アメリカが敵国と戦争して敵側の正規軍の兵士を捕虜にした場合、個々の兵士の罪が裁判にかけられるということは先ずない。しかし正規軍の兵士は捕虜としてジュネーブ協定によりその人権も保証されている。

だが、不正規戦闘員の場合はそうした権利は全く保証されていない。彼らは単なる犯罪容疑者でもなければ、正規軍の捕虜でもない。だから普通に民間の裁判で裁かれるべき人間ではないし、だからといって証拠不十分などという理由で解放するわけにもいかない。母国が引き取ってくれなければアメリカ政府が半永久的に拘束する以外にない危険人物ばかりなのである。

ジュネーブ協定に関するエミちゃんの誤解について、マイクさんとエミちゃんのやり取りを読んでみよう。

エミ:兵士はジュネーヴ条約に基づいて捕虜として扱われるべきで、グアンタナモのような扱いは許されません。第二に、理由があって連れて来られたのかどうかは裁判で明かされるべきで、その裁判を受ける権利を否定するのは認められません。

マイク:ジュネーブ条約を読んでください。Guantanamoで収容されている捕虜は対象外です。また、このような人たちは犯罪者として取り扱われるのではなく、処刑される位置づけの人たちです。すなわち、生きている事自体が”恩赦”である存在です。アメリカは現地に引き渡すと殺される存在に対して慈悲をあたえ、リスクをとってまでしても一部を自由にし、リスクをとりたくない、もしくは受け入れ先が無いのが現在残っているわけです。選挙で政治家として発言したオバマ氏でさえ、ブッシュと同じ判断に至っています。

エミ:あの、だからさ、わたしはかれらは犯罪者もしくは捕虜として扱われるべきだ、と主張しているの。犯罪者なら公正な裁判を受ける権利があるし、捕虜ならジュネーヴ条約の保護を受けます。そのどちらでもないと決めつけたのはブッシュ政権であって、わたしじゃないですよ。

マイク:権利のない人を権利のある人同様に”犯罪者”として扱う事は危険です。その為にジュネーブ条約が有ります。あなたはジュネーブ条約を盾にした意見を述べていますが、同時にジュネーブ条約を無意味にしています。その矛盾を理解していただけないのなら話は前進しません。どちらでも無いと決めつけているのはブッシュ政権ではなく、ジュネーブ条約です。一度ジュネーブ条約を読んでみてください。

ジュネーブ協定を強調していながら協定の内容を理解していないエミちゃん。自分で下調べをせずにリベラルトークショーホストの受け売りで物をいうからこういうことになる。

また、こういう人間たちをアメリカ国内の刑務所に収容することの危険性についてもマイクさんはこう説明する。

すでに釈放されている人口のうち、7人中1人は釈放された国でテロを行っています。これまで、テロ容疑でアメリカ国内で逮捕された人は獄内でリクルート行為を行い、その結果、未遂に終わっているが、国内でのテロ事件はこの人たちによって計画され、実行に移されている。

罪が無い人がテロのレッテルをはられる事は問題かもしれないが、Guantanamoにいる囚人はテロに関与していると断言しても良いほどテロに関わってきた人たちだ。その人たちをアメリカの犯罪者と一緒の環境においても良いと言う考え方に問題があるとおもいますが、いかがでしょう? それとも、囚人の家族には説明しなくても良いと?

エミちゃんはテロリストが国内の刑務所に収容された場合の脱走の危険しか考えていない。だが、危険なのは脱走だけではない。

これらテロリストがアメリカ市民の犯罪者をテロ集団に勧誘する可能性も考えなければならない。刑務所で知り合った釈放間近の収容者をスパイに使う可能性もある。また国内に収容すれば、国外では与えられなかったアメリカ国内の法律がテロリストにも当てはまるという議論が生じる。そうなれば、テロリスト仲間の弁護士などを通じて国内でのテロ作戦が実行に移される可能性は大きい。

また、テロリストでも重要人物が何処の刑務所に収容されているかが公になれば、テロリスト仲間による刑務所攻撃テロも充分に考えられる。地元の人が反対する理由はこの危険性を恐れてのことである。

グォンタナモは閉鎖すべきだ、テロリストは国内の刑務所に移すべきだ、と言うのは簡単だが、そうした場合に起きる国土保証に危険を及ぼす大きな弊害についてエミちゃんをはじめ、リベラル連中は全く考えていない。人権がどうの自由がどうのと大騒ぎする割には、アメリカの自由もアメリカ人の人権も踏みにじろうとするテロリストによる攻撃には全く無頓着なリベラルたち。

エミちゃんは以前に、ブッシュ政権時代の取り調べ法は憲法違反だと書いていたが、これには全く根拠がないばかりか、完全な誤りである。エミちゃん風に言えば「嘘」である。それにういてマイクさんの説明はこうだ。

”水攻め=拷問”とするにはまず、拷問を定義しなければなりません。人の命を助ける目的で水攻めなどの行為を行う事は”拷問”ではないと判断されています。すなわち拷問の”Intent”がなければ拷問ではない。これがアメリカ法務省が下した結論です。この結論に基づいて政府の役人が業務を遂行した。それを後からリベラルの方々は”犯罪”扱いにしている。何を根拠に? 人の命を守るため、法の範囲内の行動を行った人を裁判に引きずり出し、人生を破壊し、どのようなメリットをMacskaさんは得られるのですか?

すべてのやり取りを読んだわけではないのだが、きちんと事実調査をしているマイクさんに比べ、いかにエミちゃんが印象だけで事実に基づかない議論をしているかが解る。

June 9, 2009, 現時間 2:55 AM

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コメント

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下記投稿者名: Libra

テロ容疑者がジュネーブ条約で保護されるかどうかは大いに議論の余地があると思うのですが
主要メディア(ドラマなんかも)では当然のものとして扱われるケースが多いですね。
自分はこれに違和感を覚えます。
テロ容疑者は兵士どころかゲリラ兵と認められるかどうかも微妙ですし
国際法の解釈も加わって恐ろしく複雑。
かといって普通の犯罪者とするには危険すぎるし・・・
難しい問題ですね。
そもそも人道的なテロ対策なんてあるのかどうか・・・

上記投稿者名: Libra Author Profile Page 日付 June 10, 2009 9:14 AM

下記投稿者名: Sachi

やっと時間が取れたので、国防についてだけコメントのかたちでエミちゃんの反論の反論に反論する。健康保険のことについては別のエントリーで反論したので、それは省く。

そりゃあ、わたしだって仮に水攻めにあったら、自分はテロリストですとも、こんな陰謀に加担していましたとでも、それで水攻めをやめてくれる可能性があれば何とでも相手の聞きたいことを話すでしょうね。拷問して得られた情報なんてその程度の信用性しかないよ。

自供の裏が取れなければもちろんそうだ。しかし、事情聴取をする側はある程度の事実をふまえている。自供とその既存の事実が一致しなければ、水攻めを逃れるために行き当たりばったりのことを言っていると判断できるが、事実と一致していれば、供述は正しかったことが確認できる。水攻めによる自供によって計画中のテロ事件が未然に防がれたという事実も忘れてはならない。

わたしが異議を申し立てているのは、オバマが国民の生命なんて何とも思っていない、ゴキブリが死んだ程度にしか思っていない、という記述についてであって、オバマが賢明な政治家でない、というだけならわたしは何も言っていなかったのね。

その違い、わからないですか? オバマがナイーブで思慮に欠けていて大統領失格である、というのと、オバマは冷血なソシオパスで国民が死んでもただの騒音としか思っていない、というのでは、全然違った話になるの。前者は政策の是非や指導者としての資質についての議論であって、オバマを批判する人がいるのは健全だと思うけれど、後者みたいな批判はとても健全とは言えないでしょ。

自分と意見が違うから相手が解ってないと思い込むのが左翼リベラルの悪い癖。なぜミスター苺がオバマはソシオパスだと思うのかという理由はきちんとエントリー内で説明しているので繰り返さない。エミちゃんがその事実に同意できないなら、どうして出来ないのかきちんと根拠を上げて説明すべき。気に入らないから健全ではないという批評は意味がない。

外国の兵隊が侵略してくれば、抵抗するでしょうが。どこがいけないの? そして捕獲された敵側戦闘員は、ジュネーヴ条約に基づいて捕虜として扱う義務があり、拷問するなんてもっての他だし、戦争が終われば帰国させなければいけない。当たり前のことです。

国同士の闘いで正規軍による抵抗ならばそうである。だが、テロリストは不正規戦闘員であり、ジュネーブ条約にもそういう人間の扱いは正規軍の捕虜とは違うということが明記されている。それに、対テロ戦争は終わっていないし、帰国させたテロリストが再びテロ行為に走った事実もあるので、半永久的な拘束は免れない。「当たり前のことです。」

米国がかれらを捕捉して勾留するなら、それはかれらをジュネーヴ条約によって取り扱いを定められた戦争捕虜として扱うか、あるいは米国憲法修正五条でデュー・プロセスを保証された犯罪容疑者として扱うか、どちらか一方にしなければいけない。ところがブッシュ政権は、ジュネーヴ条約も米国憲法も適用されない存在として、そのどちらでもない「敵側戦闘員」というカテゴリを新たに作り出してしまったのね。

マイクさんが指摘しているように「敵側戦闘員」のカテゴリーはジュネーブ条約にすでに含まれているもので、ブッシュの創作ではない。ブッシュ大統領は国際法違反も国内憲法違反もしていない。

事実から指摘すると、オバマはその弁護士を裁判にかけようと示唆しておらず、裁判になるかどうかに自分は関与しないと言っているだけだし、

前政権の高官が合法におこなった行為を裁判にかけるような状態は、民主主義の大統領として断固阻止すべきなのだ。示唆などしていないというが、黙認するなら同じことだ。

カカシさんはおかしいんだよなぁ。小さな政府を主張して、国家権力の増長に批判的なはずなのに、なぜか「テロリズム」の話がでてきた途端に、政府が国際法や憲法を無視しても構わないという話になるんだもんなぁ。

まず私はブッシュ大統領が憲法や国際法に違反したというエミちゃんの前提を認めない。だが、非常時に政府が自国の憲法を一時差し止めるという行為は過去にもされている。無論それを国民が許すことは非常な注意を要する。なぜなら権力者は非常時を言い訳に権力増長を促進する可能性があるからである。だが、テロリストによる攻撃はブッシュ政権による妄想ではない。実際にテロ攻撃は起きたのである。外敵からの脅威は事実なのである。エミちゃんは未だに9月10日のような言い方をしているが、国が滅ぼされてしまったら憲法もなにもないではないか?

エミちゃんが尊敬するルーズベルト大統領も第二次世界大戦の時にどれだけ憲法違反をしているか、ちょっと勉強してみてほしいね。

また、国際法というのは国同士の間での取り決めであり、それが自国の安全を脅かすものであったら、個々の国が尊重できないのは当然だ。国際法の前提に個々の国の安全を脅かさない限りという前提があるはず。そうでない協定に署名する国など存在しない。

大統領の最大の責任は国民の安全を守ることである。他の国に良く思われないからと遠慮して、テロリストの攻めやすいような危険な状態に国追い込むのは大統領として失格である。ブッシュ大統領はその責任を身を以て証明してくれた立派な人間だと私は考える。

それに比べてオバマ王は自国の安全より他国にどう思われるかというようなグローバリズムにしか興味がない。アメリカの大統領として無責任である。

カカシ

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 June 11, 2009 11:40 AM

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