March 5, 2009

オバマ陣営、人気トークショーホストへの攻撃は逆効果かも、、

アップデートあり:後部参照のこと。

いつものことながら、カカシは今出張中でサンディエゴに居る。それで昨日ラッシュ・リンボーについて書いたことをミスター苺に電話で話したら、「俺も書いたよ。読んでないのかよ。」と言われた。やっぱ離れていても夫婦だなあ。考えることはおんなじだ。ミスター苺はホワイトハウスによるリンボーへの攻撃は逆噴射する可能性があると言う。それで今日は読者の皆さんにもミスター苺の分析を読んでもらおうと思う。以下はミスター苺著


ラッシュ・リンボーを「共和党の頭」と決め付ける「ラッシュボー作戦」("Operation Rushbo"、この呼び方はポリティコのジョナサン・マーティンが名付け親らしい)は、当初クリントニスタ(クリントン派)によって始められたが、今や直接ホワイトハウスが指揮を取って行われているが、この作戦には二つの目的がある。

  • リンボーの片をもつかどうかで共和党内の極保守派と穏健派の間に溝を掘る。
  • リンボーを共和党の顔にすることで、一般の有権者を共和党から遠ざける。(クリントニスタによると、一般人はリンボーを嫌っていることになっている。)

今日はどこでもこの話題でもちきりだった。(略)

だが、俺(ミスター苺)は、誰も彼もジェームス・カービルやポール・ベガラやラーム・エマニュエルの結論を、素直に受け入れすぎてる気がしてならない。それはラッシュ・リンボーへの攻撃が、リンボーの人気を高め民主党を助け共和党を傷つける、というものだ。下記はポリティコより。

大きければ大きいほうがいい、とカービルも同意する。「我々にもとても良いことだし、彼(リンボー)にも良い、メディアにも良い。」とリンボーについてカービルは言う。「ただ一人損をするのは議会の共和党員たちだけだ。」

しかしここで深呼吸して考え直してみようじゃないか。ラッシュボー作戦が民主党に良くて共和党に悪いって誰が決めたんだ?俺はそれは逆だと思うがね。 民主党がラジオトークショーホストのラッシュ・リンボーに執着すればするほど、民主党はふざけた党だという印象が固まるし、共和党にも民主党の誤りにつっこみを入れる機会が生まれる。これがどういうことなのか、三つの点をあげて説明しよう。

1 議論するのが仕事の男に議論を吹っかけている。

大統領も大統領の男たちも世界一おおっきなメガホン持ってる男を攻撃するのがいい考えだと思ってる。リンボーの毎日の番組には2千万からの聴取者がいる。しかもリンボーは今日(こんにち)のアメリカでもっとも政治討論に堪能な男だ。そして 奴さんは、バラク・H・オバマなんて誰も聞いたことない時代から政治討論にずっと勝ってきた男なのだ。そんな奴に議論を吹っかけるのって賢いやり方か?

民主党がリンボーに焦点をあてればあてるほどリンボーは注目される。ということはより説得力のある反「オバマニズム」が放送され、 より多くの人々が(もちろんジャーナリストも含めて)大統領や議会に答えを要求するようになる。そして大統領の方針が馬鹿げていればいるほど「富を振りまくさん」とトークショーホストが呼ぶ大統領の信用度が落ち、配管工のジョーとの時みたいに民主党は大負けするだろう。

魔法のテレプロンプターからオバマの目を引き離して、現時間でのやり取りになんかなったらオバマにとっては悲劇だ。もちろんこれは共和党には都合が良い。だからリンボーは張り切って大統領に全国テレビ中継の討論をしようと挑戦したわけだ。(もちろんそんなこと起きるはずないが)

2 ひとつ余計な質問をしている。

本当かどうかはわからないがエイブラハム・リンカーンについて有名な逸話がある。飲み屋の喧嘩で相手の耳を食いちぎったという容疑で裁判にかかっていた被告の弁護をリンカーンがしていた裁判中、リンカーンは喧嘩を目撃した証人に質問した。

「あなたは被告が耳を食いちぎるのを実際に目撃 したのですか?」とミスターリンカーン。

「いえ、直接は見ていません」

「相手の男を被告が噛むのを見ましたか?」

「いいえ、見ていません」

「喧嘩を目撃しましたか?」

「いいえ。それもありません。」

リンカーンは一度息をつき、芝居がかった大げさなしぐさで「ではどうして被告が相手の男の耳を食いちぎったとわかったのですか」と答えを要求した。

それは、被告が後で耳を吐き出すのをみたからです。」と目撃者。ここでリンカーンは即座に質問がひとつ余計だったと気が付いた。

民主党は特にリンボーが、バラク・オバマには「失敗」して欲しい、といったことを何度も持ち出している。リンボーがこの発言をした時は、ジョン・S・マケインも含め、多くの有権者がオバマによる景気回復計画が成功して欲しいと願っていた。

この発言だけ聞いていると、リンボーは景気が悪くなれば次の選挙では共和党が選ばれるという下心でアメリカ の景気回復に失敗して欲しいと言ったのだと民主党は主張したいのだが、そういう考えは共和党より民主党が持つ考えだ。「決して危機を無駄にしてはいけない」と言ったホワイトハウス主席補佐官のラーム・エマニュエルの発言 を思い出してもらいたい。

リベラルがこの発言をほうっておけば、確かにラッシュ・リンボーのイメージは傷つき、共和党も痛手を受けたかもしれない。しかし彼らはそこで止められなかった。この発言を全国的な問題に広げ、リンボーに「失敗して欲しい」とはどういう意味だ、答えろ!と要求したことで、つまりひとつ余計な質問をしたことで、リンボーに説明の機会を与えてしまったのだ。

ラッシュは「オバマの過激な方針は我々の知るアメリカを破壊し、アメリカをスエーデンやフランスのようにしてしまう。私はオバマの過激な計画は失敗して欲しいと切に願う。 そうして偉大なるアメリカの体験が勝ち、再びわが国がロナルド・レーガンが目覚めさせた丘の上に輝く町としてよみがえって欲しいと思う。」と説明した。当たり前のことだが、奴さんの言うことは全くもっともなことだ。

3 危機ではなく試練

ホットエアーによると、ラッシュボー作戦のもともとの目的は、保守派の過激派と穏健派との間に争いを起こさせることにあった。共和党があわててリンボーを攻撃したりしてるところを見ると、その点では成功したと言えるだろう。俺が強く支持する全国共和党委員会(RNC)のマイケル・スティール会長が、リンボーをこき下ろしたのはみっともなかったね。

そういう面では民主党は得をし共和党は損をしたと言える。だが、問題なのは作戦そのものではなく、共和党の馬鹿げた反応にある。もっときちんとした反応をすることが共和党に与えられた試練だ。ラッシュボー作戦は両刃の刃であり、反応次第で指揮者を切り刻むことが出来るのだから。

共和党は先ず無視することから始めることだ。これはもし誰も持ち出さなければ自分から持ち出すなってことだ。いらだった記者が共和党議員に直接質問したら、「ラッシュ・リンボーは立派なラジオトークショーホストです。氏は明解に保守派の考えを語ります。我々はわが国のためを本当によく考えてくれているラッシュやほかのトークショーホストからの意見をどんどん聞きたいと思います。しかし
はっきり申し上げますが、共和党のリーダーは全国共和党の高官および会長です。」

そして共和党議員は記者の目をはっきり見据えて微笑み、「アメリカ市民が本当に知りたいのは、どうして民主党はいつも、納税者が大統領や彼の味方のリベラル議会に難しい質問をする度に、ラッシュ・リンボーや配管工のジョーのような一般人を攻めるのかということです。どうしてあなた方のようなエリートメディアは何時も何時もオバマ大統領と一般人のジョーやラッシュという軍隊の前に身体を投げ出す人間の盾になるのですか?どうしてあなた方はジェームス・カービルやラーム・エマニュエルの提灯持ちをやってるんですか?」

こうすれば結果は共和党が得をし民主党が損をするという風に逆転すると思うね。

ラッシュをまとめると

つまり、俺たちが馬鹿みたいに馬鹿な反応をすれば、ラッシュボー作戦は成功し、共和党は傷つくだろう。だが、俺たちが半分でも賢明な反応をすれば、民主党の方こそ報道官のロバート・ギブスのもつれた舌みたいにもつれちまうだろう。そうすれば共和党は再び多数派党に返り咲けるというものだ。

対戦相手が完全な馬鹿であることに頼る作戦は愚かな作戦だ。またまたクリントニスタは墓穴を掘ってしまったのだ。だが、これを生かせるかどうかは共和党の指導者たちの肩にかかっている。むろんここでいう指導者というのはラッシュ・リンボーのことではない。

アップデート:3月17日付けで産経の古森義久さんもラッシュについて書いているので、リンクを張っておく。

March 5, 2009, 現時間 7:06 PM

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